2021/10/24 のログ
ご案内:「図書館 閲覧室」に深見 透悟さんが現れました。
深見 透悟 > 『やーっぱ幽霊の使える連絡手段なんて降霊術とかくらいしか載ってねえなあ。
 何だよ、こんなに本があるんだから幽霊が書いた本の一冊や二冊あっても良かろうがよー』

夜の図書館。
外からの月明かりの中を、書架から本が一人でに抜け出ては机の上に置かれ、開かれて
ぱらぱらとページがめくれ、そのままパタンと閉ざされる
そんな光景が数度繰り返され、痺れを切らした幽霊の不平が響き渡った。

『まあ、幽霊が本出せたら死生観とかガラッと変わっちゃうか
 せいぜい臨死体験とかその辺のアレだろーなー……死の恐怖からの奇跡の生還!とかそういうの
 ……俺もまだ奇跡の生還できっかな。厳しそうだなあ。』

死んで結構経つもんな、と書架に本を戻しながらぼやく
そもそも自分の死体が見つけられずに生還もクソもあったもんじゃないのだ。

深見 透悟 > 『しっかし、こんだけ技術が発達してりゃあ、死者と生者間のコミュニケーションツールなんてもっと増えてても良さそうなもんだけどよ。
 やっぱ難しいんかなあ、死んでみないと確認できない事とか多いんだろか。多いんだろうなあ。
 気楽に死んだり生き返ったり出来たら……まあ、ちょっと困るか。』

難しいもんだなあ、と椅子に腰かけてがらんとした図書館を一望する幽霊。
昼間、特に放課後は生徒たちが多少見受けられたものの、月明かりが差し込む頃合いになれば図書委員さえ帰宅してしまった。
深夜にも利用者は居るだろうになあ、と独り言を口にしていた幽霊だが。

『それともあれか。
 こんな時間に調べものするような連中は禁書庫の方が用入りか。
 あっちもな……入れるもんなら入りてえけど、なんか取り込まれそうで怖い。』

近寄るのも無理……ってほどじゃないにしても。
醸される雰囲気というか、ふいんきというか、そういうのが妙に肌に合わないと判断した幽霊。
興味はあれど、興味だけに留めておこうと心に誓っていたり。

深見 透悟 > 『で、柄にもなく図書館まで来て調べてみたけど成果はほぼ無しか……
 魔術的なアプローチ方法なら俺でも少しは理解出来っかなーと思ったけど、さすがにその辺の詳しい資料は“アッチ”っぽいしな
 その辺詳しい人とか居ればいいんだけど。……幽霊とか、そういうの……』

うーん、と首を傾げてみる。
餅は餅屋の精神でいっそのこと学内を彷徨う幽霊に聞いてみるのも一つの手だ。
でも夜中の内に窓に血文字を残す、とかそういう返答が来そうで中々訊ねる事が出来ない。もしそんな事言われたら笑い倒せる自信がある。

『あとはイェリンさんとか何か知識持ってたりするかなー……
 今度会ったら聞いてみよ。全然分からないって事はたぶん無いだろーし……
 あ、そういやあの石、貰ってからたまに眺めるだけでちゃんと使った事無かったなー』

ふらりと席を立ち、静寂が満ちた館内をふわふわ移動する。
何か探すように漂いながら、貸出カウンターの前に来て

『そうそう、ここここ
 ここだけ微妙に結界薄いんだよな。それじゃここから帰ろーっと』

少し勢いをつけて。せいやっ、と床へと飛び込む。
そのまま床をすり抜けて、幽霊は図書館を後にしたのだった。

ご案内:「図書館 閲覧室」から深見 透悟さんが去りました。