2022/03/03 のログ
ご案内:「第三教室棟 屋上」に吉良坂 美咲さんが現れました。
吉良坂 美咲 > 年度末が迫り、退屈と春が作り出すのんびりとした気分で過ごす昼下がり。
屋上のど真ん中で立ったまま浮かび、両手を広げる少女が長く気の抜けた様子で鳴いていた。

「あったかーい」

のほほんとした雰囲気を発しながらその場でくるくると回る。
…が、下半身がその勢いで無秩序に小さく揺れたことで少し慌てた様子で静止した。

「おっとっと、危ない危ない。転ぶところだった」

まだ上半身でバランスをとり、両手で抑え込み下半身の揺れを抑える。
スグ収まる程度の揺れではあるのだが、放っておいて転んだこともある。

「地面にたたきつけられるのは痛いからなー、うん…痛いからね、気を付けないと」

僅かに眉を顰めるも一呼吸つけば春の気にあてられた落ち着いた表情へと戻るだろう。

吉良坂 美咲 > 「あーあ。なんか夏休みを思い出しちゃった。
あの時も今みたいに何もすることなかったんだっけ」

浮遊したままスライドしているかのような動きでフェンスへと近づく。
フェンスに両手をかけ、他人の争いを見ているように無関心なような瞳を空に向ける。

「憧れっていうのかなあ。ちょっと違う気がするけど
捨てきるのは難しいよねー」

半年前に感じた底なしの絶望を感じることは無くなったが、すべて捨てきれた訳ではないのだ。
ため息が呆れの嘆息に変わったのは大きな変化ではあるが、根本的な解決を経ていない以上、この感覚とは長い付き合いになるだろう。
もしかすると一生付き合っていくことになるかもしれない。
辛さは感じても悲しいと思うことは無いような気分で、瞳を閉じた。

吉良坂 美咲 > 「みんな忙しそうだなぁ~
私はなーんにもすることないけどね~」

学業は問題ナシ。家庭環境にも生活に影響を与えるような問題は発生せず。
何かしらの委員会に入ってたりするわけでもなく、義務もなければ清算しなければいけないこともない。
義務や責任に追われないこの身は自由奔放ではあるのだが、心は地に縛られている。

「何か趣味探しでもするのもいいかもしれないなぁ
身体動かさないといけないのは全滅だし何がいいかな~」

下半身が動かない身で出来ることは随分と限られてくる。
読書も趣味というほど好きではないし、これといって興味があることもない。
かつては空を飛んでいるだけで楽しかったこの身が何を求めているか、わからない。
私は何が好きなんだろう。

ご案内:「第三教室棟 屋上」に矢那瀬陽介さんが現れました。
矢那瀬陽介 > 温かな陽気が後者に降り注ぐ。燦々たる陽気が窓辺から誘い込むのに自然、その足は屋上へと向かった。
厚い鉄扉開いて見えたる光景は雲一つない蒼天と、その中天に座す眩い日輪……だけではなくその中に溶け込むかに浮かぶ青髪の少女の姿。
既知……という訳ではないが、その姿に何か閃く黒瞳を薄くそよがせた儘。
ゆっくりと欄干へと近寄りその体を凭れ掛けさせる。
暫くは茫洋と青空を眺めていたが。やがて薄く開いた唇から短い呼気を零して。

「いい陽気だね」

何気なく囁きかけてちらり、と浮かぶ女子生徒に眼差しを投げかけた。

吉良坂 美咲 > 「ん?んーそうだね 春って感じでいいよね」

背後から投げかけられた言葉に振り返り、少し戸惑った表情を見せる。
身体ごと話しかけてきた男子生徒であろう相手に向け、少し手をひらつかせる。

「こんにちは、屋上に何か用があったかな?
それとも私と同じで暇してた?」

先ほどまでの陰鬱とした気分を出来るだけ見せないようにと笑顔を見せながら問を投げかけた。

矢那瀬陽介 > 陽気に転寝してるかそれとも思考の渦に此方の言葉も気づかないか……
腕時計を眺めてそろそろ立ち去ろうかと背伸びをしたころだった。
相手から返答が来たのは。

「ぁ……うん。」

その表情を見れば歓迎されてないことは察して余りある。
また何か押し隠しているかのような雰囲気も――
自分としては投身自殺した少女ではないかと、ならば何か力になれることはないかと。
押し付けがましい想いできたのだから、そのような態度で接しられては言葉は続かない。

「暇してたけれど。そろそろ帰ろうと思う。
 邪魔してごめんね。ごゆっくり。」

女子生徒と同じ様にひらりと手を振ってから静かに屋上から立ち去っていった。

ご案内:「第三教室棟 屋上」から矢那瀬陽介さんが去りました。
吉良坂 美咲 > 「あ、うん
なんかごめんね」

何だったのだろうか。
そっけなさ過ぎただろうか、これだから友達が出来ないんだろうなあ。
そんなことを考えながらため息をついた。

しばらくぼーっとした後、屋上を去った。

ご案内:「第三教室棟 屋上」から吉良坂 美咲さんが去りました。