2020/08/22 のログ
ご案内:「図書館 閲覧室」に御白 夕花さんが現れました。
ご案内:「図書館 閲覧室」に227番さんが現れました。
御白 夕花 >  
夏休みも残りわずか。私はナナちゃんを誘って、また常世大図書館を訪れた。
星の勉強だってまだ途中だし、もっと色んな言葉の勉強もさせてあげたいと思ったから。
何度見ても圧巻の大きな建物の中に入れば、ほどよく冷房と除湿の効いた空間が出迎えてくれる。
ここまでの道中が暑かっただけに、日の高い内はここから出たくなくなる快適さだ。

「はふぅ、涼しい……
 今日は何からお勉強しましょうか、ナナちゃん?」

隣に立つナナちゃんの方を見て訊ねてみる。
この大きな帽子の下にかわいい耳が付いていることは、私を含めて数人しか知らない。はず。

227番 > 呼び出してもらって、図書館までやってきた。
昼間は暑すぎて部屋でごろごろしているしかないので、
こうやってどこかにつれてきてもらえることはとてもありがたい。

「何から……わたしは、星のこと、知りたい、けど……」

他のことは勉強したくないのか、と言うと全然そんなことはなく。
星や星座を理解するために必要な知識は、星のことだけ調べてもわからないのである。

手はしっかり握っている。
人の気配が多いので、少し気にしているようだ。

御白 夕花 >  
みんな考える事は同じみたいで、心なしか人が多く感じた。
ナナちゃんが怖くないようにそれとなく距離を縮めて歩いていく。

「ほら、前に来た時は読めなかった星の名前があったじゃないですか」

いくつかの星には星そのものの名前の他に漢字の別名がある。
例えば"スピカ"なら"真珠星"といったように。
私でも読めないくらい難しい漢字のものもあって、こっそり悔しかったりした。

「星の別名とか、あとは英語とか……分かるようになったら周りに自慢できちゃいますよっ」

まぁ、私には自慢するような相手いないけど……

227番 > 寄り添ってもらえれば、安心したように。

「読めなかった、名前……」

確かに有った。相変わらず星と星座しか漢字はまだ読めないので、
真珠星すら読めておらず。そもそも真珠もピンとこなかった。

「違う名前……えいご……?」

知らない概念。
今使っている言葉とは違う体系の言葉があることは知らないのだ。
人に自慢する、というのもよくわからなかったが、手前の言葉のほうが気になった。

御白 夕花 >  
「えーっと……同じ言葉でも、国───住んでいるところによって言い方が変わったりするんですよ」

たぶん国とかのことも知らないと思うから、噛み砕いて説明。

「私達が普段使ってるのは日本語で、一番多く使われているのは英語……ですね。
 ジュースとか、ベッドとかも英語です」

身近で耳にしそうな英単語を例に挙げて理解を促す。
最後に、ちなみに星は英語でスターですよ、と添えて。

227番 > 「……そう、なんだ」

だとしたら大変だ。
これまで頑張って覚えた言葉が通じない人も居るのか。

「ジュースは、えいご……」

当然知らなかった。
日本語は外の言葉もそのまま使ったり、
外の言葉のような日本語を生み出したりしている。
意識しなければ、気付かなかっただろう。

「スター。スターは、星……」

星の話になったので、分かりやすい反応を示した。

御白 夕花 >  
「まぁ、本格的に英語を勉強しようと思うと複雑極まるので……
 星に関係する英語だけでも覚えていきましょうか」

たくさん並んだ本棚から、前より本格的な星についての本を取り出しながら微笑みかけた。
興味のベクトルが分かりやすくて助かる。

そのまま、ナナちゃんの手を引いて閲覧用のテーブルへ。

227番 > 「分かった」

そう言われれば素直にうなずいて。
自分の手の届かないところの本を取る様子をじっと見ていた。

それからテーブルに行けば、そちらが座るのを待つ。
意図は言わなくてもわかるだろう。

御白 夕花 >  
「……? あっ」

座らずに待っているのを見て思い出した。
そういえば、前回ここに来た時はテーブルがナナちゃんには高すぎたんだっけ。
けっこう恥ずかしいんだけどな、あれ……と思いつつ先に座って膝を揃える。
本は予め開いておいて、支えるための手を差し出した。

227番 > 「ありがと」

手を取って、ひょいっとお膝へ。
227は未だ羞恥心を持っていないので、全く気にする様子はない。
前と違ってワンピース1枚の薄着なので、更に小さく感じるかもしれない。
相変わらず顔が見えないのは不安だが……我慢しよう。

御白 夕花 >  
前も思ったけれど、ほんとに軽い。このまま抱えて立てそうだ。
ワンピース姿がいろいろと無防備で……私が男だったら危なかったかも。
男の人が相手でもこのくらい無防備なら、それはそれで心配になる。

「んんっ……そ、それじゃあ見ていきましょう。
 前のは子供向けでしたが、今回は本格的な本なので難しい字や英語も使われているはずです」

読み仮名は振ってあるし、本来の名前や写真も載っている。
知っている星の違う側面を学ぶにはもってこいの内容だろう。

227番 > ちなみに信用していたら男相手でも無防備だ。

「うん。
 わかんないの、多分、多いから……頼りに、してる」

読めても意味がわからない物は多いので。
とりあえず見るのは……一番知っている大三角。
星の名前の由来も載っていそうな本だ。興味津々。

御白 夕花 >  
「ふふん、任せてください!
 まずは夏の大三角ですね。Deneb、Altair、Vega……英語ではこう書くらしいです」

個々の名前の由来はアラビア語。ごめんなさい読めない。
アルタイルが彦星、ベガが織姫星なのは前にも話した通りだ。
またの名を牽牛星(けんぎゅうせい)、織女星(しょくじょせい)と言うらしい。

227番 > 「……??」

アルファベット、わからない。見たことはある気がするが……。
それはそうと。

「デネブは、たしか、尻尾」

アラビア語の横には、「尾」を意味する言葉と書かれている。
同じ様にアルタイルの横には「飛ぶ」、ベガの横には「急降下」。

御白 夕花 >  
あ、そこからか……確かにアルファベットが読めなかったら英単語も読めない。
まずはアルファベットについて説明を───と思った刹那。

「えっ」

知っているのかナナちゃん!?
と思ったら横に書いてあった。びっくりした……
でも前から知っていたような言い草だ。

「ひょっとして誰かから教わったんですか?」

227番 > 「前の本に、あった……ような?」

無かっただろうか。無かったかも知れない。
そうじゃなかったら、どこで知ったのだろう……?
ちなみにアルタイルやベガはわからない。
そもそも、"尾(お)"も"飛(と)"も"急降下(きゅうこうか)"も
読み仮名で読むことは出来ても、意味は知らない。

御白 夕花 >  
「そ、そうでしたっけ……?」

どうしよう、いくら記憶を掘り返してみても覚えがない。
いきなり教える側としての威厳が怪しくなってきた。
このままじゃいけない、と頭を振って気を取り直す。

「飛ぶっていうのは……えっと、鳥みたいに空を移動することです。
 急降下は逆に落ちてくる感じで、対になってるみたいですね」

単語を指差しながらその意味を解説していく。
尻尾、尻尾といえば……ナナちゃん、耳はあるけど尻尾はないのかな?
膝の上にある小さなお尻の感触に意識を向け……私、今すごく変な事してない?

227番 > 「飛ぶ、落ちる」

知識がアップデートされていく。
どこかの国?の言葉で、飛ぶ、落ちる。

ちなみに尻尾らしい感触はない。
思い返せば、スカートやワンピースが
尻尾の形に捲れているのは見たことがないだろう。

「ま、いいや。次、見よ?」

ここは一等星のページ。次に興味を向けたのは……スピカだ。

御白 夕花 >  
耳はあるのに尻尾がない。猫型亜人にしては珍しい特徴だ。
人の多い図書館で隠してる耳の話を持ち出すわけにもいかないし、それ以上は突っ込まないけれど。
次へ行こうというナナちゃんの言葉に頷いて、めくられていくページを見送る。

「───あっ」

そして止まったページに思わず反応してしまう。
スピカは私にとって、ちょっとだけ特別な星になったから。

227番 > そもそも227は亜人ではないのだが……それを知るものは、今のところ誰も居ない。

「……ゆーか?」

後ろの夕花が声をあげた。
何かやってしまったのだろうか?不安そうに声をかける。

御白 夕花 >  
「あっ、いえ、その……お気に入りの星なので」

思いっきり反応したことに気付かれてしまった。
ボロが出ないように注意しながら、悪い意味ではないことを伝える。

「私おとめ座で……ほら、スピカっておとめ座の一等星ですから」

その旨が書かれた説明を指差しながら。
言ってから気付いたけれど、まずは12星座の話からしないと伝わらなくない、これ?

227番 > 「お気に入り」

やってしまったわけではないとわかり、
安心したように、本に向き直った。

「おとめ座?……ゆーかも、星座?……??」

当然ながら伝わっていない。
明らかに混乱している。