2020/06/21 のログ
ご案内:「禁書庫」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
──さて
件の真夜中の怪異に関して、何か此処学園都市に関する書物に記述でもないかなー、と
図書館にやってきたのは良いものの、
当然一般学生が閲覧できるような資料にそれが記されているなら既にもっと話題になっている

なので図書委員にお願いし、今日はこの禁書庫へと初めて足を踏み入れた、のだが…

「も、物々しいなあ……」

なんだか凄い雰囲気を感じる、非日常とも言えるような空気感だ

一応図書委員の女の子と二人でやってきたが、彼女はさっさと自分の仕事にいってしまった
特に危険な書物は封がされているので触らないように、ということで…

伊都波 凛霞 >  
まぁ風紀委員としてある程度の信用はおかれているのだろうということ、
学生証も提示している以上は何か事故が起これば責任の所在も明るい、ということなのだろうけれど

「…とはいえ、怖すぎない…?」

並んでいる本を眺めるとそもそも何処の言葉?というようなタイトルが冠されたぼろぼろの本や、
南京錠がかかった…これは動物の革で出来てるの?といった表紙の本もある
あ、これが触っちゃいけない系のやつね、とは大体見てわかるのがありがたい

伊都波 凛霞 >  
「──……うーん」

禁書庫にあるのは"曰く付き"の本ばかりのようだった
まぁ、そういう場所だとは最初から聞いてはいたのだけれど
なかなかに数が多くて大変である
たまに興味を引くものなんかがあって手にとってみるけれど……

「(曰く付き、を隠れ蓑に何か重要な情報があるかなと思ったけど、宛が外れたかな……)」

──まぁ、それなりにすんなりと通してもらえた時点で『危険』以外の理由はなかったのかもしれない

伊都波 凛霞 >  
胸ポケットから眼鏡を取り出して、着用
普段は眼鏡は使わない
ただ本を読む時には"良すぎる"視力を矯正するために着用する
でないと物凄く疲れるのだ、眼が
一部の生徒の間では眼鏡装備の凛霞はかなりレアなのでどうのこうのという話が──いいか、この話は

「…シャドウ・サーバント…ウーンズ…」

件の怪異と似た特徴を持つ魔術の記録を漁る
どれも合致する要素はあるものの、これだと思えるものではなくて

伊都波 凛霞 >  
魔術は、専門外ってほどでもない
初心者用の魔術なんかも多く在るし、そもそも魔術とはそれそのものが膨大な学問である
此処常世の学園でも魔術理論の教鞭をとる教師は多くいる

学園トップクラスの成績を誇る凛霞も、あくまで"知識の上では"それらを熟知していた
故に、物理的に説明がつかない現象を目撃した以上は此方側からのアプローチや模索も必要だろうと考えたのだ

「んー……ねぇ、ごめーん!最近此処から持ち出された魔導書とかって──」

同じく禁書庫で作業をしているはずの図書委員に声をかける

「……あれ?」

返事が、ない

伊都波 凛霞 >  
さすがに中に部外者がいる状態で帰ったりはしないだろうし…と、本を本棚に戻して眼鏡を仕舞い、
一応広い禁書庫の中を探ってみるものの…姿が見えない

「……? トイレかな…」

なにか事故があったら、物音や声くらいはするだろうし…と思い直して、再び本を探し始める

ご案内:「禁書庫」にルギウス先生さんが現れました。
ルギウス先生 > 本棚の影からスッと姿を現す白い司祭服。
雑誌を読んでいる気楽さで、曰くありげな本を流し読み。
目当ての項目を見つけたのか、ややなぞる様にして目を通してから。
用済み と言わんばかりに棚に戻して。

人の気配に ふむ? と顔を上げて。

「おや、珍しい場所でお会いしましたねぇ。
 何か禁呪でもお探しですか?」

と 後ろから声をかけた。

伊都波 凛霞 >  
「うわあ!?」

やや暗い場所なので突然声をかけられて後ろを向いたら白いモノがあるとさすがに驚く
もうちょっとこの先生は気配とかさせたほうがいいんじゃないか

「なんだルギウス先生か…ええと、まあ探しもの、といった感じで…
 図書委員さんと一緒に来たんだけど何処かいっちゃって」

あはは、と困ったように笑う

「でも別にそんな物騒なものを探してるわけでもないんですけどね…」

と、普通の会話をしつつその身からはわかりやすい警戒信号

そう、伊都波凛霞は過去の経緯からこのルギウスという教師を"一切"信用していないのだ
もちろん目上の人だし、教師であるという立場から敬って接する態度こそ、崩さないけれど

ルギウス先生 > 「図書館ではお静かに。
 特にここでは、ね? ナニが聞き耳を立てているかわかったものじゃありませんよ」

責任とか原因とか、そんな単語は放り捨てているので暇なら足元を探してみるといい。
運が良ければ見つかるかもしれない。

「図書委員の方も、ここには極力居たくないのですよ。
 ここにあるのは陰惨極まる物語の始まりか、終わりばかりですから」

仕方ないよね、と笑いながらも言葉を続ける。

「警戒されるのは結構ですし、構いませんが。
 呪術関係なら、あちらですし……使役関係ならそこ。召喚だけならここですね。
 一応のジャンル分け程度はしてるみたいですから、探す内容を絞り込むことをお勧めしますよ?」

伊都波 凛霞 >  
「そーですねー…確かに誰が聞き耳立ててるかなんてわかりません。
 面白ろそうだと思ったら遠くから藪や蜂の巣をつつきたそうにしている教師とか…」

──警戒はする…とはいえ、この教師が所謂「嘘」をつかないことにちょっとした信頼できるものがある
それは人柄だとか、誠意の有無だとかではなく、安易かつ陳腐な嘘は彼にとって場を面白くする要素ではないから
…といった人格分析は置いておいて、少なくとも彼は専門講師、神童と呼ばれようが一学生である自分よりも知識や見聞が広いのは然り、である

「…あんまり頼りたくはないんですけど、ちょっと絞り込むにも悩む内容で…
 ──先生は今一部で噂になってる真夜中の怪異については何かご存知ないですか?」

あくまでまだ一部の生徒がSNSで騒いでいる、程度の状況、知っていなくても無理はないが

ルギウス先生 > 「この場においては、誰がではありませんよ。
 ナニがです。悪魔かもしれませんし、精霊かもしれませんし、魔術師の残滓かもしません。
 人ではないナニか。
 特に貴女は、うっかり覗いてしまいかねない異能なんですから」

触る際はこれでもどうぞ と 市販品の白手袋(まだ梱包されている)を取り出しながら。

「噂話程度であるなら、知っていますよ。
 黒い人影で、遭遇すると襲われる とかでしたか?
 怪談としてはありがちなパターンだと思いますねぇ。

 私に聞いてきた、という事は……実際に逢いましたか?」

伊都波 凛霞 >  
「…うっかり覗いたりしない程度にはコントロールできてます」

と言いつつも、どうぞと差し出されたそれは受け取る
此方が覗かなくとも、勝手に侵入してくるようなモノがないわけではない、だろうから

「人影、というよりは大小様々な獣のような。
 ──そうですね、以前調査に入った、三度目で」

白手袋の梱包とを解いて身につけながら、その視線を戻し、言葉を続ける
…相変わらずの黒メガネで表情が見えない…だから、やりづらい

「攻撃を命中させても手応えなし。
 その癖こちらには物理的な損傷を与えてくる。
 でも攻撃を誘導して衝突させても床も窓ガラスも損壊しない……
 私が知る限りそこまで物理法則を無視できるのは魔術くらいだったので」

ルギウス先生 > 「ふむ」

少しばかり現象を検証する。

「確かに、魔術なら可能ではあるでしょうが。
 一般的に幽霊と称されるモノならば、手応えもないでしょうし、一方的に損傷も与えられるでしょう。
 生者に対してのみ有効な攻撃である、という可能性はありえます」

それらしい、見解を述べるものの。

「ただ、それが真に怪異であった場合は……おそらく魔術でも無駄でしょうねぇ」

伊都波 凛霞 >  
「ので、誰かが魔術を使って深夜に悪戯しているのかも…と憶測を立てたんですけど。
 どちらかといえば対策よりは、原因の追求といった感じで……」

口元に手をあて、本棚に並ぶ本の背表紙を吟味しながら、教師を横目に静かに言葉を紡いでゆく

「幽霊だとした場合、規模に説明がつかないんです。
 "増える"んですよ、あれ。群体を為して尚且増殖する幽霊なんて、聞いたことあります?」

そこまで言って、再び視線を向ける
真剣な眼差し

「怪異は…よくわからないモノ、の総称です。
 それで結論づけちゃうのは諦めるのと同じだから、もうちょっとくらい、粘ろうかなって」

ルギウス先生 > 「群体を為して増える幽霊?
 もちろん、心当たりはありますよ。
 聖書にも出てきている由緒ただしい悪霊で“レギオン”と呼称されています。
 被害者を取り込み、際限なく成長していく救われないモノですよ」

何を当たり前の事を とばかりに視線を受け止める。

「他の可能性を潰しに行くのは対処として正解ではありますねぇ。
 噂のペースからして……発生したばかりで、自己の定義がされていないか薄い怪異である可能性が高いですねぇ。
 その場合、流れる噂の方にも注意した方がいいですよ?
 外からの圧力で、妙な能力を獲得しかねませんからね」

伊都波 凛霞 >  
「レギオン…」

それ自体はは知っている。名前も、それ自体も
けれど逆に言えば『それしか』知らない、なにより…

「神話クラスの怪異が学校なんていう限定的な場所に出てくるとはちょっと思えないですからね…。
 こう、学校に出る幽霊っていうとそれほど規模が大きいものじゃない場合が多いじゃないですか」

くるくると人差し指をまわしながら、想像を巡らせる
ある意味それも固定観念、先入観といった類のものではあるのだが…

「…噂の内容で強化される、なんてことが在り得るってことですか?」

ルギウス先生 > 「普通の学校であれば、そうなんでしょうけれどねぇ。
 ちょっと前にも炎の巨人騒動とかあったでしょう?」

アレも十分に神話クラスの存在だ。

「まぁ、実際にレギオンだとすればもっと被害者が出ているでしょうけれどね。
 ただ、前例としてある以上はまだ規模が小さいだけである可能性はお忘れなきよう。
 動物系だけなら、誰かが蟲毒や狗神でも作ろうとしてる可能性もありますが……」

そこら中の地面を掘り返してみます?とたずねて。

「怪異とは、あやふやで不確かなものです。
 確固とした自身がないので、外からの影響を受けやすい存在でもあるんですよ。
 ドロドロに溶けたチョコを型に填めるみたいなものです。
 放っておいても固まりますが、外から形を与えるとソレになってしまいやすいんですよ」

伊都波 凛霞 >  
「──…まぁ、普通の学校ではないですよね」

普通じゃない教師だっているわけだし…と暗に含んだ視線を向けて

「なんらかの儀式の副産物、みたいな…?それは、可能性として考えてなかったかも…。
 ……地面を掘り返す前になんかこう、ダウジングみたいなので見つけられないんですかね」

難しいような気もしつつ…あちこち掘り返す許可を得る手間を考えるとあまり実行に移すのは…といったところで

「噂それ自体にも対処、ってレイチェルさんが言ってたのもある意味それ自体に有効手だってことかぁ…むむ…」

さすが古株は目の付け所が違う、と唸る

ルギウス先生 > 「私は普通の教師じゃなく、非常勤講師ですから」

そういう意味じゃない。

「この学校ですし、ダウジングしたら何かには当たると思いますよ。
 その怪異絡みかどうかは完全に運ですが。
 前に私が埋めた、宝の地図とか黄金の爪とかも出てくるかもしれませんし」

しれっとイタズラの自白をする。
宝の地図はしっかりと魔術の時間経過で古ぼけさせているし、宝箱に入れている念の入れようだ。

「ええ、噂が増えれば新能力だけでなく、亜種が生まれる可能性もありますからねぇ。
 可能なら言論統制をした方がいいですよ?
 まぁ……現状で遭遇したなら、私ならば観察に終始するか逃げの一手ですねぇ」

伊都波 凛霞 >  
「学校の敷地に変なもの埋めないでくださいっ!」

なんなんだこの先生
思わずややコミカルな動作で怒ってしまった

「こ、こほん。
 …可能なら、ですよねあくまでも。
 さすがに証拠が足りなさすぎて強硬的な手段はまだ取れないんですよ。
 怪我をした生徒がいるとはいえ…本当にその怪異の仕業なのかという点が怪しくて」

そもそも夜間部の生徒ではすらなければ、深夜に学校で何をしていたのか?という点でやましいこともあってか口を噤む生徒が多いのだ
数瞬前とはうってかわって、やや深刻げに視線を下げながら

ルギウス先生 > 「宝探し部に頼まれまして。
 ちょっとしたレクリエーションの一環ですよ。
 皆さん冒険って好きでしょう?」

今の怒り方は可愛かったですよ と火に油を注ぐ。

「外からの刺激を抑えられないのであれば、そこから先は風紀委員の仕事でなく、拝み屋の領分に近いでしょうねぇ。
 出会ってしまったら、野良犬に噛まれたとでも思って諦めるか、とにかく逃げる事の徹底くらいしか現状では手が打てないと思いますよ?
 ……口裂け女みたいに、100m3秒の健脚であるとか追加されない限りは大丈夫でしょう」

伊都波 凛霞 >  
「…そういうことは前置きしてください。そういう趣味なのかと…」

腕を組みつつふい、と顔を背ける
日に油を注ぐような言葉は燃えはしませんでした
ただしまたちょっと距離が離れたような気がしたとかなんとか…

「──どの道、まだそういった類の怪異なのかどうかもわからないので、調査段階です。
 うーん、魔術学術的な見地からそういうのを扱う魔術があるかも、と思ったけど…」

本棚へと視線を移す
考察は無限にできるけれど、やはり狭めるには資料、とにかく資料である
そしてその生きた資料を得るには、調査が必要なのだ

「あ、そうだ」

ひとまず話が終着に向かったところで、ようやく視線を胡散臭い教師へと戻して

「…この件に関してってわけではないですけど、ぜーーーったい、余計な横槍しないでくださいね…?面白いことになんかなりませんから、絶対!」

ルギウス先生 > 「そういう趣味も、もちろんありますけれどね?
 そもそも学校側に許可を取らずに埋めましたし」

宝探し部の皆さん、怒られてください。
私は悪くない!私は悪くない!

「曖昧なものを曖昧なまま使役するのであれば、呪術を探してみるといいでしょう。
 この世界において魔術とは学問であり、曖昧なものを確認し、定義し、名付け、行使する技術であるようですので」

珍しい教師らしい言葉である。
そして釘を刺されれば、露骨にガッカリしたように肩を落とした。

「……残念です。昔に流行った口裂け女や人面犬やジェット婆の集大成のような噂を流してみようと思っていたのに……。
 ちょっとだけなら、見逃してもらえませんか?」

伊都波 凛霞 >  
「またそうやって人の仕事を増やすような情報を…」

頭痛、といったほどでもないけど手を額にあててため息くらいは出るものだ
聞いた以上は探して注意して報告して…と、しなければならないのに

「呪術…あんまり気持ち良い名前じゃないなあ…でもアドバイス、ありがとうございます。
 …って、人が素直に感謝しようとしたらまたそういう……ダメに決まってるじゃないですか!」

なんでよりによって教師が学校の噂を混沌に導こうとするのだ

ルギウス先生 > 「仕事があるって素晴らしい事だと知り合いが言ってましたよ。
 三か月前に過労で倒れましたけど」

はっはっはっと陽気に笑おうとして、場所を思い出して声だけを出さずに笑う。

「怒られてしまいましたので、仕方ありません。
 ええ、気が変わるか誰かから真摯に頼まれるまでは手も口も出しませんよ。
 見てるだけにしておきますとも」

ああ、残念残念。と女々しく口には出しているけれど。
口元はずっと笑みのまま固定して。

「さて、そろそろ私はお暇しましょうか。
 ああ、そうそう魔術的なアイテムが見つかったら獅子南さんなら解きほぐいてくれるかもしれませんねぇ。
 私は、ほら、そういうアイテムは収集する癖がありますので返却できません」

伊都波 凛霞 >  
「適度にあるに越したことはないですけど今忙しいんですから…」

話しているとどんどんペースを崩される
おまけに視線が見えないから、とにかくその内心や意図が、読み取れない
苦手だなあ、と改めて思う

「…そういう噂が流れ始めたら、
 先生の気が変わったから誰かにお願いされたってことで真っ先に先生を勾留しにいきますからね」

じー、っとジト眼を送り続ける
言葉も真意も、冗談なのか本気なのかも、とにかく全てが胡散臭い…
講師としての、知恵と知識は本物なのだろうけれど……

「はい、お疲れ様でした…こっちが疲れちゃいましたけどね、ええ…。
 そうですね、何か、見つかったら──」

言葉の途中で、視界の端に図書委員の姿が見える
どうやら奥まったところで作業をしていたようだった

ルギウス先生 > 「その際は、令状をとってからお願いしますね?
 悠々自適な留置所生活というものをやってみようと思いますので」

ジト眼なんて慣れたもの、今更それくらいが効くわけもなく。

「では、気を付けてくださいねぇ。
 もう少ししたら、厄介な変質を遂げてそうですのでね」

それだけ告げて。
凛霞が視線を戻せば、最初から誰もいなかったかのように影も形もなく―――

ご案内:「禁書庫」からルギウス先生さんが去りました。
伊都波 凛霞 >  
不穏なことを言い残しこつ然と消える講師の姿に心から辟易
どうも自分のような性格の人間は、ああいった手合いには弄ばれやすいのかもしれない…

「と…結構時間経っちゃった…ごめんね、ありがとう。そろそろ調べ物も終わったから──」

此方に向かってくる図書委員に気を取り直した笑顔を向けつつ、歩いて──
その途中、視線の端に捉えた、一冊の本……
それに、妙に気をとられた

「あ…」

足を止める

「…この本、風紀委員で一時預からせてもらってもいいかな」

まるで魅了されたように視線を奪われた、黒い獣の革で装丁された、一冊の本
本日付けで禁書庫より風紀委員「伊都波凛霞」の名前で一時的に禁書扱いを解かれ貸し付けられる
そう、図書委員の記録に残された

ご案内:「禁書庫」から伊都波 凛霞さんが去りました。