2022/07/27 のログ
ご案内:「第三教室棟 保健室」に紅李華さんが現れました。
ご案内:「第三教室棟 保健室」にセレネさんが現れました。
■紅李華 >
えあこんはすずしい。
お外があつくても、とってもすずしい。
たくさん本読んでても、大丈夫。
だいじょうぶ?
あれ、おへやがゆれてるー?
――ガタン、バタバタバタ。
保健室の中から何かがひっくり返って散らばるような音が転がる。
もしこの音を聞きつけて入ってきた人物がいれば。
周囲に本が散らばった中心で、黒いものがわさっと広がっているのが見えるだろう。
自分の黒い髪に体が埋もれて、黒い波の中から、しょんぼりと元気のない李の花が咲いているのだった。
■セレネ > 手作りのケーキを手土産に、行き慣れた保健室へと足を運ぶ月色。
ローズの甘い香りを漂わせながら扉の前へと向かった所、
ふと聞こえたのは大きな物音。
蒼を数度瞬かせては、慌てて扉を開けて室内の状況を確認しようとする。
「――だ、大丈夫ですか?!」
本に埋もれた、黒い何かと中心に咲いている元気のない李の花。
黒と茶の入り混じった何かは、よく見れば髪の毛。
…となると、これは生き物という事になる。
うず、と惹かれる好奇心。
それを抑えて、ケーキの箱を適当な場所に置けば
本の中から埋もれている誰かを救出しようと白い手を伸ばした。
「今助けますからね…!」
埋もれている人物が嫌がらないのであれば、その身体を引き摺り出そうとするだろう。
■紅李華 >
なんだかぼーっとする。
ちからもはいらない?
嗯――あー、脱水症状だぁ。
「あーぅー」
きれーな手。
あったかい手。
やさしい手――
――ずるずる、と。
助け起こした身体は比較すると小柄で、黒と茶のカーテンの隙間から、白衣が出てくる。
近づけば、頭から李の花が咲いてるのがわかるだろう。
そして、元気がなく、ぱさぱさと、少し乾いたように見える。
■セレネ > 言葉にならない声が聞こえる。
意識はあるらしい。良かった。
己が本に埋もれた人物を引き摺り出すと、
案外その身体は小柄で軽かった。
白衣も着ており、元の職業柄一瞬で養護教員だと察した。
『…これは、ちょっと困ったわね。』
思わず洩れた言葉は異国の言葉。
相変わらず元気のない花はどこかカサついているようにも見えて。
…もしや水が足りない?脱水状態だろうか。
「少し待っていて下さいね。」
そっとその頭を撫でては、近場の自販機からミネラルウォーターを買って戻ってくる。
キャップを開けて、まずは彼女に差し出してみよう。
飲める気力もないのであれば、ゆっくりと飲ませるつもりだが。
■紅李華 >
きれいで、あったかい手がなでてくれる。
――あ、はなれちゃった。
ぽてん。
「うー」
手足がじんわりびりびりする。
やっぱりお水がたりない――あ。
さっきの手の人だ。
「ぁぅ、おみずのにおい――」
ぷるぷる。
ううー、ちからがはいらない。
――水に反応はしたものの、伸ばす手がぷるぷるとふるえていて、力が入らない様子だ。
自力で飲ませようとしたら零しそうだろう。
飲ませてもらえるなら、されるがまま、一心不乱に飲み干す事になりそうだ。
■セレネ > 彼女の小さな手が震えている。
…成程、と蒼を細めて差し出した手を一度引っ込めた。
「では、今から飲ませますからね?
苦しかったら二回私の腕を叩いて下さい。」
彼女の小さな身体を膝に乗せ抱き抱え、
ゆっくりゆっくりと水を飲ませるだろう。
一心不乱に飲むその姿を蒼が収めれば、あぁ余程水が欲しかったのだなと思うけれど。
「…それで足りましたか?」
もっと必要なら、追加で持ってくる事も構わない。
向ける蒼は心配する感情と不安そうな感情が入り混じっている。
■紅李華 >
「――はふ」
おいしい。
おみずがおいしい。
でも、ぜんぜん足りないみたい。
「そこ、と、そこ――」
れーぞーこと、うぉーたーさーばー。
けーこー補水液と、えーよー剤がほしいかも。
なんだか、色々たりないみたい――。
――水を飲み干すと、少し活力が戻ったようで、冷蔵庫と大型ウォーターサーバーを指差す。
ウォーターサーバーにはよく冷えた水。
冷蔵庫にはスポーツドリンクや経口補水液がたっぷり並んでおり、ポケットの中には『本人』と書かれた紙が貼られた、緑色の容器のアンプルが何本も詰まっている。
■セレネ > 「――ふむ。」
震える指で示された、冷蔵庫とウォーターサーバー。
先に冷蔵庫を開ければ、そこにはズラリと並んだスポドリや経口補水液。
手前のポケットには紙が貼られた緑色のアンプル。
「…本人?」
中国語の意味どころか、漢字も比較的苦手な部類だ。
このアンプルを使って良いか分からず、とりあえず補水液を取り出して彼女へと渡すとしよう。
「…あのアンプルは、貴女に使っても良いのでしょうか?」
一応の許可を、彼女に。
■紅李華 >
「謝謝――ありがとー」
ごくごく。
いっき飲み。
あうー、すごくおいしい。
「ぁ、对对、人家の、なの。
えーよーざいなの」
ぷはー、生き返ったきぶん。
でもまだふらふら。
ちゃんと休まなくちゃ。
「えよーざい、ほしー。
とってきて、くれる?」
きづいた。
とってもきれーなおねーさん。
助けてくれる、とってもやさしい。
――助けてくれた女性の服の裾を摘まんで、上目遣いで見上げる。
伸び放題の髪の隙間から、潤んだ瞳が覗く事だろう。
そして、自分はずるずると這って行って、ベッドの上に這いあがっていく。
■セレネ > 「…貴女の、ものなのですね?」
中国語は分からない。
が、何となくニュアンスでそうなのだろうと予想をつけ頷く。
成程、アンプルは彼女の栄養剤なのか。
「――えぇ。ここで見放す程冷淡ではないですから。」
きゅ、と己の服の裾を摘み上目遣いで見上げてくる茶色。
そんな声で、そんな潤んだ色で。強請られては嫌とは言えない。
無論、助けた手前途中で手放す気はないのだが。
安心させるよう彼女の頭をまた撫でては、
ベッドへと這っていく彼女を抱えて寝かせようとして。
無事に寝かせられたなら、冷蔵庫からアンプルをとりあえず数本取って
彼女が寝ているベッドへと向かおう。
「…これは、貴女に直接飲ませれば良いのでしょうか…?」
アンプルの形状は植物に差すそれと似たもの。
どうすれば、と悩んだ結果、一つアンプルを開けて彼女の口元へと近付けていく。
■紅李華 >
おねーさんが寝かせてくれた。
えーよー剤も取ってきてくれる。
すっごいやさしい。
「对――あむ」
ごくごく。
うん、とってもおいしー。
原気がみたされる感じするー。
「ぷは――ありがとぉ」
にこー。
やさしいおねーさんのおかげで、ふらふらが治ったかも?
えへへ、うれしーなー。
――ゆっくり起き上がり、アンプルの先に吸い付く。
そのまま、赤子が哺乳瓶からミルクを飲むように、アンプルの中身を飲み干すと。
とろん、と緩んだ表情で笑って、ほのかに赤い顔のまま、甘えるように、嬉しさを顕すように女性へハグをするように両手を広げるのだ。
■セレネ > 己が差し出したアンプル。
それを咥え、コクコクと飲んでいく彼女。
どうやらこれであっているようだ。
「いえいえ、体調が少しでも良くなったなら、良いのです。」
体調が優れないと、辛いのはそれこそ”本人”だ。
それをよく知っているからこそ、世話を焼いてしまう。
白衣の袖に包まれた両腕、それが開かれればハグをしたいのかなと悟り
己も腕を軽く開いてハグを受け止めよう。
「――よしよし。」
彼女の小さな背中を、片手で軽く叩いてみる。
トントン、優しく、穏やかに。
親が子にするよう、慈愛を込めたその手。
■紅李華 >
「えへー、好了~」
おねーさんがだっこしてくれた。
えへへ、とってもうれしい。
「小姐姐、せんせーのひと?」
すりすり。
背中があったかくてきもちい。
なんだか、哥哥みたい。
――とろんと潤んだ瞳、ほんのりと赤く色づいた頬。
見上げて、純粋無垢にも見える笑顔を浮かべるが、言動が幼くともれっきとしたオトナである。
無垢な表情に艶っぽさが混ざる。
女性の胸に頬を摺り寄せると、大きな花がいつの間にか瑞々しい色合いを取り戻して、頭の上でゆらゆら揺れていた。