2020/06/18 のログ
朝宮 小春 > 「………あー、そうね。」
姉は見てくれたけれど、母はあまり見てくれなかった。苦笑しながらも可愛い妹のような生徒の頭をぐし、っと撫でて。
どちらにしろ、もう過去の話だ。首を少しだけ横に振って。

「そういうこと。 じゃあ、期待していようかしら。」
照らす、と明るく、まぶしいくらいに明るく言い放つ生徒を瞳を細める。
天真爛漫な明るさは、遥か昔の頃に忘れてしまった気がするけれど。

「………ほら、静かにして。
 勉強を続けましょうか。 私もお手伝いするからね。
 ………どうしても声が出ちゃうなら、それこそお部屋にでも行きましょうか?」
甘やかしてしまう悪い教師。

黒藤彩子 > 「よ、よーし目指せ考課表八割の……〇……!」

声は静かに力を込めて。まるで悪巧みするように、御伽話の意地悪い猫みたいに笑って拳を握る。

「むむむ、良いんですか?そりゃあ……サミヤン先生が手伝ってくれるなら嬉しいですけど」
「甘えちゃいますよう?」

しかもサミヤン先生が手伝ってくれると来た。これはもうほぼ勝利確定じゃあなかろうか!
私はもう一度先生に凭れて、懐いた猫がするみたいに肩口に頭を擦りつけて言葉を崩し、はっしとその腕を組むように取る。

「と、ゆーわけで女子寮に……私のお部屋に行きましょうかサミヤン先生!ついでに部屋の掃除とかもちょっと手伝って……」

この間拾ったイイカンジの漬物石の置き場が無くって困っているし、垂直抗力もへったくれも無い部屋模様にも困っている。
溺れるものは何かを掴むのだから、困った生徒が先生を掴むのは当たり前といえるのだった。
この後、乱雑な部屋模様にサミヤン先生の顔がきっと面白い事になったかもしれないし、ならないかもしれない。
部屋がきちんと整ったか整わなかったかも判らないし、解らない。それでもきっと、サミヤン先生と過ごす一時はおけまるに違いないのだ。

朝宮 小春 > 「そうそう、がんばりましょう。
 もちろん。 困っているならね。 ……でもまあ、秘密、よ?」
男の子に対してはいはい、と上がり込むようなことはしないけれど。
妹みたいに可愛いので、ちょっとくらいは許してしまう。

「……? ああ、いや、………彩子ちゃーん?
 そういうところ本当にちゃんとしないと………」
もー、っと溜息をつきながら、こつんこ、と頭を突いて。

それでもきっと部屋にまで行ってしまうのだろうし、ひーひー言いながらもひとまず見れるレベルに片付けるに違いないのだ。

ご案内:「図書館 閲覧室」から黒藤彩子さんが去りました。
ご案内:「図書館 閲覧室」から朝宮 小春さんが去りました。