2020/09/19 のログ
ご案内:「第三教室棟 教室」に綿津見くらげさんが現れました。
綿津見くらげ > 人の気配もまばらな放課後の校舎。
本日最後の授業を居眠りで過ごした少女、綿津見くらげ。

「………。」
ふと目を覚ませば授業は既に終わっていた。
周りを見渡せば、教室に残る人は殆どおらず……

何か悪い夢を見ていた様で、眠りが浅かったが、
内容は詳しく思い出せない。

西日差し込む教室ですっきりしない寝覚めを迎え、
さて、今日はもう帰るか、それとも何処かをふらつくか、思案に暮れるのであった。

ご案内:「第三教室棟 教室」に雨見風菜さんが現れました。
雨見風菜 > そして居眠りしていた少女がもうひとり。
雨見風菜。

「……」

す、と音もなく目が覚める。
背筋を伸ばし、少しうつむいていた顔が上がる。
授業中の教室の中で、彼女が寝ていたと気づいたものは誰も居なかった。

「む、寝ていましたか」

綿津見くらげ > 寝起きは喉が渇いて仕方がない。
鞄からペットボトル飲料を取り出し、ぐびぐびと勢いよく飲み始める。
ここ最近、特に乾きが強くなってきている気がする。
糖尿病か何かじゃないかと、一抹の不安。

「…………。」
ぼんやり辺りを見渡せば、
自分と同じく寝起きな雰囲気の少女が一人。
名前は何と言ったか……
綿津見くらげは本格的に授業を受け始めたのは後期に入ってからだ。
まだ級友の名前すら、殆ど覚えていないのである。

雨見風菜 > こちらも水分補給。
『物体収納』していた麦茶を出して、ひと口。
寝起きの姿も、いま水分補給している姿も清楚な姿。

「……わた、わた……わたぬきさん?」

どうやら寝起きであまり頭が回っていないようだ。
思いっきり間違えている。

綿津見くらげ > 「………?
 ……誰だ。
 わたぬきとは。」
少女が誰か呼んだようだ。
声は自分に向けられていた気もする。
が、その名前に心当たりは無く、綿津見くらげは首を傾げる。


「………。」
改めて周りを見回してみても、他に誰も居らず。
……やはり自分に声が掛けられたようだ。

「わたつみ、だ。
 綿津見くらげ。
 用か、何か?」

雨見風菜 > ぼーっと相手の反応を見て。
もうひと口麦茶を飲む。
冷たさに頭が冴えてきた気がする。

そんなところで彼女の訂正にはたと我に返る。

「あ、あれ。
 名前を間違えてしまっていましたか、失礼しました」

ここに至って、自分が呼び間違えたことに気付く。

「用、というかなんというか。
 居眠りしてたみたいですね、私達」

あはは、と失敗したような、そんな苦笑を浮かべて。

綿津見くらげ > 「気にするな。
 して、何と言ったか、お前の名は?」
名前を間違えるどころかそもそも覚えていないくらげ。

「その様だな。
 良く寝た。今日も。
 おはよう。」
居眠り常習犯のくらげ、いつもの事と悪びれる様子も無く。

雨見風菜 > 「雨見風菜。
 ご覧のとおり、クラスメイトですね」

嫌な顔ひとつせず、名乗る。
自分が彼女の名前を知っているからと言って(間違えたが)、
交流したわけでもないので彼女が自分の名前を知らなくて当然、と言わんばかりに。

「あら、堂々とされちゃって。
 もしかして、常習犯ですか?」

くすくすと、笑いながら。
そこに咎める声色はない。

綿津見くらげ > 「風菜。
 クラスメイト。
 ……覚えた、多分。」
人の顔と名前を覚えるのは苦手だが、
恐らく初めてまともに喋った女子生徒でもあり、
多分くらげの記憶には刻み込まれた事であろう。

「うむ。
 耐えがたい、午睡には。」
おかげで、授業内容はすっからかんである。


「夜更かしか……?
 風菜も。」
居眠りの原因は、夜更かし。
昨夜もアニメやマンガ、ゲームを消化するのに忙しかった。

雨見風菜 > 「ふふ、よろしくおねがいします」

くらげの自信のなさに、もしかしたら忘れられるかも知れないとは思いつつ。
まあそういうこともある、程度にしか考えていないが。

「分かります、油断すれば夢の世界へご招待されますね。
 夜ふかし……ええ、そうですね」

言いつつその実、床についたのは早かった。
昨日手に入れた本……の魔力に、ある魔術系統を教え込まれていたのがその真相。

綿津見くらげ > 「夢の世界……。
 ……気がする、見ていた。
 悪夢。ナイトメア。」
はっきりとは思い出せないが、
何か非常に気分の悪い夢を見ていた。
しかもそれは、何度も見た事がある様な気がする。

「美容の敵ぞ。
 夜更かしは。
 ……何、してたの?」

雨見風菜 > 「夢の世界……。
 悪夢、ですか」

風菜のおせっかい癖が鎌首をもたげる。
あまりにもうってつけのような。

「夢に関わる魔術の修練をさせられてました。
 ついうっかり、そういう魔術書を手に入れてしまったばかりに」

力になれるかも知れないと思い、詳細を明らかにする。

綿津見くらげ > 「魔術。」
実のところ、今までくらげにはあまり縁も無く、よく理解していない力だ。
しかもそれは夢に関わるもの、と。

「夢の、魔術。
 ……それは、どんな……?」
どの様に夢に関わるのだろうか?
望みの夢を見せる魔術か何かか……。

雨見風菜 > 「自分の夢を支配する魔術。
 他人の夢に潜り込む魔術。
 今のところ、使えるのはそれだけですね」

それ以外の魔術は、おいおい覚えられるだろうと、あの魔力の塊は言った。
一体どのようなものかすら分かっていないが、風菜自身なんとなくそんな感じもしている。

「基本的な魔術は使えないんですが、どうにもこういう珍しい系統に向いてるみたいなんですよね私」

自分で言ったとおり、基本的な魔術すら使えない。
火をおこす、水を湧かせる、といったことも出来ない。

綿津見くらげ > 「見れるのか。
 好きな夢を。」
もしそうなら、夢の中でやりたい放題……
悪夢も見ないで済む。
なんと愉快なことであろうか。
そしてもう一つは人の夢に入り込む物と。
夢とは一種のプライベート空間、
それを犯すとは……なかなか面白そうだ。

「珍しいのか。
 そういう魔術は。」
魔術の知識に疎いくらげ。
そもそも常世に来たのはこの春からで、
異能や魔術全般それほど理解している訳でもないのだが。

「良いではないか。
 レアキャラ。
 希少価値。」
特異な力はというのは持っているだけで貴重なモノだ。
何より、なんとなくかっこいいでは無いか。

雨見風菜 > 「好きな夢を見れる……うーん、ちょっと違うような」

魔術でなく、自分の好きな明晰夢を見る方法は存在する。
それに限らない魔術ではあるが、風菜自身もその辺りの違いはあまり良く分かっていない。

そして、他人の夢に潜り込む魔術には。
夢の中の自分が負った傷が現実の自分にも反映されたり、
夢の主が死ねば、現実世界の本人も、そして自分も死んでしまうことだったり。
お互いに見知った相手でなければならなければ潜り込めなかったり。
そういった制約が存在している。

「ふふ、ありがとうございます。
 ですが、やはり隣の芝は青く見えるものなんですよね」

風菜自身、通常の魔術系統が使えれば……なんて思うことは有る。
だが、それが自分の今使っている魔術系統と引き換えになるならば別にいいやとも思ってはいるが。

(だって『液体収納』便利じゃないですか)

雨見風菜 > (中断)
ご案内:「第三教室棟 教室」から雨見風菜さんが去りました。
ご案内:「第三教室棟 教室」に綿津見くらげさんが現れました。
ご案内:「第三教室棟 教室」に雨見風菜さんが現れました。
綿津見くらげ > 「見れるわけではないのか。
 好きな夢を。」
そういう力とは、ちょっと違う様だが……
ではどんな魔術なのだろう、とくらげは首を傾げた。

「入れるのか。
 夢に。
 私の?」
自分の夢に入られる、というのはどんな感じなのだろう?
綿津見くらげの興味は尽きない。

雨見風菜 > 「うーん、私自身あまりよく理解していないんですよね」

自分の見たい夢を見るなら魔術を覚えなくても済む。
ならば結局はどういうことなのか、風菜も考えては居るが答えは出ていない。
実のところ、焦点とすべきは夢の内容ではないのだが。

「ええ、今私と知り合いました。
 なので、くらげさんの認識する私として、くらげさんの夢を体感できます。
 VRゲームみたいな感じですね、アレをゴーグルなしで体感するようなものです」

綿津見くらげ > 「……面白し。」
他人の夢を、他人として体験することができると。
見る側としても、見られる側としても、
どういう気分なのか気になるものだ。

「では。
 入ってみるか?
 私の夢に。」
早速試してみたがる綿津見くらげ。

雨見風菜 > 「ええ、入らせてください。
 くらげさんの悪夢を、私で解決できれば……なんておせっかいかとは思いますが」

柔らかな笑顔でそう返す。
『くらげの悪夢の原因を見つけ、解決できるのか』という問題が横たわっているが……

綿津見くらげ > 「良いだろうな。
 楽しい夢の方が。
 どうせ入るなら。」
いつも悪夢ばかり見ているわけではない。
どうせなら愉快な夢の中に入れた方が面白い。

「しかし。
 悪夢だったら。
 すまん。」
しかし、いつも目覚めると忘れてしまう悪夢、
その内容だけでも知れたら、心のつかえが取れる気がする。

「じゃ、おやすみ。
 ………zzZ」
おやすみ、と一言告げると、
机に突っ伏し、30秒もたたぬうちに夢の世界へ旅立ってしまった。

果たして、今回くらげが見る夢はどんなものだろうか?

雨見風菜 > 「ええ、そうですね。
 悪夢なら原因を探る、良夢なら楽しむ、それで良いでしょう」

先払いの謝罪には、良いですよと返す。
そもそもが『自分なら解決できるかも』という自惚れが先行しているわけだし。

「早っ……いやでも昼寝全一よりはまだ。
 さて、それじゃあ……『夢潜り』しましょうか」

風菜も自分の席に付き、魔術を発動させる。
背筋を伸ばし、居眠りをしていたときのように座って眠りにつく。
旅立つ夢の世界は自分のものではなく、くらげの世界に……

綿津見くらげ > 「……スヤリスヤリ。」
なんという安らかな寝顔。
きっといい夢を見ているに違いない。
そんなくらげに、風菜の魔術がかけられていく。

そして、くらげの夢の中へと……。


薄く霧がかかったような空間。
白塗りの壁、床、天井。
窓の無い、一人には広い部屋。
……一体ここは何処だろうか……?

雨見風菜 > くらげの夢に潜り込んだ風菜。
現実世界と同じ、制服姿で床に降り立ち周辺を見渡してみる。

(これは……病室、にしては窓がありませんね。
 ゲームで言うならば、まるで研究施設の一室のような)

そう思うほどに、妙な部屋だった。

「とりあえずは、くらげさんを探して、この夢がどんな夢なのかの様子も見ないといけませんね」

そう独り言ちて、彼女の姿を探す。
とはいえ、夢の中では現実世界通りの姿をしているとは限らない。
そう、あの魔術書は言っていたことを念頭に。