2020/08/24 のログ
くらげ > 「…………。」
席に戻り、再び課題に取り組むこと数十分。
今度は集中して取り組めている様子。


「…………ふふ……ふふふ……。」
と、思いきや……
ノート一面にはびっしりと落書きが……!

「ダメだな。
 乗らない、気が。今日は。」
今日は、というが大体毎日こんな調子だ。
夏期休暇も残り少ない、しかし課題は一向に終わる様子も無く。

再び席を立ち、ふわふわ浮かびながらまた何か面白い本を探しに出る。

ご案内:「図書館 閲覧室」に霧島 孝介さんが現れました。
霧島 孝介 > 「図書館か…」

やってくるのは片手で数える程度だったりする常世大図書館
一応勉強のつもりもあるが、実は先日友達を作ろう宣言をした彼は何か出会いが無いかという想いも込めてやってきた
別にやましい気持ちがあるわけではない。

何せこの男、友達がいない。

つまりどういうことかというと、友達を作りにやってきたのだ

「とはいえ、みんな集中してるなぁ…」

とても話しかけれる雰囲気ではない。
勿論そうだ。図書館は本を貸借したり、勉強する場所だ
出会いなんて求める場所じゃない

今回もだめかぁ…と思いしょんぼりしていると

「っ…うぉぉお!?浮いてるぅ!?」

角を曲がれば、色白で水色の髪の少女が宙を浮いているではないか
非日常の光景。アニメか漫画でしか見たことない景色に腰を抜かして情けない声を上げる

くらげ > 「…………ふっ。」
面白そうな本をあさっていると、何やら驚いた様な声。
そちらを見れば、眼下に腰を抜かす少年。
それを見下ろし、不敵な笑みを浮かべる。
端的に言えばドヤ顔。


「珍しいか?浮くのが。私が。」
ほわほわとした、ちょっぴり変な口調で
その少女は霧島に声をかけてきた。

「……このご時世。
 そう珍しくない。人が浮くくらい。」
大変容の後、異能者があふれるこの世界。
しかもここは、そんな異能者があつまる学園都市。
浮遊能力くらいは驚く様なものでもない。

強いて驚くべき点を挙げるとすれば、下から少女の水色の下着がちらつくことくらいだろう。

霧島 孝介 > (こ、こわぁ~…なになに?俺今見下されてるん???)

ひえ~と腰を抜かしながら彼女の渾身のドヤ顔を食らう。
もう完全にモブ学生Aを圧倒するレギュラーヒロインキャラの図。
とりあえず立ち上がって尻の汚れをはたけば、彼女を見上げる形で。

「そ、そりゃ珍しいっすよ。人なんて本当は浮くように体の構造ができてませんもの」

変な口調で話しかけてきた彼女にめっちゃ動揺する。
動揺してこっちも変な口調になる。

「俺にとっては珍しいんすよ。申し訳ないですね」

確かにかくいう自分も浮ける。何なら飛べる。
異能の応用をすれば自由自在に空を駆けれるだろう。
ただし、今は怖すぎて無理だから、彼女を物珍しそうに見る。

そして、その視線は勿論下着にも向けられ、それを見た瞬間に咄嗟に、わかりやすく視線を逸らして

くらげ > 「無くはない、申し訳。
 おかげで、いい気分。」
人を見下ろしていい気分に浸る、結構な性格をしている様だ。

「ふふふ。」
不敵な笑みを浮かべたまま、すーっと霧島の目線のあたりまで降りてきた。
……不自然に逸らした視線には気が付かなかった様子。

「………。
 ……誰?お前。」
霧島をじっと見て、首を傾げたかと思えば、この発言。


実は彼女は霧島と同じ高校1年の生徒。
ただ、彼女は高校入学すぐに高熱を出して病院送りになっており、つい最近退院したばかり。
彼女は霧島の顔は覚えていない様だ。

霧島 孝介 > 「え、ええぇえ…」
見下していい気分って、それあれじゃないですか
女王様的な?お嬢様的な?よくわからんがこの人怖いよぉ…

「な、なんですか?」
不敵な笑みを浮かべて降りてくる彼女
いや、にしても顔の造形がいいっ!なんだこの美少女は!
遠目で美少女やら美女は沢山見てきたがこうも近寄られてターゲットにされるのは
友達0にん陰キャオタクのこの男にはきついものがある

「アッ…え、き、霧島…孝介、で、す。1年です」
『ふっ!人に名前を尋ねる時はまず自分から、と教わらなかったか?』というキザなセリフが浮かんだが言えるはずもなく
どもりながら、しどろもどろに自己紹介を済ませる。

勿論、他人との交流を全然しなかったこの男。
くらげのことなど知るはずもなく、「なんだこのふわふわ美少女は!?」ぐらいに思っている。

くらげ > 「ほう。
 霧島。1年。」
名前を聞くと、何度かゆっくり頷いて……

「霧島。
 来てくれ。こっち。」
ふわっと浮かび上がると、霧島を何処かへ誘導し始める。
唐突に。
ずいぶんと身勝手な奴である。

「……断ったらパンツ見た事言いふらす。」
ボソッと、早口で付け加え……ふわふわと先へ進み始めた。

霧島 孝介 > 「な、な、なんですか?」
怖がる。そりゃもう露骨に怖がる。
何せ対人経験というものにスキルポイントを割り振りをしていないため
彼女の何もかもに圧倒されている。

「え、ええ、そんな、いやぁ…」
来てくれ。その言葉を聞くと思い付くパターンは二つ。
1つ、女子と二人、何も起きないはずもなく…むふふな展開が待っている。
2つ、お前、何したかわかってるよな?とりあえずジャンプしろよ。

…恐らく後者だろう。
つまり断らなければ殺られ

「……はい」
八方塞がり。見たことに、見られたことに気付いていたのか…
顔面蒼白し、今にも殺される死刑囚のような気持ちで彼女についていき

くらげ > 「………。」
無言。
気まずさ以外の何も無い空気の中、
少女が霧島をどこぞへと先導することしばらく。


そこは、少女が勉強(する振りを)していた机。
広げられた課題の冊子を指さすと。

「……教えてくれ。
 わからん、さっぱり。
 礼は弾むぜ。」
そう、彼女も高校入学すぐに入院していたために、
勉強を教えてくれる様な友人も何もいないのだ。

たまたまひっつかまえた同じ1年の霧島に、やや強引に助けを乞うたのだ。

霧島 孝介 > 無言で案内されたのは課題が広げられた机。
よく見ると傍らに置いてあるのは自分が持っているのと同じテキストだ。
どういうことだ、と彼女と課題を交互に見つめると…なるほど、一つ合点がいった。

(もしかしてバカなのかな)

そう失礼なことを考えるが決して口には出さない。
出したら最期、変態パンツ覗き魔の称号が付与されてしまうからだ。

「…断って変な噂流されたくないんで、教えますよ。でも俺も頭良くないですよ?」
何だか少し、肩の荷が下りた。
彼女がバカだから…と彼の頭の中で勝手に決定付けているということもあるが。

一番なのは、彼女が同級生だからだ。

クラスメイトと勉強会。今までにはなかった経験。
なんと心躍る響きだろうか。

さっきまで感じていた恐怖や不安はすぐになくなって
この範囲なら自分も教えられそうだと安心しながら、嬉しそうにしながら、椅子に座って勉強の準備を始める。

くらげ > 驚くべきことに、霧島の予想は当たっている。
もしかしなくても、この娘はバカなのだ。

「良くないのか、頭?
 むぅ、まぁいい。」
教えを乞うておいて、なんだその不満そうな呻き声は。

「教えるのだ。
 丁寧に。懇切。」
ふわっと地に降り立ち、椅子に座る。
課題はずいぶんと基礎的なところで行き詰っている様子。
霧島でも、そうでなくても、このレベルの事は簡単に教えられそうだ。

霧島 孝介 > 「ええ、成績も中の下か下の上ですよ」
マジで良くない。そりゃそうだ。
一応運動系の成績は鍛えているお陰で悪くはないが
勉強はからっきし。ゲームばかりしているからである。

しかし、一応は授業に出ているため、基礎的な部分は教えられる。
教え方も先生が言ってたのも真似すればいいだろう。

「わかりましたよ。えーっと、まずはここはですね…」
自分も復習するいい機会だ。
夏休み明けには小テストも予想されるだろうし、やっておいて損はない。
とりあえず一つ一つ、丁寧に教えていきながら、自分も問題を解いていく。

それにしても(ちょっと偉そうとはいえ)美少女と勉強会なんて初めてのシチュエーションだ。
ここで一つ、チャレンジ。
この子と仲良くなって、さらに交友の輪を広げるチャンスを作ろう。
彼女の友達と友達になれば、さらにその友達の友達となって…と
あっという間に友達100人という作戦だ。

しかし、問題点がある。…どう、会話を切り出す…?

くらげ > 「ふっ……。」
霧島の成績を聞き、鼻で笑う。

「下の下だ。私は。
 ………勝ったな。」
……何に?

そして始まる勉強会。
舐め切った態度だった少女も、
一度勉強が始まると存外素直な態度で教えを受ける。
……下の下を自称するだけあって、物覚えは悪いが。


さて……少女と交友を深め、友達の輪を広げようという霧島の魂胆。
だが、それは大きな過ちである。

……彼女も友達がいないので、輪はこれ以上広がらない!
友人と呼んでもいいのか分からない様な変人が一人増えるだけなのだ。

霧島 孝介 > 「え…?あ、うん。そう、なんだ…」
謎の勝利宣言とドヤ顔に困惑しまくる。
あれ、ひょっとしてこの人、学園でも変人に分類される人では?
別に敗北感は感じず、むしろちゃんと教えねば…というプレッシャーが若干襲って。

物覚えが悪くとも、ちゃんと1から説明する。
ここで分かったのは案外勉強を教えるのは楽しいってことだ。
分からないことを共有し、片方が伝え、片方が理解する。
なぜ今までこんな面白いことを経験してこなかったのか、とつくづく後悔しつつも、次の作戦へ。

「そういえば、聞いてなかったんですけど…名前、なんて云うんですか?」

まずは名前から聞こう。
自分は名乗ったが彼女に名乗られたことは無い。
彼女との親密度を、ひいては友達の輪を広げるにはまず名前からだ。

彼女も友達がいないことは露知らず、捕らぬ狸の皮算用を展開するこの男。
変人だということは薄々勘づいてはいるが、ともあれ、歩み寄りの精神は大事だ。

全てはここからだ。うん、多分ここから始まる。はず。

くらげ > 「ほぅ………。」
勉強の合間に、少女が感嘆の声を漏らす。

「……うまいな。
 教えるの、霧島。」
彼の教え方は、懇切丁寧。
こんな今日出会ったばかりの奇人に対してもだ。
おかげで、物覚えの悪い少女ですらそれなりに課題が進んでいく。

きっと彼には、そういう才能があるのだろう。


「……ん?
 あ、そうか。
 言ってなかったな、まだ。」
名を尋ねられると、
すっかり忘れていた、とばかりにポンと手を合わせ。

「くらげだ。
 綿津見くらげ。」
少々奇怪な名を名乗る。
名は体を表すというが、
まさにくらげの様なつかみどころのない少女なのであった。

霧島 孝介 > 「別に、先生が言ったことをなぞってるだけですよ」
彼女の発言に、分かりやすく謙遜しつつも嬉しそうにして。
相手が変人だろうか奇人だろうがクラスメイト、友達ならば、彼は勉強を教えるくらいは当然のこととして挑戦する。
実際、そういう才能はあるのかもしれない。教える才能もそうだが、誰かのために何かをするという、才能が。

「くらげ…、クラゲってあれですか?海に浮いてる、女子にやたらと人気のあるあいつですか?」
自己紹介を受けるとまたも困惑。
まさかくらげって名前が出てくるとは思わなかった。
もっと、こう、なんとか翼とか、橋本なんとかとか、普通の名前だと思ってたのに。

「ま、まぁ、とりあえずよろしく?綿津見さん」
つかみどころのない少女の名に、とりあえず着地点は設定してそう告げる。
初っ端なから名前で呼ぶのはハードルが高いのでまずは苗字から。

人によっては、気安く名前で呼ぶのに憤怒する方もいらっしゃるからな。
特に男女間ではそういうのはデリケートだと、すでに肝に銘じている霧島であった。

くらげ > 「くくく……。
 謙遜しよる……。」
気恥ずかしそうな様子の霧島に、
にやにやと不敵な笑みを差し向ける。


「うむ。
 その、くらげ。」
こくんと頷く、くらげ。
何を思って親はそんな名をつけたのだろうか。

「くらげと呼べ。
 するな、遠慮を。」
少女の方は、気安く呼んでもらっても問題ない様だ。
……こんな娘に、デリケートだとかデリカシーだとかはおそらく何も必要ない。

霧島 孝介 > 「な、なんですか。一応日本人として謙遜くらいはしますよ。させてください」
少し恥ずかしそうに、彼女から視線を逸らして。
何だこのシチュエーションは!不敵な笑みを差し向ける美少女に照れるオタク。
こういうの青い鳥のSNSで見たぞ。尊いって奴ですかぁ!?

「な、なるほど…そのくらげですか」
ここまで言われたら仕方ない。
恐らくからかっているわけではなくマジでその名前なのだろう。
あんまり信じたくないけど…

「わ、わかった。…く、くらげ。さん」
いきなり下の名前!?
流石に呼び捨ては無理だったので下の名前で呼んだが
これってもっと親密度が上がってからするイベントじゃないの!?

彼女本人は全然気にしてないだろうが、この男、童貞につきそういうのは意識しまくりなのである。

くらげ > 「何故逸らす、視線を。
 また見えたか、パンツが。」
と、無駄に話を蒸し返す。


「くらげと呼べ。
 ……これだから、陰キャは。」
『さん』付けも不要、と。
やれやれと、ため息交じり。
人を陰キャ呼ばわりできるほど、真っ当な人間じゃないくせに。

「………。
 あるいはくらげ様で。」
様付けなら良いらしい。
……悪趣味な娘だ。


「霧島。
 今日は良いぞ、この辺りで。」
そんなこんなで、課題もキリの良い所まで進んだ。

「教えろ。
 また。勉強を。」
鞄に勉強道具をしまうと、
また次回も、と言い残し。

「じゃあな、霧島。またな。」
ふわりと身を浮かせて、そのまま勝手に行ってしまうのであった。
……弾むと約束した礼もせずに……。

ご案内:「図書館 閲覧室」からくらげさんが去りました。
霧島 孝介 > 「みみ、見えてへんわ!!」
蒸し返されたくない話を蒸し返され、つい勢いのままツッコミを入れる。

「陰キャって言うな!?気にしてるんだから!」
つい自分らしくもなく大声でそう言ってしまい。
図書館ということも忘れてしまって、周りの視線が刺さると、肩を竦めて縮こまる。

とにかく、舐められているのはわかった。
日本男児として、『様』でも『さん』でもなく『くらげ』と呼ぶ覚悟を完了させたところで、勉強はひと段落を迎えて

「っと、もう、そんなところまで…わかりました。終わりにしましょうか」
自分もそろそろ疲れてきたころだし、と勉強道具を仕舞って。
また次回、その言葉に何だか言い表せない感覚を覚え、自分も「また次回に」と告げて。

彼女に別れを告げて自分も図書館を後にする。
何だか普段より足取りが軽く、礼のことも彼自身忘れてしまって。
いい気分で帰路についていくのだった。

ご案内:「図書館 閲覧室」から霧島 孝介さんが去りました。