2020/09/14 のログ
ご案内:「図書館 閲覧室」にフィアドラさんが現れました。
■フィアドラ > 「本が、本がたくさんあります!!」
いろんな文字を読めるようになった私は最近本を読むのがマイブームです。
いままでは先生に聞いて色んな本を借りて読んでたのですが、一人で図書館に行ってみたら?って言われて
やってきたのがここ図書館。辺り一面本、本、本。ここにある本を全部読んでたら何回朝が来るのでしょう?
読んでる間にきっと、大人になっちゃいます。
『コホン…図書館ではお静かに…。』
机の奥にいる人間さんが話しかけてきました。
きっと、あれが『トショイイン』……図書館のヌシなのです。
この図書館では『トショイイン』がルール……逆らうと大変な事になってしまうと聞きました。
「は…はい。」
■フィアドラ > メガネがキランって光っています。
すごく怖い……。
でも、怒られなければいいのです。
本を大切に扱って、後はうるさくしなければここでは命の保証はされています!
折角来たからにはいっぱい本を読みましょう!
近くの本を手にとって見て見ます。
「えーと……漢字…ですね……。」
まだ漢字は簡単なのだけしか分かりません。
本を棚に戻します。
「こっちは……ぐにゃぐにゃしてる……。」
今度の本は知らない文字です。
また、閉じて棚に戻します。
「私にも読める本……。」
■フィアドラ > 『どうかしましたか?』
『トショイイン』さんが話しかけてきました。
私、何かやっちゃったんでしょうか……。
「あ、あの。」
『はい。』
近くでもメガネがキラッて光りました!
もう…もうだめかもしれません。
『……もし、簡単な読みやすい本をお探しでしたらあちらに異邦人向けの言語学習用の教材なんかも置いてますし
難しい言葉を使ってない図鑑なんかはそちらの棚に……』
私のツノをちらって見ると色んな本の場所を説明してくれます。
先生が勧めてくれていた絵本の場所も教えてもらえました!
実は良い人です『トショイイン』!!
早速、私は絵本を読み始めました。
にんぎょひめって書いてあります。
■フィアドラ > 「………。」
読み終わった本をパタンと閉じます。
「ひどくないですか!?」
あんまりです。あんまりにひどいです。
声を捨ててまで人間さんと同じになったのに一番最後にはあわになってしまうなんて。
「この人間ですよ!!この人間!!」
にんぎょひめが助けたのに自分が助けたふりをしてるこの人間。
この人間がすべて悪いのです。
でも、にんぎょひめもにんぎょひめでどうして最後に王子様の心臓を刺さなかったのでしょう。
そうしておけば、元の人魚に戻れたのに……。
「……わかんない。」
ご案内:「図書館 閲覧室」にセレネさんが現れました。
■セレネ > 酷くないですか、と聞こえた声に少し驚いて本棚から本を探していた手が止まる。
――何が酷いのだろう?
気になった野次馬、そろりと声が聞こえた方へと蒼を向ける。
場所はそう遠くはない位置、どうやらその人物は人間にお怒りの様子。
「…如何なさいました?」
何かあった?と、角と尻尾の生えた彼女の傍へと歩み寄りながら尋ねよう。
■フィアドラ > 「この本ですよ!この本!ひどくないですか!?」
私が怒ってる本を見せます。
可愛い絵のにんぎょ姫が海の中で座ってるのが表紙の絵本です。
「この本の人魚姫が可哀そうでひどいんですよ!」
『トショイイン』には怒られないくらいの声でこの本のひどいポイントを伝えます。
泡になんてならなくても良かったのに。
■セレネ > お怒りの彼女から見せられた絵本は、人魚姫と書かれていた。
あぁ、アンデルセン童話の…。
可哀想だと己に訴える彼女は、優しい子なのかなと感じた。
目線を合わせる為に膝を折りなるべく相手の首が疲れないよう気遣いつつ
「ふむ、確かにそれは酷い話ですね。
じゃあどうして、貴女は人魚姫を可哀想だって思うのです?
最後に泡になってしまったから?」
彼女は何故、そう思うのだろう。
不思議に思い優しく問いかけた。
仮に分からないと答えたとて、己はそれで良いと思うし、自由な意見を聞いてみたいと。
■フィアドラ > 「だって、折角王子様を助けたのに知らない人が助けた事になってて……。
がんばって人間になって近づいたのに……それでも取られちゃって。」
人魚の足から人間の足になった人魚姫は歩くたびにナイフをふむみたいに痛いらしいです。
一番、綺麗だって言われてた声も魔女に取られてしまいます。
「……人魚姫はなんでここまでして人間になって……王子様に会いたかったんでしょう?」
嵐の日に助けて……また会いたくなって。
でも、痛いのも我慢して、声まで捨てて、命を失うかもしれないのにそれでも会いにいくなんて……。
「……やっぱり分かんないです。分かんないけど……がんばってる人魚姫には幸せになって欲しかった……。」
分かりません。
なんで、そこまでしたのか私には分からないのです。
でも、それでも……頑張った人は幸せになって欲しいと思うのです。
■セレネ > 一つ一つ、しっかりと意見を言う彼女にうんうんと頷きながら言葉に耳を傾ける。
「歩く度に足が痛くても、声を失っても。
それでも、人魚姫は王子様が好きだからそうしたのですよ。」
恋愛の話なんて、まだまだ分からないかもしれないけれど。
頑張っている人魚姫に幸せになって欲しいと言う彼女の想いに、蒼を細めて。
「貴女にはとってもとっても好きな人は居ます?
お父さんとか、お母さんとか。」
居ないと言われてしまえば、ちょっと困ってしまうが。
どうだろうか、と緩く首を傾げ。
■フィアドラ > 「好きだから……好きな人の為ならこんなに頑張れるんですか?」
好き。好きなものの事を考えてみます。
美味しいお菓子や楽しい授業、この前食べたマーボードーフ。
その為に私はどこまで頑張れるのでしょう?
「お母さんはあったことないですけど…お父さんは色々教えてくれるので好きですよ!
ほかにもこの常世島に来てから話してくれた皆が好きです!」
私が人魚姫みたいに皆やお父さんのために頑張れるかって言ったら……
「……私は人魚姫みたいにはがんばれないと思います……。
お喋りできなくなるのもイヤだし。痛いのもイヤ。泡になっちゃうのだってイヤです……。
……こういうのってもしかしてズルいんでしょうか?」
私はまだまだいっぱいこの世界の事を知りたいし色んな人とお話ししたいのです。
■セレネ > 「人魚姫は、好きな人の為ならどんな事でも頑張れる人みたいですね。
好きな人の為にどこまで頑張れるかは、その人次第ではありますが。」
己なら迷わず、人魚姫と同じ事をする。
けれどそれは人それぞれだから全員が好きな人の為に頑張れるとは限らない。
目の前の彼女は、父と母がいるらしい。
そして此処に来て話してくれた皆が好きだと言った。
成程、良い子だ。
「――いいえ。全然狡くはないですよ。
もし仮に、貴女の考えが狡いと言う人が居たら私に言って下さい。
その人が泣いちゃう程、言い負かせてあげます。」
嫌な事は嫌だと言えるのは素晴らしい事だ。
だから、相手のその考えも良いものだと思う。
「しっかり自分の思っている事を言えて、とても良い子だと思いますよ。」
頭を撫でたいところだけど、それをぐっと我慢。
■フィアドラ > 「私は…たぶん、頑張れないですけど……。
でも、そうやって好きな人の為にがんばってるのはキラキラしてて綺麗で…すごいなって思います!」
絵本の挿絵を思い出します。
王子様と一緒にいる時の人魚姫は凄く幸せそうで……だから幸せになれないのが許せなかったのです。
頑張ってる人はすごいのでみんな、幸せになって欲しいと思うのです。
「な、泣いちゃうのは可哀そうですよ!」
私もちょとズルいかもって思ったので……他の人も思うかもしれません。
そんな人が泣かされちゃうのはちょっとかわいそうかも…。
「私ズルくないですか?いい子ですか?えへへ…ありがとうございます。」
良い子って言われるとうれしくなってしまって少し尻尾も動いちゃいます。
■セレネ > 「好きな人に振り向いてもらうなら何でもしたくなりますからねぇ…私は、ですけど。」
好きな人の傍に居られるだけで幸せだから、猶更頑張ってしまうのもあるかもしれない。
少し心が苦しくなった。
「あら、貴女を悪く言う人も可哀想だと思うのです?優しいのですね。」
優しくて、しっかりしていて、可愛くて。
元の世界に置いてきてしまった義娘を思い出してしまった。
「えぇ、良い子ですよー。
…貴女が良ければ頭なでなでしちゃいたいくらいです。」
本当に可愛い。
目元は髪で隠れてしまっているけれど、それでも十二分に可愛いと思える。
彼女から許可を得られれば、そうっと優しく頭を撫でるとするだろう。
嫌だと言われたなら、微笑むだけに留めるつもり。
■フィアドラ > 「なんでもって何でもですか?……その好きな人の事がすっごく好きな人なんですね!」
なんでも。
このにんぎょひめみたいに声を捨てても、痛い思いをしても、あわになるかも知れなくても。
それでも振り向いてもらいたい。好きで好きで大好きな人なんだと思います。
「私も自分でズルいかも…って思っちゃったから……。
その人もズルくないって分かればズルいって言わないと思うんです!
だから、泣かせちゃうのは可哀そうだなって……。」
きっと、その人も私と同じでホントはズルくないって分かればズルいって言わないと思うのです!
だから泣くのは駄目です。
「なでなで……頭なでなでってどういうのですか?
いい子にするやつですか?」
この世界の事はあまり詳しくないので頭なでなでが一体何なのか…。
知らない言葉なのです……。
■セレネ > 「えぇ、何でもですよ。
……あはは、そうですねぇ。すっごく好きなんです。」
割と恥ずかしい事を言っているが、なるべく恥ずかしがらないように努める。
一種の見栄だ。
「自分の考えを客観的に…あー、別の人のように考えられる事はとても素晴らしい事だと思います。
貴女の歳でそう考えられる子は恐らくそうは居ないと思いますよ。」
この子実は頭が良い子なのでは?なんて、そんな事を思いつつ。
「あら、知らないのですね?
ならばやってしまいましょう。
頭なでなではですねー。こうやって、いいこいいこする事なのです。」
彼女のその艶やかな髪に片手を置き、優しく撫でようとして。
■フィアドラ > 「じゃあ、その人と結婚出来たらいいですね!」
人魚姫とは違う幸せな方の未来。
この人にはそうなって欲しいと思います!
「そうなんですか!また褒められちゃいました!」
ヒュドラは頭がいっぱいあるのが普通なのでそういうのが得意なのかもしれません!
普通の人間さんよりすごいのです!
「…えへへ。これ凄いあったかい…嬉しい気持ちになりますね。
私、なでなでされるの好きみたいです…」
……なんかいつか誰かにやってもらったような。
懐かしいような気持ちになります。
誰にやってもらったんでしょう?
■セレネ > 「――んん、そ、そうですね。」
純粋な想いに気恥ずかしさを感じた。思わず頬が赤く染まる。
真っ直ぐな気持ちは嬉しいし、己もいずれはそうなりたいとは思うけれど。
「すごいすごい。
もしかしたら天才さんかもしれませんね?」
彼女の今後がとても楽しみだ。
尤も、その気持ちは保護者の視点に近いものだろう。
パチパチと小さく拍手を送りながら。
「私も頭なでなでされるの好きなので、つい他の人にもやってしまうのですが。
ふふ、嬉しい気持ちのお裾分けです。」
まさか彼女が懐かしい気持ちになっているとは知らず、もう少しだけ触り心地の良い髪を堪能してしまおう。