2020/09/09 のログ
ご案内:「第三教室棟 屋上」にセレネさんが現れました。
セレネ > 残暑はあるものの、真夏より比較的過ごしやすくはなった時刻。夕方。
湿気はあれど風は幾分涼しい為、体温調節にやってきた。

「私は変温動物か。」

幻生の研究室で世話をしている、トカゲやヤモリやカメレオンのような。
思わず自分にツッコミを入れながらも日陰のベンチへと歩き、座る。

――昨日受けた傷は当然ながら完治させた。
だが、瘴気が入り込んだかまだ痛む。
怪我をしていた方の脇腹を押さえ、苦い表情を浮かべた。

ご案内:「第三教室棟 屋上」に霧島 孝介さんが現れました。
霧島 孝介 > 黄昏時の屋上。
猛暑も鳴りを潜め、少しは涼気が漂う時間帯。
蝉の音と風の音が鳴り響き、心地の良い、喧騒とはかけ離れた場所に
  
少年が空から『落ちてくる』

「うぉぉぉおお!!」

グルグルと体を回転させ、情けない叫び声を上げ
喧騒を突き破り、文字通り空から落下してくる。

このままでは地面に激突する。
そう思われた瞬間、背中に背負っていたジェット付きのバックパックが火を噴いた。

「ちゃ、着、地…!!」

位置エネルギーをジェットの推進力で相殺しながら、少し強めに、半ば激突するような形で
地面に両足を付いて、日陰のベンチの手前に着地をする。
衝撃で体が少し痺れるものの、大事は無いようではあるが…

問題は、ベンチに座っている少女のリラックスタイムを一気にぶち壊したことか

セレネ > しゃわしゃわと遠くで聞こえる蝉の声と、鈴虫の甲高い音が耳に届く中。
人の叫び声のような音が聞こえた。
弛緩していた精神を一気に警戒させ、どこから聞こえるか処理をする。

――空?音は上から聞こえる。
蒼がオレンジの空を仰ぎ見ようとした瞬間、何故か”降ってきた”人影に瞬いた。
制服を着た黒髪の少年。という事は同じく生徒であろう事は間違いない。
押さえていた脇腹から手を離し、努めて平静を装って、しかし隠し切れぬ訝しさは滲むかも。

「……ぇと、こんにちは…?」

危うく英語で話かけたが寸でのところで日本語が出た。
何処か怪我はしていないだろうか。というか何故空から来たのか。
聞きたい事はあれど、まずは挨拶が大事。

霧島 孝介 > 「死ぬかと思った……俺飛ぶたびに死ぬかと思ってないか…?」

空を自由に飛んで空中戦闘。
誰もが憧れるシチュエーションだが、自分には無理なのかもしれない。
今は飛ぶのでも精一杯だし、途中でジェットの不調で落下するし…
幸い、着地の時はギリギリ作動したが。

溜息を吐きながら背中のバックパックを光として消し去れば、隣からの声にビクッと反応する。

「あ、え、こ…こんちは…」

こんな時間帯に、ましてや直ぐそばに美少女が居るとは思わず
一気に陰キャモードへ。
「あ」から文章を始めるのが特徴のこのモードだが、とりあえず挨拶だけは出来る様で
彼女の挨拶に、自分の挨拶をしっかりと返す。

勿論、視線は逸らす。

セレネ > 普通は空飛ばないものね、そりゃ生きた心地はしないよね。
なんて彼の独り言が聞こえてつい内心でうんうん頷いたりしつつ。
様子を眺めていたら彼が背負っていたバックパックが光となって消えた。
魔力等のエネルギーは一切視えないから、これは相手の異能なのだろうかと頭の中で思考を巡らせつつ。
肩を震わせて驚いた様子に、少しばかり申し訳ない気持ちが浮かんだ。

「どこか怪我はしていませんか?」

とりあえず心配なのは怪我の有無。緩く首を傾げて問いかけて。
どもる声といい、視線を合わせぬ様子といい。
成程、他者とのコミュニケーションが苦手なタイプかと察知する。

「ベンチ、座りますか?立ったままでは辛いでしょう。」

真ん中に座っていたが、少しズレてスペースを開けてみる。
相手が座っても座らずとも己は穏やかな表情のまま。

霧島 孝介 > 空から落下し、そして着地し、消えた背中の物体。
それが彼の異能。正確には異能によって生み出された道具(モノ)。
蒼く輝く光は、彼が思えば様々なモノへと変換され、生成される。

「え、えぇ…はい」

怪我をしていないかという問い掛けに視線を伏せながら返事する。
心配する相手に視線を伏せながら、というのが如何せん失礼だ。
しかし、彼もそのことは自覚している様子で、時折顔をチラ見するも、目が合いそうになればささっと視線を逸らす。

「あ、え!?あ、あの、そそ、そういうのは、もっと仲良くなってからっていうか、その」

コミュニケーションが苦手というレベルではないどもり方。もはやどもりのプロである。
彼女の提案はとても素敵だが、隣に座っても会話が続かないだろうし、彼女にキモがられるだろうし

何より美少女が近いのはしんどい。
えぇ。対人経験値がやっとマイナスから0に近づいて来た自分にとってはかなりつらいものがある。

それらの結論から、彼女の提案を断ろうとして

セレネ > 人が持つ異能も非常に興味があるから、
それが本当に彼自身のものであると分かれば色々と話を聞くのだろうけれど。
如何せん、確信には至れていないから聞かずじまい。

「そうですか、良かった。
――しかし、何故空から?飛行実験でもしていたのです?」

部活動の一環だろうか。
一向に此方に視線を向けないどころか伏せる相手に苦笑しつつも気にしないよう話題を振って。
しかし時折チラチラと顔を見る辺り、どうにかしようという気はあるらしい。
その努力が、微笑ましくも見える。

「…あら、そうですか。
では…そうですねぇ…私が立てば宜しいでしょうか。」

隣、というのが駄目だったか。断られてしまえば。
ならばとベンチから立ち上がった。これなら彼は座れるだろうという考え。
ついでに少し離れて、日陰から出ない所で立ち止まる。
これはこれで気を遣わせてしまうかもしれない。

霧島 孝介 > 「ああ、あはは…
 そ、そんな感じです。はい…」

苦笑いで彼女の言葉にそう返せば、冷や汗をかく。
部活の一環でも何でもないが、飛行実験と言えば間違いではない。
凄く恥ずかしそうに頬をかいて、困った顔で笑みを浮かべる。


「あ、いや、座ります!一緒に座ります!!」

彼女が自分に気を利かせて立ち上がった瞬間にハッとした顔を浮かべ。
真っすぐと彼女を見て力強くそう告げる。
どうやら彼女の中では、自分が座ることが優先みたいな感じになってしまっているのだろう。

彼女がリラックスしていたであろう時間を阻害してしまった上に立たせるなど言語道断。
彼女と一緒に座ることを選択して、彼女から離れたベンチに端にそそくさと座る。

セレネ > 「空を飛ぶのはロマンですからねぇ。
男の子なら一度くらい、空を飛んでみたいとか考える事があるとかなんとか…。」

そんな事を聞いた気がする。
恥ずかしそうに頬を掻く相手に蒼を細めて答えた。

「――ふふ。目、合わせようと思えば出来るじゃないですか。」

彼の茶色が己の色素の薄い蒼を真っ直ぐ見据えた。
そうして力強く答えた声に、くすくすと思わず笑みを洩らしてしまって。
自身より他者を優先とするのは、元の世界でついた癖だ。

両手を身体の前で重ね合わせ、姿勢正しく立っていたけれど。
このまま己が座らないままだとそれはそれで申し訳ないか。
互いにベンチの端に座る形で、己も再び腰を降ろし。

「そういえば、貴方のお名前をお伺いしても宜しいでしょうか。
私は一年のセレネと申します。」

相手の学年はどうだろう。蒼を其方へ向け、自己紹介。

霧島 孝介 > 「そりゃあ、勿論!あ、じゃなくて…はい、そうですね」

彼女の言葉に少し前のめりになりながら、力強く同意する。
根は男の子の彼。空を飛ぶということにロマンを感じることに関しては嘘は付けず
練習しようとした結果、落下に結び付いてしまったのだ。

「んん~…!」

彼女の笑みに此方は顔を少し赤くして、恥ずかしそうに俯く。
お互い、自身より他人を優先するタチなのだろうか。
彼女が気を遣おうとしたならばこちらも気を遣う。

お互い気を遣い合って疲れる前に、自分が折れようという結論に至り、座る事としたのだ。
しかしまぁ、彼女の場合は全然疲れていないようだが。

「俺は、き、霧島 孝介。1年です…はい」

彼女の言葉を聞き、セレネと小さく復唱した後に自身の自己紹介を済ませる。
同じ1年だ。という反応は心の中でしているが、そんな話題提示自分からは出来ずに
手を拳にして膝の上に乗せ乍ら、身を縮めて座っている。

そう、自分から会話を切り出せない。
これが陰キャの特性なのだ。

セレネ > 「ふふふ。私は男の子ではないので、そういうロマンはあまりよく分からなかったりしますけれど。
…あとは何だったかな。武器とか、ロボットとか…ヒーローとか?」

男の子が憧れる、ロマンあるものといえば。
己が思いつくのはそれくらいか。
相手が前のめりになり同意したのを見ると、話題はそういう系統に振れば話しやすいかなと分析して。

「あら、恥ずかしがらせてしまいましたか。
ごめんなさいね。」

初対面ながら、恥ずかしがっている相手が少し可愛く見えてしまった。
一応の謝罪をすれば

「霧島さんですね。
ご同輩なのですか。なら、もしかしたら同じ講義を受けてるかもしれませんねぇ。」

身体をガチガチに固まらせている相手を見ていると、どう解してやれば良いのか悩んでしまう。
臨床心理学はまだ勉強途中なんだよなぁ…と内心歯噛みしながら、
彼の緊張をどうにか解してやれないかと話しながら思案を巡らせ。
特に、彼自身から話題を切り出せないのは気にしていない。
それだけでも伝われば幸いか。