2021/12/05 のログ
ご案内:「第三教室棟 ロビー」にアリスさんが現れました。
■アリス >
私、アリス・アンダーソン!
常世学園で色んなことを頑張ってる三年生!!
今日は第三教室棟のロビーで。
読書をしようと思っています。
いやいや、私もね……読書なんてガラじゃないって思ってたさ…
でも漫画とゲームを主食としている以上、
三角食べのために文学だって嗜むべきじゃないかと思ったんですよ。
本当は文豪が出てくる漫画を読んで影響されただけなのだけど。
さーて、宮沢賢治を読んじゃおうっかなー。
先日、霧島さんに錬成してもらった暖かいマフラーを巻き直して、
携帯デバイスを弄って文面を表示する。
■アリス >
注文の多い料理店とか銀河鉄道の夜とか。
そういったなんとなく話の枠組みを知っている話より。
未知の話を読んでみたいと思った。
そういうものの中に面白い作品を見つけることに。
私は幸福というものを感じるのだなぁ。
うん、最初はこのツェねずみっていうのが良いかな。
きっと可愛らしいねずみさんのハートウォーミングな物語に違いない。
私は子供の頃、ねずみさんがチーズで楽器を作る絵本が大好きだった。
さて……インスタンス・イマジネーションッ!!
とまぁかっこいい横文字を並べただけで読書しながら妄想するだけだけど。
どれどれ………
■アリス >
………うん。
あれ? なんかこれ………
誰にでも謝罪と代償を要求する強欲ネズミが
ネズミ捕りでひっ捕らえられるだけの自業自得物語じゃない!?
償(まど)うてください。償うてください。
じゃないよ!?
結局自分勝手なネズミはネズミ捕りに引っかかったまま人間に見つかってるし!!
これ最期を描写しないだけいいけど基本的に因果応報ストーーーーリーーーーー!!!
ええ……困惑しかない。
こんな………こんなはずでは…………
次ッ!! フランドン農学校の豚ッ!!
これはきっと豚さんが可愛らしく農学校で勉強するお話ね。
そうに違いない。そうであれ。そうなれ。
ご案内:「第三教室棟 ロビー」にシャンティさんが現れました。
■シャンティ > こつり こつり こつり
小さな音を立てて学び舎に足を運ぶ
普段の通い慣れた図書室を過ぎ、学びの場へ
『「―――」美しい金の髪を持った少女が苦悩したように蠢き……やがて、また携帯デバイスへ向かう。次の書は《フランドン農学校の豚》』
「あ、ら……」
本読みの少女の存在を確認する。昨今はデバイスでも読めるようになったのは、良いのか悪いのか。紙を愛する女は少し、首を傾げ……しかし、また首を戻す。直前までは《ツェねずみ》。賢治作品を読み進めているのだろう。選択も、有名所から外れている辺りに興味深さを覚える。
「……んー……」
とはいえ。読書の邪魔をするのは心苦しい、と思う。小さな足音を極力殺し――女は少女の側に立つ。次の話に、彼女はどんな反応を示すのか。其れくらいまでは待ってもいいだろうか。
■アリス >
今度こそ物語よ、輝け!!
インスタンス………イマジネーションッ!!
へー。フランドン農学校の豚は最初の方の原稿が一枚欠けてる物語。
なんかこういうのにロマンや生きた文豪の息吹を感じ……感じ…
えっこれ農学校で飼われてる豚の話じゃない?
そして最初っから自分の肉の話をされてる豚さんッ!?
よくも私をッ騙したァァァッッ!!!
騙してくれたァァァァァァァ!!!!
何が可愛らしい豚さんだよバカバカしい!!
償うてください!! 償うてください!!
いやタダで物語を読んでおいて償えってよくわからないけども!!
その時。ふと近くに人の気配を感じ。
携帯デバイスから顔を上げる。
私より15センチ以上は背の高そうな、すらっとした美しい女性。
目も覚めるような銀髪に、褐色の肌。
な、なんかこっちを見てる!?
「あの……お気に入りの席、だった…?」
ここで敬語を使えないからお前はダメなんだッ!!
アリス・アンダーソン!! お前に人生は重荷ッ!!
■シャンティ > 『少女は期待、戸惑い、怒り、やや悶えるように打ち震える。そして、顔を上げて女に声をかける「――」』
可愛らしい――女は思う。生の感情を、目まぐるしく変えていく少女はとても愛らしかった。
「あ、ら……ごめ、んな、さ、ぃ? お邪魔、する、気は……なかった、の、だけ、どぉ……ふふ。そも、そもぉ……指定、席……では、ない、の、だか、らぁ……席、の、使用――心配、する、よう、な、こと……ない、の、じゃ、な、い?」
くすくすと女は笑う。
「うん。ただ――貴女……本、好き……な、の? そう、思って……ね?」
指で、携帯デバイスあたりを指し示す。
「宮沢賢治、の……メジャー、から、外れ、たとこ、ろ……ね? ごめ、んな、さい?覗き、見……みた、いな……真似、して。私、本……好き、だか、ら。つい……気に、なって、しまって……」
素直に少女に謝罪の言葉を口にする。
■アリス >
「それはまぁ、確かに」
そもそもロビーは今は結構空いている。
そりゃそうだ、日曜日だもの。
私も異能関係の申請書類を提出する用事がなければ今頃部屋でゲームを廃プレイでしょう。
携帯デバイスを指されると、たはーと表情を緩めて。
「普段、あまり読まないんだけど気まぐれを起こして……」
「ええと、ツェねずみ、フランドン農学校の豚を読み終わったから」
「次は毒もみって作品を読む予定!」
毒もみ。単語自体は知っている。
毒を使って魚を大量に捕る、禁止されている漁。
つまり毒もみ犯を追うスペクタクル超大作に違いないのだ。
おっと、まだインスタンス・イマジネーションしてる。
妄想OFF。
「本、好きなのね。今もなんか凄そうな本を持っているし!」
「ああ、いえ。気にしないで、私も日本語だと敬語とか全くできない人でごめんなさい」
ペコリと頭を下げた。
■シャンティ > 「ふふ――なら、お互い、様……で、いい、か、しらぁ……?」
素直に謝リ返す少女に笑って返す。
「ふふ――それに、して、もぉ、次、は……『毒もみ』、ね? なか、なか……の、選択、だ、わぁ……?」
ガラガラのロビーは席も選び放題である。女も手近な椅子を探り、そちらに腰を下ろす。それにしても、少女の選択が的確なことに感心する。気まぐれなどとんでもない。大した読書家である。
「そう、ねぇ……それ、なら……次、は、《クねずみ》……《クンねずみ》って、書かれ、るときも、あるけ、ど……それ、が、おすすめ、か、し、らぁ……? せっか、く……ねずみ、で、続け、る、なら――さら、に《鳥箱先生とフウねずみ》、と、か?」
誰かが本を読んでいるそれだけで、つい楽しく思ってしまう。
「あら、いけ、なぃ……余計、な、口出し…… ね、え? 前の、二つ、は、どう? 貴女、楽しめ、た?」
■アリス >
「それじゃお互い様ってことで……」
えへへと笑って携帯デバイスを指先でコツ、と叩く。
「そう、毒もみ!」
「確か根流しみたいに毒で魚をたくさん捕る禁止された漁よね!」
「つまり、これは毒もみをした犯人を警察が追い詰める手に汗握る物語に違いない……!」
フフン、とない胸を張る。
後でちゃんと読んでみたら警察の署長さんが突然、自分が毒もみの犯人だと自供して
死刑になって首を落とされる寸前に
『ああ、面白かった。おれはもう、毒もみのことときたら、全く夢中なんだ。』
『いよいよこんどは、地獄で毒もみをやるかな。』
と言って笑うドン引きストーリーでした。
「クンねずみに鳥箱先生とフウねずみ……メモったわ!」
「読んでみる、ありがとう!」
後でちゃんと読んでみたらクンねずみは自分の知識を鼻にかけた嫌なヤツで、
威張ったら威張った分だけ自分の環境が悪くなるし、
最終的には猫大将の手の者にかかって死ぬドン引きストーリーだったし、
鳥箱先生とフウねずみは権威を笠に着る最低な教師である鳥箱先生が
信用をなくして最後の生徒であるネズミを猫大将に狩られるドン引きストーリーだった。
猫こわい。
そして前の二つの感想について聞かれれば、
「……正直、ちょっと引いちゃったかな…」
「ツェねずみは自分勝手で、周りに謝らせることで命を贖ってたから自分の命すら守れなかったし」
「フランドン農学校の豚は悲観的に自分の立場を考えて…」
「どんなに知恵を回しても人間には敵わず解体されるっていう」
「正直………ちょっと引いちゃったか…」
と、二度言った。
ひどいよ………こんなのってないよ…………
■シャンティ > 「あ、は……ふふ、そう……そう、ねぇ……引い、ちゃ、ったぁ……?」
素直な感想に、くすくすと笑い出す。特に名の知れた宮澤作品ではあまりイメージできない、ドロドロとしたものがそこにある。読む人が読めば、引くのもその通りだろう。
「も、し……いや、で、なけれ、ば……だけ、どぉ。どう、して、そう、なっちゃ、たか……ね。作家、本人、を、追い、かけ、るの、も……面白、い、もの、よぉ? あ、と……そう、ねぇ。わかり、づらい、だろう、けど。彼の、詩、とか。なか、なか。情熱、的で……いい、わ、よぉ。《永訣の朝》、とか。」
死を前にした妹への想い。生の感情が詰め込まれたソレは、女にはとても気持ちの良いものであった。
「ふふ、そう、ねぇ……合わ、なく、ても……仕方、ない、けれ、どぉ。彼、色々、書いてる、し。色々、見て、あげて、ほし、い、わぁ……そし、て。本を、読むの……やめ、ないで、いて、くれ、たら……嬉しい、わ? ニホン、に……かぎら、ず。作家って、ダメ、な……人、も、多い、から。だいぶ、すごい、作品、も……多い、けれ、ど……ね?」
くすり、と笑う。それから、何事か考えるようにして少し黙る。
「……あら……忘れ、てた、わ。私……シャンティ。シャンティ・シン。ただ、の……本好き。貴女、は?」
■アリス >
「こう……注文の多い料理店の衣つけられるパートが延々と続くような…」
「息苦しい圧迫感があったわ……決して面白くないわけじゃないのだけれど」
そう、台詞回しは今読んでも気持ちいいし、
洒脱と言っていい展開の早さには舌を巻くのだけれど。
それはそれとしてオチぃーーーーーーーーーー!!!
ってなる。
「永訣の朝ね、覚えておくわ。雨ニモマケズは知ってる!」
「やっぱりいい文章を書くのよね、日本語があまり達者でない私にもそこはわかるわ」
「……すごい作品…………」
そう、ツェねずみもフランドン農学校の豚も。
ネズミが喋ったり、豚が権利を主張したりするのに一切の違和感がなかった。
没入感がすごい。すごいけど超すごいVR綱渡りという風情があった。
「私はただのゲーム好き、三年のアリス・アンダーソンよ。よろしくね、シャンティ」
にっこり笑って自己紹介。改めて見てもキレイな人。
■シャンティ > 「ん……そう、ねぇ……ニホン、は。仏教、の、考えが、強い、からぁ……因果、応報、とか、死生観、とか、も。そういう、の、多い、わ、ねえ。キリスト教、とは、また、違う、感じ、ね。」
人差し指を唇に当て、考えるようにして応える。
「でも、イソップ、とか……童話、も、結構、重い、話は、多い、わよ、ね。ああ――でも、そう、ね。露悪、的な、ものが、長い、のは、確か、ねえ」
読んだことがありそうで、身近そうなものといえば、と口にする。教訓話は概して重苦しいオチがそれなりにある。原点をたどるとかなり生々しい話なども……
「よろ、しく、ね。アリス。ふふ……そし、て、ごめん、な、さぃ、ねぇ……本、のこと、になる、と……つい、ね? 貴女、本、は、気まぐれ、って、いって、た、けど……普段は、なに、を?」
つい、話し込んでしまう自分の愚と。そこにまだ情熱が残っていることを再確認しつつ、少女に問いかける。
■アリス >
「私は………イギリスの方で神様に祈ってたけど」
「日本に来てからは初詣してるわね………」
自分が何もかもごちゃまぜ宗教観を生きていることに気づく。
そういう身の上だからこそ、受け入れることも大切なのかもしれない。
ツェねずみの末路を。農学校で生きた豚のことを。
いや無理。
「アリとキリギリスも有名だけど、私が読んだ絵本だとキリギリスが餓死してたのよね…」
「アリはキリギリスを見捨てるのか、食べ物を分け与えて改心させるのか」
「分水嶺はどこにあったのかしら……」
私もキリギリスにならないように冬休みはちゃんと宿題をやらなきゃ。
「ううん、本が好きな人のことは好きだし問題ないない!」
「私は普段は漫画とラノベかなー………」
「週刊少年ゲメゲメの『キツめのヤバい』とか」
「FW文庫Uの『死に戻ってはじめる裏世界生活』とか…」
最近読んだ本を思い出す。見事にサブカル染めだった。
「シャンティは普段は何を読んでいるの?」
■シャンティ > 「あら……そう。器が、大きい、の、ねぇ……ふふ。まった、く……ニホン、は、不思議、な、国、よ、ねぇ。神が、たくさ、ん。宗教、まで、も……が、まざって、る。賢治、だって……《銀河鉄道の夜》、は、キリスト、教的、って、言われ、てる、わ、ねぇ?」
本とは離れるが、そういう気質が、土壌が、独特の文化と文学を生み出したと考えると興味深い。
「ふふ、そう、ねぇ……何処、かしら、ねぇ……貴女は、どっち? どちら、を……選ぶ? 見殺し? 助ける? 正解は、ない、し。どちら、も……許容、する、必要、も、ない。無数の、答えが、あるの、よ?」
ひょっとすれば、第三の選択もありえるかも知れない。それを夢想するのもまた、読書のあり方だ。
「ん……私、は……そう、ねぇ。各国、の……文学、とか、魔導書……あと、は……」
「人、とか?」
くすり、と笑いながら少しだけ、顔を寄せる。
「ふふ。ニホン、の、サブ、カルチャー。少し、興味、でた、わ……ね。あま、り……読んだ、こと、ない、の。おすすめ、ある?」
顔を寄せたまま、問いかける
■アリス >
「それか、元々神様を受け入れる隙間が小さいのかもね」
「小さい隙間にいっぱい詰め込んでるから、信仰に篤くないし色んなイベントを楽しむのかも」
「銀河鉄道の夜、読んだことないけどそうなんだ……そっち読もうかな…」
私は決してツェねずみやフランドン農学校の豚を『マイナーだから』読んだわけではない。
メジャーだから。マイナーだから。
文学だから。サブカルだから。
そんなことで読むものを決めていては濃厚で価値のある読書体験は得られない。
私は、私の読みたい本を読む。
「私は………多分、助ける」
「それは、親切心じゃなくて誰かを見殺しにした罪悪感に私の小さな世界が耐えられないから」
「……ちっぽけな論理と倫理で、安請け合いの人助け」
キリギリスにはきっとそれを見透かされていて。
私というアリはそれが消え入りそうなほど恥ずかしくて。
でも、お互いに大仰に笑って誤魔化すんだ。
そんな終わり方しか、私には待っていないのかもしれない。
そしてシャンティさんは、人を読むと言った。
人。人を読む……つまり、人間観察が趣味と。
知的な趣味を持っている。
「私はどんな人間に読めた?」
そしてサブカルチャーについて聞かれると。
顔を手で覆って大袈裟なジェスチャーで言った。
「……ちょっと待って…自分なりにおすすめをまとめるから…」
「三部構成になるけどいい……?」
■シャンティ > 「賢治、自身が、たくさ、ん……直し、て。書き、足し。削り。出来た、もの。作家の、魂、を、込めた、一作。えぇ……興味、を、もったら、是非、ね?」
くすり、と笑う。結局の所、読書は孤独なもので。それならば、強要されることなく自ら選んで読むのが良い。良い読書体験とはそういうものだ。仮に結果として、無しか得られなかったとしても。
「あ、ら……いい、の、じゃ、ない? 好き、よぉ、そういう、の。ふふ。自己、満足、だと、して、も……自己愛、だと、して、も。それ、が、たと、え。ちっぽ、け、で――安、っぽい、と、思っ、たと、して、も。貴女、が、貴女、の……想い、を、見据え、る、なら。なん、だろう、と、ね?」
高潔な魂を以て何事かを成す、というのは大事なことかも知れない。しかし、万人がそれを持ち得るわけでもない。むしろ――ちっぽけな人間がなけなしの心を振り絞って悩み、苦しみ、血を吐くような想いで絞り出した答え。そういうもののほうが、尊い、とさえ思う。
「ん……そう、ねぇ……ふふ。とて、も……可愛ら、しい、子。と、ても……真面目、で、素直、な、子。想い、悩んで、でも、答え、から、逃げ、ない。貴女、みた、いな、子、大好き、よぉ?」
くすくすと笑う。くるくるとあちらへ、こちらへ揺れ動く感情の波が、とても心地よい。いつまでもいつまでも眺めていられそうだ。きっと、曇ったときでも真摯に曇るのだろう。
「三部、構成?ふふ。それ、は、それ、はぁ……心し、て、拝聴、しな、いと、かし、らぁ……?」
くすくすと、笑って肯定する。
■アリス >
「そう考えたら色々と読みたくなってきたなー」
「よし、今日は宮沢賢治漬けだー!」
おおー!と両手を上げてオーバーなアクション。
明日は月曜日なんだけど、読書したいという気持ちがスパークした今。
多少の夜ふかしは覚悟の上っ!
「私…………」
視線を下げた。
自分の気持ちを裏切り続けたから、感情が爆発して異能に覚醒した。
その結果、大勢のいじめっ子たちを傷つけて。
今はこの常世島で安穏な生活と親友たちとの学園生活を手にしている。
わからない。私には。理解できていない。
自分が何を考えていつも笑っているのかを。
率直で好意的な言葉に、笑顔で返して。
「ありがとう、シャンティ」
可愛らしいと言われて嬉しくないわけがない。
パパとママに健康に産んでもらった体だもの。
少しずつでも、自分を好きになりたい。
「それじゃいくわよ………第一部」
その日は長話をしてしまった。
でも、とっても楽しかった。
話をずっと聞いていてくれたシャンティも。
楽しんでくれていたならな……そう思った。
■シャンティ > 「……」
視線を、気持ちを、下げる様子が《見え》る。其処に渦巻く、複雑な感情も。
「ふふ。そう、いう……貴女、だか、ら……愛お、しい、の、よ?」
くすくすと、笑う。想い、悩み、苦しむ。それでも、生きて前に進もうとする。そういうものを、見ていたい。とても、とても好ましい存在だ。
「ふふ……」
時折、相槌を打ちながら。時折、質問を挟みながら。女は、長い長い講釈を聞き続けた。それは新鮮で、面白く、貴重な体験だった。少なくとも、女はそう思う。
明日にでも、勧められた本を探してみようか
そう思うほどには楽しめた。
ご案内:「第三教室棟 ロビー」からアリスさんが去りました。
ご案内:「第三教室棟 ロビー」からシャンティさんが去りました。