2021/01/05 のログ
ご案内:「図書館 閲覧室」にセレネさんが現れました。
セレネ > 『……ま、どこも脳についても同じ認識と見解ってところね。』

人体の機能形態、解剖学、生化学、生物学…等々。
独学で覚えた事の洗い直しと認識の違い等を改めて流し読みしていたらもう日が暮れかかっていた。

積み上がっている洋書の数々を蒼が見上げる。
その本のどこにも、今読んでいた本にも、≪門≫を抱えた症例が完治したという表記はなかった。

『――どうしたものかな。』

呟く言葉は異国の言葉。どうせ己しかいないだろうし、と思っての事。

セレネ > 流し読みしていた手を止め、頁の上を指がトントンと叩く。
仮に完治したという例があったとて、本人がそれを望まないのであれば治療を施す必要はない。
それに、脳にあるのだから下手をすれば植物状態や機能不全になりかねない。
そんなリスクを負ってまで治したいとも思わないだろう。

『現状は様子見かしらねぇ…。』

”彼”の事についてもまだまだ知りたいし。
興味が尽きない人だこと、なんて蒼を細めた。

尤も、興味を示しているのは体質についてだが。

セレネ > 彼自身については今後の行動で判断する。
信用出来る人物かどうか、己が興味を示せる人物かどうか。
善人である事は間違いなさそうだが、どうだろうか。

…此処に来て随分と疑い深くなったと感じる。

自身の身を守るのが己だけしかいない、というのも一つの要因かもしれない。
以前なら父が居た。師が居た。
頼れる人が居た。だからこそ、何かあれば助けを求めれば良いと思っていた。己では難しいと判断すれば、に限るが。

しかし此処では己一人。
信用してくれるように動く人が居る。一人で抱え込むなと言ってくれる人が居る。己の居場所を作ってくれた人が居る。
――だがそれを、素直に受け止められない己が居るのだ。

『いつから捻じ曲がったんだか。』

自嘲するよう、笑みを浮かべた。

セレネ > ――さて、そろそろ帰らなければ。
スマホで時刻を確認しては本を閉じそれぞれの本を元の場所に戻し始める。

沢山本を持って行くとこれが大変だ。
少しずつ持って行くか借りれば良いだけの話だろうが、借りる程の物でもないからその場で読むのが仇なのか。

全ての本を戻し終えれば、一息吐いて図書室を後にするのだった。

ご案内:「図書館 閲覧室」からセレネさんが去りました。