2021/11/18 のログ
ご案内:「第三教室棟 屋上」に深見 透悟さんが現れました。
■深見 透悟 > 「う~~~~~~~ん????
多少マシにはなったけど、まだまだ物足りない感じ?」
夜の学園、その屋上
テディベアを背負った少年が、屋上の床に大きな魔方陣を描いていた
円を基調とし、そこに様々な図形や文字がひしめき合う様に並べられ、複雑な紋様と化している
「んぃ~~~、やっぱ概念理論足りない感じ?いやいやそんな筈は
丸々4日、96時間ぶっ通しで色んな文献と向き合ったんだぞ、鬼に金棒だろ、こちとら天才だぞ
……でもなーんか足んないんだよなぁ」
足元に広がる魔方陣に、文字を書き足し、図形を書き足し、その都度首を傾げては小脇に抱えたプリント束を見る
本人は平凡と自称するがそれなりに端正な顔立ちをむむむっと歪めながら何やら考えて、考えて
「いい線来てると思うんだけどなあ、まだダメか。ダメなのか」
■深見 透悟 > 「まあ、ほぼゼロから始める人体作成とか一発成功させる方がどうかしてんのは分かる。めっちゃ分かる。わかりみ
それでもここまで古今東西の魔術秘術詰め込んで、まだ足りない気がするってホントどないなってん人体って」
うがぁ、と夜空へと吠えて近くのベンチに腰を下ろす
背負っていたテディベアは抱える様に前に回し、そのまま思案するように虚空を見つめる
はたから見るとテディベアを抱っこしてぼーっとしているが、透悟の頭の中では魔術の理論と術式が洪水の様に渦巻いていた
「別に人間を作りたいわけじゃ無いのよ、器で良いのよ器で
魂入ってなくても、ここにあるんだから!
ぐぬぬぬ~~~~~~~とりあっ!!!」
なぜか大型のネズミの名前を叫んで両手足を投げ出し、ベンチの背もたれにだらりと寄りかかる
一応生きてはいるが、傍目に見れば何かあった人に見えるだろう
(※ヌートリア:ネズミ目ヌートリア科ヌートリア属の小型哺乳類)
■深見 透悟 > 「何かが足りない、それは100パー正しい。間違いない
でも何が足りないのか分からない。さて考えろ、考えろ俺……」
寒空の下、夜空を見上げて尚も思考を止めない
先へ進むことを止めるな、研鑽を怠るな、考えることを止めるな、魔術師とは常に高みを目指すために生きると知れ
生前、まだ故郷に居た頃。それこそ物心ついた時から周囲から言われ続けた呪詛
まさか感謝することが来る日があるなんて、と自嘲に口の端を歪めて笑み浮かべる
「魔術の才以外は平凡も平凡、三流の俺には魔術で躓いたらなーんも残らねえもんな
さあ考えろ、何のための脳みそ……
……死んでんだから脳みそ無いじゃねえの今!!!!」
現状、頭に詰まってるものは大部分が常世公園の土である
すっかり忘れてたわ、と一人笑い出す様はちょっとおクスリキメられてます?と疑われても無理はない
それでも残念ながら素面も素面、アルコールすら入っていないのだ
■深見 透悟 > 「はーぁ、脳みそ無いって思い出したら急に馬鹿らしくなってきた
いやいやいやいやいや?馬鹿らしくはないけど?
より精巧なヒト型ボディの為に全力尽くすのが馬鹿らしくはないけど?
……けどまぁ、ちょっと考えすぎてたかなーって」
はーあ、と溜め息をつきながら見上げる空からほんの僅かばかり欠けた月が照らしていた
満月は明日かあ、なんて呑気な独り言をこぼし、そして視線を足元の先、広げられた魔方陣へと向ける
「試しに今これ発動させたら、この体どーなんのかな」
むくり、凭れていた上体を起こし、そのままベンチから立ち上がる
理論上は陣内の物質に人間としての特徴や機能を与えることが出来る……はずだ
しかし先刻から透悟は言い知れぬ違和感を抱えている。理論は合ってるはずだが、何か足りない
あくまで予感の類でしかないが、こと魔術に関しては透悟は自らの予感、直感を蔑ろにはしない
透悟から見て不完全な魔方陣、その効果が、少しだけ気にはなる
「……爆発とかはしないと思うけども、だ
試してみよっかなー、どうしよっかなー」
それとも良い感じに生贄が居ないかなー、と辺りを見回してみたり
■深見 透悟 > 「哀れな子羊の姿なーし、じゃあしょうがない
俺自身が……って万一この体に何か起きたらリリィ持って帰れねえじゃん
やめだやめ、危ない橋は避けるに限る!」
魔方陣へと歩いていくと、端から足で消していく
描くのに使用したのは空き教室からくすねてきたただのチョークだ、簡単に消せる
「半分消しとけば誰か描き直さない限り何も起きないだろ
水で洗い流すのが一番手っ取り早いんだけどなー、まだ魔力の浪費は出来ないな」
魔方陣を半分ほど足でもみ消した後は、テディベアを背負い直して背負い紐でしっかりと固定し
「さて、まだ本生徒じゃないから見つからずに帰るぞー、おー!」
パタパタと元気よく帰って行ったのだった
ご案内:「第三教室棟 屋上」から深見 透悟さんが去りました。