2022/11/28 のログ
ジョン・ドゥ >  
「お、照れた顔も可愛いな。思わず口説きたくなるね」

 手で扇ぐ様子がなんとも微笑ましい。可愛い系女子、いいね、とてもいい。

「ああ、まあ書類はな。俺も入学の時面倒だったしな……。大丈夫か?一人で書けるか?」

 これはまあ、下心もあったが、一応は純粋な心配と言う事で。これでも風紀委員って肩書もあるし。腕章外してるけど。この辺サポートするのも、公務員の仕事の内、だと思う。多分。

 んでもって、夢中でパンを食べる様子は何とも豪快だ。素直に喜んじゃってまあ……。

「おお……はは、ほんとに腹減ってたんだな。……ん?別に重い荷物くらいは何でもないさ。これでも、もともと傭兵さんでね。うんじゅっキロって荷物持って行軍とかザラだったしな。部屋はどこだ?学生寮か?異邦人街か?」

 ガキの頃からその辺は鍛えられてきた。まあ、重いものを重いとは感じるが、フロリスの荷物くらいならなんでもないだろう。それこそ異邦人街くらいまでなら余裕で歩きとおせる。

「それに、こっち来たばかりってんなら、必要なもんもあるだろ、家具なり日用品なり。今日は特に用事もないし、一緒に行けばその辺も多少教えてやれるだろ?」

 この辺りは親切心、って事でひとつ。にっこり、笑えてるかは微妙だが、同じ「新入生」としては仲良くなって良い事はあっても悪い事はないだろ。
 なんて話しながら、手を伸ばして、そろそろ銃を回収しようか。玉無しでも危険物には変わりないしな。
 

フロリス >  
自慢ではないですが食べても太らない体質です。
太っていた記憶が無いので多分きっとぱーはっぷメイビー。

「口説こうって思うてくれるさあ嬉しいかもだけどそりゃまた今度ね」

にこにこしながら冗談を受け流すも続く言葉に表情が曇る。
これらの書類も職員さんの時間を圧していたので渡されたものもある。正直困っている。
正しい内容なのか自信が無いので誰かが確認してくれるのは助かる。

「傭兵さんじゃったの?そりゃ力持ちさんだ。
 うちゃ学生寮に住んじょるけぇお願いしてもええ?」

もぐもぐごっくんと残りのパンを飲み込むと頭を下げる。
正直此処まで来るときに腕がプルプルしていたので学生寮までたどり着く計画が無かった。
カロリーさえとればなんとかなると思ってました!!!
本当に親切な人に出会えてよかったなぁなどとのんきに考えているとその親切さんがこちらへと手を伸ばす。手の中の工具を受け取るつもりだろう。

「そりゃ本当に幸せます。最低限の服やら家具しかのうって、それを買いに行かんにゃあいけんと思うちょったの。あ、これ渡はぶて……」

などとのんきに喋っていたところ、俄かに空中に漆黒が沸く。それは空中で歪に捩れた羽のような形をとり一瞬後、それは”銃”をもった男の手へと弾丸の様な速度で迫る。

「……っ
 あかんってば!」

顕現の気配に気が付き、緊張すると共に咄嗟に払う。
その漆黒の弾丸は払われた手を避けるように軌道を捻じ曲げると軌道上の椅子を薄紙の様に貫通し地面に深々と突き刺さった。
それを眺めると脱力し、一息つくと男に頭を下げて……

「ああもう、本当にごめん。この子全然制御できんで……。
 むやみに人を襲うたらだめじゃって何度も注意しちょるんけど」

ひとまず被害者が無い事にはほっと一息。
先程の一撃は手を狙っただけ。殺意はなかったようだけれど……ちょっとした警告のつもりだろうか。

ジョン・ドゥ >  
「お、また今度って事は期待していいのか?」

 少なくとも感触は悪くはなさそうか?ありがたいね。昨日はすっかり脈無しのチンピラ扱いだったもんなあ。
 しかし、表情に感情が良く出るな。これは放っておくと夢見が悪そうだ。

「おう、それじゃお願いされちゃおうかな――うぉ」

 空中に浮かんだ黒。なにかと思うよりも早く手を避けるが……幸い必要なかったみたいだ。

「はは、なかなかやんちゃそうだな。気にするな、あれくらいなら何とか避けられる」

 まあさすがに予兆がなければヤバイけどな。ただ早いだけなら問題ない。
 しかし……今のは防御反応か。俺が武器を手に取った、と認識されたのかね。それとも近づくなって意味の警告か?それは喜んで断るとしようか。

「まあそうだな……デート一回。そんなところでどうだ?」

 手伝いと、さっきの「トラブル」込みで。

「どうせ買い物だって、荷物持ちがいた方がいいだろ?デート一回で、今日と買い物の荷物持ちに、そうだな……書類書く手伝いと晩飯。美味い店から出前でも取って、入学祝いしようぜ?」

 なんて、堂々と部屋に乗り込む気で言ってみよう。男とナンパは度胸ってね。
 

フロリス >  
「ちいと!出てきてごめんなさいしな―?」

床の羽を指さしぷく―と膨れながら腕を掲げると虚空から一羽の烏が現れ腕にとまった。
その烏はじろりと男を眺めるとしらね。と言わんばかりに毛づくろいを始める。

「直ぐに心配するんじゃけぇ……
 いけんよぉ。親切な人に攻撃するような真似をしたら」

説教をするもどこ吹く風といった様子の烏に一息ため息をつく。
まぁ今回は本気ではないと思う。本気だともっとえげつないし……
きっとさっきの工具を何か危ないものと認識しちゃったのでしょう。

「本当にごめんのぉ。
 この子を制御するためにこの島で勉強しちょるんだけどまだまだ全然うもういってのうって……
 飼い主として本当に申し訳ないそ。」

しょぼん、と身を小さくして謝る。
こんなに危ないのにこうやって助力してくれると言ってくれる親切なヒトに出会えてよかった。

「怪我せんとってねぇ?」

覚えがあるというか反応していたし何とかなるという自信もあるっぽい。
こっちでもちゃんと気を付けるけれど、そういうたぐいの人は正直助かる。
いきなり出てきても困るし、書類とかははやく終わらせないといつまでたっても授業に出れない。その交換条件にデートだそうだけれど……たしか色々と一緒に遊ぶ事だった気はします。
それに関しては全然問題ない。こちらに慣れている人が一緒だとお買い物とかもだいぶ助かるし。

「友達と一緒に遊びに行くの好きじゃけぇ。
 期待なんてゆわんでも全然オッケーじゃし!
 デートとか、そねーなけぇええなら大歓迎。
 うまいものも注文してしまうよー!」

腕の上に留まった烏が呆れるようにしわがれた声で一声泣いた。

ジョン・ドゥ >  
「おお……なるほどね、そいつが保護者さんか。よろしくな?」

 烏にもちゃんと挨拶しておかないとな?また狙われたら、割と洒落にならないし。まあ何とかするけどな。

「はは、だから気にしなくていいって。俺もフロリスとデートできるんなら嬉しいしな。お互い嬉しいなら何も問題ないだろ?」

 これ多分わかってないよなあ。まあ、それならそれで、普通に仲良くしよう。

「よし、そうと決まれば行くとするか。フロリス、なんか食べてみたい物とかあるか?」

 銃をしまい、席を立って、荷物を持――おい、誰だ担当。こんなの女子に持たせてるんじゃねえよ。電子化しろ電子化……いやフロリスの方が使えないか。
 あとで正式に抗議しておくか……。

「まあ、うん、これくらいならなんでもないな。それじゃ行こうぜ。書類片付けるなら早い方がいいしな」

 片手で荷物を担いで、右手を差し出す。さて、口で言った以上、しっかりと面倒見させてもらうとしようか。
 

フロリス >  
「保護者はうちじゃよ!?」

思わずガタッと椅子から立ち上がり抗議する。
何故かみんなこの子を見るとこの子を保護者と認識する。
どう考えても私が飼い主で保護者ではないでしょうか‼
その烏はじっと男を見つめると翼を広げ数枚の羽根を残して虚空へと消えた。

「本当に好き勝手するんじゃけぇ!
 うちだって怒るときは怒るんじゃけぇね!
 ……ん、楽しみじゃね!」

腰に手を当てぷんすか空中に指をさし一通り文句を伝えた後笑顔で振り返る。
学校の記憶はないからこれからどんな体験があるのか今から楽しみ。きっといいものになると思う。
だってほら、さっそく友達が一人で来た。

「改めてよろしくね!
 女子寮までよろしゅうお願いしまぁす」

上機嫌でお願い!とぽーずしてみたり
友達が増えるのはいつだって楽しい。
そして友達との約束はもっと楽しい。

「あ、今うちものっすごいOUDON食べたい」

重い荷物を軽々とかかえてこちらに差し出された男の手を躊躇う事もなく握る。
紙袋とその中身に関して考えると気が重いけれど、楽しい予定も増えた。
書類だけではない。まだまだ困った事や困るだろうことは沢山ある。
それでも全然不安なんかない。だって

「楽しいねぇ」

これからずっと良くなるはずだから。



……その後女子寮は男子禁制で、結局入り口近くから部屋までぜーは―いいながら書類を運ぶことになったのはまた別の話。

ご案内:「第三教室棟 食堂」からフロリスさんが去りました。
ご案内:「第三教室棟 食堂」からジョン・ドゥさんが去りました。