2022/10/11 のログ
■追影切人 > 「…んじゃ、試してみっかねぇ。…あー、はいはい…。」
どうやら埋め込み式らしい。ともあれ、まずジャケットを脱いでから左側だけ制服を脱いで左腕の断面――医療処置はきちんとされているが…を晒して。
しかし、種から腕が再生するとか不可思議なものだ。
それより不可思議なあれこれは幾らでもこの島や世界には溢れているであろうに。
そう素直に思う辺り、何だかんだ世間知らずなのだろう。
まぁ、それはそれとして種がどうなるかを見届けるつもりで。
■紅李華 >
「おー、んー、こうかな?」
きりひとのうで、とちゅーからなくなってる。
ちょっと強くおしこんで――
――腕の断面に種が押し付けられると、少しの間を置いて、皮膚が破られるような軽い痛みがあるだろう。
その直後、皮膚の下を何かが這いまわる様な感覚と共に、種から根が生え、腕の奥へと入り込んでいく。
それからすぐに、急激に血液を吸い上げられるように、眩暈が襲うだろう。
その眩暈が収まったころには、種から生えた茎が、何本も寄り合って、腕のような形になっている。
違和感が収まれば、動かそうとすれば思ったように動く事だろう。
■追影切人 > 「……っ…!」
種が押し込まれるまでは良かったが、そこから少しの間…いきなり皮膚を食い破られるような痛みが襲ってくる。
元々、痛みには強いので少し驚きはしたが直ぐに平静を取り戻しつつ。
今度は、何か血液を吸い上げられるような――貧血に似た症状と共に眩暈が襲ってくる。
(――こりゃ、俺の血液とか細胞を糧にしてんのか…?)
と、その辺りは馬鹿だから分からないので予測するしかないとしても。
眩暈は少しの間、収まるまで耐えていたが…ふと違和感を感じて視線を向ければ。
何やら、腕の断面に食い込んだ種から発芽した茎が、何本も束ねられて腕のような形に。
幸い、男の左腕は肘先から先が無かった…つまり、関節部分は元から健在だ。
それでも、新たな腕を繁々と眺めつつ、形成された五指を順番に指先から動かし――
「…おぉ、もう神経と繋がってんのかこりゃ。」
そして、五指がスムーズに動くのを確認すれば、今度は手首、それから腕全体と確認するように。
流石に見た目までは人の腕そのもの、とは行かないが機能そのものは人体構造そのものだ。
「へぇ…こりゃすげぇな…見た目がちょい目立つが、人工皮膚?とか使えばほぼ生身っぽいわな。」
最後に手の平をグー、パー、と握ったり広げたりしながら李華に視線を向けて。
「ともあれあんがとよ李華。まさかこんなあっさりと腕の代わりが手に入るとは思わなかったわ。」
あと、体感だが怪異因子のあれこれも無さそうだからそっちの心配もおそらくは殆ど無いだろう。
■紅李華 >
「おー、こんなふーになるんだ」
『共生する種《スナグラップシード》』はじゅんちょーにきりひとの身体になじんだみたい。
ちゃんと、根っこは血管と神経に繋がったみたい。
「ふんふん、ちゃんとうごいてるから――土生金」
あとはかんかく。
「――やっ」
――袖の下から突然、鋭いナイフが滑り出し。
瑞々しい色をした茎を、深くざっくりと切り裂いた。
血のように白く濁った液が垂れ、一瞬遅れて鋭い痛みが走るだろう。
そしてその傷は、みるみるうちに、茎が再生して塞がっていった。
■追影切人 > 「…ってか、薄々そんな感じはしてたがよ?これ、試すのもしかして俺が初だったりすんのか?」
『共生する種』は男の体に適応し、特に副作用やら拒絶反応が引き起こされる様子も無い。
少なくとも、種子と男の肉体の相性は良好という事なのだろう。
反射的に、彼女の挙動に動きそうになるのは最早経験側と野生の勘じみたもの。
とはいえ、相手の意図に気付いたか直ぐに動きを止めて生えた腕をざっくりと切られる。
血液の代わりに、白く濁った樹液?まぁ、そういうのが溢れ出し。
「…いって…、痛覚の有無の確認かやっぱり。」
しかし、その痛みも程なく霧散する。茎が傷口を自動的に塞ぐように覆って再生したから。
(今の所拒絶反応とかはねぇし、思い通りにきちんと動く。
痛覚も最低限あるが、再生力は高い…と、なると見た目以外は特に問題は無さそうだわな。)
気が付けば、ナイフで切られた痕跡すら残っていない。軽く腕をひらひらと振って確かめつつ。
■紅李華 >
「对、んー、ほかのひとははじめて。
人家のゆび、落としてー、じっけんはしたよ?
だからだいじょーぶ」
その時もちゃんと、さいせーはしたし、わるいこともなかったし。
でもおなかはへったかな?
「好的、だいじょぶそー?
その子でよければ、きりひとにあげる」
ちゃんと発芽とてーちゃく、さいせーまでかんそくできたし。
■追影切人 > 「…ま、実験台にゃ慣れてるから別に今更って感じだがな…。」
肩を竦める様子は、ちょっと呆れはあるが特に怒っても居ない。左腕が思ったより早く何とかなったし。
まぁ、さりげなく指を落として実験したとか言ってるが、それは聞き流しておく事にする。
「あーー問題は無さそうだが、確かに若干空腹の気はあるかもな。まぁ、飯食わねぇ事もあるから慣れてる感覚だが。」
男はかなり食生活が不安定なのもあり、この程度の空腹はさして問題にならない。
よく分からないが、まぁこの『共生の種』による左腕はこのまま使わせて貰う事にしよう。
「あとは義眼――は、まぁこっちはのんびりでいいか。
…おぅ、李華。礼に何か食い物でも奢るぜ。そんくらいはしておきたいしよ。」
一応、この男にもある程度の礼を重んじる心はある。
まぁ、これはこちらに来て学園生活において身につけたものだが。
とはいえ、日光浴に来たばかりの李華がここに留まるというのなら無理強いはしないが。
■紅李華 >
「んと、たくさんたべないと、種がよわっちゃう。
だから、きりひと、たくさんたべなくちゃだめ」
きょーせーのはずなのに、えいよーしっちょーになっちゃう。
そしたら、きょーせーどころか、ともだおれだもん。
「真的吗?
たべるー!
あのねあのね、けーきと、ぱふぇとねー」
やった、いっぱいたべちゃおー!
きりひと、ふとっぱら?だー。
――礼をするという青年に、李華は素直についていく。
しばらく腕の様子を観察しつつ、あまいものをたくさん食べ。
最終的にはとても満足して帰って言った事だろう。
■追影切人 > 「…マジか…それが地味に一番面倒だな…。」
昔から、絶食状態に陥る事もあったし、食べるときはそこらの男子よりがっつり食べる。
人体構造が歪なのか、数日食べなくても平気な上に、男が『耐えて』しまうのもあり。
とはいえ、彼女の忠告は最もなので、そこは気をつけるしかあるまい。…ドーナツ食いまくるか。
「…甘いモンばかりじゃねぇか。まぁ、いいか。んじゃ行くぞ。」
と、彼女を伴って屋上を後にする。最終的に甘い物をたっぷり奢ったり腕の観察もされつつ。
その日は少なくとも問題なく、そのまま警備部の仕事もあるので途中で別れただろう。
ご案内:「第三教室棟 屋上」から追影切人さんが去りました。
ご案内:「第三教室棟 屋上」から紅李華さんが去りました。