2019/02/10 のログ
ご案内:「図書館」に羽栗 クラウさんが現れました。
■羽栗 クラウ > 「はふぅ、お邪魔しま〜す。」
朝、まだ朝日が見えるような時間。ガチャリと図書室の扉が開く。
そこには小柄な少女の姿。誰もいないことを確認するようにキョロキョロと辺りを見渡すと、そろそろりと中へ入ってくる。
「今日は何の本を読もうかなぁ…♪」
テスト期間なんて知ったことかと、本を読むつもりでいるらしく。朝早い寒さに耐えられるように来てきた厚着のまま、小説の棚へ。
■羽栗 クラウ > 「今日はこれと…」
本を取っていく。もともとある程度の検討はつけていたのか、その手つきは素早い。書架を巡りながら、腕の中の本の数が瞬く間に増えていく。
「このくらいでいっか。」
ちょうどよい本を見つけたのか、機嫌よく本棚の脇にある読書スペースの机へ、ドサドサっと10冊ほどの単行本を積み上げる。
その机に座ると、指を迷わせたあと適当な1冊を取り出して、読み始める。
■羽栗 クラウ > 「〜♪」
早朝と言ってもいい頃合いの図書館にはほぼ誰もいない。
広々とした図書室を占有している気分になりながら、ページをめくっていく。
そこで繰り広げられるのは剣と魔法の冒険譚。ありふれた物語かもしれないが、逆を言えばそれだけ多くの人に愛され、好まれてきたということ。その本は往年の名作と言われることもあり、古い本なれどいまの羽栗が読んでも十二分に面白いもので、テンションの上がった羽栗は、次第に本に没頭していく。
■羽栗 クラウ > 「……」
いつしか無言で本に集中し、周囲にはただページをめくる音だけが響く。
静謐な空間の中でただ一人、本を読んでいる羽栗の様子とは打って変わって、その脳内では鮮やかな冒険活劇が繰り広げられている。
小説の内容としては単純だ。若き少年が力を得て強大な悪を倒す。大変容前は当たり前だった物語の筋のはずだが、あれから物語も変容してしまったと羽栗は思う。
ああいった作品は、現実に超能力や異世界人がいなかったから楽しめたのであり、現実にいたらそれは別の物語としての受容をされたのではないか、と。
往年の名作とは言ったが、それは大変容以前の話で、今ではほぼ語られなくなっているその本を読み終えてぱたりと閉じ、一つ息をつく。
■羽栗 クラウ > 「残りは借りて家で読もう。」
受付で司書に早朝からご苦労様ですと挨拶し、貸出手続きをしてもらう。
ピッというバーコードが読み取られる音。本の山が右から左へと積み変わり、ジジジジという音とともにレシートが発行される。
その手に本をいっぱい詰めた自分用の本持ち運びバッグを手にし、失礼しますとの声とともに、図書室を去っていく。
ご案内:「図書館」から羽栗 クラウさんが去りました。