2022/03/09 のログ
ご案内:「相談室」に崩志埜 朔月さんが現れました。
崩志埜 朔月 >  
『拝啓 
 早春の候、志埜の皆様におかれましてはお元気でご活躍のこととお喜び申し上げます―――』

敬具、その二文字を書き終えて筆を置きます。
毎度季節の変わり目等には送っている手紙ですが、受け取られているかすら定かでも無く。
返事は一度たりとも届いていませんので、破り捨てられているのかもしれませんね。

「んっ……」

小一時間書き続けて凝り固まった身体、伸びをすると他の人にまで聴こえそうな音がパキパキと鳴って。

クリーム色の壁にブラウンのソファ。
木目調のローテーブルには個包装されたチョコレートとクッキー。
ここは個人用の相談室、表には『予約空き』の札。
部屋の端に置いたルームフレグランスがベリーとペッパーの甘くもスパイシーな香りを広げています。

崩志埜 朔月 >  
「……今日も冷えますね」

もう三月に入って一週間は経ちますが、未だ春が迫るとは思い難く。
甘い香りの中でチマチマと飲み進めていたミルクティーも底を尽き、
一息をついてマグカップを洗ってしまうと相談室の電気を消して部屋を出る。

ご案内:「相談室」から崩志埜 朔月さんが去りました。