2020/11/09 のログ
ご案内:「図書館 閲覧室」にセレネさんが現れました。
■セレネ > 「この魔力の波長、どこかで視たことある気がするのよね…」
時刻は夕刻、閲覧スペースにて机の上には開かれている英訳された本。
左手には紅く輝き、炎が揺らめいている宝石のような核を手持ち無沙汰に弄びながら異国の言葉で独り言。
…核は数日前と少しも変わらず破壊に満ちた剣呑な魔力を宿している。
その事について調べる為に今こうやって調べものをしているのだが。
どれもこれもピンとこない。
魔力もそうだが、”彼”の正体のヒントすら掴めなかった。
少なくともこのような魔力を持ち合わせているのなら人間のような種族では恐らくないだろう。
これは、人の身では文字通り灼き尽くされてしまうような。そんな感覚がするのだ。
「…ま、フラれてしまったのだけど。」
次はどうアプローチを仕掛けようか。頬杖をついて溜息。
ご案内:「図書館 閲覧室」にクロロさんが現れました。
■クロロ >
「何してンだ、お前。」
不意に、少女の後ろから聞こえたのは実に不躾で粗雑な一言だった。
頬杖をついて思い耽る一方で、その背後には迷彩柄の男がいた。
大よそ図書館と言う場所が不釣り合いなヤンキー。
本とは無縁、雰囲気と見た目ではそう言う所を感じる。
心なしか、ほんのりと室内温度は上がった気もするだろう。
「寝るならよそ行ッて寝ろ。他の奴にメーワクだかンな。」
が、粗暴な言葉とは裏腹に言う事はそれなりにまともなようだ。
後ろ姿、物思いしている姿が眠そうに見えたらしい。実際失礼。
煌々と光る金の双眸に映るのは少女の手元の宝石…のような何か。
そして、机の上に開かれた本。視線を一度、二度、往復させ
やがて、再び少女の元へと戻って見下ろしてくる。
元々険しい表情をしていたが、より一層眉間の皺は深くなっていた。
「……随分と物騒なモン拾ッたみてェだな、白ガキ。何処で拾いやがッた?」
その宝石めいた何かの正体はわからない。
ただ、"魔術師"であるクロロは、その宝石めいた物体に秘められた"何か"を感じたらしい。
だからこそ、初対面で在りながら何処となく剣呑な雰囲気を纏いながら問いかける。
■セレネ > 彼の脳にも疑問が残る。解析魔法が吸い込まれていったのは初めての経験だったのだ。
「頭の中にブラックホールでも持ってたりするのかしら。」
あれはただの穴ではなさそうだし、そんなものがあるから頭痛に悩まされているのだろう。
…謎は深まるばかりだが、だからこそ紐解いていくのが面白い。
――と、散らばっていた思考が背後から掛けられた言葉により止められる。
肌に感じる室温が、ほんの少しばかり上がったような感覚がしたが…気のせいだろうか。
「居眠りの為に来た訳では。調べものですよ。」
言葉は粗暴だが内容は至極まともだ。蒼を相手へと向け、苦笑を浮かべた。
風貌も顔つきも見るからに柄が悪い…けれど、臆することなく言葉を紡ぐ。そういう相手は身近にいたから慣れている。
「――ん?あぁ、これですか。裏常世渋谷で拾ったのですよ。
ほら、あそこって色々噂があるでしょう?」
物騒、との言葉を聞いてはこれがただの石だと思っていないということ。
そうなれば己と同じように魔術の知識を持っている者か。
問われた言葉には素直に告げる。嘘ではないのだから。
■クロロ >
「そーだな。ンなモン手元に置いといてちゃァ、オチオチ寝れやしねェよ。」
下手をすればそれは不発弾か。
考え過ぎと言われればそれまでだが
こういう物くらい少しは考えすぎでも丁度良い。
特に、クロロは魔術師だ。得も知れぬ魔法石を、警戒しないと言うのが無理な話だ。
ふぅン、と興味深げに相槌を付けば隣の椅子にドンッ、と腰を下ろした。
実際、無遠慮だ。
「ウラシ……?ンだソレ、アソコッてリバーシブルなンか?」
耳に入ったような入ってないような。
聞きなれない単語に怪訝そうに眉を顰める。
興味のない事は大よそ知識がゼロになるタイプらしい。
ついでに、馬鹿である。突拍子もない事を言いながら腕を組んだ。
「よーわからンが、ンなモンが落ちてるッつーと、ロクな場所じゃなさそうだな。
お前はよく無事だッたな。つか、随分と熱心に調べてッけど、ソイツを調べてどーする気なンだ?」
■セレネ > 「まぁ、見るからに異質ですからねー。」
扱い方を間違えれば自身どころかこの図書館を丸々火の海にしかねない。
己の隣の椅子に座る相手に蒼を瞬かせ。
警戒心を抱いているのはこの核に対してで、己には警戒していないのか…?
「あ、ご存知なかったのですね。それは失礼を。
あの場所、裏世界があるみたいで。貴方の言う通りリバーシブルな場所ですよ。」
興味があれば行ってみるのも良いかと、なんて付け加えつつ。
「まぁ…そうですね。結構危険な場所でした。
私はたまたま無事だっただけですよ。
――どうするつもりかはまだ決めておりませんが、少なくとも悪用するつもりはありません。」
己の目的を聞く相手には、無難な答えを。
蒼は核へと下ろしつつ。
■クロロ >
「異質ッつーか危険物だろ。島中探しゃァ、似たようなモンは転がッてそーだが
ソレはソレ、コレはコレだ。その辺のライターだッて、扱い一つで丸焦げだぜ。」
異能だの魔術だの、ありとあらゆるものが交錯する世界だ。
この程度の品は案外、当たり前なのかもしれない。
だが、恐れを知るからこそ扱い方を人は学ぶ。
文化に寄り添ってきた"火"がいい例だ。
扱い方一つで害と成るが、文明発展には欠かせない存在でもあった。
クロロはそれを心得ている。だから、油断の欠片も無い。
「マジか……アソコリバーシブルなンだな……。」
見解がまた一つ広がった。
尚、クロロの頭のなかでは『町が一回転する』と言う馬鹿の想像である。
感心してる場合じゃないぞ、この馬鹿。
「なら、テキトーに先公にでも預けとけよ。
ガキが持つモンじゃねェぜ?」
悪用するつもりは無くとも、事故は起こる。
手に余るなら手放すのが一番速い。
その方が、事故も起きない。
「……ア?どーかしたか?」
その一方で、何か面を食らった様子。
何を驚いているのか、訝しげに問いかける。
よもや、相手に無警戒なのは言うまでもない。
■セレネ > 「貴方、これがどういったものか分かるのですね?」
生き物というのは簡単に死に至る。
火でも刃物も、そこらの石でも、一つ扱い方を間違えればあっという間に危険物に早変わりだ。
しかし先程から気になる言葉に緩く首を傾げて問いかけて。
まさか街がオセロのように回転するものだと考えているとは露知らず、感心している彼に小さく頷きを返すのみ。
「…教師に預けるにしても、正体だけは知りたくて…。」
これを手放せば折角のサンプルが消えてしまう。
それだけは嫌だが、それを素直に話す程愚かでもない。
無論事故を起こすような事もするつもりはないが。
「…ぇ、あ、いいえ。
見た事ない顔だなーって思って…同じ学生さんなのか教師の方なのかな、と…。」
不意に問われれば一瞬狼狽えるが、適当な理由をこじつける。
まさか二級学生だとは考えていない。
■クロロ >
少女の問いかけに、小さく頷いた。
「おうとも。オレ様は魔術師だ。そーゆーモンなら、大よそはな。
正体とか、本質まで見抜けるワケじゃねェが、魔力が通ッてンなら多少はヨユーだ。」
全能とは言わないが、精通するのであればどういう物かは理解出来る。
魔術師としての造詣はそれなりに深い。魔力を宿しているのであれば、難しい話じゃない。
フン、と得意げに鼻を鳴らせばニヤリと不敵に笑んで見せた。
「よーするに、興味本位か?火傷しても知らねェぞ。
……が、オレ様も興味はある。知らないモンを知ろうとする姿勢はイイ事だぜ?」
「オレ様も気になるしな、ソレの正体。」
下手をすれば火傷では済まない。
だが、クロロは魔術師。知識欲は旺盛だ。
だから、如何なる理由であれど、彼女の言う事には共感が持てる。
その心意気を無碍にするなんて、愚かな真似は決してしない。
「ア?一応学生だよ。クロロッてンだ。まァ、基本的に学校にゃァ顔出さねェしな。」
幾らデータ上偽造の学生証を持っていても、所詮は上辺だけ。
変にボロが出ると面倒だと理由で、基本的に図書館以外に顔を出す事は無い。
馬鹿正直、嘘は吐かない。が……。
「まァ、このガッコーの教師とか生徒とか、年齢滅茶苦茶だしな。
見てくれだけじゃ判断できねーし、わかンなくもねェが……そもそも、だ。」
テーブルに腕を乗せ、ずぃっとガン飛ばすように顔を近づける。
「オレ様が教師なら、ンなモンとりあえず没収するぜ?ソレ、一々聞く必要あるのか?」
些細な"違和感"ではあるが、それに気づいたら問い詰めざるを得なかった。
一応扱うものがものである以上、些細な違和感でさえ、惨事に繋がる事だってある。