2021/10/17 のログ
ご案内:「第三教室棟 廊下」に深見 透悟さんが現れました。
深見 透悟 > 『んー、ずいぶんと日が暮れるのも早くなったじゃなーい』

夜の渡り廊下をふわふわ漂う不可視の幽霊。
今日は日暮れ前に起き出して、先日教えてもらった霊符ポートやらを申請しに行ってきたのだが。
姿は見えない所為でひと騒動あって、思ったよりも時間が掛かってしまって。

『だーから行きたくなかったんだけどね。ま、いっか。』

一応の滞在許可を貰い、晴れて公認幽霊となった透悟。
これで思う存分幽霊としてやっていけるぜ、と相成ったわけだけども。

『まあ、基本的にやらなきゃならないことって無いよね、幽霊だし。』

生活費も家賃も発生しない身の上だから、特にこれまでと何か変わるという事も無く気ままに漂っているのだった。

深見 透悟 > 『結局スマホも契約出来なかったけど。
 まー、そもそも幽霊が通信機器持ってるって方がおかしいわな。』

そもそも特定の誰かと連絡を取り合うこと自体が少しおかしいと思う幽霊。
もうちょっと気楽に気儘に行くもんだと、ほんの数日前までそう思っていたのだが。

『まあ、死んでからダチが出来るなんて思いもしなかったからな。
 ちょっと浮かれてたのかもしれん。幽霊だけに!』

ケラリケラケラ。静かな廊下に笑い声だけが響く。

深見 透悟 > 『結局ントコ、生者は生者どうし死者は死者どうしがスジってもんよ。
 そもそも活動時間帯からして逆転してんだぜ、無理してツルんでたらどっちかが体壊しちまう。
 ま、壊す体が無いんだけどなァこっちは。』

廊下の隅にぽつんと忘れられたボールペンを見つけ、拾い上げて。
くるくると回してみれば、さながら空中でひとりでにペンが回っているように見えるだろう。
くるくる回るペン先を眺めながら、あーあ、と溜め息をつく幽霊。

『贅沢言えばせめて死ぬ前に会えときゃぁなあ。』

後の祭りにもほどがある、とクツクツ笑いながらペン回しを止めた。

深見 透悟 > 『……って、なんでこんな辛気臭い独り言ぼやいてんだか
 やだやだ、死んでまで辛気臭いとか!いや、死んだからこそ辛気臭いのか?そもそも辛気って何だ?』

臭い、というくらいだから匂う物なのだろう。
それもあまりポジティブなイメージを受けない使われ方をしている。バッドスメル。

『死んでる上に姿が見えないで更に臭いとまで来たらもう目も当てられねえってもんだ。
 よーし、考え事終わり!考えてもしゃーないことが分かりました!だってノーミソ無いからね!』

シャキッと背筋を伸ばしたが、すぐさまだるんと猫背になる幽霊。
基本的に姿勢なんて見えないのだから関係ない、という自覚はある。

『さーて、そんじゃ公認幽霊となったところで、だ。
 景気づけに誰か驚かしてみようかね。誰か居るかな~』

ボールペンを持ったまま、ふわふわと歩き始める。
傍目に見ればボールペンが宙を舞っている状態。

ご案内:「第三教室棟 廊下」にイェリンさんが現れました。
深見 透悟 > 『そういやアレだ。
 人間に取り憑くには条件が居るけど、物とかならそこまで制限ないって話だったな。
 どーれ、一丁試してみるかぁ?』

手に持ったボールペンに意識を集中させてみる
物体の中に入り込むイメージが肝心、と霊符ポートの列に並んでいた先輩幽霊は言っていたっけと思い返しながら。
幾ら透明とは言え霊体は霊体。他の幽霊と出来ることは変わらない(見えないけど)のだ、と教わって

『くっ……すり抜けるんじゃなくて、中に留まる……留まる?
 このボールペン1本に?俺全部?無理じゃね?』

案の定、右手の人差し指がすっぽり収まって容量が限界を迎えた。嗚呼。

イェリン > 長らく図書館にばかり出向いていたが、講義やテストがあるという事は当然ながら教室の場所を知っておく必要もある。
口惜しい事に自分の方向音痴は徒歩五分を四十分にも化けさせるほどの代物らしい。
そうなれば時間のあるうちに土地勘を得てしまうのが手だろう。

「ここ、よね。
思ってた以上にすんなり見つかったわね、教室」

目的地は見つかった。
明日はまた同じ道をたどるだけで済む。
そんな帰りの道すがら、一本のボールペンが人知を超えた挙動を見せていた。

「……ポルターガイストの類かしら」

深見 透悟 > 『しかも抜けないッ!?
 綺麗にフィットしちゃった系か!マジかよ、俺の指、ボールペンの素質あった!?』

引っ張ってみたり振り回してみたりワイワイしていたが、割と早々に諦める。
その内取れるだろ、とボールペンと化した指を指揮棒の様に振ってみたり。結構楽しいことに気付く。
なお、はしゃいでる声も廊下に響いている。

『きーらーきーらー ひーか……るっ?
 お、誰か来た誰か来た。へいへーい、彼女ー!
 指がボールペンになった時の便利な対処法とか知らない?死んでても出来そうなやつ。』

はたと人影に気付いて近づいていくボールペン。
それに付随するように軽薄な声もまたついてくる。

イェリン > 浮いたり落ちたり暴れたり。
妙な動きだけでなく内側、あるいは付近から声だけが聞こえてくる。

「……霊体?
物理的に干渉できるとなると随分高位か事故でもおこしたのかしら。
残念だけど指の先にはトウモロコシ菓子くらいしか合体させた事が無いから、知らないわね。
死んでるなら憑依の対象を移し替えたりできないのかしら」

もとより精霊や霊体と交渉、あるいは滅するための技術の家の出だ。
驚きこそしないが、ここまで陽気な霊体という物を初めて見る。

深見 透悟 > 『そんなぁ~
 でもまあそうだよな、普通指がボールペンになったりしないもんな。
 憑依の対象……つっても、物くらいしか出来ないっぽいんだけど。俺だと。』

にべも無く知らないと言われた。ぐすん。
憑依の対象と言われても、実際何かに憑依しようとしたのはこれが初めて。他の物でも同様に憑依できる自信がない。
むしろ自信はさっきまで無駄にあったのに、ボールペンによって粉砕されたばかり。

『あ、俺スティーブンジョブズパー……じゃない、あぶね。
 深見 透悟っつー幽霊なんだけど。ヘソ出しフトモモおねーさんのお名前は?
 ていうか寒くない?大丈夫?』

イェリン > 「物、というよりもともとが人間なら無機物とは相性が悪いんじゃないかしら。
布、というより羊皮紙ならあるけど、試してみる?」

自分の手で素材の調達から加工まで行っているお手製品だ。
自然物から作っているから魔術や霊魂を込める際にエラーが起きづらくて愛用している逸品。

「フカミ・トーゴ、トーゴね。覚えたわ。
ヘソ出し? まぁ良いわ。私はイェリン。イェリン・オーベリソン。
寒くないどころか、ここちょっと暑いくらいなのよ」

服装について、人に会うたび言及されがちだ。
さすがに制服に着替えるかどうかが視野に入ってくる。

深見 透悟 > 『ほへ~……幽霊より幽霊に詳しいねえ!
 羊皮紙って、そんなもの持ち歩いてるの?ノートとかじゃなくって?
 驚き……だけど、ちょっと遠慮しとこうかな。羊皮紙になって何したいって訳でもないし……』

戻れなくなったら怖い。それならまだ指1本ボールペンの方がまだマシというもの。

『イェリン、イェリン・オーベリソンさん。イェリンさんでいっか。
 ははあ、海外の人だったのか。それならこの辺の気候に強いのも納得だ。よろしくね、イェリンさん。』

寒さに強いのは羨ましいなあ、と口にしてから
そう言えば今はもう暑さも寒さも感じない体だった、と思い出す。

イェリン > 「前例があるって事を伝え聞いているだけよ。
幽霊、なんて一括りに言ってもその人それぞれ違ってるんだから。
自分の魔術に合った道具を持ち合わせてるだけだから、この学園だとそうおかしくはないと思うけど」

言いながら腕のポーチをトントンと叩いて見せる。
断られたなら無理に押し付けるようなことはしないが、ボールペンになって何を為すのかが性分として気になりもする。

「……そうね。ここでならよろしくできる。よろしく、トーゴ。
霊体の知り合いを持つのは久しぶりね。
でもなんで見えないのかしら。
ただの霊体ならそこにある限り見えるようにしてるのだけど」

実際、退魔士や祓魔師と呼ばれる家系の魔術師だ。
見えるように、ピントを合わせる技術を持ち合わせているというのに、見えない。

深見 透悟 > 『あー、なるほどね。そういう家の出身な感じ?
 なら納得だわ。ごめんねー、正直セクシーなコスプレ好きの人なのかと思ってた。
 魔術に用いる羊皮紙……尚更どうなるか分かったもんじゃないな、気持ちだけ有難く受け取っとく。さんきゅー!』

魔術、と聞いて思うところあったらしい。確かにそれなら不自然さは無い。むしろ自然だ。
特に意味も無くボールペンをふりふりしながら、大仰に頷くがどう動いたって不可視。動いているという気配だけは何となくレベルで伝わるかも。

『いやーここ数日綺麗どころと知り合えて、死んでるのも悪くないなあって思えるね!
 あ、やっぱり見えてない?そっか、良かったー…いや良くないけど。
 生前にちょっと魔術で見えなくなったんだけど、そのまま死んじゃってさー!術を解く手段が無くなっちゃって。
 やー参った参った。悪いことばっかりじゃないんだけどね、見えないのも。』

例えばまさに今。
惜しげなくさらされている相手のくびれや太腿を間近で見ても怒られない、というメリットがある。

イェリン > 「そ、直接肌に触れさせないと使えない術式なんかもあるから、
自然と服もこうなるの。
勿論デザインの気に入った物はえらんでるけど、そんなに変かしら。
コスプレって魔女っ子なんとかみたいなアレよね。キャラの恰好するの故郷でも流行ってたわ」

実際流行っていたが、こちらのソレより数世代遅れてブームになるような田舎の話だ。
斯くいうイェリンもファッション誌の掲載物を真に受けて都会の流行と信じて着ているので感覚のズレはあるだろう。

「お世辞でも容姿を褒められると嬉しい物ね。
見えないし……これ触れるのかしら、気配は感じるのだけど」

目の前に何かいる、という感覚はある。
しかしぼんやりとしていて、それが何かをつかみ切れない。

「あなたも魔術師なのね。だった、というのが正しいのかしら。
認識誤認でも無く物理的に視覚から消えるなんて魔術、あまり聞かないけど。
見えない、という感覚は分からないけれど辛い事ばかりでないのなら、それは良かったわ。
悪性に転化すると、祓わなきゃいけないもの」

深見 透悟 > 『はー、なるほどなるほど、なるなるなる。
 実益も兼ねた服装だったのね、尚更コスプレだと思ったことを謝らなきゃ。
 そういう理由を聞いたら全然変じゃないと思うから不思議
 イェリンさんスタイルも良いから違和感仕事しないってのも一因かも。
 魔女っ子って感じには見えないけどね、どっちかといえば戦士タイプ。』

外国でもコスプレって流行ってるんだなあ、と思わぬ見識を広めたが。
そもそも異世界出身の幽霊、この世界の流行り廃りにさほど詳しいわけでもない。

『俺ってば幽霊になって一層正直に拍車がかかってるから、お世辞なんかじゃ全然ねーし!
 あ、霊感が強ければ全然触れるよ。物は試し、ハグするように捕まえてみる?』

両腕を広げてバッチコーイ、と身構える。
霊感が強ければ触れられるし、弱ければすり抜ける。それだけの事なので。
でもどうせすり抜けるんだとしても、とわざわざ身を屈めて頭が胸を通過するように調整する助平幽霊なのだった。

『そそ、そこそこ才能はあったんだと思うけどね。
 単に光の屈折を弄って、あとはバレない様に術式にプロテクトを何重に何重にもかけといたら、自分でも解けなくなるオチが待ってたっていう。
 悪性に転化?そういう事が……あー、ちょっと分かる。幽霊って気持ちに引っ張られる感覚、あるある。』

さっきもちょっとブルー入ってたらずるずる行きそうだったし、と。