2020/09/21 のログ
ご案内:「図書館 閲覧室」にジーン・L・Jさんが現れました。
ジーン・L・J > 前が見えないほど大量の資料を腕に抱え、休日昼下がりの閲覧室を歩く白い肌にブラックスーツの女性、それでも何にもぶつからず歩いているのは、そもそも包帯で目を隠しているためか。コツコツとハイヒールの靴音が人のほとんど居ない空間に響く。
今日は休み、新入生用の説明も受け終わって、自由に動ける日だ。そこでまずジーンは自分の痕跡探しをすることにした。
どういう経緯で自分が魔導書の姿となって禁書庫に封じられることになったのか、その記憶がはっきりしない。
それに、自分の所属していた魔術結社がどうなったのかも気になる。だから拠点のあった地域の調査記録をあらかた集めてきた。
司書には嫌な顔をされたが、そんな顔もキュートだ、帰り際食事にでも誘ってみよう。
適当な席に、ドスンと資料の山を置き、足を組んで椅子に座る。

ジーン・L・J > S県の西部、森に囲まれた山中、そこが本拠地だった。だから財団と正式に接触があったとすればそこが一番可能性が高いだろう。
《大変容》直後の数年の記憶はある、それ以後の日付から、とても読んでいるとは思えない速度でぺらぺらとページを捲っていく。

ジーン・L・J > だがない、何もない。近辺の調査をしたという記録はあるが、欠片も結社の痕跡が出てこない。
数時間して、太陽が大分傾いた頃、資料のほとんどを読み尽くして結論付ける。
私の居た魔術結社は財団と接触していない、そして存在した痕跡ごと消えてしまった。更に深く影に隠れたか、あるいは壊滅したのか。
とにかく、かつて共に居た仲間と会える手段は、かなり限られてしまった。
「…………Lovely(泣けるね)」小さく呟いてジャケットのポケットから煙草、窮極門を取り出して火を点けようとする。

司書 > 「閲覧室は禁煙!!火気厳禁です!!」
ジーン・L・J > ものすごい剣幕でやってきた司書に煙草を奪い取られてしまった。
それなりに月の狩人として死線を潜ってきたジーンですらその速さを感知できなかった。
火を点けようとしたポーズのまま、呆然として固まる。

ジーン・L・J > 「Lovely……。」もう一度同じセリフを呟いて力なく座席にもたれかかる。
そうしていると資料も回収されてしまう、もう今日は何も貸さないということだろう。
いよいよ居る名目すら失って、天を仰ぐ。

ジーン・L・J > どれほどそうしていたか、いい加減無為な時間を過ごすのにも飽きて、仕方なく立ち上がる。
帰り際、怒気を孕んだ空気を放射している司書に声をかける。
「すまなかった、もう二度としないよ。いつ上がりかな?お詫びも兼ねて一緒に食事でも……」

ご案内:「図書館 閲覧室」からジーン・L・Jさんが去りました。