2020/09/26 のログ
ご案内:「第三教室棟 職員室」に羽月 柊さんが現れました。
ご案内:「第三教室棟 職員室」に白泉椿丸さんが現れました。
羽月 柊 >  
職員室の扉に紫髪の男が手をかける。
片手には教材やら授業の資料やらを抱えて。

最近は他の教師の授業を手伝ったり見学したりだ。
『専門では無い人間に教える』というのがどういうことか、
対処や接し方を学ぶのに、先人の振舞いを見ることは大事だ。

中へ入れば、自分に割り当てされたデスクに荷物を置きに行く。
デスクの上は特に私物も無く、シンプルに学園用に購入したノートPCが閉じて置かれていた。
せいぜい小竜用の小さな座布団のような、彼らのスペースを作っているぐらい。


「あぁ、お疲れ様。」

引き連れた小竜たちも学園に馴染み始め、
通り過ぎる教師が通り際に撫でたり、挨拶していったりしていた。
教師である柊もまた、顔見知りになったモノが声をかけてきたりするのに応答しながら、
教材と資料の整頓をしていた。


その存在に気付くまでは。

白泉椿丸 >  
「うふふ、本当に久しぶりよね。
 ごめんなさいね、忙しく出入りしちゃって。けどもう大丈夫だから」

アタシこと、魔女薬学の担任教師――白泉椿丸。
まあ今はアタシの事なんていいのよ。今は挨拶が大事なの。
やっぱり数年離れちゃうと、知ってる先生もいなくなってたりするのよねぇ。
それが少し寂しいわ、ええ、とっても。

でも、別れの寂しさは生きている限り続くもの。
代わりにあるのが、新しい素敵な出会いっていう喜びなのよ…。


羽月柊は見てしまった。
筋肉隆々の巨体が、白く可愛いリボンで結ったポニーテールを軽やかに揺らす姿。
スマートかつラグジュアリー、なのにさっぱりとカジュアルなワンピース。
そう、ワンピースである。聞こえた声は低くも上質。かつ骨格は明らかに男のその人が、
見事な脚(それは鍛え抜かれている)に絶対領域を何故か生み出している、クッソ絶妙なワンピースであることを、見てしまっただろう。

そして、見てしまったという事は…見られてしまった、という事でもある。
明るい新緑を思わせる緑の瞳が、紫髪の教師をとらえてしまった。南無。


「あら?知らないお顔だわ!あなたも先生よね?」

羽月 柊 >  
──流石になんというか…、
異邦人との付き合いも多い柊だが、ある意味での別世界を見た気分だった。

常世学園は広い。
当然職員室も場所に寄るだろうが、今男が居るそこは広めで、
相手に気付くまで遅れたには遅れたのだ。

だが、見てしまったらもう、存在感がヤバイのである。

小竜たちは半口開けて相手を凝視していた。


「あ、あぁ、"も"ということは、貴方もか。
 この夏から教師になった羽月 柊(はづき しゅう)だ。初めまして。」

だが『異世界学』も教えるつもりをしている自分が、ここでたじろいではいけない。
努めて冷静に、言葉を返す。

そういう種族(?)なのかもしれないし。

白泉椿丸 >  
挨拶を返されると、これまたにっこりと屈託のない笑顔が羽月に返った。

「ええ、初めまして。羽月先生とおっしゃるのね!
 アタシは白泉椿丸という魔女よ。どう呼んでも良いけれど…そうね。
 出来たらジュディって呼んでもらったら、アタシは最高に嬉しいわ!」

そう挨拶をしながら、191cmの大柄な乙女がハイヒールをカッツンカッツン鳴らして近づいた。
羽月も決して低くはない背丈だろう。しかし、この椿丸は履物のお陰で2mを越している。
この白泉椿丸、背丈とガタイという圧は免れないが、表情や雰囲気は非常に穏やかだ。
にこっとした笑みを湛えたまま、羽月を僅かながら…いやそこそこに…見降ろしているだろう。


んまあ!近づいてみたら黒のように美しい綺麗な紫の髪ね!
でも少し水分が足りないような…ケアを気にしてないタイプの人かしら。
せっかくウェービーに伸ばしているのに、勿体無いわ……。
一晩アタシに貸してほしいわ。翌日には光輝くような姿で世界に羽ばたかせてあげるのに…。

…あらあら?もしかしてと思っていたけれど、この小さくも気高い白は竜かしらン?!
ンマ~~~~!!!カワイイ~~~~~!!!お口!なぁんてちっちゃなお口!
アタシみたいな存在は見たことが無いのかしら?魔女よ~!血筋からちゃんと魔女~~!
ちょっと背が大きいから怖いかもしれないけれど、慣れて頂かないと!ごめんあそばせ~~!!

ご案内:「第三教室棟 職員室」に雨見風菜さんが現れました。
ご案内:「第三教室棟 職員室」から雨見風菜さんが去りました。
羽月 柊 >  
桃眼が椿丸……もといジュディを見上げる。

この見上げる角度に覚えはある。
己の友人の1人に、これぐらいの背丈差はある。

あるのだが、感じるガタイと謎の圧の違いは明瞭だった。

研究者の柊はどちらかと言えばもやし体系に近い。
故に、この二人は並ぶとかなりあべこべに見えた。
他の教師が二人の会話を物珍しそうに見ていたり、
あるいはこれ幸いと授業に出かけて行ったりしていく中、話は続く。

声の質だけを聞けば間違いなく男同士の会話であるのに、
片方の口調の違和感がすさまじい。

かたや白衣が、かたやワンピースが揺れている…。


「…あぁ…では、ジュディ先生と呼べば、良いかな。
 魔女(?)なら、貴方の専門はやはり魔術関係になるのか?」

白泉椿丸 >  
「ええ、学園ではそう呼んで!
 プライベートで出会った時は、先生なんて要らないけれどね!」

素直にジュディと呼んでもらえたので、乙女は大変ご機嫌だ。
専門、もとい担う学科を聞かれると、いいえと首を軽く横に振った。

「もちろん魔術や魔法は扱うわ。一通りの魔法や魔術、呪術には精通しているつもり」

「けれど、アタシがここで教えるのは<薬学>なの。
 <魔女薬学>と言って、素材や環境から魔法の力を引き出して作るのよ。
 体質的に魔力が伴わない子も、沢山いるでしょう?そういう子でも、魔法と似たことが出来るのよ」

ニコニコと自身の専門を述べると、自分の顔横に軽く垂れる髪をそっとどける。
少し屈み、出来るだけ背丈の威圧感を無くした状態で――羽月の傍にいる小さな竜を見た。

良く見なくても全身がなめらかな長毛に覆われているのね。
寒地種でもなさそう…。どこの仔かしら。

「羽月先生の専門、もとい教えてる学科は何かしら?
 とても愛らしくて気高い純白を連れてらっしゃるけれど、そちらは関係あって?」