2022/07/18 のログ
ご案内:「図書館 休憩室」に紅李華さんが現れました。
紅李華 >  
 ――夏の暑い中、学内で安定して涼しい場所というのは意外と限られていたりする。
 もちろん各教室には空調が用意されているが、開放されている事の多い空間は、通常空調が機能していないのである。

「――よっ、ほーっ、たっ!」

 ――なので、この娘は、頭と両手と、片足に本を乗せながら、曲芸のような動きで休憩室に入ってきた。
 歩くたびに、片膝の上を交互に本がお手玉し、頭に何冊も載った本が、落ちる度に両手の本のタワーに着地する。

「ほっ、ほぃっ」

 きょーはもう講義がない日!
 本人(ぺんれん)がのんびりおべんきょーできる日!
 お部屋に戻るもんげん?まで、たくさん本をよむのだ。

「――ほいっ」

 とん、とん、とん。
 本をてぶるに置いて、ふうー。
 あれ?

「あーうー、你好?」

 ほんを置いたら、ふりょーそうな男の子がでてきた!
 よくわかんないけど、ちゃんとアイサツ!
 アイサツは大事!
 ある老師がコジキにも書いてあるっていってた!

 ――どうやら気づいてなかったのだろう。
 眼帯の少年の前に本を置いて、やっとたった今気づいた、というように、不思議そうな顔で挨拶に声を掛けるのだった。
 

追影切人 > 「あー、くっそ、まーたあの面倒臭ぇ課題の群れとバトルしねーとならんのか…。」

現実の無情なんて今更であるが、憂鬱なものは憂鬱でそれを隠そうともしない溜息もう一つ。
と、靴音…否、気配?を感じたのか、休憩室の出入り口へとふと隻眼を向ける。
どうやら誰か来るらしい。さて、さっさと辞するべきかそれとももうちょいダラダラしていくか。

まぁ、どんな相手か見て知り合いなら適当に挨拶すればいいし、知らない奴でもそれはそれ。
と、いう訳で出入り口を開けて入ってくる人物を眺め――何で曲芸じみた事やってんの?という表情を浮かべ。

「…つーか、どんだけ纏めて本を持ってきてんだ……あ?あーー…よぅ。」

ぼそり、と曲芸を披露?しながら登場した人物の行動を眺めていたが、彼女がこちらに気付けば仏頂面で軽く右手を挙げて挨拶代わり。
左手はそもそも肘から先が無いのでそのまんまだ。

「…そんなに沢山纏めて読む必要あんのか?図書館なんだし、借りてきゃいーんじゃねぇの?」

と、開口一番無遠慮にそう口にする男である。まぁ物怖じしないし基本的にタメ口だ。
次いで、彼女の顔からその格好――白衣やら何やらを軽く眺めつつも、視線は最終的にその頭の李の花に。

「…いや、そもそも何で頭に花が咲いてんだ?…新手の植物人間?」

もしくは、そういう種族か能力のあれか。馬鹿なので正直よく分からんけれども。
良くも悪くも遠慮が無いので、疑問は割とその場ですぐに口にしていくスタイルだ。

紅李華 >  
 
「うー?
 ぜんぶ、すぐ読むー」

 ガタガタ。
 いすをひいて座ってー。
 むー、前がみえない!
 まんなかをどけてー、と。

「这?
 あのねー、人家のともだち。
 人家の、脳につながってるのー」

 本人の脳からよーぶんを吸って、その代わり本人のけんこーじょーたいから、しんたいのーりょくまで、ぜんぶを助けてくれる。

「你はなにしてるのー?」

 とん、ぺらぺら。
 持ってきた本を読んで、お話し!

 ――李華は、積み重ねた本の上から一冊を取り。
 少年に言葉を返しながら、パラパラとページを捲る。
 数秒に一枚紙が捲られ、視線は非常に細かく振動するように動いていた。
 

追影切人 > 「…は?全部すぐ読む?その量を?…マジかよ。」

うへぇ、という表情でその書物の山を一瞥して。自分なら流石にギブアップだろう。
読書はまぁ好きではあるのだが、それでも一冊をだらだら読むのが男のスタイルだ。
と、いうよりそんなに読んだらおそらく最初に読んだ本の内容なんて多分馬鹿だから忘れているだろう。

椅子を引いて座る少女…少なくとも見た目はまぁそうだ…を、眺めていたが。
真ん中に積まれた本の山を退けるように頼まれれば、面倒臭そうにしながら右手で器用に本の山を退かしておく。

「…人家??…あー、頭ん中と繋がってるのかそりゃしょうがねぇな。」

原理は?正体は?どういう植物?と、いった事は一切聞かずにそれで納得したとばかりに。
自分に関しては、「補習課題してたが疲れたんで休憩中」と、肩を竦めて端的に答える。
――と、いうか会話をしながら読書はまぁ別にいいとして、だ。読む速度がおかしくね?

「……何だっけか?…あーーー…アレか、速読術ってやつか?」

驚異的な速度で数秒単位でページを捲って行く手捌きと細かく視点移動する視線を眺め呟くように。
そういうのがあるのは知っているが、実際にお目にかかるのは初めてだ。
とはいえ、特殊能力というより訓練次第で割と一般人でも出来るようになるらしいが。

紅李華 >  
 
「是、しかたないの!」

 この子が抜けたら、本人しんじゃうのだ。
 あ、本をどかすのてつだってくれた!

「謝謝!」

 おれーはだいじ!
 哥哥もある學姐も言ってた。

「そくどくじゅつ?
 うー、速読(すーどぅー)?」

 本人が本よむの、みてるのかな?
 んーんー、そんなにはやいかな?

「うー、んー、没有?
 哥哥のほーが、ずっとはやいよー?」

 哥哥、ゆーっくり読むのがすきだけど、はやいときは本人よりずーっとはやいもんね。
 

追影切人 > 時々混じる言葉、というかそもそもイントネーションからして外国語…中国語?よく分からん。
とはいえ、分からないなりにコミュニケーションは取れるならさして問題は無い…多分。

「…おぅ。つーか大量に読むのはまぁそっちの勝手だが、ちゃんと置き場所は次から考えとけよ。
俺が偶々居たからいいけど、常に誰か居るとは限らねーんだしよ。」

と、ぶっきらぼうに言いつつも何だかんだで律儀に頼まれたように本の山の一部を退かした男である。
そのまま、ソファーに軽く身を沈めながら気晴らしにも良いと判断したのか会話を続ける。

「すーどぅ?…あー、悪い俺ぁ馬鹿だから外国語とかさっぱりわかんねーんだわ。
アレだ、素早く内容を読んできちんとそれが頭に叩き込まれている読み方っつーか技能?みたいなもん。」

多分間違いではない筈だ。そもそも速読術という単語を知っているだけで男の馬鹿さからすれば驚異的だ。
「少なくとも、俺やそこらの奴に比べたら普通にはえーぞ」と、口にしつつ。

ふと、視線が彼女の白衣へと向けられている。白衣――研究者、あるいは…。

「もしかして保険医…あー、養護教諭?つーか、もしかしなくても教師?」

と、漸く気付いたのかもしくは推測したのかそう疑問を再び口にして。

紅李華 >  
 
「うー、うー、是的?
 どーしたらたくさん読めるかなーって、れんしゅーしたら、できるよーになったよ?」

 哥哥におしえてもらった。
 でも、哥哥にはかてなかった。
 くやしーねー?

「是!
 あのねー、よーごきょーいん!
 あとあと、超常植物学と生物学と、薬学と医学、保健!」

 ちゃんといえた!
 本人、えらい!
 

追影切人 > 「成程、そりゃ大したもんだわ。」

言葉はシンプルだが素直に感心したように。腹芸とかは根本的に向いていない性格だ。
だから、口は少々悪いが基本的にストレートに感想を述べるのが追影切人という少年の基本。

…いや、ちょっと待て。養護教諭どころか色々肩書き多くね?と、眉を潜めつつ。

「あーー、オマエが多才なのは分かったけどよ?生物学と医学と薬学…は、何となく分かるが。
…あー、超常植物学?っつーのは?ただの植物じゃなくてやべー植物の学問ってやつ?」

他はなんとなーく分かる(勿論、具体的な学問内容はさっぱり)のだが、超常植物学、というのは分からん。
この島の研究職からすれば一般的だったりするかもしれないが、この馬鹿には勿論さっぱり謎で。

紅李華 >  
 
「为什么?
 人家、たいしてないよ?」

 ちょっとそーいうのが得意だっただけだもん。
 きっとやろーとしたら誰でもできるもんね。

「ん。んー。
 えとね、この子とかのこーぎ。
 やべー?くはないよー?」

 ただ、お花のけんきゅーしてるだけだもん。

「変容前在来種、だけじゃなくてー、変容後在来種とー、変容後外来種のけんきゅーをしてるの」

 だから、ちょっとたくさん、いろんなお花をしってるかもー?

 ――そんな事を、自分の頭の上の花を示したりしながら首を傾げて話す。
 やべー植物、の意味と定義が出来なかったのもあるのかもしれない。
 

追影切人 > 「いや、少なくとも俺からすりゃ大したもんだけどなぁ…つーか、俺にゃ真似出来んわ絶対」

読書がそこそこ好きとはいえ、幾らやる気と根気次第で誰でも出来そうな事であろうと。
まぁ、速く読めればそれだけ限られた時間で多くの本が読める、というのも悪くないけれど。

「…その頭と繋がってる花…あー、植物みたいな変わった植物の授業って事か。
…また、難しい単語が出てきたような気がするんだが……あーー…。」

右手の指で軽くこめかみ辺りをとんとん、と叩きながら彼女の言葉を理解する間を置いて。

「…つまり、大変容前のふつーの植物だけじゃなくて、大変容後の変わった植物も纏めて研究してるっつー事であってるか?
いや、超常、って言葉からすると…むしろ、大変容後の植物研究がメインの学問か?」

と、彼なりに何とか理解はしたのかそう確認して。馬鹿だが地頭そのものは決して悪くは無い…筈。

紅李華 >  
 
「是的!
 だからねー、たくさん本よむのー」

 ――よくよく、重なっている本のタイトルを眺めて見れば、地球各国の神話であったり、怪異、所謂、妖怪や精霊、悪霊などと呼ばれていた存在が記された本が大部分であるとわかるだろう。
 もちろん、その中に他の本も混ざっているが。
 

追影切人 > 「ふ~~ん…まぁ、いいんじゃねぇ?好きで沢山読んでるならそれに越した事はねーだろうしよ。」

と、言いつつ彼女が持って来た本の山を改めて眺める。タイトルが読めない物も多いが…
幾つかは一応知っているやつもある。見た感じ、神話関連や怪異、妖怪、精霊辺りだろう。

特に怪異に関しては或る程度の縁があったので、僅かに目を細めるがそこに言及する事は無く。

「んーー、何か俺でも読めそうなモンとかあるか?」

と、そうぽつりと口にして。小難しい本は未だに無理だが、一冊くらいなら自分が読めそうなものもある…か?
まぁ、彼女の読書を邪魔する気は無い(速度は段違いだが)ので、あくまで聞いてみただけだ。

紅李華 >  
 
「对?
 嗯――うー?」

 おれでもよめそーなもん、ってなんだろ?
 字は、読めてたよねー?
 んーうー?

 ――言葉の意味、意図が読み取れず、首を傾げる。
 日本語の、特に砕けた口語のニュアンスは、とんでもなくむずかしいのである。

「嗯――すきなお花とか、あるー?
 お花とか、木とか、草とかー?」

 ――嗯(おーん)と何度か言葉に迷いながら、困った顔で訊ね返す。
 紙面を捲る手を止めて、首を傾げた。
 

追影切人 > 「んーー…植物とかはあんまし詳しくねぇからなぁ。好きなもん、ってーと中々難しいかもしれん。」

うーーむ、と唸りつつ。そもそも草木や花に興味や関心を抱いた事が殆どゼロに近いからしょうがない。
と、ふと休憩室と時計を見ればそろそろ課題に戻らないとまずい時間帯となっていて。

「あーー悪い、そろそろ課題やらねーとまずそうだから俺はこの辺りで戻るわ。。
・・・あ、俺は追影切人っつーんだ、一応よろしくな。」

と、ソファーから立ち上がりつつも知り合った以上、まだ学園か外で会うかもしれないので名乗っておきつつ。
彼女の名前をもし聞けたのであれば、軽く右手を振ってラフな別れの挨拶をしてから休憩室を先に後にする事だろう。

紅李華 >  
 
「是这样子?
 嗯――」

 うーん、そうしたら何がいいのかなぁ?
 お花の図鑑とかかなあ?

 ――そう悩んでいる間に、空いては立ち上がってしまう。
 慌てて立ち上がろうとして、本のタワーが崩れそうになったのを何とか支えた。

「好的!
 再见――えーっと、またね、きりひと!」

 うー、いっちゃった。
 今度は、ちゃんと本、おしえてあげられるように、選んでおかないと。
 うーん、どうしたらいいんだろー?

 ――残された休憩室で、本に半ば埋もれながら、意外な難題に頭を悩ませるのだった。
 

追影切人 > 「あーーそうそう…。」

休憩室を出たかと思えば、ひょいっと顔だけ覗かせて隻眼を彼女に向けつつ。

「特定の植物とかはねーけど、何か変わった植物とかそういうのあったら今度教えてくれや。
んじゃ、今度こそまたな。」

と、フォロー?なのかただの思いつきなのか、そう口にしてから顔を引っ込めて今度こそ休憩室を後にして。

それから数時間、図書館の片隅で課題に唸る少年の姿があったとか何とか。

ご案内:「図書館 休憩室」から追影切人さんが去りました。
ご案内:「図書館 休憩室」から紅李華さんが去りました。