2024/05/27 のログ
ご案内:「第三教室棟 屋上」に蘇芳 那由他さんが現れました。
蘇芳 那由他 > ある日の屋上。黒髪黒目にやや色白の不健康?そうな肌をした少年がぼんやりと突っ立って景色を眺めている。

「………ん~~~……。」

ただぼんやり黄昏モードになっているのかと思いきや、どうもそうではないらしい。
何やら、時々小さく唸りながら目線を緩く動かしつつあちこちを軽く指さし。何か確認しているようだ。

「……いい加減に少しは土地勘が養えてきたと思ったんだけど…。」

ぽつり、と呟く。この少年、実は地理の把握などが地味に苦手なのである。
今日は見晴らしの良い場所の一つである屋上にて、街並みと脳内知識を擦り合わせているようだ…が。

「……あれ、異邦人街ってあっちの方角…いや、こっちだったかな…。」

指先がふらふらと頼りない動きで違う方角を交互に示す。知識の問題なのか記憶力の問題なのか。

蘇芳 那由他 > 「…何度か足は運んでる筈だし、地図でも確認したんだけどな…。」

何故か地理の把握、現在位置の把握がどうにも苦手なのである。
空間認識能力に問題があるのかもしれない、と言われた事があった気もする。
そういえば、何時の間にか落第街方面に訪れていたり、常世渋谷の”裏側”にも飛ばされてたような。

「……僕はもしかしてヤバい方向音痴なのかなぁ。」

ぼんやりと覇気の無い表情のまま呟いてから、結局、異邦人街の位置確認は諦めたのか腕を下した。
もう片方の手に持っていた缶コーヒー(【BOUZ】無糖。禿頭の渋いおじさんの横顔デザイン)をちびりと一口。

蘇芳 那由他 > (…まぁ、なるようになる…と、いいんだけど変な所に迷い込んだりしたら困るしなぁ。)

実際、迷い込んで戦闘に突入したケースが2,3回ほどあったので洒落にならない。
ブラックなコーヒーは眠気覚ましと気分転換にはなるが、自身の問題解決には役に立たず。
…しかし、この缶コーヒーのパッケージデザインのハg…失礼、禿頭のおじさんは何者なのか?

「…ご丁寧に頭の部分だけメタリックに光るデザインなのが変に凝ってるというか…。」

個人的には好きな缶コーヒーのメーカーさんではあるが。
ちびちびとコーヒーを飲みつつ、月末の小テスト大丈夫かなぁ、とかそんな事を考える。
自分の目下の問題はとりあえず棚上げにする事にしたらしい。切り替えは意外と早い。

ご案内:「第三教室棟 屋上」に神樹椎苗さんが現れました。
神樹椎苗 >  
「久しぶりですね、非凡人。
 元気そう――ではありますが、なに黄昏てやがるんです?」

 屋上から景色を眺めているように見えた少年に、後ろから声を掛けた。
 『ビジネス契約』とはいえ、同じ『お役目』を行う仲間のようなもので。

「ふぁ――はぁ。
 気圧が低いせいですかね、クソ眠くてやってらんねーです」

 少年の隣までやってきた椎苗は、大きく欠伸をして、眠たそうな様子で少年に、ん、と片手を差し出した。
 まるでそのコーヒーをよこせとでもいうような様子で。
 

蘇芳 那由他 > 「――その呼び名は確定なんですかね……お久しぶりです、椎苗さん。」

聞き覚えは確かにあるが、こんなタイミングで聞くのは予想外の久々の声。
とはいえ、表情は相変わらず覇気の無いままにそちらへと振り返り会釈をする。
…しかし、何だろうか?あの服装は。ゴスロリ?というやつだろうか?僕はファッションには疎い。

「気圧…あぁ、人によっては頭痛とかもあるやつですよねそれ。」

色々個人差や症状の違いはあるっぽいが、気圧のあれこれに弱い人も少なくはない…のだろう。
で、ナチュラルに『寄越せ』とばかりに差し出された少女の片手。
一瞬、その手と己が手に持った缶コーヒーを交互に眺めるが…。
まぁ、別にいいかと素直に少女に手渡した。その辺り無頓着というか執着は無い。

ちなみに『ビジネス契約』については、無理のない範囲でちまちまやってはいる。
とはいえ、少年は魔術も異能も無く戦闘力も高くはない、むしろ低い。
あくまで【槍】に助けられつつ、何とかこなせているという塩梅だ。

神樹椎苗 >  
「ん、確定ってわけでもねーですが。
 何か希望の呼び名でもあるんです?」

 ひらひらとフリルの積載量が明らかに過多な個性的な服は、屋上の風に煽られて大げさに揺れている。
 やけに短い裾丈は、包帯やパッチのされた太腿を危ういラインで辛うじて用をなしていた。

「最近まできにならなかったんですが。
 ここしばらく、眠くてしかたねーです」

 当たり前のように缶コーヒーを受け取ると、ぐびぐびとあっという間に飲み干してしまった。

「――ふぅ。
 もっと砂糖が多いやつが好みですが、まあいいです。
 美少女との間接キスですよ、精々よろこぶといーです」

 そう言いながら、すっかり空になった空き缶をさし返した。
 はげ頭のおじさんがどこか寂しそうに見える。

「しかしお前の方は、随分と働きものじゃねーですか。
 予想してたよりずっと精力的でスカウトした甲斐もあるってもんです。
 来月にはボーナスをやってもいいくらいです」

 どうやって『お役目』の内容を把握しているのか。
 どうやら少年の活動は把握しているようで、おそらくは少年が思っていたよりも数割ほど多くの報酬がこれまで振り込まれていた事だろう。
 その上、どうやら臨時の褒賞まで用意するつもりらしい。

「――それで、なに黄昏てやがったんです?」

 と、少年の顔をどことなく眠たげな顔で見上げて本題とばかりに訊ねるのだった。
 

蘇芳 那由他 > 「…そう言われると、それはそれで思い浮かばないんですよね…。」

そもそも、【蘇芳那由他】という名前も保護観察期間を経て与えられた仮初の氏名に過ぎない。
別に蘇芳や那由他でも良いとは思うが、まぁ結局の所は、だ。

「…まぁ、余程酷くない呼び方なら椎苗さんのお好きな呼び方でいいです。」

緩く肩を竦めてみせつつ、そう答える。記憶が無いのもあって執着心みたいなものも薄い。
自分の名前にも愛着があるとかは無い。そういう戸籍だから名乗っているだけだ。

「…あぁ、まぁ。気分転換に苦いのが飲みたかっただけなので今は。
あと、それで喜んだら色々とまずいのではないかなぁ、と。」

間接キス、と言われても動揺は全く無く、むしろやや半眼になって突っ込みを。
ともあれ、返された缶を受け取れば、近くにあった空き缶用のごみ箱にダストシュート。
……が、残念外れ。地面に転がったそれを無言で拾い上げて今度はきちんと放り込んだ。

「…自分に出来る範囲でやってるだけなんですけどね。
あと、まぁ【槍】に引っ張られる形なので僕自身はオマケみたいなもんで。」

謙遜や卑下、などではない。ちゃんと冷静に今までのお仕事の内容を顧みての発言だ。
とはいえ、ボーナスは有難い。何せ少年の収入源の大半がこのお仕事だからだ。
お陰で、普通に暮らす分にはさほど金銭に困る、という事にもなっていない。

(むしろ、提示されてた金額より多めに振り込まれてる気がするんだよなぁ。)

と、今思い返せば明らかにちょっと上乗せされていたような気もする。
そこに臨時ボーナス、となると貯金も増えそうだ。何に使うかは未定だけど。

「…あぁ、大したことではないですよ。
どうも僕は地理とか位置の把握が苦手、みたいで。
落第街にも知らず知らずそれで何度か迷い込んだりしてますし。
で、ちょっと屋上から街並みを眺めて位置関係とかをお浚いしてたんですけど…。」

結果はまぁ、芳しくない。記憶力が悪いのか単なるバカなのか。
とはいえ、単なるアレな方向音痴かもしれない。その辺りは正直分からない。

「あと、空間認識能力でしたっけ?アレが人より乏しいのかもしれない、とか言われましたね。」

”空間にある物体の形や大きさ、位置や方向などを認識する”能力だ。
少年の場合、物体のあれこれは兎も角、位置や方向認識に少々難があるらしい。