2022/07/17 のログ
ご案内:「図書館 休憩室」に追影切人さんが現れました。
追影切人 > ――夏真っ盛りのある日。人気が少ない図書館の休憩室にて……隻眼隻腕の目付きの悪い男が一人。

「…クソが、あの先公め…無茶苦茶課題出しやがって…人の頭の悪さ考えろっつーの…。」

弱音じみた愚痴を零しつつ、休憩室のソファーの一つに背中を預けてややグロッキー気味である。
珍しく学生服姿だが、それはそれとして表情は何時もの目付きの鋭さも何処か疲れ気味で。

(赤点補習は毎度の事だが、今回やべーだろこんなん…大体、読み書き覚えてこちとらまだ3~4年程度だっつーの)

そもそも、スラム生まれ育ちでまともな教育など受けた事が無かったし。
まぁ、計算とか暗記とか普通に苦手だし小難しい漢字やら外国語も苦手だ。
そもそも、こういうのは将来?とかに役立つのかさっぱり分からん。どのみち―ー

「俺みてーのは遅かれ早かれくたばるのが目に見えてんのに、学ぶ意味があんのかね…ったくよ。」

自嘲?卑屈?いやいや…ただの事実に過ぎない。今は『都合が良いから』飼い殺しにされて生かされているだけだ。
獣がどれだけ人に近付こうが成長しようが、根本的に変わらないものというものは確かにある。

まぁ、要するに――勉学への意欲もそんなに無いし、楽しみを見出せるほどでもない、という訳だ。
とはいえ、留年するとまぁ――面倒ではあるので、今まではどうにかこうにか切り抜けてはきたが…。

追影■■ > 『――君は無知で馬鹿だけど愚かではない…と、私は思っているんだ。だから――』

脳裏にふと、唯一の”恩人”の姿と言葉がフラッシュバックして。

『――留年したり、あっちに逆戻りとか格好悪い事はしないでくれよ?私との約束だ』

――逆光、顔が何故か見えず口元に浮かぶ笑みは悪戯っぽく歪んでいた。

追影切人 > 「わーーってるよ。…ったく、勝手に消えた癖にいちいちピンポイントで人の脳裏に現れやがって。」

心底嫌そうに、それでいて年齢相応…でもなく悪ガキじみたように不貞腐れぼやく。
とはいえ、先程まで足りない頭を使ってひたすら課題に取り組んでいたので…
こう、知恵熱というやつだろうか?頭が熱っぽいというかぼーっとしている。
目の前のテーブルに無造作に置いていたペットボトルのお茶を乱暴にがぶ飲みしながら、

「……普通に読書する分には別に悪くはねーんだがなぁ…。」

ぽつり、と。こう見えて普通の読書は意外にも好きではあったりする。
ちなみに、図書館に何故か偶に18禁的な書物も混じっている場合があるのだが。

――『あ?…ああ、何だエロ本か』。

そしてパラパラ内容を見て殆ど無反応で戻す、という淡白っぷり。男として大丈夫だろうか。

追影切人 > 「…ま、要するに俺に『人間』になれっつー有り難いお説教その他諸々なんだろうがよ…。」

今の首輪付きの、片目と片腕が欠けた人間もどきともなれば流石に合わせる顔も無い。
溜息交じりにごそごそと煙草の箱を取り出そう…と、して止めた。確か一応個々は禁煙だった筈。
そもそも、まだ煙草はアウトな年齢なので一服でもして教師や風紀に見付かると面倒だ。

「…ハァ。好き勝手に『獣』じみてた昔の生活も、クソではあるがこういう不自由さは無かったわな。、」

どちらが良い悪い。という訳でもない。そんなの気分とその時の立場次第でどうとでも転がる。
流石にだらだらし過ぎたか、軽く欠伸を噛み殺しながら右腕を伸ばして首や肩をゴキゴキと鳴らす。
まったく、ずっと机に齧り付いて真面目にお勉強、とか学生の本分ではあるかもだが柄じゃあない。

追影切人 > とはいえ、今の自分は『獣』ではなく『人間』――に、なろうとしている追影切人という一般学生。

「…いやまぁ一般学生じゃねぇな……まぁいいか。」

恩人が望み託してきたものを受け継いで、まぁ少なくともちょっとは繋げて行く程度の義理は果たそう。
今まで自分が出会い、世話になった連中、殺しあった連中、まだ会った事も無い連中。

「…ハッ、世界は広いってやつかね…ぶっちゃけ島の外とか想像もつかねーけど。」

記録として映像として、一応は知識として最低限知っていても現実感がいまいち無い。
そもそも、外に出る事がおそらく一生ありはしないだろうに。

なんて、浸ってみているけどまだ課題は3分の1くらい残っているのが無情な現実でもある。クソが。