2022/07/27 のログ
ご案内:「第三教室棟 保健室」に紅李華さんが現れました。
ご案内:「第三教室棟 保健室」にセレネさんが現れました。
紅李華 >  
 
 えあこんはすずしい。
 お外があつくても、とってもすずしい。
 たくさん本読んでても、大丈夫。
 だいじょうぶ?

 あれ、おへやがゆれてるー?

 ――ガタン、バタバタバタ。
 保健室の中から何かがひっくり返って散らばるような音が転がる。
 もしこの音を聞きつけて入ってきた人物がいれば。
 周囲に本が散らばった中心で、黒いものがわさっと広がっているのが見えるだろう。
 自分の黒い髪に体が埋もれて、黒い波の中から、しょんぼりと元気のない李の花が咲いているのだった。
 

セレネ > 手作りのケーキを手土産に、行き慣れた保健室へと足を運ぶ月色。
ローズの甘い香りを漂わせながら扉の前へと向かった所、
ふと聞こえたのは大きな物音。
蒼を数度瞬かせては、慌てて扉を開けて室内の状況を確認しようとする。

「――だ、大丈夫ですか?!」

本に埋もれた、黒い何かと中心に咲いている元気のない李の花。
黒と茶の入り混じった何かは、よく見れば髪の毛。
…となると、これは生き物という事になる。

うず、と惹かれる好奇心。
それを抑えて、ケーキの箱を適当な場所に置けば
本の中から埋もれている誰かを救出しようと白い手を伸ばした。

「今助けますからね…!」

埋もれている人物が嫌がらないのであれば、その身体を引き摺り出そうとするだろう。

紅李華 >  
 なんだかぼーっとする。
 ちからもはいらない?
 嗯――あー、脱水症状だぁ。

「あーぅー」

 きれーな手。
 あったかい手。
 やさしい手――

 ――ずるずる、と。
 助け起こした身体は比較すると小柄で、黒と茶のカーテンの隙間から、白衣が出てくる。
 近づけば、頭から李の花が咲いてるのがわかるだろう。
 そして、元気がなく、ぱさぱさと、少し乾いたように見える。
 

セレネ > 言葉にならない声が聞こえる。
意識はあるらしい。良かった。

己が本に埋もれた人物を引き摺り出すと、
案外その身体は小柄で軽かった。
白衣も着ており、元の職業柄一瞬で養護教員だと察した。

『…これは、ちょっと困ったわね。』

思わず洩れた言葉は異国の言葉。
相変わらず元気のない花はどこかカサついているようにも見えて。
…もしや水が足りない?脱水状態だろうか。

「少し待っていて下さいね。」

そっとその頭を撫でては、近場の自販機からミネラルウォーターを買って戻ってくる。
キャップを開けて、まずは彼女に差し出してみよう。
飲める気力もないのであれば、ゆっくりと飲ませるつもりだが。

紅李華 >  
 きれいで、あったかい手がなでてくれる。
 ――あ、はなれちゃった。
 ぽてん。

「うー」

 手足がじんわりびりびりする。
 やっぱりお水がたりない――あ。
 さっきの手の人だ。

「ぁぅ、おみずのにおい――」

 ぷるぷる。
 ううー、ちからがはいらない。

 ――水に反応はしたものの、伸ばす手がぷるぷるとふるえていて、力が入らない様子だ。
 自力で飲ませようとしたら零しそうだろう。
 飲ませてもらえるなら、されるがまま、一心不乱に飲み干す事になりそうだ。
 

セレネ > 彼女の小さな手が震えている。
…成程、と蒼を細めて差し出した手を一度引っ込めた。

「では、今から飲ませますからね?
苦しかったら二回私の腕を叩いて下さい。」

彼女の小さな身体を膝に乗せ抱き抱え、
ゆっくりゆっくりと水を飲ませるだろう。
一心不乱に飲むその姿を蒼が収めれば、あぁ余程水が欲しかったのだなと思うけれど。

「…それで足りましたか?」

もっと必要なら、追加で持ってくる事も構わない。
向ける蒼は心配する感情と不安そうな感情が入り混じっている。

紅李華 >  
 
「――はふ」

 おいしい。
 おみずがおいしい。
 でも、ぜんぜん足りないみたい。

「そこ、と、そこ――」

 れーぞーこと、うぉーたーさーばー。
 けーこー補水液と、えーよー剤がほしいかも。
 なんだか、色々たりないみたい――。

 ――水を飲み干すと、少し活力が戻ったようで、冷蔵庫と大型ウォーターサーバーを指差す。
 ウォーターサーバーにはよく冷えた水。
 冷蔵庫にはスポーツドリンクや経口補水液がたっぷり並んでおり、ポケットの中には『本人』と書かれた紙が貼られた、緑色の容器のアンプルが何本も詰まっている。
 

セレネ > 「――ふむ。」

震える指で示された、冷蔵庫とウォーターサーバー。
先に冷蔵庫を開ければ、そこにはズラリと並んだスポドリや経口補水液。
手前のポケットには紙が貼られた緑色のアンプル。

「…本人?」

中国語の意味どころか、漢字も比較的苦手な部類だ。
このアンプルを使って良いか分からず、とりあえず補水液を取り出して彼女へと渡すとしよう。

「…あのアンプルは、貴女に使っても良いのでしょうか?」

一応の許可を、彼女に。

紅李華 >  
 
「謝謝――ありがとー」

 ごくごく。
 いっき飲み。
 あうー、すごくおいしい。

「ぁ、对对、人家の、なの。
 えーよーざいなの」

 ぷはー、生き返ったきぶん。
 でもまだふらふら。
 ちゃんと休まなくちゃ。

「えよーざい、ほしー。
 とってきて、くれる?」

 きづいた。
 とってもきれーなおねーさん。
 助けてくれる、とってもやさしい。

 ――助けてくれた女性の服の裾を摘まんで、上目遣いで見上げる。
 伸び放題の髪の隙間から、潤んだ瞳が覗く事だろう。
 そして、自分はずるずると這って行って、ベッドの上に這いあがっていく。
 

セレネ > 「…貴女の、ものなのですね?」

中国語は分からない。
が、何となくニュアンスでそうなのだろうと予想をつけ頷く。
成程、アンプルは彼女の栄養剤なのか。

「――えぇ。ここで見放す程冷淡ではないですから。」

きゅ、と己の服の裾を摘み上目遣いで見上げてくる茶色。
そんな声で、そんな潤んだ色で。強請られては嫌とは言えない。
無論、助けた手前途中で手放す気はないのだが。
安心させるよう彼女の頭をまた撫でては、
ベッドへと這っていく彼女を抱えて寝かせようとして。

無事に寝かせられたなら、冷蔵庫からアンプルをとりあえず数本取って
彼女が寝ているベッドへと向かおう。

「…これは、貴女に直接飲ませれば良いのでしょうか…?」

アンプルの形状は植物に差すそれと似たもの。
どうすれば、と悩んだ結果、一つアンプルを開けて彼女の口元へと近付けていく。

紅李華 >  
 おねーさんが寝かせてくれた。
 えーよー剤も取ってきてくれる。
 すっごいやさしい。

「对――あむ」

 ごくごく。
 うん、とってもおいしー。
 原気がみたされる感じするー。

「ぷは――ありがとぉ」

 にこー。
 やさしいおねーさんのおかげで、ふらふらが治ったかも?
 えへへ、うれしーなー。

 ――ゆっくり起き上がり、アンプルの先に吸い付く。
 そのまま、赤子が哺乳瓶からミルクを飲むように、アンプルの中身を飲み干すと。
 とろん、と緩んだ表情で笑って、ほのかに赤い顔のまま、甘えるように、嬉しさを顕すように女性へハグをするように両手を広げるのだ。
 

セレネ > 己が差し出したアンプル。
それを咥え、コクコクと飲んでいく彼女。
どうやらこれであっているようだ。

「いえいえ、体調が少しでも良くなったなら、良いのです。」

体調が優れないと、辛いのはそれこそ”本人”だ。
それをよく知っているからこそ、世話を焼いてしまう。
白衣の袖に包まれた両腕、それが開かれればハグをしたいのかなと悟り
己も腕を軽く開いてハグを受け止めよう。

「――よしよし。」

彼女の小さな背中を、片手で軽く叩いてみる。
トントン、優しく、穏やかに。
親が子にするよう、慈愛を込めたその手。

紅李華 >  
 
「えへー、好了~」

 おねーさんがだっこしてくれた。
 えへへ、とってもうれしい。

「小姐姐、せんせーのひと?」

 すりすり。
 背中があったかくてきもちい。
 なんだか、哥哥みたい。

 ――とろんと潤んだ瞳、ほんのりと赤く色づいた頬。
 見上げて、純粋無垢にも見える笑顔を浮かべるが、言動が幼くともれっきとしたオトナである。
 無垢な表情に艶っぽさが混ざる。
 女性の胸に頬を摺り寄せると、大きな花がいつの間にか瑞々しい色合いを取り戻して、頭の上でゆらゆら揺れていた。