2020/07/09 のログ
ご案内:「禁書庫」にスピネルさんが現れました。
■スピネル > 突如、学園の禁書が貯蔵されたエリアに姿を現したスピネル。
「なんだここは!? また飛ばされたのか!」
紅い双眸が周囲を見渡す。見える景色は本の山、山、山。
それも目に見える範囲の本全てが何らかの力を備わっている。
中には笑いながら勝手に飛び回っている本も居たりして恐ろしい。
<…ピネル様。 スピネル様。>
スピネルは突然頭の中に聞こえる声に全身が震えた。
「爺! 爺ではないか! 生きておったのか!」
<そんなことよりスピネル様、某の話をお聞き下され。>
■スピネル > <スピネル様、今回は異世界ではありませんぞ。
ここは人間達の学び舎の中でございます。>
「なんだと!? 出入り出来ないはずではなかったのか?」
<そしてここは、その中でも禁書と呼ばれる本を扱っている部屋でございます。>
「さっきから一方的に話を進めるな、爺!」
誰も居ないはずの書庫で二人の声が響き渡る。
■スピネル > <所でスピネル様、拝見した所最近は魔法をあまり使われておられないご様子で。>
「長い事眠っていたからな。体が本調子ではないのだ。」
他に誰もいない為、日頃では話せないことも口にする。
今まで、スピネルは爺には何でも話してきたし、何でも面倒を見て貰って来た。
<嘆かわしいスピネル様。 今日はそんなスピネル様に某が強力な魔法を授けましょうぞ。
氷雪系の最強魔法…その名もエターナルフォー……。>
「止めろ止めろ止めろ! ややこしくなりそうなのを持ってくるな!」
■スピネル > 突如として書庫内のうち数冊の本が光輝く。
本から呼び出した魔力がスピネルの体内へと奔流となって流れ込む。
思わず身構えてしまうスピネルであったが、その間に魔力が注ぎ込まれ、新たな魔法を授かってしまった。
「おお、これが我が新たな力か。
いや、元の姿に少しだけ戻ったかと言うべきか。」
<嘆かわしいスピネル様、今や荒野で落穂ひろいをされているとは。>
「やかましい、そう思うのなら爺も手伝わんか!」
■スピネル > <今日の所はこれまでですな。
では、爺はいつでも見守っておりますぞ。>
「おい、少しは会話のキャッチボールをしろぉ!?」
少年は自らの身体が光り輝くことに気付く。
なんだこれは、と問いかけようとした所で消滅する。
次に気が付いた時はスラムの一室の中であった。
ご案内:「禁書庫」からスピネルさんが去りました。