2020/12/17 のログ
照月奏詩 >  
「たしかにそりゃ珍しいな。俺もあんまり多い方じゃないから人の事言えないけどさ」

 彼の悲しい事実に少しだけ笑って答えた。
 自身も魔法のセンスは絶望的だが、たしかに全くゼロというわけではない。そして知っている限りはいないため確かに非常に珍しいと言えるかもしれない。

「ハハハ、そういうこと。甘いの好きで何がわるいってな……にしても、そりゃ確かに誤解されそうだ。虫の詰め合わせでも送っておいたらどうよ」

 なんてジトっとした目でサラッと言い放つ。
 それからフフっと笑って。

「なんてな。冗談冗談。でもあれだよな……んー、そういう時って食い物とかボールペンみたいないわゆる消耗品の方がいいらしいぞ。あれだ、ガチで恋人とかなら話は別なんだが……ダチとか知り合いの異性からいつまでも形に残る物を渡されると重い。なんて事もあるらしいし」
 
 もちろんあくまでそういう場合もあるというだけで。それももちろん人によって意見は変わってくる。
 なんて少し得意っぽく話した後に肩をすくめた。

「まぁ世話になった人の受け売りだけどな。俺もその人も女心なんて全くわからないから何とも言い難いが」

火光雷鳥 > 「むしろあるだけ羨ましいぞチクショウ。まぁ、ダチから、例えば魔道具で補うみたいな『間接的に魔術を使う』なら俺でも魔術は使えるって言われてさ。
要するに、俺自身が魔力供給?をする必要がない感じの行使ってやつだな。」

あくまで、自前で魔術を使うのが絶望的を通り越して無理、というだけで道具や何かの補助があれば使えるだろう、という事で。
あと、虫の詰め合わせとか冗談でもねぇわ!数少ないダチが居なくなってしまう!!
と、ジト目の彼に抗議したいが、すぐに笑みを浮かべたので冗談だと理解してほっとする。

「いや、俺モテねぇから彼女は勿論いないけどさ。成程、なるべく形に残らないモン、かぁ。
あー消耗品ならやっぱり日用雑貨で嵩張らないのが良いのかもしれねーなぁ」

成程、と納得する。これは良い事を聞いた。参考にしよう。とはいえ、友人の一人はここ最近世話になりっぱなしなので、流石に形に残る物は贈りたいが。

「いや、まぁ俺も女心は多分鈍い部類だけどさ。…むしろモテる奴ってそういうのを察するのが上手いんじゃねーかなぁ。」

等と言ってみるが、あくまで一つの意見でただの予想でしかない。

照月奏詩 >  
「ああ、なるほどな。じゃあ俺とは逆か。俺は出力が絶望的にへたくそみたいでな……道具を使おうがなにしようがぜんっぜん魔法つかえないんだよな」

 だから俺からすれば道具使えば使えるってのはうらやましいぜ? と少しだけ肩をすくめた。
 異能との関係なのか単純にセンスなのか。魔術が全く使えないのである。せめて回復系の魔法だけでも覚えたかったが。

「モテないって言っておいて周りに女しかいないって嫌味にしかきこえねぇぞこの野郎……まぁあくまでそういう意見もあるって話。人によっては思い出として形で残ってほしいみたいなやつもいるだろうし……というか、前にうまい事誘導されたとはいえ形として残る物プレゼントしたし俺」

 だから人の事なんてホントにいえないと軽く笑っていた。
 言われたことを少し考えてから。

「あぁ、そうかもしれないな。というか……モテる奴って大体の場合男からしてみても良い奴ってのが多い気がするわ。女心とか以前に人の心をくみ取るのが上手いっていうのか」

 そういうイメージがあると言いながらココアの缶をクルクルと回していた。
 空っぽになっていた。

火光雷鳥 > 「いや、俺もまだ魔道具とかそういうのは試した事が無いから、いざやってみたらどうなるかは分からないぜ?
ただ、俺が魔術を使うとしたらそれくらいしか選択肢が無いってだけでさ?」

自前の魔力がゼロだから、使いたくても使えない。なら、予め魔術が刻まれた道具なり武器なりで間接的に使うしかない。
とはいえ、彼の場合は出力という中々に難儀しそうな感じだが…みんな苦労してんだなぁ、としみじみ思う。

「いや、知り合うのが女子ばかりなんだよ!嫌味言われても俺だって野郎のダチとかガンガン欲しいわ!!
――って、お前こらソウシ!俺より遥かにリア充ぽい事既にしてんじゃねーか!!」

くそっ!こいつ中々の曲者だな!と、勝手に彼を強敵?認定している自称凡人である。

「あーーアレだな、人誑しって奴だぜそういうの。性別とか関係なく誰とでも友好的に良い関係を築けるってのは。」

少し僻みが無い訳でもないが、まぁ世の中そういう奴も結構居るもんだしなぁ、と。
肩を竦めながらお茶を飲み干す。と、いうか気が付けば彼の方が先にココアを飲み干していたようだ。
缶をくるくる回す様子に、何時の間に?と、首を傾げつつ。多分会話に集中していてこちらが気付いてなかっただけだろうか。

「まぁ、プレゼントについてはアドバイス助かったわ。やっぱ人の意見は参考になる。」

自分で1からリサーチもいいが、矢張りある程度の意見や指針がある方が決め易いのだし。

照月奏詩 >  
「まぁ、でもそれで使えるならいいよな。実技とかも始まったら大変だし」

 せめて道具ありでも魔術が使えるようにならないと実技の授業で大変な目にあうだろうし。せっかく学びたいのに学べないということになってしまう。

「別にんなリア充イベントじゃないっての。バイトの帰りに偶然会っただけだしな」

 そもそも誘導されたって言ったろと涼しい顔をしている。
 そういう関係になるとか作るとか考えてもいないので自分のそういう事には全く無関心なのであった。

「そうそう、人誑しってタイプの奴。ああいうのはすごいよなぁって思うわ。少しあこがれる」

 話すの苦手だからさ俺はなんて言いながら苦笑いを浮かべている。
 今のも義父の真似をしているだけであり。本来の自分では中々話ができないのである。

「アドバイスって言えるほどじゃないけどまぁ世話になったならよかったよ。でもあれだぞホントにそういうの苦手だから一応他の奴にも聞くだけ聞いておいた方が良いからな」

 俺のアドバイスだけだと失敗するかもしれないしと。

火光雷鳥 > 「…つぅか、現状、実技は赤点ほぼ毎回確定だけどな俺。まぁ、担任もそこは理解してくれてるから、補習とか別のあれこれで何とか凌いでるけど。」

とはいえ、何時までもそんな特別措置が罷り通る訳もない。どのみち魔術をどのような形にしても使えなければ。

(…と、なるとやっぱり魔道具の類は一つくらいは持っておきたいもんだよなぁ)

と、思いつつ一息。無いもの強請りしてもしょうがないのはとっくに分かり切っている。
だから、別のアプローチでそれを補うしかない。少なくとも魔力方面は正真正銘『無能』なのだから。

「……うん、ソウシお前さ。多分、誰か好きになっても案外無自覚で土壇場とかで気付いてめっちゃ動揺するタイプだと思うわ。」

彼がそういうのに無関心、ぽいのはなんとなーく察した。意外と勘が良いらしい。
とはいえ、世の中何が起こるか分からないし、こんな特殊すぎる島だ。そういうロマンスが起こらないとは言い切れない。

「は?お前俺と普通に話せてんじゃん。なら何も問題ねーだろ。本当に話すの苦手な奴はさ。まず相手と『目を合わせない』と思うぞ。」

物理的にも精神的にも。とはいえ、彼が養父の真似をしている、という事を少年は知らない。
つまり、本来の彼の性格を全く知らないのでそんな意見を大真面目に言っているのだが。

「おぅ、そうする…ってか、中々男子のダチが出来ねーんだよなぁ。ソウシが初だし。」

ちゃっかり知り合ったばかりの彼を既に友人認定しているがご愛嬌というやつだ。
ともあれ、軽く伸びをしてから空のペットボトルを片手に立ち上がれば、リサイクルゴミ箱にぽいっと捨てて。

「んじゃ、俺は調べ物まだ残りあっからぼちぼち戻るわ。ソウシは?」

照月奏詩 > 「ああ、それであの量……なんというか。良い先生だなその人」

 そこで容赦なく落第にしたり無理だからと他の学科に変えさせる人も多い中、補習と言う形で対応してくれるのは良い人なのだと思う。

「アッハハハ! なんだそのどっかの漫画の主人公みたいなの。そうなる前には気が付きたい物だけどさ。でもそれそいうならお前こそただのダチだと思ってたら~。なんてなるかもしれないぜ」

 どこぞの漫画のキャラクターのような事を言われ思わず笑ってしまった。
 だがそれはそのまま相手にも言える事で。それだけ言うとニヤリと笑って返した。

「まぁ世話になった人に教えられたからなぁ。相手はしっかりと見ろってな。中々緊張するけど。でもまぁダチだっていってくれるならある程度は緊張解けるかもな」

 小心者さなんて言って肩をすくめた。
 でもダチだというのに否定はせずにそう言ってくれるなら緊張もしないと言い切った。
 彼が帰るといえば少し悩んで。

「俺はもう少し調べものしてから帰るわ。今日中に課題終わらせちゃいたいし……あれだろ。来週とかクリスマスに課題持ち込みたくないカップルであふれるぞ。地獄だろそれ」

 意地でも今週で終わらせるわと笑うと立ち上がってゴミ箱に缶をすてた。

火光雷鳥 > 「まぁ、担任は俺が魔力ゼロとかその辺りの事情は知ってるしな。大目に見てくれてるだけ感謝ってな。
とはいえ、ずっとこのままって訳にもいかねーし、やっぱ魔道具とか試してはみたい所なんだよなぁ。」

まぁ、とある友人から作成してくれている物が完成したら、早速試してみたいものだ。

「いやいや、そんな展開にはならな――いや、なったらどうしよう…。」

思わず笑って否定しかけたが、仮に、もし奇跡的な確率でそういう事になったらどうすればいいの!?
うん、あまり深く考えないようにしよう。多分自滅する未来しか見えない。
あと、にやりと笑っているコイツはわかっててカウンターかましやがったなちくしょー!

「と、いうかいい加減男のダチも欲しいからな!!つー訳で今後もよろしく頼むわ。
しっかし、お前のお師匠さん?的な人はすげーな。なんか度量がでかそうな気がする。」

彼の振る舞いや、その教えを多少聞いたくらいだがそんな気がしてきた。少なくとも只者ではない気がする。

「いや、俺も小心者だし…むしろ俺は『凡人』だからな。少なくともノリとかは。」

能力やら魔術やら特性やらの有無ではなく、15,6年も普通の人生を送ってきた身だ。
だから、そういう思考や考え方が定着しており、そしてその『普通の視点』を少年は大事にしている。

例え、この島の特殊な環境に慣れても、いや、特殊だからこそ普通を無くしたくないのだ。

「…はっ!?カップル地獄は勘弁!!俺も明日はまた来て課題終わらせねーとなぁ。」

何が悲しくて、イチャイチャカップルだらけの空間で一人寂しく勉強せんといかんのか。地獄というか死にたくなる。
彼の言葉に戦々恐々としていたが、なら調べ物はさっさと終わらせなければ。

と、いうわけで手をシュタッ!と挙げてから。

「よし、そうと決まれば俺はさっさと調べ物を終わらせて明日に備える!じゃーなソウシ!!」

流石にダッシュはしなかったが、急ぎ足で休憩室をお先に後にするのであった。

照月奏詩 >  
「ま、協力できる事があったらいつでも呼んでくれ。異能が防御系だからな。攻撃の的とかになるのは大得意だぜ?」

 と中々に頼みにくい事をサラッというが。実際1番得意分野がそれなので何とも言えないのである。
 そして彼が本気で悩んでいるのを見れば思わず笑ってしまう。

「ハハハ、まぁそうなった時はそうなった時ってことでがんばれモテ男君」

 といってまだ少し笑っていた。
 本当にそんなことになれば大変なのは火を見るよりも明らかなのでサポートはしよう。
 すごい人といわれれば最初の時のような落ち着いた笑みを浮かべ。

「ん、まぁそうだな。すごい奴だよホント。おいつけねぇなぁっていっつも思う」

 どうしてもそれは思ってしまう事。だけどいつか追い越せないといけない存在でもあるわけで。でもその背中はまだ果てしなく遠い。
 凡人といいっていれば少し肩をすくめて。

「それは俺も……というより誰しもだろ。じゃなきゃ”学校”になんて通ってないっての」

 凡人で学びたいから学校にいるんだろと笑って答えた。彼の言う凡人の視点はわからないのであくまで世間一般的な凡人だが。

「ああ、じゃあな雷鳥。気を付けてかえれよ」

 彼を手を振り見送ると体を伸ばす。

「さってと、もうひと踏ん張りするかな俺は」

 そういうと自分も休憩室を後にして勉強に戻るのであった。

ご案内:「図書館 休憩室」から火光雷鳥さんが去りました。
ご案内:「図書館 休憩室」から照月奏詩さんが去りました。