2020/08/26 のログ
セレネ > 「……。」

在り方で呼称が変わるもの。
成程確かにそうかもしれない。

「外見は人間でも、中身もそうとは限りませんものね。」

何を以て人間か。人間ではないか。
己自身は果たして”人間”か?
――いや、そうだとは思わない。思えない。
相手の言葉を聞いて、蒼を細めた。

「アーテル、さん。
貴方は学生や教師ではないのですね…?」

学園に所属している者なら、今後ふらふらする時間も減るだろうし。
髪色と同じように、明るい笑みを浮かべる彼は己から見れば実に人間らしいと思えた。
その実、怪異であろうとも。

アーテル > 「…ま、そーだな?
 大切なのは、心の在り方だと俺ってば思うのよ。」

自分は人間ではない。
だが、彼らに寄り添い、共に過ごし、分かち合うことはできる。
…そうやって色んな世界を旅してきたのだから。
生死の理から外れたモノが見つけたのは、そういう方面での、楽しみ方だった。

「ん。仰るとーり。
 …ちょいとしたツテで学園内には入れるがー…んま、お客さんってとこだな。
 そういうお前さんは?」

彼女に自分の素性をあてられる。が、その程度なら全く隠す必要はない。
とはいえいつまでもふらふらしてるわけにはいかないから、どこかで日銭を稼ぐくらいはしなければならないわけだが。
ともかく、自分はそう答えた。なので、今度はこちらから聞いてみる。

セレネ > 「今まで会ったヒトの中で、此処まで心の在り方に拘るヒトは貴方が初めてですね。」

色んな世界を旅してきたと、今後聞く事があったなら。
是非ともその話を聞いてみたい。
己も少しだけだが世界を渡った事があるのでもしかしたら話が合うかもしれないし。

「お客さん…?私は学生です。
なので貴方のようにフラフラしている時間はそこまでないのですよね…。
もう少しで後期が始まりますし。」

それくらいの素性であれば秘匿するものでもないし、と己も素直に答える。
ツテで学園内に入れるなら、もしかしたら学園でも会う可能性があるかもと考える。
その時は相手は学生としてだろうか。それとも教師としてだろうか。少し気になるも、口に出すのはやめておく。

アーテル > 「……ま、色んなもんを見てきたからな。
 お陰さんで、ここじゃ何が見られるかワクワクが止まらねぇってやつさ。
 ただでさえ様々な世界のものが門を通じてやってきてんだ、ここでじっくり学ばせてほしいもんだな。」

ヒトの姿、知識の形、ここは様々なものが集うところと彼は言う。
それらを理解することも、また楽しみのうち。暫くはここにいるつもりのようだった。

「…あー……なるほど通りで、勉強熱心なことで。」

言われて納得。単純に勉強のためにここに来ていた…とも言われればこれ以上ない説得だったから。

「ま、俺も今んとこはなーんにも決めてねぇけどさ。
 やっぱ、学生ともあれば色んなことを学べそうな気はすんだよな。
 ……少しくらいは考えてもいいかねえ、学生の身分ってやつを。」

とはいえ、人外に身分証明書が降りるのか?非常に気になるところではあるが。
身分保障してくれる相手にはツテがあるから、本当はどうとでもなるのかもしれないが。
少なくとも今は、目の前の彼女が学業?に打ち込む姿を見ると、少しうらやましい気になったのだ。

セレネ > 「確かに。此処には様々なヒトやものが集まりますからね。
私も知識欲が刺激されて、毎日楽しいですよ。」

相手の気持ちは凄くよく分かる。
知りたい事が沢山あって、飽きない世界だと。
だからか、己はつい学生にはつきものだろう”青春”というものは後回しにしがちなのだけど。

「自分の知識を拡げるのも、今後役に立つでしょうから。
知っておいて損、という事はないのですし。」

特に図書館という場所は知識を拡げる事に実に有用で、知識の宝庫だからついつい長居してしまう。
元の世界に居た時も同じことをしていたし。

「そうですね。
”学ぶ”のであれば学生になるのが良いです。
教える立場が良いのであれば、教師が良いですけど。」

己は初め、何方にするか悩んだのだが。
もし同じ学生になる事があれば、ご同輩になりますねとちょっと期待してしまった。

アーテル > 「………そうだよなぁ、その気持ちよーくわかるぞー?」

僅かに意地悪っぽい笑みを浮かべてみせる。
…彼女もまた、ただの人間でないのは、自分の勘がそう告げているものだから。
同じような興味を持っていることに、どうにも皮肉にさえ思えてしまったわけで。
だが、彼女自体に悪感情を抱いたわけではない。
人に寄り添う化生の考えることは同じか、と、その程度の他愛ないことを思い浮かべただけの話だった。

「ま、ここに来ればかなりの時間は退屈せずに済みそうだしなー?
 学生始める前に通い詰めるのも悪かねぇ。お外の探検もそうだがー、たまにゃ頭使わねぇとな。」

知識を広げること、吸収すること。新しきを知ることに楽しみを覚えるのは、自分だけではないようだ。
まあ、ここに居れば会えるだろうと、暗に告げておくことにしようか。

「やめやめぇ、俺に教師なんか向いちゃあいねぇさ。
 そもそも俺の教えなんざ抽象的過ぎて、分かるやつぁいねぇかもな。
 …いたらそいつぁ、いい幻術使いになれるさ。なーんて、な。にししし。」

感覚を騙し、弄ぶ。独自のものであるがそういう類の幻術を使えるものだから。
対して教えられるものでもないが、もし伝えられる相手がいたら…と、考えたことがないわけでもなかった。
さて、ここでふと時計に目をやれば…

「……ん。なんだ気づけばいい時間になっちまった。
 楽しい時間ってぇのはあっという間だなあ……」

僅かな時間話し込んでいたように思えたのに、彼の思った以上に時間が過ぎていたらしい。
夢中になると周りが見えなくなるタイプ、だろうか。

「わりぃな、セレネちゃん。読みもんの邪魔しちまった。こちとら興味深い話ができて楽しかったぞー?
 ホントは俺も探しもんをーと思ったが、今日はここで失礼するさ。
 またな。」

ひらひら、と軽く手を振ると、そのまま図書館を後にする。
その後ろ姿は、彼女と会った当初よりも楽しそうな、そんな風にさえ感じられたかもしれない―――

セレネ > 「知りたいのは良い事も悪い事も、ありますがね。」

”人間”ではないからか、倫理に外れた事も機会があれば知りたい。
だが真面目な良い子という外面を考えるとそれもそうそう難しい。
意地悪そうな笑みを浮かべる彼に、やけに似合うなと感想を抱いた。
それを口には出さなかったが。

「脳は使わないと廃れていきますからねぇ。
…ふふ、もし貴方が学生になったなら、その時は学園内を案内致しますよ。」

相手が暗に示した事。真意に気付けば、また探し物や勉強がてら来るかと思い。

「幻術。
ほぅ、それは実に興味がわきますね?」

己に才があるかは分からないが、知れるのなら是非とも。
相手に釣られて己も時刻を確認すると

「あら、本当ですね。
…まぁでも、こうしてお話できただけでもプラスでしょう。」

怪異についての話と、新しい出会いと。
二つ良い事があったから、過ぎた時間より充実した時を過ごせた。

「いえいえ、此方こそお話有難う御座いました。
また会えたら別のお話もしましょうね。」

ひらりと振る片手に、軽く会釈をして立ち去る背を見送り。
己は再度、読みかけの蔵書に視線を落として――。

ご案内:「図書館 閲覧室」からアーテルさんが去りました。
ご案内:「図書館 閲覧室」からセレネさんが去りました。
ご案内:「図書館 閲覧室」に修世 光奈さんが現れました。
修世 光奈 > 今日は調べものと、そのまとめに集中するために図書館へとやってきた。
丁度空いていた大き目の机に座って、端末の情報を広げよう。

「えっと。…相変わらず名前だけ、かあ…分布はわかってきたけど、見つけるのはまだ難しそう」

1つ、広げて唸るのはずっと滞っている依頼の事だ。
大体の行動範囲はわかっているものの、名前とその分布だけが積み重なっていく。
継続して探し続けることは確定だから引き続き情報は溜めていく。

修世 光奈 > 「はふ……」

そうやって頭を回すと、以前の休日からずっと何か残っているようなお腹の事も薄れてくる。
次に考えるのは…浴衣売り場で会った不思議な少女。神樹椎苗…しいちゃんのこと

「確か、調べられるって言ってたよね。ええと…」

期待してない、とは言われたが…それが簡単に諦める理由にはならない。
死ぬため、と言っても…彼女の言葉は何か、その先があるような言い方だった。
…ただ単に死にたい、というだけならあんな回りくどい質問はしないだろう。

端末を操作して常世島のデータベースにアクセス。名前を打ち込むと…本当にずら、と情報が出てきた。

(うわ、ほんとに出てきた…。交友関係も?私だったらヤだなあ…。ん?娘……?)

ざ、と情報を流し見した後…じっくりと見ていく。
…段々と、自分の顔が顰め面になっていくのがわかる。

神木、宗教団体、事故。
生き残る…というより、生き返った後の実験。精神の摩耗
そこから何とか回復し、現在に至る…

害されることにトラウマ、口が悪い、甘いもの好き
●されることに抵抗がない
…色々な情報を手に入れていく。いくつか、酷く混乱するモノもあったがそれはそれ。
今は整理し、依頼に対する策を考える時間。

あらゆる突飛な発想も否定せず、目的に向けて考えていく。

修世 光奈 > 所属していたカルト教団…は壊滅しているから頭の端くらいで。
神子と呼ばれていたことも、過去形であるから覚えておくぐらいでいいだろう。
黒き神…は正直考えづらい。こんな島でも、神様なんて言われても実感はわかないものだ。

(やっぱり、依頼を考えるなら…重要そうなのはこれかぁ…)

神木、端末、半精霊の項。
簡単に図を描いて、頭の中で考える。
今考えるべきは、物騒だとは思うがどうやって彼女を死なせるか。
あらゆる方向に思考を伸ばして、考える。
ぎぃぎぃ、と椅子を揺らして、眼を閉じる。傍から見ると何をしているのだろう、という感じか。

(簡単に思いつくのは神木を焼くなどして消すこと。
ただこれは、研究区画で保存されているらしいので一般学生<私>にどうこうできるものじゃない。

次は…神木が死なない限りしいちゃんは死なない、という前提を崩すこと。
例えば、その繋がりをどうにかして切ったり…かな。しいちゃんが精霊…幽霊?みたいなものなら、何か別の身体に移し替えたり)

色々と、案は浮かんでは消えていく。
ただ、実際にやれるかはまた別の話だ。
光奈ができるのはこうやって考えたり、多少光の球を出せることぐらい。


「ん~~~ぁ――――――……」

ぐつぐつに思考が茹ってしまったので、猫のような声を上げて机に突っ伏す。
周りからの視線が少し気になるが…少しくらい吐き出したいのだ。

…自分の、力の無さをいろんなところで痛感しているのだから。

修世 光奈 > (ジェー君もまだつらそーだし…そもそも、偉そうな事言ったけど…私って結局どっちかっていうと風紀、っていう組織としては邪魔…だよね。きっと…
ぁーうー…、しいちゃん、寄付もしてるんだ…やっぱり神木関係でお金もってるのかな)

色々な思考がぐるぐる煮詰まっていく。
それこそ、神様みたいな力があれば、何でも解決できたのだろうけど。

「はぁ―――……」

今は、深いため息をつくぐらいしか、できないのだ。
一応、今考え付いたことは纏めて置いて、また連絡しようとは思うが。
<普通>な自分で思いつくぐらいのことはもう試してるだろうなあ、と珍しくネガティブ。

「んー、いや、いけないいけない…!よぉし、もうちょっとじっくり……。
…この沙羅ちゃんってどういう関係なんだろう。娘って書いてたよね…でも16…。???
…近い人に、話を聞くのもいいかなあ。覚えとこ」

気を取り直したところで様々な情報に困惑は深まるばかりだが。
もしどこかで話を聞けたら、依頼達成のヒントになるかもしれない。
これもまた名前は覚えておいて。
独り言が激しくなってきたから、周りにすいません…と謝る。光奈の悪い癖だ。

修世 光奈 > 脳に糖分が足りてないから…甘いものでも食べたいが、残念ながら飲食は流石に禁止だ。

「一個ずつ、頑張ろー」

机に頬を付けながらも、ふにゃ、と。
…自分は、この学園においては普通なのだ。
異能も目立たず、能力も大きなことに使えるわけではない。
だから、少しずつ、一つずつ取り組んでいくしかない。

どうしてそんな精神性で学校の成績が普通より下なのかと言われれば。
…あまり興味が湧かない、というのが大きい。

「……誰か誘って…うーんでもなぁ…」

うだうだごりごり。
額を机に擦り付けて悩んでいる。
まだまだ考えることは多いが、遊びに行きたい。
夏祭りもまだやっているし、ジェー君を誘おうかな…なんて考えながら。

悩める乙女は机を占領している。

修世 光奈 > そうしてそのまま、のんびりと時間は過ぎていきました
ご案内:「図書館 閲覧室」から修世 光奈さんが去りました。