2020/06/30 のログ
ご案内:「禁書庫」にソフィア=リベルタスさんが現れました。
ご案内:「禁書庫」に戸田 燐さんが現れました。
戸田 燐 >  
図書室にいたはずなのに。
何か不思議な雰囲気の場所に迷い込んでしまった。

なんだか見たこともないような本がいっぱい。
これはこれで……知識欲をそそられるものがある。

あれこれと見て回っていると。
何故か、ピタリと焦点がある本に定まる。
本のタイトルは、『Requiem for the Devil』。

吸い込まれるようにその本に手を伸ばし……て…

ソフィア=リベルタス > 「ちょいとお待ちなさいな、お嬢さん。 その本は取っちゃぁいけないよ?
そうじゃないと、先生お仕置きしないといけないからねぇ。」

本棚の上から語り掛けてくるのは、丸まった黒猫の姿。
二つの黄色い瞳を少女に向け、猫であるというのに人間の言語を放つ。
図書館の一角、しかし立ち入り禁止であるはずの場所のそれは、
厭におどろおどろしく感じる。

「ほら、良くタイトルを読んでご覧。」

戸田 燐 >  
どこか夢見心地で本を手に取ろうとした瞬間。
上のほうから声をかけられる。
そこにいたのは……黒猫。
黒猫が……喋った!? しかも、先生って……

「タイトルって………」

タイトルに目を凝らすと。
その本のタイトルは………滲むように『DEAD END』という文字に変わっていった。

「え、これ……」

行き止まり。転じて、将来の展望が見えない状態のこと。
そんなタイトルの本、まともなはずがない!!

「ど、どういう……あなたは一体…?」

ソフィア=リベルタス > 「うんうん、どうやら意図的ではない、となると迷い込んだ口かな?
しょうがない子だねぇ、きちんと立ち入り禁止と書いてあるはずなんだけど。」

とんっ……と、少女の足元に下りてきた黒猫は、背伸びをしたと思いきや、
BOMと漫画のような音を立てて黒い煙を上げる。
煙が晴れる頃、迷い込んだ少女の目の前には、
中世の歴史書から出てきたような服装をまとった少女が顔を覗き込んで立っている。
全てを見通すかのように見つめる瞳は、瞬きした次の瞬間にはほほ笑みに変わっていた。

「ここは禁書庫、私は魔術学の講師。ソフィア、ソフィア=リベルタス。
ついでに図書委員でもある。
そいつは危険な魔導書だ、他に質問はあるかな? お嬢さん。」

戸田 燐 >  
「立入禁止って………まさか、ここ…」
「禁書庫………っ」

絶句した。ここにあるのは封印指定の危険な書物ばかり。
もう少しで家族とも、彩子とも会えなくなるところだった。

目の前に降りてきた黒猫は少し気の抜けた音を立てて。
私より幾分か小さな少女へと姿を変えた。
漆器を思わせる美しい髪、そして光の加減で表情を変える不思議な色合いの瞳。
って。先生だこれ!?

「あ、いえ、その……ごめんなさいソフィア先生、気がついたら迷い込んでて…!」
「私は一年の戸田です、戸田燐………」

他に質問は、と聞かれれば。

「……もし、私がこの本に触れていたら…どうなってました?」

ソフィア=リベルタス > 「答えは単純だよ、戸田燐。 それはタイトル通り、死への道へまっしぐらさ。
ここにある本は力のある子が多い、自分たちを使わせようと、君たちを迷い込ませて読ませようとする。
あぁ。 きっと君は本に取り込まれていただろうね、二度とこの世界には戻れない。
魂の牢獄、輪廻もできぬ世界の檻だ。」

にししと哂うその顔は、いたずら好きの子供のようで。

「なぁに、そうならないために私たちが一応の見張りをしているんだ、そう心配することはない。
『運』が良かったね、運がいいというのは才能だよ?」

と燐の頭を、ぽふぽふ、と二度優しく叩く。

「しかし気を付けたまえ? 必ず私たちがいるというわけでもないのだからね。」

教師と名乗った化け物は、やはりニシシと嗤う。

戸田 燐 >  
彼女の説明に身震いした。
世界の檻なんて、絶対に嫌。
彼女は間違いなく、命の恩人なわけで。

「運は……今回は確かに良かったですね…」

DEAD ENDと書かれた魔導書は。
一際大きく、まるで食事ができなかったことを嘆くかのように瘴気を放つと。
それきり何の反応も示さなくなった。

頭を優しくポンポンとされると。しゅんとして。

「ありがとうございます、ソフィア先生」

そうだ。お礼を言うべきなのだ。助けられたのだから。
それにしても、キレイな先生。女の私でも見惚れるくらいに。

「……猫に変身できる異能、なんですか?」