2020/11/26 のログ
ご案内:「禁書庫」に火光雷鳥さんが現れました。
火光雷鳥 > 「――うん、おっかしいな?…確か俺は図書館の隅っこで勉強してた筈なんだけど…ここ、何処よ?」

島での生活も少しは慣れてきたとはいえ、相変わらず異能や魔術の講義は付いて行くのが精一杯だ。
赤点からの補習コースを回避する為に、渋々ながらも図書館に勉学に励みに来た――筈が、何故か変な場所に居る。

「…ここは…図書館――だよな?何か雰囲気が禍々しいっつーかやべー感じしかしねーんだけど。」

恐る恐るといった感じで周囲を見渡す。空気が何か独特過ぎるし、書架も書物もあるが…何とも言えぬ得体の知れないものをそれらから感じる。

(……これ、まさか裏常世渋谷とか落第街に迷い込んだのと同じパターンなのでは…)

知らず知らず、偶然か必然かやべー場所に迷い込む感じのアレだ。今回もそんな気がしてきた。平穏何処行った!?

火光雷鳥 > 残念ながらこの少年には魔力というか魔術の素養が欠片も無い。清々しい程に無い。
よって、この場所がどういう所なのかも、漂う魔力のそれも全く感知出来ていない。
それでも、凡人ですら分かるやべー雰囲気をひしひしと感じるのか、動きはやや挙動不審気味だ。

「つーか、出口何処だ?そもそも、これ図書館ぽいけど違うよなやっぱ…まさか、裏の異世界とかそんなパターン?」

なまじ、常世渋谷で一度それを実体験しているので、冗談では済まないのだが。
この何とも言えない空気で黙っているのは精神的に辛いものがあるのか、つらつら独り言が零れてしまう。
とはいえ、ずっとここに突っ立っている訳にもいかない。そろそろと出来るだけ静かに歩き出す。

「……おいおい、本のタイトルが全然読めねーんだけど…分厚いのばかりだし。
何語なんだこれ?英語とかじゃねーのは俺でも分かるんだが…。」

明らかにちょっと電波混入してそうな背表紙タイトルが垣間見える。勿論読めない。

ご案内:「禁書庫」にセレネさんが現れました。
セレネ > 以前から実は入ってみたかった禁書庫への許可がやっと下り、
一通り気になる魔術書や専門書等を読み漁っていた所。

見知った気配に気付いてふと顔を上げ、其方へと歩いて行く。本は手に持ったまま。
足音と気配を消して本の背表紙の題名に意識が向いている彼の後ろにそっと近づき、
肩をガッと勢いよく掴んで驚かせにかかろうとするだろう。

「Hello?」

目論見が外れても成功しても、ニッコリと笑みを浮かべて片手をヒラヒラさせ挨拶をしよう。全く悪びれもせず。

火光雷鳥 > 「いやあああああああああああああああああああああ!?!?!?」
火光雷鳥 > 思わず女子じみた素っ頓狂な悲鳴を上げる。誰かにいきなり肩をがっ!と捕まれた瞬間、恐怖と驚きで思わず叫びながら、前にスッ転ぶようにして慌てて距離を取りながら振り返ろうと。
咄嗟にファイティングポーズを取ろうとしているのは無意識の威嚇?なのだろう。

……が。

「………え?……セレネ……さん?」

目を丸くする。数秒、そのまま沈黙していたが…やがて顔を背けたかと思えばその場にしゃがみ込んで頭を抱えた。

「うわぁぁぁぁ、情けない所を見られたぁぁぁぁ…!!」

驚かしたのは彼女のほうなのだけど、すげぇ醜態を見られた!と、いった感じで悶える少年がそこに。
とはいえ、何とか気を取り直せばそちらへと顔を戻して。

「…えーと、すまん取り乱した。…つーか、セレネさんはどうしてここに?むしろ、ここ図書館…だよな?」

セレネ > 思った以上の反応に驚かせた此方が肩を震わせて驚く始末。
蒼を数度瞬かせるも努めて冷静に振舞おう。
…正直笑いを噛み殺すのに必死。

「はいそうですよ、セレネです。」

咄嗟に臨戦態勢を取った相手だが、己の姿を認識した途端いつもの調子に戻った様子。
いや、羞恥で悶えているのだけれど、何も彼は悪くないので苦笑を浮かべるのみで。

「いいえ、お気になさらず。
……その言葉にデジャヴを感じるのですが、まさかまた…?」

火光雷鳥 > そう『また』である。つい先日、落第街に知らず知らず迷い込んだのを含めればこれで三度目だ。
どうも、この少年は自分の意志とは関係なくこういうやばい場所に縁があるらしい。

醜態を晒してしまったので穴があったら入りたい!と、思いつつも何とか平静を装う。
正直、心細かったので、見知った顔…友人が居てくれるのはすごーく助かる!精神的に!

「…うん、またなんだ…いや、実は先日も落第街?って危険地帯に何時の間にか迷い込んでさ。
その時は知り合いの先輩が通りかかって道案内してくれて助かったんだけど…。
なんか、裏常世渋谷といい、最近たまーにやばい場所に迷い込んでる気がするんだよな俺」

偶然、といえばそれまでなのだが、短期間に今回も合わせれば3度目だ。
無論、ここがまだどういう場所なのかは彼は分かっていないのだけれど。
ただ、友人は平然としているが明らかにこの場所は普通じゃない、というのは凡人でも分かるもので。

「んで…えーと、セレネさん。ここって何処なんだ?俺、図書館の隅っこの机で勉強してた筈なんだが気が付いたらここに突っ立っててさ。」

何時ぞやの時と同じく、気が付いたらいきなり別の場所に居た!みたいな感じだった。正直理由がさっぱり分からない。

セレネ > かなり分かりやすく安堵している所を見るに、今回も「偶然」此処に迷い込んでしまったらしい。
暫く間が開いて、なら兎も角短期間でこの頻度では
そのうち命の危険も脅かされるだろうことは想像に難くない。
これが本当に偶然なのか、それとも”彼”が意図的にそうしているのかまでは分からないが…。

「近いうちに転移荒野にも行きそうですね貴方。
この頻度では偶然だとも言い切れない気が致しますけれど。」

危険地帯フルコンプもそう先の話ではない気がする。
落第街やその周辺はまだ行った事がないなと内心思いながらも
問われた言葉に手に持っていた魔術書を掲げてみせて。

「此処は禁書庫です。図書館では扱っていないような書物を保管している場所だそうですよ。
…時々、貴方のようにうっかり迷い込んでくる人もいるにはいるみたいですがねー。」

許可を得る際の雑談で聞いた話だが。
危険な書物もあるという事は隠しておこう。無暗に怖がらせる必要はないだろうし。

火光雷鳥 > 「いや、流石に転移荒野はねーと思う…距離があるし、そっちまで行くつもりもないし……無いといいなぁ。」

まだただの「偶然」で片付けられる範囲だとしても、これで転移荒野にまで迷い込んだら「必然」になりかねない。
いずれ、危険地帯を本人の意思ガン無視でコンプリートする日は遠くない、かもしれない。

「禁書……?言葉だけで何となくアレだ、不穏な感じしかしないんだけど。
あー…俺だけじゃないのか。なら安心……出来ねーな。ここに迷い込む人って意外と居るのか。」

勿論、友人のように苦労して許可を取った訳でもなく、清々しい程に不法侵入…違った、迷い込んだだけである。
問題は、少年が迷い込んだ理由などがさっぱり謎という事なのだけども。
そもそも、この少年は魔力が無い。禁書の類とはむしろ相性が悪い、というか縁が無いに等しいのだが。

ちなみに、魔力を感じ取れない少年は気付いていないが、今まさに彼の背後の書物が静かに不吉な魔力を少年へと送っているのだが…。
魔力ゼロ、素養無しが良い方に作用しているのか気付いていないし効いていないようである。

セレネ > 「一度下見も兼ねて行ってきては?
仮に迷い込んだ時でも一度来た場所なら安心感は違いますし。」

友人を悪気無く死地に送り込もうとしてる構図。
相手なら何だかんだ生還しそうだしな、と思っているせいなのだけど。

「まぁ警戒は怠らない方が良いでしょうね。
らしいです。聞いた話なのですけど。」

尤も、己の場合殆どの情報を秘匿しているせいで時間がかかっただけで
本来ならもう少し手間取らずに許可が下りるのかもしれない。

相手の背後の書物が送り込んでいる魔力が視えてはいるものの、彼自身に影響が出ていないので放置している。
ここまで魔力耐性が高いのも凄いものだと思う。