2020/08/25 のログ
ご案内:「図書館 閲覧室」にトコロザワ カスカベさんが現れました。
トコロザワ カスカベ > 「は〜いいなあ…」
誰もいない図書館で一人ゴチる。いろんな魔法、異能、そんな世界でただごく少人数の、特殊能力ももたない無能力者に生まれてしまった自分。もちろんそれなりの知識はあるがそれも小学生低学年以下。そんな体で生まれてきてしまったからにはもちろん魔法に興味を持たないわけがないわけで。こうして入学して初めて訪れた図書館には自分の憧れが詰まった本がたくさん置いてあった。

トコロザワ カスカベ > 「俺にもこんな魔法が使えたら…あっこっちも…」
まだ入学してきて間もないので異能を実際この目にしたわけではないのだが文献書の内容だけで無能力の自分を引きつけるには十分すぎる。

「ねぇシマネ、こんなのが使えればいいよね。」そうやって自分が座る椅子の隣を見やる。そこには…猫のようなものがいた。猫のようなもの。だ。

トコロザワ カスカベ > 「ねぇ聞いてる?シマネ」
そう言うと一見2メートルはありそうな大きな黒猫のようなもの…シマネは大きくあくびをして見せた。そしてその巨体をそっと自分にすり寄せてまた静かに目を閉じる。

「もう…」
こっちは真剣なんだけどなぁ。これが動物と人間の差かと思っていればシマネはまたそっとすり寄ってくる

トコロザワ カスカベ > 「シマネ…」
これはシマネなりの気遣いなのだろうか。
『うにゃあ』
なんて地を這う唸り声を上げる彼の真意はわからない

トコロザワ カスカベ > 「………」
そんな彼の唸り声はそれでも自分には慰めの言葉に聞こえるのだから全く不思議な話だ。
そう思いながらまた読んでいた分厚い本を開き、読み物に熱中することにした。

トコロザワ カスカベ > 「すごいなぁ」
自分の読んでいるものはお伽話に過ぎない。異能を持ったものの冒険譚。彼は作中で様々な仲間と出会い、失い、別れ、様々な敵と出会い、敵対し、和解している。ものの数年まではこれがお伽話だったのだ。ものの数年前までは。でも、今は違うのだ。現実にこうやって異能が存在し、魔術が存在し、自分は出会ったことがないが異邦人やドラゴンなんかがひしめいている世界だ。
自分もこう言った経験ができる日が訪れるのだろうか。そんな期待は自分の中で膨らみ、大きくなり、やがて壮大な夢を見る。そこには当たり前のように自分の長年の相棒…シマネがいるのだ

トコロザワ カスカベ > 「ふヘァ」
途端に間抜けな声が自分の喉から飛び出したのが分かった。
『なぁん、なぁん、』
とシマネが自分を呼ぶ声がする。
机には開きっぱなしの本と突っ伏した自分の体。体を起こせば関節がぱきり。となった。

トコロザワ カスカベ > 「俺、寝ちゃってたんだ」
覚醒する頭は読書の途中間抜けにも寝入った自分の姿を呼び覚ます。
『なぁん』
退屈していたであろう我が相棒に「ごめん」と一言返す。

それにしても良い夢を見た気がする。自分が物語の主人公のようにこの世界を駆け巡る夢。

トコロザワ カスカベ > 「いつか…現実になるといいな」
そう徐に呟けば隣からは呼応するように相棒の鳴き声がする。
ああ、なんだか今なら素敵な出会いがありそうな気がする。
帰りにお菓子でも買って帰ろうか。
そんなことを思いながら、ふと本のことを思い出す。

トコロザワ カスカベ > 「この本…借りて行こっと」
素敵な夢を見させてくれた本。もう少し続きを見届けたい。さぁもう行こうか。
本棚の間をとうればいい木製の本棚の匂いと少し乾いた羊皮紙の匂いがする。
後ろでシマネがくしゃみをするのが聞こえた。
それにクスクスと笑って図書室を後にするのだ。

ご案内:「図書館 閲覧室」からトコロザワ カスカベさんが去りました。
ご案内:「図書館 閲覧室」にセレネさんが現れました。
セレネ > 「思っていた以上に少ないな…。」

先日屋上で出会った、怪異になりかけているらしい人物の手伝いとして怪異に纏わる本を探しに本棚を巡る事暫く。
己が想定していた数より下回っていた蔵書。
彼が読んでいたような怪異についての記録を記す本は幾つか見つけたものの、やはり初心者にも分かりやすく解説している本はなかった。
運悪く借りられてしまっているのか、それとも図書館ではなく本屋に行くべきだろうか。
或いは、禁書庫と呼ばれるこの図書館より奥に位置する場所に行くべきか。
とりあえず怪異についての本を数冊取り、閲覧スペースへと移動する。
陽も沈み、些か過ごしやすい時間帯。
他の生徒もまちまちといった所か。

適当な椅子に座ると積んだ本を置いて一冊目を開く。
記されている言語は英語に訳されたもの。
だから表紙に書かれている言葉も勿論英語だ。

セレネ > 翻訳されている言語は、極稀に誤訳されているものもあるからやや注意深く読み進める。
本当ならばそういった誤訳や言葉による表現も異なるので原本を紐解く方が良いのだけど…。
難しすぎる漢字は読むのに時間がかかる。
だから英訳されている本を探したのだ。
…余計に蔵書が少なく感じたのはそのせいだろうか。

「今まであまり興味もなかったから手は出してなかったけど、
島内だけでも結構な数の怪異があるのね。」

呟く言葉も日本語ではない。
彼に出会わなければ今後触れる事もなかっただろう怪異の話。
ただの偶然だったかもしれないが、新しい切欠をくれたのは感謝せねばなるまい。

ご案内:「図書館 閲覧室」にアーテルさんが現れました。
ご案内:「図書館 閲覧室」に藤巳陽菜さんが現れました。
アーテル > というわけでやってきました図書館。
文明の叡智が集約する場所。あらゆる物事を知られる場所。
コンピュータが発達した常世島でさえ、紙媒体の蔵書は多い。
文化の坩堝たるここ常世島に溢れるその魔術について知るならば、と、ここにやってきたわけだが。

「……怪異がどーしたってぇ?」

ちょっと物騒な言葉が、つい聞こえたものだから。
書架を巡る前に、気になった言葉をひっかけてしまった。
丁度彼女の背後から、何を読んでいるのだろうかと覗き込もうとするだろう。

ご案内:「図書館 閲覧室」から藤巳陽菜さんが去りました。
セレネ > 文字を読む視線が止まる。
掛けられた言葉は己に向けてのものであろう。
英訳されているとはいえ、怪異についての蔵書を読んでいるのは己しかいないのだろうし。

「…少し、怪異について興味がありまして。」

英語が並んだ本を開いたまま、蒼を後ろに向ける。
背から覗き込むようにして、赤髪の男性が其処に居た。
瞳は己と同じような蒼。少し親近感がわいた。
そうして、今そんな本を読んでいる理由は無難なものを選んだ。

アーテル > 「……ほぉー……怪異にご興味。」

また、変わったものに興味があるんだなぁ。という表情。
整った顔立ちに、凛とした眼。さらりと流れるような髪質…
ともあれば自殺志願者や狂気的な信者みたいな何某にも見えない。
どちらかといえばモンスターハンターとかその類を生業にしてそうな雰囲気だ。
すわ怪異狩りか、なんて。割と安直にその興味の矛先を想像する。

「……興味の矛先っつっても、そりゃあ奴らに会うためだとかー…
 奴らの弱点はなんだとかー……奴らの生態はなんだとかー…まあイロイロあるとは思うがー。」

さて、そうなれば…

「俺ってば怪異ならちっとばかし知ってたりはするんだがー…
 お前さん、何を知りたくて本なんか読んでんだー?」

ひとまず、その興味について深堀を試みる。
ないとは思うが、自殺志願者なら話だけでも聞こうと思ったものだから。

セレネ > 己は人では無い。だから、同じく人間ではない者の区別くらいはつく。
勿論、逆に看破される事もあるが。
改めて姿を見てみれば、彼は和服を着ている。それが赤い髪とよく似合っていると感じた。
だがまさか相手から様々な憶測をされているとは思わず。

「…何を。
まぁ、そうですね…。
人から怪異に変じた例が過去にあったかを調べていたんです。」

別の理由を適当に見繕って述べても良かったが、やはりここは素直に告げた方が情報を得られるかもしれない。
そう思って尋ねてみた。

「貴方の知っている限りで、そういった例があったとか…そういうのはありますか?」

アーテル > 「……ふーん…?
 人が怪異に、ね。」

怪異。それこそ表し方は様々だが……
さて、自分の知るところでそういう話はあったかなと、
彼女の背後に立ったまま、腕を組んで天井を見やる。

「……怪異ってーのが、どういうモノかによるわけだがー…
 そりゃあ、薬物やら何やらで肉体的にニンゲン辞めちまったのか…
 それとも、精神的にイカれすぎた挙句ニンゲンから外れちまったのか…
 ニンゲンにゃ持て余す力やらを手に入れて、変わっちまったってのもあるのかね……?」

思いつく辺りを口にする。
まだ、漠然とした話から少しずつ狭めていくしかないわけだが。

「あぁ、俺ってばここに来てあんま経ってねぇんだ。
 んだから、常世の事情にゃ明るくねぇ。あんまり参考にならねーかもしれねーが……」

セレネ > もう少し詳しい話をしたい所だが、己の持つ情報が如何せん少なすぎる。
初対面だったし、いきなり事情に踏み込むのも失礼だし…と考えて聞かなかった。
腕を組み、上向く顔を黙って見て答えを待とう。

「怪異も、所謂化け物とあまり変わらないのですね。」

呼び方が違うだけか、明確な違いがあるのか、までは今の所は分からないけれど。
相手の説明を聞いて思い浮かんだ感想をそのまま口に出して。

「私も此処に来てまだ数ヵ月ですから、同じようなものですよ。
…それでも話を聞いて下さり有難う御座います。
もし良ければ、お名前を伺っても?
私はセレネと申します。」

宜しくお願いしますね、と微笑みを浮かべて自己紹介。
ここで縁を結んでおけば、また何処かで会った際に新しい情報が得られるかもしれないし。

アーテル > 「ニンゲンも、獣も、化け物も、怪異も………
 俺からすりゃ、在り方一つで呼ばれ方が変わるもんだと思ってる。」

逆に言えば、その辺の獣だって怪異足り得るモノかもしれないと。
少し、おどろおどろしかっただろうか。

「…何で以て化け物といい、何で以て怪異というのか……
 その辺の線引きっつーのも、難しいもんだと思うけどな。
 逆に、何を以てニンゲンというのか……大切なのはそういう所かもしれねーな?」

ニンゲンに産まれても、人でなしとなりうるわけで。
逆にニンゲンでなくても、人に寄り添い人として生きることはできるのではないか。
…怪異としての自分は、その心の在り方が重要だと彼女に話をする。
そうやって人の眼を欺き続けたモノとして。

「ん、俺ってばアーテルってんだ。
 ま、この辺ふらふらするつもりだからー…またその内会えるかもなー?」

仄かな微笑みを浮かべる彼女と対照的に、明るくにししと笑って見せる。
…お互いに人間から外れた存在であることは、言及しないでおくのが各々のためだろうか。そんなことを考えていた。