2020/08/27 のログ
ご案内:「図書館 閲覧室」にパンプさんが現れました。
パンプ > ………。

(図書館の閲覧室の机の上に鎮座する魔物。ひらがな、カタカナを理解した今は漢字を覚えようと漢字辞典を前に学習していた。ひらがなとカタカナを学習した時と同じように、漢字の意味を理解してから用意したノートのページにペンで模写していく。)

パンプ > ………。 ………? ………!

(ひらがなとカタカナには無かった要素が加わったせいか、1つの漢字を理解するのに割と手間取る魔物。時折模写をするペンを止めて身体を傾けて辞典を読み直しては、なんとなく理解できたと学習を再開する。そんな遅いペースなので、漢字辞典はまだ全体の1割も進められていない。)

パンプ > ………。

(一体どれだけ時間をかければ終わるなど魔物が知るはずもない。魔物はただそれが必要だと判断だから黙々とこなしているだけである。魔物の一つ目が辞典に記載されている漢字とノートのページを往復し、蔦で持ったペンを動かして、時折ページをめくる。溜息なども吐かないおかげか、かなり静かだった。)

パンプ > (しばらく学習をし続けていた魔物だったが、忙しなく動かしていたペンがぴたりと止まる。なんとなく気になったとばかりに壁にかけてある時計を見ては、片づけをし始める。今日はここまでにしておくことにしたようで、次来た時に再開できるようにどこまでいったかを記憶しておいた。)

………。

(荷物をまとめ終わると、蔦を絡ませて落とさないようにしてから机から降りる。そのままゆっくりと移動して閲覧室を後にするのだった。)

ご案内:「図書館 閲覧室」からパンプさんが去りました。
ご案内:「図書館 閲覧室」にアルヴィナ・コトフさんが現れました。
アルヴィナ・コトフ > 「よくよく考えると、私は此方の夢の子達と同じ体を持っているのよね?
 私、文化もこの身体のことも知らなかったの、忘れていたわ。」

アルヴィナは以前の修道院でのシスターとの出会いによって、人間というものを理解し始めていた。
同時に、自分もまた人間の一人としてこの場所に生きて居るという実感を得ることになった。
痛みも、感情も、今ここに存在している。
そんなことに気が付くのに随分と時間がかかってしまった。
とはいえ、生まれてからまだ一年もたっていない身の上としては当然のことでもある。

当面の興味の対象としては、人間の文化、肉体、感情について学びを得る事にある。
手っ取り早く情報を得るには人に聞いた方が楽だろう、と質問を道行く人々に重ねていた所、あしらわれることの方が多かった。

『人間の感情ってどうなっているの?』

なんて道行く少女に唐突に聞かれればそれは警戒するだろうし、
アルヴィナの体躯で、その口調から気味悪がられているというのが最たる理由だが現状のアルヴィナにはその理由がわからない。
詳しくは教えてくれなかった物の、その中に『知りたいことがあるなら図書館に行け』というありがたい言葉をいただき、現在この場所に居るというのが経緯だ。

アルヴィナ・コトフ > 「感情、感情……、ふわふわことばに、ちくちくことば?
 なんだかこれは違う気がするわ。」

児童用のそう言った書物を漁ろうとすると、道徳的な本が多くなってくる。
たしかに道徳は感情を知る上で有意義かもしれないが、アルヴィナの知りたいことはそういう専門的なことではなく、もっと大雑把なものだ。
例えば、何をすれば喜ぶ、何をしたら悲しむ、何をしたら怒る、何をしたら楽しいと思うのか、人間としてごく当たり前の感情の反応を知りたいと思う。
しかし、書物としてそう言った項目を記している物の数はそう多くはない。
人間として生きて行く中でごく自然と育まれていく物を、書物によって知ろうというのは難しいものがあった。

ごく単純な話、人間経験をもっと積めば分かってくるものも多いのだろう。
しかし、アルヴィナは今知りたいのだ、そんな長い時間を悠長に待っていられない。
もっと、この『微睡の夢』を楽しむために、彷徨の彼に楽しんでもらうために、自分は多くを知らなくてはならない。

人間として完成しなくてはいけないのだ。

「でも、見つからないわ……。」

文化も学も知らない彼女にとって、それを見つけるのは至難の業だ。