2020/08/28 のログ
アルヴィナ・コトフ > 「むぅ……困ったわ。」

膨大な書架を誇るこの図書館には確かに書物は多いが、小さなアルヴィナにとって膨大すぎるのも問題だ。
数が多いという事は、探すのに苦労するという事でもある。
人に聞くという手段を悉く失敗しているアルヴィナには、この本がどこにあるのかというのを聞く事すら今はためらわれる。

感情を理解したいとはいうものの、彼女に感情が無い訳ではない。
まだ少々希薄なところはあるが、悲しみも辛さも感じることができる。
この身体はそういう風に出来ている。
ならば当然の帰結として、『人間』に怖がられているという事実に多少傷ついたりもするのだ。

しゅんとした顔でうつむいている、小さな少女がそこに立ち尽くしている。

ご案内:「図書館 閲覧室」からアルヴィナ・コトフさんが去りました。