2021/10/06 のログ
ご案内:「図書館(夜)」に深見 透悟さんが現れました。
深見 透悟 > 『うっかり寝過ごしてもーたぁぁぁぁぁん!!』

校舎内で地縛ってから一夜明け、昼が過ぎ、また夜が来て。
しん、と静まり返った図書館に幽霊の絶叫が木霊した。
昼間地縛ってた時に通りかかった文学女子にフラフラっと取り憑いて、そのまま図書館までやって来たまでは良かったものの
うっかり書架の上でうたた寝決めたらそのまますっかり夜である。
来る時にタンデムさせて貰った文学女子どころか、図書委員すら居なさそうな時間である。幽霊一生の不覚。死んでるけど。

『クッソ、こんな本だらけの場所で地縛れるか!
 俺はお外に出させて貰うぜ!』

と意気込んではみたものの。幽霊単品で出ようとするには施錠が厳しい。
というか図書館に盛り塩がしてあるって何の嫌がらせなんでしょうね、と頭を抱える幽霊である。

『死してなお読書に執着する猛者が居るのだろうか……恐ろしい話じゃ……』

深見 透悟 > 『うう、こんな辛気臭い上に薄暗くいかにも幽霊が出そうな場所に居たらインテリになっちゃうじゃねえか……』

しかし、出られないものは出られない

『本なんて魔導書をペラ見したくらいで読書なんて縁遠かった俺が死んだら異世界転生して図書館で地縛霊に!?
 とか売れないラノベじゃねーんだぞ、ビュー数稼ぐ気あんのか。』

文句を言ったところで出られないものは出られない

『かくなる上は、“こんな時間にうっかり本の返却を忘れて慌てて来たけれど夜の校舎ってなんだか不気味さ三割増しでおっかなびっくり図書館に訪れる文学女子”の到来を待つしかないか……?
 フッツーに朝になる方が早そうだな。ガッデム。』

静かな図書館内で黙っていると耳がキーンとしてきそうなので、普段より五割増しで口やかましい幽霊だったり。

深見 透悟 > 『はー、次はもうちょっと退屈しない場所まで運んでもらいてーなー
 そういえば演習室、とかってあるんだっけ?そっちの方が面白そうだよなー』

早々に脱出を諦めて書架の上に戻る幽霊(の声)
ごろりと人の頭上より高い場所で寝転べば、眼下に広がるは綺麗に並べられた本棚と、椅子と、机。

『本棚はともかく……椅子と机は毎日誰かが綺麗に並べてんだろな。
 まったくご苦労なこった。労いの拍手を送ろう。ぱちぱち~』

送る相手がこの場に居るはずも無く、それでも退屈しのぎに手を叩く幽霊。
ぶはぁ、と溜め息の混じったあくびをかまして、ゴロゴロと書架をベッドよろしく転がってみる。ちょっとだけ埃っぽい。

深見 透悟 > 『………んごぉぉぉ。』

誰にも見咎められない事に味を占め、再び幽霊の癖に眠りにつく。
このまま朝を迎え、生徒が訪れるようになれば無断で肩を借りて図書館を後にする算段なのだろう。

はたして幽霊の思惑通りに事が運ぶかどうか……

ご案内:「図書館(夜)」から深見 透悟さんが去りました。