2020/11/27 のログ
■火光雷鳥 > 「いや、流石に単独でそんな場所にホイホイ行ったら普通に俺は死ぬと思うんだけど…。」
え、この人ナチュラルに俺を死地に放り込もうとしてない?と、思わず半眼で友人を見る。
彼女と違い、自分の『中の人』の存在に気付いていないのもあるだろう。
もっとも、自分を『凡人』と評する少年だ。薄々気付いていたとしても知らないフリをしようとするかもしれないが。
「警戒せざるを得ない、というか明らかに俺ですらヤバそうだって分かるぞここ。
…まぁ、迷い込むのが他にも居る、っていうのは不謹慎でアレだけど少しホッとした。」
つまり、自分も偶然迷い込んだだけに過ぎない、という安心材料になるから。
そして、ん?と背後を振り返るが魔力が見えず感じない少年視点ではただの得体の知れない書物ばかりしかない。
(…気のせいか?場所が場所だから変に神経尖ってんのかもしれねーな。)
禁書庫…つまり普通は閲覧できない本がここには収められている、という事だ。
…そこで、ん?と疑問符が浮かぶ。じゃあ何でそんな場所にわざわざ友人は来ているのだろう?
「ちなみに、セレネさんは何でここに?…いや、まぁ本を読みに来たかなんかなんだろーけどさ。」
彼女なら問題無いかも知れないが、少年からすれば得体の知れない文字の背表紙ばかりとしか思えない。
そもそも、ここまで近い距離でしかも禁書の類から魔力干渉を受けて『何も異常が無い』のも色々とおかしいのだが。
■セレネ > 「そうですかね…?案外何とかなるものかもしれませんよー?」
やはり気付いていないのかな、と思いつつ。
相手が駄目でも”彼”がどうにかしてくれそうだと思うのだけど、どうなるのかは彼次第か。
「まぁまぁ、本を開かないなら大丈夫でしょう。」
魔力については安心しても問題はなさそうだし、
うっかり本を開いて直接的な被害を受けない限りは大丈夫だろうと考える。
ふと相手が後ろを振り返っても、そこには物言わぬ書物があるだけで。
「禁書庫とはいえ図書館の一つですし、書物を読みに来たに決まっているではないですか。」
遊びに来た訳ではないのだし、と当然の如く質問に答えるが、具体的な事は言わない。
…しかしそれにしても耐性が高すぎる。
少しばかり訝し気に首を傾げた。
■火光雷鳥 > 「え?その根拠の無い楽天的な意見は何処から来るの!?」
明らかに『気付いていない』ような態度で彼女の言葉に突っ込みを入れる。
実際、その時には不自然に記憶が飛んでいる節があるので無理も無いのだけれど。
以前、彼女に魔術で脳のスキャンをして貰った時に、何かあるとは感じているがそれ以上でも以下でもない。
「うん、そもそも背表紙のタイトルすら俺には読めないぞここの書物…むしろ禁書って時点で怖いわ。」
何か得体の知れないやべーのが飛び出してきたらどうしよう。
さっきからちょくちょく禁書の魔力干渉を受けながらも、本人は気付かずこの凡人?っぷりである。
「まぁ、そりゃそーなんだけどさ。本当、知識欲とか凄いよなーセレネさん。」
感心したように笑いつつ。自分は流石に許可を取ってまでここに来たいとは思わない。
何が起きるか分かったものではないし、そもそも読めない書物に囲まれても意味が無い。
もし、彼女が魔力の流れをしっかり追えるのならば――…
禁書からの魔力が少年の『脳内』へと流れ込み…いや、吸い込まれて消えて行くのが分かるかもしれない。
結果的に、それで彼自身は何も感じていない、という事にもなるのだろう。
■セレネ > 「……あの、私根拠のない事は言わないので…。」
”伝えていない”だけで根拠が一切ない訳ではないのだ。
相手のツッコミに傷ついたようにしょんぼりしてみせた。
「禁書や禁術という響きは確かに物騒ですが、要は危険だから取り締まっているだけなのですよ。
刃物も扱い方一つで凶器にもなるではないですか。
それとあまり変わりはないのです、魔術も。」
物理的に振り回したりしない分扱い方は猶更注意しなければいけないものもあるだろうが。
基本は魔術も同じ”道具”なのだと語る。
だから、そんなに悪いものだとは思わないで欲しいと。
「私に出来るのは勉強だけですから。」
感心する相手に己は苦笑を浮かべるだけ。
色素が薄く肌も弱いので日中は日傘無しでは外に出られないし、
運動も出来なくはないけれど体力にはあまり自信がない。
それに活発に動かない性格も相まって室内で本を読んだり勉強する事しかしてこなかった結果が今だ。
アウトドア派な父とは違い、真逆のインドア派な娘である。
「……やはりあれは……。」
魔力の流れをよくよく視てみれば、彼の頭の一点へとその魔力が流れて行っている。
そこは以前解析魔術を行使した際同じ現象があった個所だ。
という事は、”彼”になら何か影響が出ているのかもしれない…?等と推察を重ねて。
ご案内:「禁書庫」に火光雷鳥さんが現れました。
ご案内:「禁書庫」に火光雷鳥さんが現れました。
■火光雷鳥 > 「え?…えーと、何か、その、えー…ごめん。」
その伝えられていない事を少年自身が理解してないのもあり、戸惑いつつも素直に謝る。
良くも悪くも現状では、何かおかしいと少し思う以外は殆どが無自覚だ。
彼女の根拠は一体何処から来るのか?それが分からない。きっと理由があるとは思う。
(…うーん、俺ってやっぱ何かおかしいのか?)
内心で首を傾げる。その間も禁書の魔力を彼の脳内の『穴』が喰らい続けている。
そう、吸い込んでいる、というよりその魔力を餌のように食らっている。
「成程なぁ…ただ、俺は自力じゃ魔術どうこうは無理だからその辺り、実感が薄いというかよく分からんのよな。」
彼女の言いたい事は彼なりにちゃんと理解はしているのだが、その実感が無い。
魔術が使えないから座学で学ぶしかないのだが、成績はまぁギリギリ平凡を保つのが精一杯。
そこは多少なり思う事はあるのだが、無いものは無いのだから仕方がない。
「けど、道具か…まぁ、要するに使い方や扱い方次第で便利にも凶器にもなるっつー事だよな。
…あと、勉強だけって事はないだろ。俺みたいな凡人と友達になってくれたし、俺が分からない事もある程度噛み砕いて簡潔に教えてくれるじゃん。、
それは、その勉強の成果でもあるだろ?なら『だけ』って事は無いと思う。」
そこは彼女の顔を見据えてきっぱりとそう言い切る。何だかんだ自分の意見はきっちり言う少年だ。
■セレネ > 「確信している訳ではないので、今はその根拠も伝えられないのが悔しいです…。」
不確定要素というか、未だ分からない事が多い彼自身の事について。
分かれば必ず伝えるから、とは告げておこう。
もう少し近くで視られれば、とは思うもののじっとそれを観察する訳にもいかない。
だが彼にも”彼”にも影響はなさそうなのは確実だ。
一番は本人に聞ければそれが一番手っ取り早いのだけれど。
「…なら、魔道具でも見繕いましょうか。私の自作でも良ければですけれど。
クリスマスプレゼントに丁度良いですし。」
使えないものを理解しろ、と言われても難しいのはその通りで。
そこを劣等感として持っているような気もするからせめてとの提案を。
「そうでしょうか。…そうだと、良いのですけど。
有難う御座います。」
自分の意見をハッキリと言う相手に、ほんの少し微笑んでみせ。
■火光雷鳥 > 「ん……分かった!じゃあ、その『確信』が得られたら教えてくれよ。セレネさんの事だから色々推測したり考えたりしてんだろーし。」
自分の事で分からない部分がある、というのはきっと誰にだって多かれ少なかれあるだろう。
けれど、それが得体の知れない何かだったら?…単純に怖い。けど知っておかないといけない気がする。
友人がちゃんとした確証を持てたら教えて貰う…それまでは、その根拠に付いては根掘り葉掘り尋ねも疑いもしない、と決めた。
「…自作!?いや、そりゃ有り難いけどさ。…と、いうかもうクリスマスも来月だったかぁ。」
やや遠い目に。クリスマス、とはいってもこれといって思い出とか全然ねぇなぁ、と少し悲しくなった。
兎も角、友人からの申し出に少し驚くものの…折角の機会だ、有り難く彼女に見繕って貰う事にしよう。
実際、割り切ろうとしても劣等感というものはどうしても生じてしまうから。
「どういたしまして、って程でも無いけどさ。セレネさんが気付いてないだけで、案外出来る事はもっと多いんだと俺は思うぞ。」
上手く励ませているかは自信がない。けれど、彼女はきっと自分なんかより色々出来る人だから。
決して勉強『だけ』なんて事は無いのだと…少年はそう思っている。
「で、えーと…セレネさん、出口、というか帰り道教えてくれない?
流石に俺はここに長居してもしょうがねーから、そろそろまともな場所に戻りたいんだけどさ。」
で、困った笑顔でそう尋ねるのだ。今も禁書の魔力は彼が喰らい続けているが、矢張り表立った影響は皆無に等しく。
■セレネ > 「えぇ、必ず。その為にもまずは、色々と情報を集めないとですね。」
その情報が近くにあるのに、踏み出せない状況にあるのだけど。
まさか相手から信頼を置かれている等思いもせず。
”彼”との対話を図るにはどうすれば良いか、まずはそこからか。
恐らく彼を通して会話も聞いているだろうが、呼び名すら分からない。
幸いな事に他言語でも通じているみたいだから言語は英語で良いとして。
『貴方の名前、良ければ教えてくれない?
そうじゃないと何と呼べば良いのか分からないから。』
ダメ元だが英語でそう”彼”に尋ねてみた。
「一ヵ月もあれば流石に間に合うので楽しみにしていてくださいね。
そうだ、何か使ってみたい属性とかありますか?」
遠い目になる彼に内心察しながら。己は嫌な記憶しかないのだけど。
参考にする為に相手の意見もあると嬉しいと、問いを投げかけて。
相手の言葉には頷くだけに留めておこう。
彼の気持ちはとても有難いのだから。
…どうにもこの時期は気分が滅入って仕方がない。
「ん、では出入口まで一緒に行きましょうか。」
彼一人で、というのも少し不安だから見送りも兼ねて共に行動する事にする。
相変わらず魔力は穴に吸い込まれていっているようだ。
本当にブラックホールだなと内心で。
■火光雷鳥 > 「…なら、俺も自分で出来る範囲で動いてみるか。何たって『自分の事』だからな。んで、その過程で何か分かったらセレネさんにも伝える事にするよ。」
少なくとも、魔力や魔術が関わる方面だと自分の知人・友人の中で気楽に話せるのは彼女くらいだ。
――と、彼女が唐突に英語でこちらに何かを尋ねてくる。少年にはそれは聞き取れなかったが――…。
『――名前?そんなものは無い。…こちらの人間が勝手に付けた呼び名ならある』
彼の口から、彼の声で彼ではない何者かの声が束の間答えるように。
その口から出た呼び名は――『終焉を齎す者(エンドテイカー)』。
「…うーん、火属性は異能でフォロー出来るし、それ以外かね。…あー真逆の水とか氷属性とかは興味あるかも。もしくは風とか」
大雑把ではあるが、興味がある属性を幾つか挙げておきつつ。もう少し具体的に言えればいいのだが、生憎と属性については最低限しか分からない。
「おぅ、ありがとなーセレネさん!何か世話になりっぱなしな気もするけど!」
そろそろ何かお礼しないといかん気がする。先ほどの『誰か』については矢張り彼自身に記憶は無いようで。
ともあれ、彼女の案内で何とか禁書庫は無事に抜け出す事は出来ただろう。
――その間際まで、手当たり次第に禁書の魔力を彼の脳内の黒点は貪欲に喰らい続けていたのだけれど。
■セレネ > 「無理はなさらない程度でお願い致しますね。」
魔力や魔術、身体の異常は己の得意分野なので気兼ねなく話してくれたら此方も有難いもの。
尤も、此方は基本が秘匿主義だからつり合いは取れていないのだろうが。
意外にも答えてくれた事に蒼を瞬かせながら、勝手に付けられた呼び名を記憶する。
まだ聞きたい事は山ほどあるが、今回は知れた事が二つ増えたから良しとしよう。充分な収穫だ。
「水、氷、風…ですね。
うーん……成程。」
複数の属性を一つに、となるとかなりの技術が必要になるのだが。
簡単なのは水と氷かなと頭の中で思考を回して。
「いいえーお気になさらずー。」
彼を送り出した後もやはり気になるのは魔力を吸い込んでいた穴について。
己自身はこれでも神であるので此処では影響を受けるようなものはないのだが、”彼”の種は何なのかが実に気になる。
「エンドテイカー、ねぇ…随分と大層な呼び名ですこと。」
まぁ、あの魔力を持っているのならそれも頷けるか。
そうして一人、目的を果たす為に書物を漁る事に専念するとしよう。
ご案内:「禁書庫」から火光雷鳥さんが去りました。
ご案内:「禁書庫」からセレネさんが去りました。