2021/11/03 のログ
ご案内:「第三教室棟 屋上」に深見 透悟さんが現れました。
深見 透悟 > 「っっっっふぁーーーー!
 めっちゃくっちゃひさしぶりに帰ってきた気がする!学校の屋上!」

とっぷりと日の暮れた屋上に、テディベアの叫びが響く
拉致られたり高級マンションの居候となったりとプチ大冒険を繰り広げようやく帰って来たこの慣れ親しんだ校舎の屋上。
やっぱり空気が違うなー、と登山でもしたかのような口ぶりで、大きく背伸びをしたのだった

「あとはリリィの身体を自由に出入り出来るようになりゃ良いんだけどな!……なぁ。」

モフモフと自分の身体を撫で回しながら、何かきっかけに出来そうなものは無いかと探す

なんもない。変哲もないテディベアだ。
むしろ何かあったら友人の事をちょっと違う目で見なきゃいけなくなって嫌だ

「ま、ひとえに俺の問題かねー……」

深見 透悟 > 「ま、仮初の器とはいえ肉体がある以上は魔術も使えるようになる……なるかなあ
 あっちとこっちじゃ体系も違う気もするし……ってことで!
 じゃーん、図書館からこっちの世界の魔術の歴史を書いた本、くすねて来ましたー!」

泥棒猫ならぬ泥棒熊。もとい泥棒テディベア
そこそこ厚みのあるハードカバーな本を取りだすと、ベンチを机代わりに乗せて開く
さあお勉強タイムだ、と気合を入れて内容に目を通し始めて


……10分後

「うん!分からん!!!
 よく考えてみりゃあ、元の世界でも勉強とかロクにした事ねえや、天才だったし!」

早々にギブアップ宣言。本をベンチに置いたまま、こてんとその場に転がるテディベア

深見 透悟 > 「感覚的に見ればー、あっちの世界じゃ魔術は基本的にオドを使ってたな。
 でもこっちはオドもマナも術者によって使い方が様々だ
 ついでに異能やら人外やらも関わって来ててんで統一性がねえ」

よいしょ、と起き上がってベンチに開きっぱなしで置いていた本を閉じる
そしてその隣にジャンプして飛び乗ると、ちょこんと座って背もたれに体を預け

「あっちじゃマナは基本的に精霊や神霊に関した術式の行使で用いるのがメインだったな。
 オドの量が術師としての絶対的価値、体内の魔力量が少なけりゃ使える魔術の規模もしょぼいしな
 それがこっちだと……ふむ、こりゃ天才のセンスが火ぃ吹く事になるか……?」

ぽんぽんと手慰みに本の表紙を軽く叩きつつ、ひとり言と共に思案を巡らせるテディベア
幽霊の時は魔術の行使はそのまま身を削ることに繋がっていたらしいしな、と続けて透悟はひとつ息を吐いた

深見 透悟 > 「ま、何にせよテディベアの体じゃマナでもオドでも扱いは人の時の何倍も面倒だろうしなー……
 どっかで適当に試運転でもしてみるのが一番か
 腕が鈍ってなけりゃ秒で終わるわ秒で。ふはははは」

ひとしきり馬鹿みたいに笑ってから、ふと我に返る
馬鹿みたいと言うか、まんま馬鹿に見えるのでは

「こほん…
 とりあえず目標はこの体での魔術の行使と、一度霊体に戻ること、くらいか
 あんまりリリィの中に入ってると、時々自分でも自分が幽霊って忘れそうになるしな」

100%テディベアとして扱われる事が増えた所為か、自分が本当はテディベアなんじゃないかと思い込みかける時がある。
自分は幽霊、ひいては人間であることは忘れちゃまずいことくらい透悟もよく分かっていたらしい

ご案内:「第三教室棟 屋上」に雨見風菜さんが現れました。
雨見風菜 > 屋上の手すりに下から視認性の低い銀の糸が絡みつく。
そして次の瞬間、その糸に釣り上げられたかのように巨乳の少女が飛んできた。
雨見風菜である。

「しゅたっ、と」

手すりをゆうに飛び越えて綺麗に着地を決める。

「……?
 あれ、誰か居るような気がしたのは気の所為でしょうか?」

きょろきょろと見渡すも、その『誰か』は見当たらない。
ベンチに本とテディベアが置かれているくらいだ。

深見 透悟 > 「力んだら出たりしねーかな……でもケツとかから出てきたら最悪だしな。
 やっぱこういうのはイメージが大事だろ、それもどっかで試さねえと……って!?」

夜空を眺めながらぶつぶつぶつぶつ、独りで盛り上がっていたが
唐突に人影が現れた。しかも手すりの向こう側からだ
更には着地の音を自分で言った。しゅたって言った

「おいおい……結構な高さあるぞ、この校舎
 何度か落ちたり落ちかけたりしてるから身を以て知ってるけどよぉ……」

まさか登って来たのか?と訝しげに少女を見る、ベンチに置いてあるテディベア
動いては居ないが喋ってはいる。普通に喋っている

雨見風菜 > 声がした。
だが誰も居ない。
声のした方向にあるのは、本とテディベア。

「ふーむ……?」

このとき既に、風菜の勘は声の主をテディベアと判断した。
つかつかと歩いて、テディベアを抱き上げる。
柔らかな胸に抱いて、ベンチに腰掛けて。

「確かに、結構な高さがありますよねー」

虚空に顔を上げてそう答える。
本とテディベア、どちらが声を上げたのかわからないと言わんばかりに。

深見 透悟 > 「あ、ヤバい確実にこっち見た。
 うわこっち来た、ヤバいヤバいって」

根拠は無いが、透悟の勘がなぜか“ヤバイ”と警鐘を鳴らしている。
いや夜間に校舎の屋上に外から登ってくる人間なんてヤバイ以外の形容が無い気もするのだが。
なまじ見た目が普通の、清楚然とした少女なので余計に底知れなさを感じたのかもしれない
逃げるか否か、逃げるとして本を抱えて逃げ切れるか、とじっと隙を伺いながら考えていたが

「わー、捕まっ……や、柔らか~……!
 あの、えっと、マジで今外を登って来たのか……?」

テディベアを抱いた少女がベンチに入れ替わるように腰を下ろせば。
おそるおそるといった様子で少女の腕を叩きながら問いかけるテディベア

雨見風菜 > こんな時間まで残っていた……のではなく、寮を抜け出してきた風菜。
教室棟に忘れ物をした、と言い訳ができるように制服を着て。
そうしてやってきた屋上には、風菜の予想通り『誰か』が居た。
抱き上げた胸元のテディベアが腕を叩いているので間違いない。

「ええ、まあ登って……と言うよりは跳んで、でしょうか」

魔力を見たり感じたり出来るのならば。
風菜が飛んできたときに魔力を感じなかったために、使ったのが魔術でなく異能であるとわかるだろう。

深見 透悟 > 「跳ん……?
 魔力の気配とかはしなかったから、異能ってやつか……
 やれやれ魔術なしでもあんな芸当が生きてても出来るなんて改めてトンデモだよなあ……」

ひとかどの魔術師として多少なりと思わない事も無いが、それがこの世界の理とあれば飲み込むしかない
飲み込んだところで腑に落ちるか、となるとまた別だが

「それで、えーとお姉さんは何の用で屋上に?
 外から来たって事は居残りしてたとかじゃなさそうだけど?」

柔らかなものを半ば枕の様に寄りかかりつつ、訊ねてみたり

雨見風菜 > 「魔術でも飛べるんですけど、遅いんですよねぇ。
 『糸』で跳ぶことに慣れてますし、もっぱらそちらですね。
 それが主目的の使い方じゃないんですけど」

あははー、と笑って言う。
風菜の異能の本来目的を知れば、もっと驚くだろうか。

「私は、誰かが居そうな気がしたので。
 何だかよくわかんないんですけど、誰でもいいってわけじゃないんですよね。
 まあ、外れていたとしても軽い夜のお散歩ですよ」

テディベアに寄りかかられるまま、頭を撫でながら彼の疑問に答える。

深見 透悟 > 「遅い?
 こっちの飛行魔術はあまり速度が出ないのか……それとも個人的な才覚の問題?
 ……それか単に慣れ不慣れの問題っぽいな、他に手段があれば延ばそうとは思わないだろうし」

なるほどな、と頷くテディベア
異能に関しては専門外だが魔術に関しては天才を自称する身、魔術が異能に劣るように聞こえたから口を出さずにいられなかったらしい

「誰かが居そうな気がした……?
 ふーん、誰でも良い訳でないのなら、魔力とか霊力とかそういうものに反応したんだろか
 まさかテディベアに反応した……とかじゃないよな多分」

不思議なもんだなー、と首を傾げる
まあこうして自分が発見されたことを省みれば、霊感の方が近いかも、と結論付けて

「夜のお散歩は良いけど、見ず知らずのテディベアを躊躇なく抱き上げるのは考えた方が良いんじゃね?」

もしテディベア型の危険物とかなら普通に危ないから、と親切心から忠告を

雨見風菜 > 「不慣れですし、才能の問題もあると思います。
 一般的な属性に適正がなく、使える系統が偏ってるんですよ」

風菜の使える魔術系統は偏っている。
と言うか、偏りすぎている。
一般的な魔術が使えないのに物体収納や空間転移が出来るなど誰が想像できるだろうか。

「うーん、魔力も霊力もわからないんですよね。
 テディベアだったなんて知りもしませんでしたし」

この世界の人間に説明のつかない力とはわかるはずもない。
なお、あるアイテムを持てば魔力の流れくらいは見えるがそれを常時持ってるわけでもない。

「何となく、危険じゃない気もしましたし。
 むしろ、抱いてあげたほうが喜ぶかな?って」

しれっと言い放つ。
だが、テディベアが声の主だと最初から気づいていたと言うような失言であるが気付いていない。

深見 透悟 > 「なるほどなるほどー
 こっちではどうなのか知らんけど、扱える魔術なんてのは個性みたいなもんだろう?
 偏っていてなんぼ、だと思うんだけどな、俺の居た世界は尖ってる魔術師なんてゴロゴロ居たぞ」

だから気にするなし、とけらけら笑うテディベア
天才を自称していながら現在は単純な魔術ひとつ扱えない魔術師だって居る、と自虐ネタも口にして

「ふーむ?まあ、何らかの感知能力がある、ってことか
 魔力も霊力も分からないってことは、魔術的な能力では無いんだろう、くらいしか分かんないな」

第六感が発達している、ということなのだろうと結論付けて
分からない事をああでもないこうでもないと推察するのは得意ではないテディベア、早々に思考を放棄した

「何となく、で怪しみもしないで行動するのはまあ、何とも肝が据わってるというか……
 抱いてあげた方がって……いや、結果的にはそうだったけども……!」

大変柔らかいですありがとうございます、とそこは認めるテディベア
失言も大して気にはしていない。そもそも隠れてるつもりも無かったから。

雨見風菜 > 「まあ、そうですよね。
 ゲームでも、誰でもみんな全部の魔法が使えるものばかりじゃないですしね」

こちらも笑顔になりながら。
これだけ言うのだからこのテディベアの言うことも嘘ではないのだろう、
なにか事情があって封印されているのだろうと思って。

「まあ、私も説明がしにくいんですよね。
 魔術関係ではないです、間違いなく」

魔術が使えない人間にも反応していた気がするし。
とりあえず魔術関係ではない、で済ませるのだった。

「だいたい、自分でそういう警告してくれる人が危険なことは……あんまりないですね
 ふふ、堪能してもらっていいですよ」

落第街を思い出して、つい間が空いてしまう。
親切に警告してくれる人が危険人物でした、なんてのはあちらならおかしくないことだし。

深見 透悟 > 「そうそう、出来ないことをとやかく考えても仕方ない。
 ま、俺は天っっ才だから出来ないことの方が珍しかったわけだけどー」

元の世界では逆に異端視されるほどの万能性が自慢の一つだった
その自慢も今は何の意味も持たないわけだが、それでも得意げに胸を張るテディベア
プライドは自分を立たせておくために必要、らしい

「説明がしにくいんじゃあれこれ問うのも野暮だろーし?」

説明されても魔術関係でないのなら理解が及ぶか怪しい
なので気にしない事にした。出来ない事は考えないのだ

「今回は、たまたま俺だったから!これが俺じゃなくて危険物だった可能性もあったんだからさー
 ぐぬぬ……今あったばかりの女性に言われると逆に不安になる……」

後でお金とか取られないだろうか。
可愛らしい見た目ながら、ちょっとの助平心と警戒心もそれなりに持ち合わせるテディベア。

雨見風菜 > 「出来ることをやるだけですよねー。
 できないなら、他人を頼るのも手ですしね。
 私も、私の出来る範囲で人を手伝いますし」

胸を張るテディベアを微笑ましげに見る。

「まあ、危険物だったとしても……ただの爆弾だったら、なんとかなると思います。
 駄目だったら抱いてないですよ」

むぎゅ、と改めて胸に押し付けて堪能させてやる。
たとえ彼が人間だったとして金なんて要求する気はない。
そもそも今の姿で持ってるとも思えないし。