2020/08/04 のログ
ご案内:「常世大図書館 ロビー」に御白 夕花さんが現れました。
ご案内:「常世大図書館 ロビー」に227番さんが現れました。
■御白 夕花 >
───とある夏休みの一日。
前に連絡先を交換した女の子……ナナちゃんから、いよいよ図書館の案内をお願いされた。
公園で待ち合わせをして、辺りにこの前の怪しいおじさんがいないか入念に確かめて……
バスを乗り継いだりしながら、やってきました常世大図書館。
「ほわぁ……おっきい………」
たくさんの図書館が連なっている、大図書館群。
噂には聞いていたけれど利用したことはなかったから、その大きさと規模に開いた口が塞がらない。
隣のナナちゃんはどうだろう……と、横目でちらりと様子を窺う。
■227番 > 慣れないバスに戸惑いながら連れられて来た図書館。
大きな建物に圧倒されて、ちょっとそわそわとしている。
「うん……」
少し怖気づいているのか、夕花の手を掴んで、体を寄せようとする。
ちょっと暑苦しいかもしれない。
■御白 夕花 >
その不安げな表情と仕草にはっとさせられる。
案内役の私がしっかりしないでどうするの……! と、心の中で自分を叱咤して顔を上げた。
「だ、大丈夫ですよナナちゃん。私がついてますからね……!」
はぐれないよう、しっかりと手を握って歩き出す。
目指すは星について書かれた本。これだけ広ければ必ず置いてあるはずだ。
とはいえ、何のあてもなく歩き回っていたら疲れ果ててしまう。
だからここは───
「まずはスタッフの人か……本を探せる機械を探しましょう」
情けなくても頼れるものは頼る! それがベスト!
■227番 > 困った顔をしながらも、視線は右へ左へ。
興味津々、といった様子。
「頼りに、してる」
施設の使い方、というか概要もよく分かっていない。
本がいっぱいある所。売り物ではなさそう?
とりあえず、手を引かれるままに進んでいくだろう。
「詳しい人に、聞く。わかった」
機械…はよくわからないが、人に聞くのは間違いないだろう。
同意のつもりで、頷いた。
■御白 夕花 >
「図書館というのは、たくさんの本を借りて読むことができる場所です。
当然そこにある本を管理する人や、本を探すための工夫があちこちに……」
なんて素人知識を披露しながら歩いていると、スタッフらしい名札を着けている人を発見。
あの人がきっとそうですよ、とナナちゃんに言ってから近付いて声をかける。
ここは年上らしく、しっかりと要点を伝えて頼れる所を見せなくちゃ!
「あ、あのぅ……すいません、その、スタッフさん……ですか?」
あっ、駄目だ…………
■227番 > 「本を、借りる」
聞きながら、なるほどと頷いていると、誰かを見つけたらしい。
手をつないだままついていって、やり取りをじっと見守る。
■図書館スタッフ >
「はい、そうです。どうなさいましたか?」
しかしスタッフも慣れた様子で対応。
二人の少女に微笑みかけながら、続く言葉を待つ。
■御白 夕花 >
「えっとぉ……本、本を……探してて……」
そんなの図書館に来たんだから当たり前でしょう!
もっと肝心な部分を伝えなきゃ! がんばれ、私……!
「星……そう、星について分かる本とか……あの……その……」
■図書館スタッフ >
「星についての本、ですね。
それでしたら……あちらの図書館に天文学のコーナーがございますが、いかがでしょうか?
よろしければ、こちらのパンフレットに案内図もございますので、ご活用ください」
右手で一方向を指し示しながら、館内で配布されているパンフレットを二人に手渡した。
開けば簡略化された案内地図が載っており、文字が多いので227にはまだ難解かもしれない。
■御白 夕花 >
「あ、ありがとうございますっ……!」
パンフレットを受け取って、ぺこぺこ頭を下げる。
スタッフはまた何か分からない事があればお声かけください、と言って離れていった。
自分で思っていた以上に緊張していたみたいで、会話を終えると同時に深い息を吐く。
■227番 > 何も言わないのにじっと見ていると怒られるかもしれないので、
右手が示した方に目をやるなど、視線を動かしていた。
一連のやり取りが終わったのをみて、声をかける。
「ゆーか、がんばった……?」
どうやら、夕花もこういうのはあんまり得意ではないらしい。
少なくとも、227はそう受け取った。
こういうときは……なんだっけ。
「ゆーか、えらい」
目を細めて、顔を見る。
■御白 夕花 >
「……予定ではもっとスマートにやるつもりだったんです」
お褒めの言葉をいただいてしまった。
なんだか期待していた反応と違う……嬉しいような恥ずかしいような。
気を取り直して、ナナちゃんにも見える高さでパンフレットを開く。
「と、とにかく教えてもらったところに行きましょう。
スタッフさんが言ってた、天文学……あっ、ここですね」
案内図には確かに『天体・天文学コーナー』と書かれた一画があった。
天文学とは、ざっくり言えば星に関するお勉強だという説明も交えて。
■227番 > 「すまー……なに?」
横文字はまだ全然わからない。
それから、パンフレットを見せられれば……読めない。
それに、知っている"地図"ともなんか違う。
同じ箱がいくつも……いや、少し違う……?
とにかく、ゆーかは読めるみたいなので、連れて行ってもらおう。
「てんもん、学」
"学"だ。人に聞いたことば。それに触れられる機会がついに来た。
期待からか、手を引くように歩いてしまう。
■御白 夕花 >
スマートについて詳しく解説するのはスベったギャグを解説するくらい苦しいので置いておいて。
地図は難しかったみたいだけれど、天文学と聞いてナナちゃんの様子が変わった。
私が案内する側なのに、引っ張っていくような勢いだ。
「難しい言葉もたくさん出てくるとは思いますけど……
できる限りナナちゃんにも分かるよう説明しますからっ」
こう見えて成績はいい方なのだ。主に並列思考のおかげなのが複雑だけれど。
知りたくてたまらない、といった様子を見れば自然と気合が入る。
そうして二人で天文学コーナーへと歩いていった。
広々としたロビーとは打って変わって、無数に立ち並ぶ本棚のせいで手狭に感じる閲覧室。
廊下まではざわついていたのも今はとても静かだ。
細い通路を人にぶつからないよう、ナナちゃんを庇うようにしながら進む。
■227番 > 「うん、よろしく、ゆーか」
そうして、コーナーにたどり着けば、
圧倒されるほどの量の本に出迎えられる。
本が詰められている棚、ならコンビニでみたこともあるが、
当然それとは比べ物にならない。
これだけの本を、自由に読める……?
「星の、本……えっと……」
そして、困った。どう手を付けたら良いんだろうか。
当然ながらその辺のノウハウはないので、助けを求めるように夕花を見上げるだろう。
■御白 夕花 >
「ナナちゃんは、星についてどんな事が知りたいですか?
どうして星が見えるのかとか、星の名前とか、星座……星が作る形のこととか」
ざっと例を挙げて、知りたい分野を模索してみる。
いきなり基礎知識から全部、よりその方が身に付くと思ったから。
途中で分からないことが出てきたら、それについて書かれた本を探せばいいのだ。
■227番 > 「……星の、名前」
答えはすぐに出てきた。
星の仕組みとかも知りたくはあるが、毎日見る上で一番役に立つのは、
星の名前とそれらが作り出す星座の知識だ。
星座は何を模してるのかがわからない可能性があるので、先に名前を覚えるべきだろう。
■御白 夕花 >
「星の名前、ですね。それなら"図鑑"を探しましょうっ」
図鑑というのは、ものの名前と解説を絵図付きで紹介している本だと説明して。
ざっと本棚を見渡して、それらしい本を探す。
動物図鑑や植物図鑑があるのだから、星の図鑑もきっとあるはずだ。
「……あっ! これとかどうでしょう?」
すると、おあつらえ向けに『こども星・星座ずかん』という児童向けの本を見つけた。
小難しい解説が多くなりがちな図鑑を子供でも読みやすいようにした、まさに適任。
■227番 > 「ずかん?」
説明を受ければ納得したように頷いて。
探し方はわからないので、ひとまず夕花に任せる。
いつか、自分でも探せるようになりたいと思いながら。
「……、これ、ほし、せいざ……?」
漢字は読めない……が、最初に意識して覚える漢字が
星なのはいいかもしれない。そう思って、聞いてみる。
同意を得られれば、これでいい、と笑うだろう。