2021/12/17 のログ
ご案内:「図書館 休憩室」に追影切人さんが現れました。
追影切人 > 第一級監視対象という面倒な立場になったが、一つ確実にプラスになった事がある。
それは、文字の読み書きを覚えられたのと読書という暇潰しの選択肢が出来た事だ。
監視対象とはいえ、正規学生の身分になったので、その辺りはみっちり叩き込――教えられた。

「……これが…知恵熱ってやつかぁ?」

そして、その男はといえば今は図書館の休憩室の一角でダウンしていた。
最近は割と小難しい本も読めるようになって来たので、所謂推理小説の類をチョイスしてみたが…。
基本的に馬鹿なので、一気に読み進めながら犯人当てをしようとしてこのザマである。

「クソが。やっぱこの手の本は俺にゃ無理って事かよ。」

悪態を零すが声に覇気が無い。頭が茹だる様に熱くて思考が鈍っているのが分かる。
ちなみに、服装は今の職場である風紀委員会警備部の制服だが、一応本日の仕事はちゃんと終えている。

追影切人 > 文字は読める、文章もまぁ分かる、ただし推理が致命的に駄目だった。
”いっそ怪しい奴は全員斬っちまえばいいんじゃね?”と、思ったが、まぁそれはそれ。
結構、後半というかもう最終一歩手前まで読んだのだがさっぱり分からん。

「……もうちょいレベル下げないと駄目だなこりゃ。」

自分が馬鹿な自覚はあるし、思考を巡らせる推理小説なんて一番向いてないのではなかろうか。
まぁ、もうちょっと気楽に読める本が多分良いのだろう。一つ学んだといえば学んだ。

「…他の連中はよくこんな小難しいの分かるな。」

ぽつり、と呟いてぐったりしていた体を起こす。やっぱり熱っぽい気がする。
こう、頭を使う事は読書に限らず基本的に苦手だ。脳筋と言われたらそれまで。

追影切人 > 「――んで、知恵熱に加えてこれか。」

左腕を一瞥する。指先まで巻かれた黒い布。制服で隠れているがあちこちに呪符もびっしり貼り付いている。
怪異化の進行を抑制するものだが、この前やらかした異能の”再現”の反動か。

(…やっぱ異能の再現なんてやるもんじゃねーな。)

お陰で、厳重に抑制されているにも関わらずまた少し怪異化が進行した。
そろそろ、監視対象身分なのも相俟って厳しい処置も有り得そうで憂鬱でしかない。

「…つーか、裏常世渋谷に迷い込んだのは不可抗力だっつーのに…。」

と、ぼやいた所でどうにもならないが、まぁ吐き出すくらいは構うまい。