2020/06/13 のログ
ご案内:「部室棟」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
ご案内:「部室棟」に月神 小夜さんが現れました。
■水無月 斬鬼丸 > これまでのボッチ生活は、部活をやっていないからなのかもしれない。
そう思い立った水無月 斬鬼丸(16)は部室棟の奥地へと足を運んだのであった。
できれば運動部的なアレやらパリピの巣窟みたいなものは敬遠したい。
できることならこう…それなりに和気あいあいとしていて
専門知識を知らなくても白い目で見られないような所が良い。
しかし、競技的なあれだとレギュラー争い的なものがあるのだろうか?
……俺に部活は難しいのではないか?
ハードル高くないか?
きたはいいものも、そのような考えに囚われ、廊下で立ち尽くすのであった。
■月神 小夜 > そんな斬鬼丸の背後から忍び寄る影がひとつ。
……忍ぶどころかスキップしながら近付いてくるのだが、周囲は部活に赴く生徒達で賑わっており、考えに没頭するあなたはその接近に気付くのが遅れてしまうかもしれない。
「あれ、ザッキーじゃん! な~にして~んのっ?」
あなたの両肩に手を置いて、肩越しに顔を覗き込むようにしてそう訊ねてきたのは、同じ学年の月神 小夜(16)であった。
明るいグレーで染めた髪に赤いエクステを付け、派手めなメイクと香水の匂いを振り撒く陽キャ代表のような存在だが、学年を問わず誰にでもこんな調子で絡んでくることで有名だ。
トレードマークであるヘッドフォンを隔てたすぐそばに彼女の顔がある。
■水無月 斬鬼丸 > 「うひっ!?」
急に肩に手を置かれたのでビクリと肩が跳ねる。
いや、気づいてない自分が悪いところもあるが
いきなり接触してくるとは思わない。
ってか距離近い。
不意をつかれたこともあっておもわず変な声が出た。
いかにもギャルギャルしい少女…見覚えはあるし、名前もまぁ…知っている。
が、そのくらいだ。ザッキーと呼ばれるほど親しいとは思ってない。
ってか近っ。やばっ。
「あ、あー…えっと…月神サン…だっけ」
確か、こんな名前だったはず。
■月神 小夜 > 「あっはは、変な声! ウケる~!」
期待通りの反応に満足した様子で顔を離した。
小馬鹿にしたような笑いではなく、心底楽しそうに笑っている。
それから、当たり前のようにあなたの正面へ回り込む。
「ん、そだよ~。月神 小夜! セレナちゃんって呼んでね☆」
ウィンクと同時に、顎の下でピース。
"きゃぴっ☆"という効果音が聞こえてきそうな勢いだ。
「んでんで、ザッキーはこんなトコで突っ立ってどーしたの?
なんか部活やってたっけ?」
相も変わらず友達感覚。
彼女にとってはこれが平常運転である。
■水無月 斬鬼丸 > たしかに自分でもわかるくらい変な声…
まぁ、言ってしまえばキモい悲鳴を上げてしまったため反論の余地はない。
正面に回られると楽しそうな笑顔を向ける少女。
どちらかと言えばパリピだし陽キャ。
自分の苦手なカテゴリに位置する少女だ。
これらの特徴はやはり…距離が異常なまでにちかいということだ。
陽パイセン然り、彼女然り。
「いきなり来るもんだから…しょうがないだろ」
一応こうは言うものの、彼女は悪びれもしないだろう。
彼女のポーズがそれを物語ってる。
「あー…なんつーか、部活探そうかなーってウロウロしてたんだけど
なんか、いいもんなくて…あれだ、運動部とか苦手だし
文化系ってどうもよくわかんないし、商売系もなんかバイトでいいかなって…」
こう、やりたいこと…というものがないと部活を特定するのは難しい。
ボッチ脱却というふわっとした覚悟ではダメなのだ。
「で、月神さんは…けーおん部だっけ?」
■月神 小夜 > 案の定というか、申し訳なさそうな様子は一片も感じられない。
会話中でも他の生徒とすれ違えば親しげに挨拶を交わしている。
「こんなトコで見かけるの珍しいな~って思って声かけただけだし?
あと、なんか困ってそーだったからさ」
話を聞いて、なるほど部活探しか~、と納得した。
自分は得意分野が音楽なので即決だったが、これといって判断基準がない状態で部活を決めるのは確かに難しそうだ。
「そ、軽音部! アタシ音感には自信あるんだ~♪
なんなら見学してく? 男子いないけど」
今ならハーレム状態だぞ~、なんてわざとらしく誘う。
■水無月 斬鬼丸 > このような態度は、通常であれば好まれる気質。
彼女は友人も多く、なんでもルームシェアまでしてるとかなんとか。
見かけることはあっても、遠くから誰かと親しげに話してる姿を見る程度…
そんな自分の名前まで把握してるんだから陽キャの情報網恐るべしだ。
話を聞けば、うなずいて
「こまってるっつーか…まぁ、部活ってのも正直良くわかんなくてさ
見るってのもどうも気後れしちゃってどーも…」
力無く笑い、自分の陰キャぶりが情けなくなる。
彼女は得意分野があるが…自分はそうでもない。
ゲームは得意だけども、そういうことではない。
などと言っていると、彼女からの提案。まじかよ。
「ぇ?軽音部…って…ガールズバンド的なトコに入ったらわりとやばくない?
いや、見学…見学かぁ…」
軽音。いわゆるパリピ陽キャ御用達、学園生活充のための部活。
しかし…なやむ。
ボッチ脱却にはいいのかもしれない?
■月神 小夜 > 「へーきへーき。センパイ達、男に飢えてるし」
それは平気と言うのだろうか……?
まぁ少なくとも邪険には扱われないだろう。たぶん、きっと、おそらく。
「や、別に軽音部じゃなくたっていいけどさ。
初めはキョーミ無くても、楽しそうにやってるの見たら自分もやりたくなるかもよ?
入ってくのが怖いんだったら、アタシもついてったげよっか」
部員獲得に必死、というわけでもないのでノリが軽い。
ここで断っても「そっか~」で済ませてくれそうだ。
とはいえ、こんなチャンスは二度とないかもしれない……
■水無月 斬鬼丸 > なんか引っかかる言葉が聞こえたがそれはそれ。
彼女の言い分もよく分かる。
部活というものに対する熱。それを理解すればなにか出来るかもしれない。
やりたいことが。
「俺イケメンでもないし、陽キャでもないんで
お眼鏡にはかなわないかなーと…」
邪険に扱われたらさすがに泣いてしまうかもしれない。
陽キャこえぇ…
「あー…まぁ、見に行くのはいいかもしれないな。
さすがに、初めてのトコに突っ込んでいくのは怖いんで…
えーと、月神さんが良ければ?ついてきていただけるとありがたいかなーなんて…」
自分にしては積極性ある言葉だ!よくやった!
これもおそらくは、彼女の気安さのおかげだろう。
■月神 小夜 > お眼鏡にかなわないと言われ、あなたの顔をまじまじと見る。
明るい時の満月のような色をした彼女の瞳と目が合うかもしれない。
「ん~……素材はいいと思うけどなぁ。
髪切って、目ぇパッチリして、背筋伸ばしたら結構いいセン行くと思うよ」
結果、ダメ出しともアドバイスとも取れる評価を下した。
「ま、それは後で考えるとして。
そうと決まれば"急がば急げ"っしょ! ……あれ、"善は回れ"だっけ?
どっちでもいーや。行こ行こっ」
ついて行くという話のはずが、あなたの手を引いて歩き出そうとする。
校内やSNSでもわりと有名な彼女に連れ歩かれれば、必然的に注目を集めることになるだろう。
■水無月 斬鬼丸 > 距離近いって!
香水の香りだろうが…女の子って感じがする。
いや、そうじゃない。思わず照れてしまうが、そうじゃない。
「わりと全面的にダメってことじゃないか…」
褒めてはくれているのかもしれないが…
髪とか目とか姿勢とか、わりと外見でパッと目が行くところだ。
彼女のセンパイらにあうのが今更ながら怖くなる。
「あ、はい。ってか…手ぇっ!?」
手を引かれ歩き出す。
軽音部で活躍している彼女。有名だったりファンがいたり
もはやアーティストとしての片鱗を見せているわけなのだが…そんな彼女とともに
しかも手を引かれていれば目立ちもする。正直気が気ではないが、女の子の手を振り払えるだろうか?
いや、できない。
このまま部室へと連れて行かれるだろう。視線の矢衾にされながら。
■月神 小夜 > 「あっはは、そうとも言うかも!」
姿勢を正すなら、やはり運動部とかの方が向いているかもしれない。
もっともイメチェン以前に体が持つかは怪しいだろうが……
そんなやり取りをしながら部室棟の廊下を突き進んでいく。
周りの視線など小夜はお構いなしだ。
「着いたよ~、ここがアタシらの部室!」
やがて『軽音部』と書かれたプレートのかかった扉の前に辿り着いた。
あなたに心の準備を与える間もなく、流れるようにその扉を開く。
【もう1レス続きます】
■軽音部 > 防音素材の壁に囲まれた、音楽室に似た構造の部屋。
そこに数人の女子生徒が集い、それぞれの担当楽器を手に楽譜とにらめっこをしている。
「あら、遅かったわねセレナさん。……その人は?」
そのうち一人が顔を上げ、入口に立つ二人を見た。
正確には小夜の隣にいる斬鬼丸へと、部員達の視線が集中する。
■水無月 斬鬼丸 > 「え…ちょまっ!!?」
こちらの思惑など関係なくずんがずんが進み
すぱーんと扉を開く。
動きによどみがなさすぎて、一言も発せなかった。
そこには数人の女子の先輩の方々…と、楽器がいくつか。
まぁ、当然こちらをみている。
突然ドアが開けば誰だってそうなる。
「あ、あー…えっと、水無月斬鬼丸っていいます。
えーとですね…月神さんに誘われて見学…にと…
よろしければ…」
ガチガチに固まってしまう。
あらたまった挨拶というのはどうも苦手…
いや、普通ならばこんなにはならないのだが
今回はいきなりドアを開けられたせいで心の準備も言葉の準備も足りていない。
■軽音部 > ざわ... ざわ...
部員達の間に緊張が走った。なにせ男子が連れて来られたのだ。
あなたに向けられる眼差しは、さながら獲物を狙う猛禽が如く───
「まあ、見学ですか。ようこそいらっしゃいました。
私はベース担当、2年の江藤(えとう)といいます」
その中で対応に当たった女子生徒は落ち着いた様子だった。
にこやかに一礼をして、こちらへどうぞと招き入れる。
【もう1レス続きます】
■月神 小夜 > 「この人がエッちゃんセンパイね。
あっちの二人がギターのカナちゃんとサッちゃんで、あっちがドラムのトモちゃんセンパイ」
およそ先輩に向ける態度ではない気安さで部員達を紹介していく。
それから、隙を見てあなたの耳元に顔を近付け……
「ちなみにエッちゃんセンパイ、カレシいない歴=年齢ね」
いらん情報を耳打ちしてきた。
■水無月 斬鬼丸 > え、何この反応。
やっぱり来たらまずかった?
なんかゾワゾワするんですけど。
しかし、対応してくれたセンパイはわりと物腰柔らか。
ちょっと安心。
「あ、はい、あざっす」
緊張も少しほぐれ、礼をいえば招かれるままに部屋へとふみだす。
月神さんが紹介してくれているが、エッちゃんカナちゃんサッちゃんトモちゃん…
誰が誰だ?となってしまうので逆に混乱することに。
「う、ああ、うん………へ?」
メンバー紹介に返事を返そうと思えば妙な裏情報が舞い込む。
なんでそれ言った。
とにかく、部屋に入って少し奥まったところに。
■月神 小夜 > 「言ったっしょ、男に飢えてるって」
それはベース担当の彼女とて例外ではない。
むしろ部長でもないのに真っ先に動いた辺り、この中で一番張り切っているまである。
皆、初対面なので猫を被っているだけなのだ……
「いきなり専門用語で話してもワケわかんないだろうし、
ここはやっぱアタシらの演奏聴いてもらうのが早いかな」
リークした本人はというと、あっけらかんとした顔で話を進めていた。
■水無月 斬鬼丸 > 「……え、いや…まじか…」
飢えている。
つまりそういう目で見られているということか?
馬鹿な。
しかし、なんか刺すような視線を感じるあたり
なんかこう、なんかあるのだろう。
普段から男子と仲良くしてるからだろうか、月神さんはそんなそぶりをみせていない。
ペースが崩れないということは慣れているのだろう。
「そうっすね…えっと、先輩方もよろしければ…
聴かせていただけると、はい」
少しばかり遠慮がち。
ちょっと視線が怖いものの、軽音部の演奏というやつは実際に聴いたことがない。
熱やノリなどを知るには丁度いいだろう。
■軽音部 > 「ええ、もちろん。
私達の活動を知るには実際の演奏を聴くのが一番ですから」
あなたが移動した部室の片隅に椅子を置く。
ついでに、休憩時間に食べる予定だったお菓子が振る舞われた。
提供元はカナちゃんとサッちゃん。露骨な点数稼ぎだ!
それぞれが担当する楽器を手に配置につき、小夜はキーボードの前に立つ。
すると先程までの浮ついた空気が一変し、瞬時に部活動モードに切り替わった。
【もう1レス続きます】
■軽音部 > 披露するのは何かの曲……というわけではなく、新歓などで各パートが短い音出しをするもの。
トモちゃんセンパイ
「はいワン、ツー、ワンツースリー!」
ドラムの合図を皮切りに、各員が一斉に楽器を掻き鳴らす。
一見するとバラバラの音に聞こえるが、この演奏は何度も練習してきたもの。
絶対音感を持つ小夜がキーボードで主旋律を誘導し、やがて綺麗なセッションを奏で始める。
■水無月 斬鬼丸 > 「あ、ども…お気遣いなく…」
さすがに手を付けようとしていたように思えるお菓子を食べてしまうのは気が引ける。
お菓子といい椅子といい、なんか手厚い歓迎がされているようだ。
せっかくなので、イスには座らせていただく。
月神さんも位置に付けば、いよいよ演奏が…
いや、演奏が始まる直前から空気が変わる。
思わずこちらの身体にも力が入る。
名前は覚えてないが…ドラムの人はトモちゃんセンパイ。これは覚えた。
そのトモちゃんセンパイの合図とともに演奏が始まる。
「…(ぉぉ…)」
声には出さないが、リズム隊に音を乗せるそれぞれのパート。
軽音部にありがちな荒々しさは控えめな、綺麗な音。
それを音楽としてまとめ上げてこちらにぶつけてくるような。
雰囲気からも伝わる熱。
プロとは違う、学生特有のそれを受け止める。
■月神 小夜 > 演奏自体は短いものだが、部員達の笑顔とハーモニーによって印象深い曲へと仕上がった。
最後まで合わせ終え、楽器を置いてあなたを見る。
「と、まぁこんな感じ! どうだった?」
代表して小夜が感想を訊ねたが、みんな気になるようだ。
■水無月 斬鬼丸 > 「おぉぉ……」
感嘆の声を上げてぱちぱちと拍手。
先程までの印象とは一点したといってもいい。
「えっと…なんか、かっこいいっすね」
月神さんはもちろん。他の先輩方もだ。
かっこいい。これが素直な感想だ。
語彙力のなさは…まぁ、うん。
■月神 小夜 > 「えへへ、そうでしょそうでしょ~♪」
素直な評価を受けて喜ぶ小夜と部員たち。
エッちゃんセンパイに至っては陰でガッツポーズをしている。
「最初の頃はもっとバラバラだったけど、どこがズレてるか聞き分けながら練習したら合うようになってさ。
ちょっとずつ音がキレイになってくのが分かって、ちょー気持ちいいんだよ!」
演奏を始める前と比べて頬が紅潮し、うっすらと汗をかいていた。
他の部員はそうでもなく、これは小夜だけに見られる現象である。
「これで音楽にキョーミ持ってくれたらアタシ達も嬉しいし、
もっと色んな部活に顔出したくなったら、それも嬉しい!」
そう言って笑う。最終的に決めるのはあなた自身だ。
結果というより何か影響を与えられれば満足ということだろう。
■水無月 斬鬼丸 > 感想を受けてなんかうれしそうな面々。
なんだかこちらも照れくさくなってしまう。
一人ではできないんだろう、こんなことは。
こういうのが部活なんだろうなと…そうおもう。
ああ、楽しそうだな。
「なんか、いいっすね…部活っつーか…
いままで、あんま音楽とか聴くだけだったけど、俺にもできりゃ
その、なんつーんすかね…気持ちよさ?みたいなのとかわかるんっすかね」
あと、彼女らのようにかっこよくみてもらえるのだろうか?
月神さんの方を見れば、少し汗ばみ頬が赤い。
なんだか、少し色っぽいと言うか…いや、キーボードってそんなに疲れるんだろうか?
「やりたい…とは思うんっすけど…
大丈夫っすかね?俺、ほら、男だし?
楽器やったことないし…」
もちろん演奏を聞いて、全員のその姿を見て思うところはある。
が、やる気が出るのと同時に、気になる点もでてくるもので。
■月神 小夜 > 「誰だって最初ははじめてっしょ?
アタシはとっくに経験済みだけど、カナちゃんは触るのも初めてだったし」
なにか言い方がアレだが、要は初心者から始めた部員もいるという話だ。
「けっこうタイヘンなとこもあるけど……アタシ達がついてるからさ」
せっかく前向きに考えようとしてくれているのだから、
こちらも背中を押してあげたくなるというものだ。
もう一度、部員達を代表してあなたの前に立つ。
「何事もまずはやってみる、くらいの方が楽しいよ?」
そう言って、笑顔で手を差し伸べた。
■水無月 斬鬼丸 > 「そういうもんっすか…みんなやってるから好きで集まるとか…
そういう異能があるからってわけじゃないのか」
へー、と関心する。
カナちゃん…は、だれだっけ。イスを出してくれた子だったか。
まぁ…それは…
「そう…かな…、そうだよな…うん…
んじゃ、そのえーと、よろしく…?」
差し伸べられた手、おずおずと握ってみる。
女子の手を自分から握るとか、初めてじゃないか?
名前も、楽器も、おいおい覚えて、慣れればいいか。
■軽音部 >
■月神 小夜 > 小夜のように異能からして素養があった者ももちろんいる。
かと言って、何事も自分が楽しめなければ長続きしないものだ。
最初に見学を勧めたのは、そういう気持ちを知ってもらいたかったからというのもある。
「……ん、よろしくっ♪」
あなたの手を引いた時よりも、しっかりと握手を交わす。
思わず他の部員達からは拍手が沸き起こった。
「改めて───ようこそ、軽音部へ!」
■水無月 斬鬼丸 > 何からやるべきか
色々考えることはあるが…とりあえず、前に進もう。
ボッチだから、陰キャだからで何もしないのでは、きっとつまらないだろうし。
握った手をに視線を落とし
拍手をしてくれる面々を見る。
そう言えば、大事なことに気づいた。
女子しかいねぇ……
「…………」
自分があまりにも場違いな部に入ってしまったことに改めて気づいた。
「自分、最初は荷物運びとかってことになるんっすかね…?」
■軽音部 > あなたの問いに拍手が止まり、部員達は顔を見合わせる。
エッちゃんセンパイ
「女所帯の部活……」
カナちゃん
「そこに男子が一人……」
サッちゃん
「となれば、やる事は……」
トモちゃんセンパイ
「まぁ、アレだよね……」
そして、あなたの手を握ったまま、小夜が顔を近付けてきて───
小夜
「とりあえず……やってみたい楽器、ある?」
小首を傾げてそう訊ねた。
入部した以上、雑用で済ませるつもりはないらしい。
■水無月 斬鬼丸 > アレってなんだ!?
なんか不穏な空気が漂う。
かわいがりか?パシリか?
手を握ったままに一瞬引きそうになるが…
月神さんが顔を寄せれば固まってしまう。
やはりこの娘…距離感近い。
「え、あは…?がっき?えと…」
正直あまり詳しくない。詳しくないが、バンドと言えばあれだ。
「ぎ、ギター…かな?」
あまりに安直と言うかなんというか。
■月神 小夜 > 「オッケ~! それじゃカナちゃんとサッちゃんに付いてもらうとしてぇ……」
また溜める。これ以上何かあるとでもいうのだろうか。
いや、あるだろう。いきなり練習を始めるより先にやるべき事が。
「まずは自己紹介とボーカルの素質を確かめるのも兼ねて、
カラオケで親睦会とシャレ込みますか~~~!」
小夜の言葉に、イエ──イ! と沸き立つ部員達。
そのまま、あなたを半ば連行するような形で校外へと連れ出し、学生通りにあるカラオケボックスに突撃するのだった───
■水無月 斬鬼丸 > 「あ、はい、えっと…ふたりともよろしく」
キーボードやドラムは殆どの場合一人。
ギターやベースあたりは数人いても問題ないのではという考えもあったが…
とりあえずはついてくれるという二人に頭を下げる。
しかし、アレとは一体…
「なにぃ!?」
女子とカラオケだと!?
まて。
さすがにこの、陽キャまっしぐらなイベントは想定していなかった。
女子の前で何を歌えばいいのか…まったく考えていなかったのだから…。
ご案内:「部室棟」から月神 小夜さんが去りました。
ご案内:「部室棟」から水無月 斬鬼丸さんが去りました。