2020/06/28 のログ
マルベリア >  
「……、……」


その間、視線が顔毎反らされる。
気不味い、というのもあるが。

よくよく考えれば瓜二つの姉の存在を考えると、
下手すれば色々と問題が浮かんでくるのだ。

其れは余り宜しくない、宜しく無いのだ。


「んン゛ッ!」

軽い咳払いを一つ、場の空気を何とか打ち払う様に。

なに、この少女の感触を考えるに、
変な勘違い、思い違いはされていないだろう、きっと。


おねえさまごめんなさい。私は悪くないです。


心の中で祈りを一つ。
少女の言葉に、えぇ、とにこやかに頷いてみせる。


「あぁ、なるほどですね。極めて、普通、と。
……お金の関係というと独り暮らしなのですか?」

ちょっとだけ視線が顔から身体へといく。
気になった疑問を添え物として、そう言葉交わした。

彩紀 心湊 > 「……お、ぉ…。
…そ、の…大丈夫よ?ほんとに。」

咳払いを聞けば、やや驚いたようにそちらを見る。
こういう時の咳払いというのは大体都合の悪い時に使われたりするものだが…もしや?
などという考えも過るが、初対面の人間にそこまでに疑惑をふっかけるべきではないだろうと思い直す。


「と、ええ。
一応寮暮らし。バイトも…あんまりしていなくてね。」

本が欲しくて一時期本屋のバイトなども考えたものだが、肝心の本を読む時間が減ってやめたなどということは言えるはずがない。

マルベリア >  
にこォ。
そんな曖昧な笑みで、その疑念は締めくくられた。
こう言う話は、タイミングよく切り上げるに限る。


「あぁ、寮暮しなんですか……。
 私は姉と二人で教会暮しなんですけれど、
 寮暮しってご飯とかでたりするんですか?」

寮暮しというもののイメージが浮かび上がらない。
その話から思い付いた事と言えば先程の食事の話。

聞いてるだけでは何やら、中々大変そうな生活である。

彩紀 心湊 > 訳ありだ。
絶対に訳ありだ。
疑念をふっかけるべきじゃないけどこれは当たりだろう。
引きつった笑みでその笑顔に賛同しつつ。


「姉…へえ…。
しかも教会暮らしだなんてそっちの方が珍しいわね…。
そっちの生活のほうが私気になるけども…。

そうね…ご飯は食堂で頼む感じ。この学校の寮、かなり整ってるから充実してるっちゃしてるんだけどね。」

なにせ、世界中の料理が食べれる食堂である。

マルベリア >  
「これでも、一応は姉共々司祭なんですよぉ?」

――司祭。
とりあえず、教会のお偉いさまと言う意味の単語である。

先程の趣味ではない趣味というのも含めて、
いよいよ胡乱な少女像ができてきたかもいれない。

見た目も相まって、尚更、胡乱かもしれない。


「とはいっても、人員が少ないし、
 〝暮している〟のは私と姉だけですので……。
 食事なんかは全て姉任せなんですよね」


世界中の料理、という話がでてくるあたり、
寮の食堂としてはかなり大規模である。

此処の学園の事を考えれば、なんら不思議でもないのだが、
その辺りの知識が無かった少女としては、
実に興味深いものがあった。

彩紀 心湊 > 「……は?」

司祭の立ち位置くらい本を読んでればだいたい理解している。
だからこそ、素っ頓狂な声が飛び出る。
こんな少女が教会の長だというのか。

いよいよ胡散臭い。
かといって、からかっているようにも見えないのだから困ったものだ。

「…人数が少ないのならなおのこと不思議というか…。
…今度、見に行ってもいいかしら。
教会とか行ったこと無いし…なにより、そのお姉さんに話を聞いてみたいところはあるもの。」

これは、一応確認すべきところだろうか。
祭祀局の人間としても、興味深い話が聞けるかもしれないし、と。


「ん…寮のご飯ならお金を支払えば食べれると思うし…
貴方も興味があるなら寄ってみたら…?安いといえば安いわよ。」

マルベリア >  
「えぇ、えぇ、どうぞどうぞ。
 おねえさまにも伝えておきますので」

その言葉には快諾の返事がかえる。
胡散臭くみられているなど、気にしてる様子すらなければ
そう思われているなんて疑いすらもない。

されど、その教会自体は確りとある様で。

取り出された端末から示された地図には、
ちゃんと場所が示されている。

「ん?そうなんですか?
 んー……ですねぇ、今度寄ってみようかと思います」

彩紀 心湊 > 「……貴方は、お姉さん好きそうね。」

姉妹も、色々あるんだなぁという眼差し。
もっとも、友人の方の姉妹が仲が悪いというだけであって全てがそうでないと理解しているのだが実際に見るとおもうところがあるわけで。

教会の位置を確認すれば、自分の端末にもしっかりと保存をしておいた。

「ん、あれなら案内もするしね?
今日は貴方のお姉さんに悪いでしょうから。」

マルベリア >  
「えぇ、大切な、大切なお姉さまです♡
 ……ちょっと怖い所もありますけれど」

その怖い所は大体、この妹である少女のせい。
というのは、何となく予想ができる部分でもあるだろう。

「〝貴女は〟というと、貴女様にもおねえさまがいるんですか?」

その言葉からの純粋な疑問。
それが直に出る程度に、この少女は素直で、欲があった。

「……そうですねぇ。
 今日はもう夕餉も作ってしまってる時間でしょうし」

彩紀 心湊 > 「……(シスコン……)
怖い…怖い……ねぇ……。」

厳しいのだろうか。
しかしまあ、これだけなついているのだから仲は良好といったところなのだろう。

「いいえ、友人が、ね。
私は一人っ子。
だから、こういう話を聞くのはちょっと新鮮…というか、興味深くてね。」

いたら、多少は何かしら変わったかもしれないけれどと苦笑する。

「ふふ、それなら冷めてしまう前におかえりなさい。
私も閉館の時間が来る前には帰らないとだから。」

マルベリア >  
なんでしょう?
なんて言いたげに、にこやかに笑みを湛えている。
実際、〝シスコン〟という考察はほぼ間違いないのであるが。

「ふむ……?
 というと、其方の方は姉妹仲に何か具合が悪いものがあると」

なるほど、と少し難しい顔を浮かべる。
確かに、自分達――自分では、仲睦まじいとは思っている。
が、実際姉としてはどうなのだろう。

そんな疑問がふと沸いた。

「……そうですねぇ。興味があれば、今度、
 うちの教会に来た時にでも、聞いてみても良いかもしれませんね」

こう言う事に双方の意見というのは、
中々得るものがあるかもしれない。
自分にとっても、この人にとっても。

なんという想いがあった。


「……おっと、そうですね。
 それでは、私はこの辺で」

テーブルに置いていた本を回収すれば、再び両手で抱えて、
ごきげんようと会釈をすれば、優雅に踵を返して、その場を後にした。

彩紀 心湊 > 怖い怖いと内心で思いつつ苦笑する。
笑顔は威嚇と聞くが、実際そう使われた体験は初めてだ。

「…まあ、本人も思い至る部分はあるようだったけど。」

後悔はしていた、あの顔を思い返してなんとも言えない気持ちになる。
思い返せば、だからこそ放っておけなかったのかもしれない。

「…ん、ふむ…。
それじゃあ、貴方のお姉さんにも似たようなこと聞いてみましょうか。」

実際のところ、こんな話は本人たちが言い合うことでもないだろう。
利用される形なのだろうが、別にソレは構わない。


「…ん、それじゃ私も帰りましょうかね…。」

教科書やノートを雑にかばんに放り込めば、同じく図書館をあとにするだろう。

ご案内:「図書館 閲覧室」からマルベリアさんが去りました。
ご案内:「図書館 閲覧室」から彩紀 心湊さんが去りました。
ご案内:「図書館 閲覧室」に白亜 愛さんが現れました。
白亜 愛 > 寝袋の中でもさもさと動く。

「……? ぁ、朝」

体が覚めるまでごろごろと動き、寝袋から出る。
無防備な寝間着。

「へへ、へへ。今日も眺めがいいですね」

静かで、広くて、本に囲まれている。
そこに一人でぽつんと立っているのは、寂しいけど安心もする。

「私の『四日目』、えいおー!」

制服に着替えて、意気揚々と勉強に取り組む。

白亜 愛 > 「……~♪ぁ、えーとここは……?」

問題集を、教科書と見比べながら解いていく。
座学は、暗記系が得意になりつつある。

「漢字、知らんやつが読めたり書けたりってのは怖いけど、点数とれるならおけおけだね。
それにしても」

ふと視線を横に。
窓の外に見える景色は夏。

「春なのにあつぃにゃあ……」

休憩。ぐでっと前のめりになる。

白亜 愛 > 「んー……やめやめ。集中力が途切れちた」

席を立ち、背中を丸めたり伸ばしたりと体を解す。
教科書は片付け、筆記用具は丁寧にしまう。
寝床を片付ければ、自由時間だ。

「……ょし、今日はどの本を読もうかな……へへへ」

途中で外に言ってもいいかも、と、最近借りられることの多い物語や学術書を集めていく。
内容を理解するのは後回しで、ただ読むという行動が好きで。

「ぅへへ」

ご案内:「図書館 閲覧室」にシャンティ・シンさんが現れました。
シャンティ・シン > こんなに成れ果ててしまっても、本というものは未だに自分の心を揺さぶってくれる。それに、馴染みもだいぶいなくなってしまったし通うことくらい許されるだろう。

こつり こつり こつり こつり

『歩く先に 一人の少女 身長 140cmに満たず
 少女は 本を集めている』

「あら――人の、いない……時間の、つもり――だったけれ、ど……」

呟きを漏らす。

白亜 愛 > 「んーふふふ……?」

何冊か読むものを決め、席に戻ろうとして、誰かの声が聞こえた。
それだけで体が固まり、顔が青くなる。

大丈夫。大丈夫。
そう唱えて、声の持ち主の方へ顔を向け。

「……ゎ、わたぁしは、悪い学生じゃ、ないです、よ」

小声で、気の抜けた声を出した。

シャンティ・シン > 『少女の体は 固まる 表情は青ざめる
 「――」』

「あら――おどか、して……しまった、かしら……?」

恐怖 怯え 
ああ――とても、可愛らしい子のよう
だいじに、大事にしないと

「ふふ。悪い、学生――なん、て……こんな、とこ、ろ……に、くる、かしら……?
 あぁ――でも、そう、ね。いる、かも……しれな、い……わね?」

小さく――笑う。

白亜 愛 > 「ぁ―――」

話が通じる。
それだけでも、自分にとっては安心材料の一つで。

「ぃいいいえ、こちらこそ、ごめんなさ、い。
悪い人はここに、来るかも、まだわかんないですけどっ」

私はまだ学園生活四日目なので。と引きつった笑みを返す。

シャンティ・シン > 『「――」 引きつった笑み』

安心 驚き 狼狽
心地いい――とても、素敵
気持ちが、沢山の子

「ふふ――来た、ばかり……なの、かし……ら?
 それ、で……朝、から……此処、に――?
 あなた――本、好き……な、の?」

気怠い言葉遣い――
裏腹に表情は微笑みで

白亜 愛 > 話が、通じてる。
体が軽くなった気がした。

「わ、私は皆と入学したのですが、ね、ちょっと、合わなくて。色々。
なので、こここで過ごしているのです」

年齢とか……自分自身では気付けない、異能と体質で。
それでも両親に顔向けできるように。

本のことを聞かれれば、それは勿論好きなので。

「――!はい、本は、人が積み重ねた経験の、結晶なので。私も、こうなりたいです
ぇええっと、あなたも本が好きで?へへ」

本好きの友達が出来そうだと、少し嬉しくなる。

シャンティ・シン > 「あら、それは――
 いけない、わ……ね。 此処には――色々な、人が……いる、のに……
 いいえ――色々な、人、が……いるから、かしら……
 さみしい、わ、ねぇ……?」

懸命 僅かな恐怖 この場にいる理由
……これは、義務感?
健気な想い

「それは――ふふ、良い……わ、ね。
 私、も……色々、読むの……好き、よ……?
 それ、に、しても――本当、に……色々、ね?
 あなた、は――何、に……なり、たい……の……?」

『「初級魔導学」「シュナ戦記」「漢字の成り立ち」「ぼくのティースプーン」―― ―― ――』

少女が集めている本の多岐さに興味を感じる。

白亜 愛 > 「ここは、まだ安心できる場所なのでいいのです。
それに、まだ少ないけど、お友達もいます。へへへ」

外には、怖い学生がいる。会ったこともないけどそう思い込む自分がいて。
次に、昨日会ったばかりの少女を思い出し、心が温かくなり。

「うん、ここにいるだけでも十分幸せ。
わ私は、まだ何になりたいって決めてはないです、けど。
いろんな人に会って、へへへ、役立ちたい、です」

これもその一環です!と、数冊の本を抱え直す。

シャンティ・シン > 『「――」』

「あら――安心?
 ふふ……それ、は――とても、よかった、わ……?
 そう、ね。それなら――なおさら、『悪い人』に、は……気をつけ、ないと……ね?
 でも――図書館、の……外、は、いか……ない、の……?」

妖しい笑みを浮かべる。
喜び 楽しみ
この笑顔が 濁るときは どうなるのかしら

「役、立つ――それは、素敵……ね。
 たと、えば……どんな、こと……?」

僅かに相手の顔に顔を寄せる
見えないものを 情報だけで
すでに慣れた動き だが――
距離感は まだつかめない
これくらいが ほどほどか と止める

白亜 愛 > 「外っ、は、もちろん、行きますあっ。
ごはんを食べに……っお゛うぁ」

『外』という言葉に過剰反応を起こし、抱えいた本の一冊が落ちる。
慌てて拾うと、全部ドサドサ。
積み直して、もう一度抱える。

「そうですねぇ……っごはん作ったり、お花育てたり、困ってる人の相談!もいいかもしれない、です。へへ。
あ、でも、サンドバッグは、ちょっと、とっても嫌だ」

目標はないので浮かんだものを適当に出していたが。
最後の拒絶だけは体に染みついたようにつぶやく。

「とにかく、いろいろ、やってみたい、です。へへへ。
あ、そそういえば、あなたは何の本を探しに?」

誤魔化すように、無理矢理笑みを作る。

シャンティ・シン > 『「――」 少女は 抱えていた本を 取り落とす』

外――そう、外はよくないのね
動揺 恐怖 困惑
"見える" "聞こえる"
嗚呼――素敵

「ふふ――いい、わね……夢が、ある……わ?
 それなら……是非、お外で――"色々"……したい、わ……ね。
 私も、ね――"見てて"……あげる、から」

優しく誘う
蠱惑的な誘い

「あら――ごめん、なさい……ね。私、ばかり。
 私は――今日は、ふふ……気に、入りそうな……本、を……探しに、来た、の。
 面白、そう……なら――なんで、も」

じっと目の前の少女に視線を向ける
その眼は見えていないけれど

白亜 愛 > 「っ、へ、へへ。そうですね、なんか、面白いイベントとかあったら、やってみたい、ですね。でっかいパッフェ一緒に食べるとか。へへ」

言い回しに何か恐怖を感じるも、気のせいだと信じ。
機会があれば、と約束する。

「気に入りそうな本、です?うーん」

自分の抱えてる本を近くの机に並べ、一つを選ぶ。

「異世界で流行ってたらしい本で、人気ですから、もう読んだかもしれませんが、これなんてどうです?」

『サトゥルヌス神話』。
全ての人間の父である神が、愚かな子を世界の救済のために食らう。
それに止めるために人間は自治を覚えたとかそんな話が載っているらしい。

シャンティ・シン > 『「――」「――」』

希望にあふれる子供気持ち
嗚呼――これも、可愛らしい

「ふふ――そういえ、ば……大きな……百貨店、が……そろ、そろ――
 完成、する……みた、い。
 行って、みる……のも、いい――かも……?」

艶やかな笑いを浮かべる

「あら――選んで、くれる、の……? とても――優しい、わ……ね
 ……"読ませてもらっても"?」

そっと手を伸ばし――
もし何も違和感を抱かなければ
その手は示された本と共に 愛の体に触れる

白亜 愛 > 「……あれ?百貨店、完成時期が早まったのかな?
でも、楽しみなので行ってみます。へへ」

彼女の中では、まだ半分も出来上がってないという認識だった。
でも完成するなら気にしない。

「えーと、私は他にも読む本があるので、大丈夫ですよ」

そう言って、見やすい位置に本を置く。
触れられたことに少し驚いたが。

……。

もしここで魔術を使えば、
『今は4月15日であると認識している』
『数か月過ごしたはずの記憶は1日単位で消えている』
の二つがわかるだろう。

シャンティ・シン > 『今は4月15日であると認識している』
『数か月過ごしたはずの記憶は1日単位で消えている』

「あら――そういう……ふふ」

"読めた"ものは とても興味深い
もっと――もっと……読みたい――

「ええ――そう、そう……ね。是非――
 ふふ、よけれ、ば……私も、一緒に……ね?
 百貨店……いきま、しょ……?」

そして――

「それ、と……ふふ。
 よけれ、ば……一緒に、読む?
 早速、"役に立"って……くれ、た……の、ですもの……」

薄く笑い――
愛と本と自分の間に入れる位置に立とうとする
『サトゥルヌス神話』
"これ"はもう――"読ん"だ
それより もっと読みたいものがある

白亜 愛 > 「そ、うですね。行きましょう。」

友達になれたかな?と思いつつ。

「んんー?ぃぇいえ、わ私はいつもここにいるから、一人でゆっくりと読みま、すよ!」

向こうの意図には気付かず、どうぞどうぞと本を押し付ける。
本を読む速度は人によって違うから、邪魔になってしまう、と。

「是非とも感想をお待ちしてますゅ!私はほぼこちらにいますのどぇ!」

舌を噛みながら、他の本を回収して、自分のスペースへ去ろうと走る。

ご案内:「図書館 閲覧室」から白亜 愛さんが去りました。
シャンティ・シン > 『「――!」 少女は 走っていく』

「あら――
 ふられ、て……しまった、わ……ね」

去っていった先に手を伸ばす――
しかし もう相手は行ってしまった

「焦り……すぎた、かし……ら?
 いい、わ……図書室は、私の……場所。
 また――来られ、る……し」

薄く妖しい笑みを浮かべる
とても美味な 甘露を見つけた
じっくり 味あわなければ

「ふふ…… 名前、くらい……いっておけば――
 あら、でも――
 忘れて、しまう……かし、ら……?」

いい
それもまた 今度
確かめれば いい
ひょっとすれば またいい声が"聞ける"かもしれない
そう思い直し
今は用のなくなった図書室を後にする

ご案内:「図書館 閲覧室」からシャンティ・シンさんが去りました。
ご案内:「図書館 閲覧室」に真浄虎徹さんが現れました。
真浄虎徹 > 図書館の一角――読書スペースの机と椅子の一つを占拠して、堂々と寝息を立てて爆睡している学生服の少年が一人。
うつ伏せになった姿勢の下には書きかけのノートとペン、そして魔術に関する書物が幾つか脇に積まれている。
時々、ごろんと寝返りを打つように首の角度を変えながらも、直ぐに起きる気配は無く…。

「ん~…あと…10時間…むにゃ…。」

夢の中でどれだけ惰眠を貪っているのか、そんな寝言を呟きながら眠りは続く。
周囲には偶々か人気が無く、その寝息も存外小さなものなので少年の爆睡に気付く者は今の所はおらず。

ご案内:「図書館 閲覧室」にセレネさんが現れました。
セレネ > 「んー…と。」

今日はどの魔術書を読もうか。
ローファーの踵で音を鳴らし歩きながら、思考に耽る。

どれもこれも面白そうで、興味が湧く。
本棚から一冊分厚い魔術書を手に取ればパラパラと中身を捲り。
これにしようとその本を手に読書スペースへ。

すると机に突っ伏して眠ってしまっている人物を発見し目を瞬かせる。
そうっと其方へ近づいていったなら。

「…あの、此処で眠ると風邪を引いてしまいますよー?」

いきなり肩を叩いて起こすのも失礼かと思い、まずは優しく声をかけてみた。

真浄虎徹 > 「ん~…先生、幾ら僕が――だからって課題が――ませんかぁ?…そろそろ、下校の時刻――むにゃ…。」

少女の存在に気付くどころか、優しく掛けられた声にも無反応――いや、反応はあった。
…あったのだが、眠りの世界と完全に混同しているらしく、途切れ途切れの受け答えは彼女の声を担当の教師と誤認しているようで。
ついでに付け加えるならば、矢張り声を掛けられたくらいでは起きる様子が無さそうである。

再び寝返りを打てば、彼の顔で隠れていた書き掛けのノートの文面が露になる。
ただし、その内容はかなり初歩的な魔術のそれであり、しかもその基礎の部分でまだ書き掛け、という有様で。

セレネ > 「…起きないか。」

己の言葉に寝言のような言葉で返す相手。
起こさない方が良さそうかと思うも、見つけてしまった手前放っておくのも居心地が悪い。
頭の位置を変え、彼が寝返りを打てば下に隠されていた勉強途中のノートの文が垣間見える。

――魔法や魔術を扱えない人からすれば、確かにこれは眠るのも仕方なさそうな分野か。
苦笑を浮かべれば優しく相手の肩を叩こうか。

「起きて下さい。風邪引きますよ。」

真浄虎徹 > 「……んぁ?………んーー…。」

声では見当違いの反応を示していた少年だが、肩を叩かれる事が覚醒の引き金となったのか…意外と素直に目を覚ました。
――何処か眠たげな半眼…如何にも寝起きといった感じの視線を、気だるそうに突っ伏していた身を起こしつつ左右に…そして肩を叩かれた方へと向ける。

「―――ありゃ、んーと……どうも、こんにちは?」

疑問系となってしまったが、その瞳…左目が普通の黒、右目が明るい灰色のオッドアイにて少女を不思議そうに眺めて。
一応、会釈を挨拶と共にしてみるが、寝起き直後なせいか如何にも仕草が全体的に緩慢というか鈍い。

ふと、視線を一度少女から近くの時計へと向けて――「うわぁ」と呟いた。

「あーー…すっかり寝ちゃってたのか僕…参ったね、こりゃ。んと、何か起こしてくれたみたいでありがとうねー」

と、再度時計から少女に視線を戻して苦笑いを緩く浮かべて。

ご案内:「図書館 閲覧室」に真浄虎徹さんが現れました。
セレネ > 良かった。起きてくれたようだ。
身を起こす相手を見れば半歩後ろに下がり己を見上げるまだ眠そうな顔に微笑みかける。

己を見た相手は、世にも珍しいオッドアイ。久し振りに見たなと内心思うも言葉には出さず。

「はい、こんにちは。そしておはようございます。」

よく眠っていたようですねと、挨拶をしてくれる彼に此方も軽い会釈を返して。

「いいえ、お気になさらず。勉強、大変ですものね。」

緩い苦笑に何だか引っ張られそうになる。
礼の言葉には気にするなと首を横に振った。

ご案内:「図書館 閲覧室」に真浄虎徹さんが現れました。
真浄虎徹 > 段々と目も覚めてきたのか、緩慢な動作はまだまだだが目の焦点はしっかりと少女を捉えて。
――うわぁ、凄い綺麗な子だなぁ、というのが正直な感想である。
少なくとも、平々凡々な容姿の自分に比べたら相応に目を惹くのは間違いあるまい。
とはいえ、それに気後れしたり物怖じしないマイペースさもあり…。

「あーー…うんうん、確かに起きたばかりだからねぇ。おはようさん…ふぁ…あ」

軽く右手で口元を押さえて欠伸を一度噛み殺す。正直眠いが二度寝をする訳にも行かない。
少女の言葉に、「まぁ、昨日からこの辺りの課題をひたすらやらされてからなぁ」と、肩を竦めてみせつつ。

「…大変というか、僕みたいに魔術の素養が全く無い人間にとっちゃサッパリだよ…。
一応、実技は無理としても座学は付いて行ければ…いいんだけどねぇ。」

ご覧の有様です、と溜息を零しながら彼女も既に気付いているであろう書き掛けのノートを指差して。
まぁ、正直言えば魔術に関しては文句なしに落ち毀れだ。少なくとも実技は一切出来ない。
何せ、魔術が使えないだけならまだしも――魔力量が完全に『0』…つまり魔力が無いのだから。

「えーーと、…折角だし自己紹介でも…んーと、僕は2年の真浄虎徹(しんじょう・こてつ)…そちらさんは?」

起こしてくれたのも何かの縁、という訳で一応自己紹介をしてみつつ彼女の名を尋ねようと。

セレネ > 朧気だった焦点も段々と己に合ってきた。
色の違うオッドアイは先天性のものか、後天性なのか。
いずれにせよ視力は左右で違いがあるかもしれない。
…そんな事を考えてしまうのは、最早癖のようなもので。

「後で何か目の覚める物を飲むのも良いかもしれませんね。
…図書館は、流石に飲食禁止でしょうけど。」

まだ眠そうな相手に笑みを浮かべた儘。
どうやら相手は昨日から取り組んでいた様子、という事が分かり。

「まぁ…そうですよね。
根本を理解していないと、少し難しい部分もありますし…。」

指を指されたノートに再び視線を落とす。
己とは逆に、こういった人も当たり前ながら居るのだなと再認識。

「二年生?という事は…先輩になりますね?
私は一年のセレネと申します。宜しくお願いします。」

難しそうな名前だなぁなんて思っては、名を尋ねられ己も自己紹介をした。再度、軽い会釈をして。

真浄虎徹 > 今の所、特に目を眠たげに一度擦った以外に、その視線に視力が悪そうな気配は感じられず。
特に、色が違う右目は明るい灰色ではあるが、目を細めたり彼女を凝視したり、と視力の悪い者が自然と行う動作を全くしていない。
そういう意味では、視力は特に問題ないという事になるが……。

「そーだねぇ……帰りにコーヒーでも買っていこう、うん」

書き掛けのノートに視線を一度落としてげんなりと溜息を一つ零す。
流石にこのまま提出したらふざけてるのか?と、教師に突き返されるが目に見えており。

「うん、正直魔術とか全く縁が無い田舎育ちだったからねぇ…異能の方も正直未だにピンとこないしさ」

魔術だけならまだしも、異能が無い無能力者でもある彼にとって、異能も魔術も全く訳が分からん分野という意味では同じようなものだ。
ただ、その落ち毀れ具合に本気で悲観している訳でもなく、出来ないものは出来ないと割り切っているようで。

「ありゃ、後輩さん?何か君の方が先輩みたいな雰囲気だったけど…まー一先ず宜しく、セレネさん」

気楽、というかマイペースというか…ゆるーい笑顔でそんな言葉を。
自分の名前については特に何とも思っていないが、思い出したように。

「あ、もし名前がアレなら簡単に『虎』って呼んでくれてもいーよ。まぁセレネさんが呼び易い様にどーぞ、って事で」

と、そんな補足をしておく。彼女の心を読んだ訳ではないが、何となくそう思ったからこその補足で。

セレネ > 自然、相手の行動を観察してしまう。
見た限りでは弱視であるような素振りはないと見える。
まぁ、流石にすぐに判断出来るようなものではないし、初対面で突っ込む話でもないだろう。
今後仲良くなる機会があればその時にでも聞いてみようと考えた。

「コーヒー飲めるのは、羨ましいですね。」

己は紅茶派だから、ちょっと凄いと思ってしまった。
…うーん、相手はどうやらお悩みの様子。

「扱える人にとっては魔法や魔術、異能は全く異なるものですけれど。
扱えない人にとってはどれも”よく分からない不可思議な力”ですものね。」

それはそうだよなぁと納得と同時に同意。
どれか一つでも扱えれば原理は理解出来そうなものだが、外部から与えられるものは限られている。
それをどう上手く噛み砕いて教えられるか、も教師の仕事ではあるのだろうけど。

「その課題を出した教師は、教える点に置いてはまだ未熟と見えますね。
恐らく、貴方だけの責任ではないでしょう。その教師にも原因はあると思いますよ。」

教えられる側がよく分からないと言っているのに、こうやって課題を出すのはどうにも腑に落ちない。
と、勝手な怒りを覚えながらも小さな溜息を吐いて。

「あぁ…よく言われます。これでもまだ入りたてなんですよ。」

へらりと笑う相手に口角を上げて。
見た目と実年齢が合わないというのは、まぁよく言われるから気にしてないが。

「…!
そうですか。有難う御座います。」

相手の気遣いに礼を言った。

真浄虎徹 > 何となく、本当に何となくだが初対面の少女に観察をされているような気はした。
ただ、それを面と向かって指摘するのは野暮だろうし、そういう癖がある子なのかもしれない。
だから、少年は特にその視線に感じた観察の意図を尋ねず、暢気な空気を漂わせたまま気付かぬ素振りを。

「そう?…まー好みだろうしねぇ。僕は紅茶とか緑茶とかのお茶も好きだよ?コーヒーをよく飲んではいるけどさ」

こんな他愛も無い雑談ではあるが、お蔭で目は殆ど覚めてきたので有り難い。
書き掛けのノートの最後の部分をトントン、と無意識に指先で叩きながら。

「まぁ、数は少ない、とは思うけど僕みたいに異能も持ってなくて魔術もサッパリ使えない人も居るだろうからねぇ。
ただ、それでも座学だけなら付いていける…と、いうのはやっぱり甘かったかも。
だって、実技で実践できないから、そもそもイメージ、というのが出来ないんだよね」

だから、完全に想像で補うしか無いがそれも付け焼刃でしかなくて。
異能も魔術も全く使えない――そんな生徒たちにはこの辺り、共通の悩みな気はするけれど。

「まーー留年は流石にアレだし、何とか座学だけでも頑張るさー。
そりゃ、教師にも落ち度はある、かもしれないけど――結局、僕の頭が足りないからこうなってる訳でさ」

教師を庇う、訳ではないがナチュラルに自己責任が大きいとやんわり口にしつつ。
とはいっても、努力だけでは限界がある――それも未知の分野なら尚更だ。
だからこそ、自己責任と言いながらも初歩で思い切り躓いている訳で。

「入りたて…転入組って事かな?…まぁ、でも年上に見間違えたのは正直ごめんなさい、だけど。
逆に言えばさ、それだけ大人びて成熟してるって事でもあるんだろーし…。」

まぁ、何より。「僕みたいな凡人が綺麗な後輩と知り合いになれたのは素直に嬉しいしねぇ」と。
本気で嬉しいのか楽しそうに笑う。だって本当に縁が無いのだからしょうがない。

セレネ > 趣味は人間観察なので完全に癖である。
仮にそれを指摘されたのなら慌てて謝罪するのだろうが。
指摘をしないのも優しさだろうから今はその優しさに甘えさせてもらって。

「コーヒーも紅茶も嗜好品ですからね。飲まなきゃ死ぬって訳でもないですし。
ただ、飲めたらそれはそれで他の方と話も合わせられるんだろうなって。」

話題を広げるのはコミュニティを広げる上でも大事であろうし、様々な事を知っておけば引き出しも増える。
…でも、どうにも苦いものも苦手だから困ったものだ。
指先でノートを小突く仕草は、相手の癖なのだろうか。
一瞬視線がそっちに向かうもすぐに元に戻した。

「異能は…どうだか分かりませんが。
魔術においての一番重要な所は自分の想像力です。
魔力というエネルギーを使用して、自分のイメージを現実へと顕現させる力だ…と、本に書いてありました。
勿論これは一説によると、という話ですけどね。」

あくまでこれは己が知っている、使用している魔術や魔法での話。
世界が違うと原理も違う訳だから当然、それだけでは無い筈だ。

「大変でしょうけど、頑張って下さいね。応援しております。
――貴方も責任感が強い方なのです?」

だとしたら己と同じだなと、首を傾げ。
しかしせめて何かの糸口になれるような力にはなってあげたい。
腕を組んで考え込む。

「その通りです。つい最近転入してきました。
いいえ気になさらないで下さい。昔からこういう性格でしたので。」

そして相手から容姿を褒められたなら、少し固まった後顔を赤くした。

真浄虎徹 > 正直な所、見た目だけならオッドアイ以外は本当に凡庸であり目立たないだろう。
髪型も体格も見た目は普通、纏う気配もマイペースなだけで特筆するべきものは無く。
目付きも穏やか、というかぼんやりしているかのように見えそうなくらいノンビリとしている。

「うーーん、確かに共通の話題とか、話の取っ掛かりにはいいかもだけど…。
けど、そういうのがあれば合わせやすいってだけでさ。
話が弾んだり、少しでも内容を相手と分かち合えるなら、別に嗜好品に限らなくてもいいんだよね」

勿論、取っ掛かりは矢張り大事なのだろう。人見知りや初見に遠慮する人も世の中多い訳で。
だから、彼女がコーヒーを苦手だとしても、それを笑う事もなければ慣れろ、と無理に勧める事もしない。

「ん――空想を魔力で具現化して用いる、って感じでいーのかねぇ?
勿論、出来るのは初歩だと例えば小さな火をおこしたり、灯りを付けたりとかだろうけどさ?」

平凡だが完全な馬鹿でも無い。多少は彼女の言いたい事を理解したのか、そう例えてみつつ。
もっとも、それもただの一説であり正解という訳では無いかもしれないが。
と、彼女の言葉にきょとん、と目を丸くしたが、直ぐに笑って手を左右に振れば否定を。

「いやいやーー責任感が強かったら、そもそも余裕が無いのに爆睡してないって。
僕はむしろ責任感はそこまで強くないと思うよー。こういうノリだしさ?」

と、やんわりと口にしつつも肩を竦めて。責任感なんて、この後輩の方が全然強いだろう。

「ん、りょーかいだよ。…んーー、セレネさん、もしかしあてあまり褒められとか慣れてない?
いちおー、お世辞とかじゃなくて素直な感想なんだけどさ」

おや?と、顔を赤くしてやや固まった後輩少女の様子に不思議そうに。

セレネ > 全体的にのんびりと穏やかで、比較的接しやすいと思えるタイプだと感じた。
人の雰囲気とは多種多様だよなと、今まで出会った人の顔を思い出して。

「…それはまぁ、確かに。
好きなものとか、最近話題になってるものとか…そういうのを話すのも一つのキッカケになり得るものですしね。」

相手の言葉には納得。
どれもこれも一つの手段でしかないのだけど、どうにも生真面目な性格や完璧主義者なのもあり完璧を求めてしまうのだ。

「はい、その例えで合っているかと。
そうですね…後は発動させたい魔法に釣り合う程の魔力も必要ですね。
いくら自分の想像力で大きな魔術を発動しようとしても、魔力が足りなければ出力不足になる訳ですから。」

己の小難しい言い方を上手く汲み取った相手にそうだと頷き。
世界の数だけ魔術や異能もあるのだから、これが必ずの正解という訳ではない事も覚えていて欲しい。

「…そう、ですかね?」

むしろ己は、相手を見習って少しは肩の力を抜くよう努力した方が良いかもしれない。

「あぁ、素直に褒められると特に恥ずかしいです…。」

褒められ慣れていないのかとの問いには素直に頷く。
そして付け加えられた言葉には照れが加速して両手で顔を覆い。

「いやその、嬉しいんですけどね…?!」

嫌な訳ではないのだと、それだけは伝えたくて。

真浄虎徹 > ふんわりと彼女に評されているが――多分、彼自身は意識して無いし正確にはおそらくマイペースなだけである。
実際、割と課題に余裕が無いのに慌てる様子は無いし焦る様子も無い。とはいえ危機感が無いという事も無い。
まず自分のペースをしっかり保ちつつ、そこから状況に適応・対応していこうというタイプが正しいかもしれず。

「そだねぇ。僕はまぁ、正直今の島の流行とか全然疎いんだけどさ?
それでも、人気があるものは話題のネタにもしやすいから、取っ掛かりにはいいだろうし」

軽く「んーー!」と、伸びをしつつ。眠気は完全に覚めたが、変な姿勢で寝ていたので体が固くなっているのが分かる。
そして、セレネという後輩少女に対して彼が思うのは、凄い真面目で誠実なんだな、という事。
だからこそ、適度に”息抜き”をする事も大事だと思うが、実際の所、彼女はストレスとか溜め込んでいないのかは少し気掛かりな所ではあり。

「――うん、まぁ僕はその肝心の魔力がゼロなんだよね。だから実技は免除、というか論外だから座学をその分やるしかないんだけど」

まぁ、持つ者持たざる者はどうしても生じるのは当たり前だ。それに文句を言っても意味が無い。
だから、魔術を使えなくても魔術を理解するという最低限のラインはクリアしておきたい気はして。

「うーん、まぁ僕も多少はあるとは思うけどさ。それでも、責任感が強いってレベルではないなぁ」

と、苦笑を浮かべる。それよりも、後輩の照れ具合が何か可愛いのだけれど。

「あーーうん、ストレートに裏表無く褒められるのが苦手、みたいな感じかぁ。
でも、実際可愛いしねぇ。…あ、照れてる姿も僕個人としてはとても良いと思います」

と、暢気な笑顔で口にするのである。からかってはいないし辛口でもない。
マイペースさに裏打ちされた素直さというか、ただストレートに己の感想を告げているだけだ。

「いや、でもまぁセレネさんが通り掛かってくれて本当に良かったさ。
あのままだったら、まだ爆睡してたかもだしね」

セレネ > 自分のペースを維持出来るというのは良くも悪くもな部分はあるかもしれないが。
己から見ればそれは凄い事だと思った。

「…共通の話題って大事ですよねー。
初対面の人とか特に。
でも、先輩と話してるとそういう事を気にしなくても良さそうな雰囲気なので私としては有難いと言いますか。」

身体を伸ばす相手を眺めては、クスクスと小さく笑ってしまった。
相手が抱く己の印象は全くもってその通りであって。
生真面目が過ぎるのとストレスを溜め込む気質がある為
頗る、”息抜き”という行動が下手である。

「…魔導具とかあればまた違うのでしょうけどねぇ…。」

作成するにも適性のある素材や諸々を買ったり採ってこないといけないし。
まぁ、とりあえずは相手が無事に課題を終えられるよう願っておくとして。

「そうです…。
社交辞令だったらそこまで恥ずかしくはないんですけどね。
せ、先輩もそんな事言うんですか…?!」

どこかの教師からも似たような事言われたし。綺麗だとか、可愛いとかそういうの。
あざとくしているつもりはなく、自覚のない仕草である。
覆っていた手を頬に添えては熱を冷まそうとパタパタ扇ぐ。

「…よく眠れますねぇ。
ちょっと羨ましいかもしれません…。
でも、お役に立てたなら良かった。
次はきちんと自分の部屋で眠って下さいね。
身体も固くなってしまいますし。」

真浄虎徹 > ちなみに、特に意識せずに自然体でこうなので、単純にそういう気質なだけであり…だからこそ、凄いと思われている事も分からないのである。
人間、自分の長所みたいなものは案外自分が一番見えていないものなのかもしれない。

「あーーうん、僕は何と言うか人の話を聞くのはどっちかというと好きだからさ?
だから、セレネさんも自分の好きな話とか気軽にしてくれていいよー。
まぁ、付いていけるかは分からんけど、相手の顔色を伺って話を振られるより、いっそ自分の好きな分野を語って貰いたいくらいだねぇ」

つまり、遠慮は別にいらないという事。少年はのほほんとした笑顔でそう断言する。
だって、いちいちお互いの顔色を伺って、なんて気疲れするし会話を楽しめないではないか。
勿論、そういうのが悪いとは思わないが…どうせなら、いっそぶっちゃけてしまう方が案外上手く行くかもしれないし。

伸びを終えれば、肩や首をコキコキと軽く鳴らす…うん、体が本当にガチガチだ。
彼女の生真面目な所は――それも彼女の魅力なのだろうし、直せと言う気は無い。
無いのだが、上手くストレス発散できるように何かしら力になれるといいなぁ、くらいは思う訳で。

「――いわゆるマジックアイテム、でいいんだよね?流石に、一般学生にそういうのは簡単には手に入らないしなぁ」

そもそも、魔導具を手に入れたとして、矢張り相性というか使い勝手の問題もある。
それこそ、オーダーメイド出来ればいいのだろうが、それはそれで金も掛かるだろうし手間も掛かる。

「うーん、別にセレネさんを困らせるつもりは無かったんだけどね。
まーーうん、言い過ぎは良くないか。でも素直に感想を述べるのは大事だよ。コミュニケーション的にさ?」

オブラートに包むのもいいし、あえて嘘で煙に巻くのもありだ。
だが、やっぱり変に誤魔化さずに思ったことをそのまんま伝えるほうが少年の性には合っている。

「あーーうん、僕の唯一の取り得が体術だからねぇ。何処でも寝れる程度の鍛錬はしてたし。
まぁ、雨風凌げるだけで全然マシっていうか…まぁ、それはそれとして」

流石にここでこれ以上課題に打ち込むのも気分的に無理なので、仕方なくノートとペンを回収しておく。

「そういえば、セレネさんもここに用があったんじゃない?何か本でも借りに来たとか?」

まぁ、ここは本を借りたり読む場所だから、それが目的なのかもしれないが一応そう尋ねてみたり。

セレネ > 他者から言われて初めて自身の長所や短所に気付く…というのもザラにあるから、案外そういうものなのかもしれないな。

「私、熱中すると話が長くなる傾向があるので…。
でも、そう言って下さるなら嬉しいです。
今度はもっと良い所で、ゆっくりお話するのも良さそうですね。」

のんびりとした雰囲気と、表情と、口調も相まって。
此方も相手のペースに流されてしまいそうになる。
流石に今すぐにとは己の気質的に難しいから少しずつ、という形になってしまうけれど。

マッサージでもしてあげれば良いかと思うも、
初対面な上異性だから軽率に触れるのは駄目だろう。
力になれると良いなぁなんて相手が考えてくれているとは思いもせず。

「そうです。ゲームとかで言う、魔法アイテムです。
…ですよねー。やはりそういう道具はどこも簡単には手に入らないか…。」

仕方ないよなと肩を落とす。
まぁ仮に手に入れたとしても、相手に合うかは分からないし…。

「い、いいえ!貴方が悪い訳では…!
その、私が耐性がないだけで…。
社交辞令や嘘で感想を言っても、分かる人には分かっちゃいますしね。」

現に己もそのタイプだし。
ストレートに伝えられるのが一番苦手だったりするけれど、これも一つの特訓かと自身に言い聞かせ。
今の所は一向に慣れる気配はないのだけど。

「体術…?
どのようなものなのです?」

相手は意外と肉体派なのかと、目を瞬かせ。

「あぁ、えぇ。
魔術書を読もうかと思って此処に来たんです。」

私も勉強ですよと笑って付け足した。

ご案内:「図書館 閲覧室」に真浄虎徹さんが現れました。
真浄虎徹 > 「いいんじゃない?何かに熱中したり夢中になれるものがあるのは、きっとそれだけで素晴らしい事だと僕は思うけど。
そうだねぇ、起こしてくれたお礼も兼ねて、今度お茶でもしながらノンビリ雑談したいねぇ」

言ってからふと思ったが、これはナンパではなかろうか…いや、僕はそういうキャラじゃないんだけど。
まぁ、でも。可愛い後輩と知り合えたのは少年的にかなりの運を浪費した気がするし、お茶くらいなら問題ない――筈だ。
そして、自分のペースに後輩少女を軽く巻き込んでいる自覚は全然無かったりする。
そういう自覚が無いのも含めて『自然体』というやつなのだろう。

(うーん、マッサージとかして貰いたいけど、流石に初対面の女の子に頼むのはねぇ)

奇しくも同じような事を考えていたのだが、残念ながら互いに初対面の気遣いとかもあり、未遂になってしまっただろう。

「まぁ、もしもセレネさんが何か僕でも使えそうなアイテムを見かけたら教えてくれると有り難いかなぁ。
アイテムに頼り切りは良くないけど、正直そういうので補わないと僕は魔術に関しては詰んでるからねぇ」

魔力ゼロ、魔術適性ゼロ、属性『無し』判定は伊達ではないのである。
ちなみに、あまりに見事に何にも無いので、測定をしてくれた人から珍獣でも見るかのような目で見られたけど。

「まー僕なりになるべく気をつけ――は、するけどストレートに言っちゃうかもだから、そこは諦めて貰うしか無いかもな」

気をつけるけど、自分の性分だから彼女に慣れてもらうしか無い、と敢えて堂々と先に宣言しておく。
自覚はあるが、中々に性分というのはどうにもこうにも矯正は難しい。

「あぁ、何と言うか…対化物、というか人外を倒すのを前提にした感じかな。
だから、正直言うと対人間想定の体術とか格闘技とか、古武術に比べたらかなり大雑把かも。
ぶっちゃけ、人に振るうものじゃないというか…まぁ、特化型の武術みたいなものかなぁ」

と、己が修めており、ただ一つの技能でも或るそれについて簡潔に説明を。
これがあるからここに今己は居られるようなものだ。それが無ければ、ただの平凡で異能も魔術も無い一般生徒の更に下の方だっただろう。

「魔術書…うん、今度セレネさんに課題は兎も角勉強も教えて貰いたい所だね…あ、そうだ」

と、思い出したように。とはいえ、彼女が応じてくれるかはあちら次第だが。

「さっきのお茶とかお喋りの話もだけど、良かったら連絡先交換しない?まぁ、勿論セレネさんがノーならそれでいいから、遠慮なく言って欲しい」

ご案内:「図書館 閲覧室」に真浄虎徹さんが現れました。
セレネ > 「そう言って下さるなら、私も少し気が楽ですね。
お茶するなら、先輩が奢ってくれます?」

なんて冗談っぽく。
サラッとナンパされてはいるがただのお話だろうしそこまで警戒する必要は…無い筈だ。
何かあったら逃げるだけだけど。

「新しくデパートも出来たって聞きましたし、一度そこに寄って見てみます。」

扱えない人が魔導具を使うくらいは目を瞑ってくれるはずだ。
扱い方を間違うと危ない事になるかもしれないからそこは注意をしなければならないだろうが。

「…私の方でもなるべく、慣れるようにしますね。」

性分ならば仕方のない事。
予め言ってくれる相手には、了解の意の頷き。

「そんな武術も存在するのですね。
カッコいいじゃないですか。凄いです。」

人外と聞いて一瞬顔が強張った。
これ下手すると己の身も危ないのでは…?
まぁ己が相手に対し危害を加えるような事をしなければ良い話だろうし、そもそも争いや戦闘自体が苦手だからそういった事には恐らくならないとは思うが。

「そうですねぇ…私で良ければ――
…へ?」

そしてまさかの連絡先の交換。
申し出は有難いのだけれども。

「ぇ、と。その、すみません。
…実は私、まだスマホ持ってなくて…。
今度買う予定ではあるんですけど、その時にまた改めて…でも構いませんか…?」

眉をハの字にしては、折角の提案に申し訳なさそうに。

真浄虎徹 > 「ん?ああ、りょーかい。バイトくらいはしてるから問題ないよー。じゃあ、今度お茶しよーって事で。」

笑顔でうんうんと頷いた。ちなみに冗談ではなく、普通に本気と書いてマジと読むやつである。
別にナンパのつもりもないし、単に普通にお喋りするのもいいんじゃない?という軽い気持ちだ。
つまり、彼女が警戒する事は何も無い筈なのだが、まぁ今回が初対面なので無理も無い。

「おーーよろしく…って、何かセレネさんに任せっぱなしは悪いし僕も自分なりに探してはみるけどさ」

一方的に頼りきりはあまり好きじゃない。自分でやれる範囲の事はやっておくべきだ。
自称凡人だが、凡人には凡人なりの考えや思いと言うのが少なからずあるもの。

「まぁ、無理に慣れるより少しずつ自分のペースでねー?
セレネさん、真面目だから多分自分をまげて慣れようとするかもしれないけど、それってただ無理してるだけだしさ」

この短時間の会話で、多少なりとも彼女の基本的な性格は掴めた気がする。
だからこその懸念というやつだ。先輩からの余計なお節介、でもいいので覚えておいて欲しい。

「――あーー…先に言っておくけど。”君を含めて”無闇に振るうつもりは無いよ僕は。
あくまで自衛の為、というか。気軽に振るうなと師匠からも言われてるしさ。」

一瞬、彼女の表情が強張ったのを見逃すほど鈍くは無い。目を細めつつも、苦笑いを浮かべながらそう言っておく。
別に、こんな体術を修めた所でそれはそれ、特技の延長みたいなもので異能や魔術みたいなトンデモには及ばない。

「ありゃ、そっかーーそれは仕方ない。んじゃー…よし、はいこれ。」

目を丸くしたが、持ってないのなら仕方ない。ならば、とノートの一部を綺麗に破って、そこにペンでサラサラと何かを書いて後輩に渡そうと。

「それ、いちおー僕のアドレスね。スマホとかゲットしたらよければ連絡してね、って事でさ」

と、笑いつつゆっくりと椅子から立ち上がろう。そろそろ少年は一度戻るつもりらしい。

セレネ > 「はい、楽しみにしておきますね。」

相手の性格やのんびりとした気質も含めて、本当に単純なお喋りなのだろうとは思ったけれど。
少しばかり警戒してしまうのは許してもらいたい。
見た目が見た目なだけに狙われる事も少なくなく、恐ろしいのだ。

「ふふ、良いものが見つかると良いですね。」

二人で探せば効率も二倍。
もし相手が自分で探し出せたのなら、それはそれで良いと思うし。

「…ぅ、もう既にバレてるんですね、私の性格…。」

まぁ分かりやすい性格をしているというのも理解している。
相手からの言葉には素直に頷いておいた。

「――。
そうですか。それなら良いのです。まぁ、無暗に振るうような性格でもなさそうですからね。」

いくら己が人では無いとはいえだ。
大した力も持ち合わせていないから、相手と衝突する事もないのだろうけど。
種族について、感付かれてしまったのは内心反省した。

「ん、有難う御座います。」

千切られたノートの紙に書かれたアドレス。
それを受け取ると、礼を述べて折り畳みポケットへと仕舞い。

「お帰りです?」

椅子から立つ相手へとゆるり、問いかけて。

ご案内:「図書館 閲覧室」に真浄虎徹さんが現れました。
真浄虎徹 > 「うん、まーそん時に親交を深めましょうって感じで」

彼女の警戒も理解は出来るし、それを止めて欲しい、とは言わない。
…だってこれ、普通に考えてナンパみたいなものだろうし…さっきまで気付いてなかったけど。
後輩少女は美人だし、スタイル…は、失礼だからコメントは最小限にすると成熟している。
つまり、男に”目を付けられ易い”のだろうな、と彼なりに推測しており。

「そうだねぇ。まー僕みたいに見事に何にも無いと、逆に難しそうだけど」

効率が上がっても、結局己に合った道具が見つかるからは別問題だ。
あと、彼女の性格については少し談笑をすれば、それとなく気付く人は男女問わず多い気はした。
勿論、彼女なりの自衛や処世術もあるのだろうが、そういう無理もストレスにならないか、と。
初対面の後輩にあれこれ失礼なことを言っていないだろうか?と、今更に思うも。

「――あ、ちなみにさっきのはブラフね。セレネさんが人ではないという確信無かったんだよねぇ。
まぁ、今のセレネさんの言葉で確定したけど、僕の方針は変わらないよ。無闇に振るう気は無いってね」

軽く右手を拳に変えつつも、直ぐにそれを解いてヒラヒラと気軽に振ってみせる。
要するに、その手を拳に変えて君を害する気は無いよ、というジェスチャー。
あと、ちゃっかりブラフを仕掛けている辺りこの少年もただのノンビリ屋ではないらしい。

「うん、残りは頑張って寮の自室でこなすさ。それに眠気は取れたけど腹も減ったしねぇ」

と、荷物を纏めつつ、ついでに書物を片付けておこうか。
最後に己の座っていた席周りを確認してよし、と頷けば。

「それじゃー僕はこの辺で。また会えたらよろしくねー。あと、お茶も!」

と、笑って付け加えながら気楽に右手を彼女へと振り…そのまま、暢気な足取りで先に図書館を後にしようか。

ご案内:「図書館 閲覧室」に真浄虎徹さんが現れました。
ご案内:「図書館 閲覧室」から真浄虎徹さんが去りました。
セレネ > 同年代の異性からこうやって誘いを受けるのはあまりなく、正直どうすれば良いのか少し戸惑っては居るのだけど。
…これで良かったのだろうか。正解がよく分からない。

「まぁ…そういう人達の為の道具でしょうし。
多分見つかると思いますよ。」

恐らく一つくらいは見つかるものだと…思いたい。
どれもこれも完璧に行おうとして、結果自分の首を絞めているというのは己がよく陥りやすい。その度に胃を痛めてたりするのだけど。

「…っ。」

見抜けなかった。
まだまだだなぁと溜息をつきながら相手の言葉を聞き入れる。
拳を握り、解くジェスチャーには安堵を覚え。

「お腹が空いてくる時間ですからねぇ。
――はい、また。」

机の上を綺麗にした後立ち去る相手を見送れば。
己は己で魔術書を読もうと、別の席へと移動して。
暫く読み耽るとするだろう。

ご案内:「図書館 閲覧室」からセレネさんが去りました。