2021/03/13 のログ
ご案内:「禁書庫」にセレネさんが現れました。
ご案内:「禁書庫」に火光雷鳥さんが現れました。
セレネ > この場に来るのは二度目。今回は己個人の調べものではなく、友人が共に調べものをしたいとの願いを受けて。
前回は友人と偶然にも居合わせたが、今回は彼も一応正式に手続きをしたから問題はないと思う。

禁書庫は一般的に公開されている図書館とは毛色の異なる書物を置いてある場。
漂う魔力も異質なものもある。…とはいえ、己も友人もそういった影響は受け難い体質だ。
だから悪影響は受けないであろう。
少なくとも友人の方は常日頃己が作成したお守りも身に着けているのだし…”彼”の事もあるし。

様々な心配を抱えつつ、視界に嫌でも映る魔力に蒼を彷徨わせながら、入口から友人が来るのを待つ。
…まさかうっかりまた別の場所に居るなんて、そんな事はないだろうなと。ほんの少しばかり不安に思う。

『…大丈夫よね…?』

誰に言うでもなく呟いたのは異国の言葉。
己一人だけだと、どうにも慣れた言語を使ってしまうのは悪い癖かもしれない。

火光雷鳥 > さて、そんな友人の懸念を他所に少年は少々おっかなびっくり、といった感じで禁書庫へと足を踏み入れる。
前回はおそらく自分の【門】としての傍迷惑な体質?特殊能力?のせいで、うっかり迷い込んでしまったが。

「まぁ、今回は正式に手続きしてるからまだマシ――いや、でも場所が場所だけにやべーのは変わらんか。
…っと、居た居た!おーーい、お待たせセレネさん!」

と、まぁ友人の心配を他所に無事に合流するのであった。とはいえ、少年のソレは何時発動するか本人にも分からないので、厄介と言えば厄介である。

「んで、今回はこっちの我儘聞いてくれてサンキューな。
こっちの方なら【門】とか俺の頭の中の『奴』の情報が何か掴めるかと思ってさ?」

セレネ > 大丈夫かなと不安な気持ちを抱えていた所、聞こえた聞き慣れた声に蒼を其方に向ける。
視界に入るのは赤い髪の少年、待ち人であった。

「あぁ良かった。無事に来れたのですね?
うっかりどこかに飛ばされていたらどうしようかと思っていました。」

軽く肩を竦めて言いながらも、割と懸念材料だった事を投げかける。

「今度は私のお願いも聞いて欲しいものですねぇ?
…なんて、まぁ調べものは好きなので構いませんけれど。
此処に望む情報があれば良いのですが…。」

そもそも彼に読めそうな書物があるかどうかだ。
魔術関係でなければ恐らく大丈夫…だとは思うが。
相手が傍まで来るのを待って、改めて蒼を見回す。
まずは必要な情報がありそうな棚を探す所から始めないといけないかもしれないな。

火光雷鳥 > 「何で俺が無事に来れた事に安堵されるの!?…って、いやぁ、まぁ前例何度もあるし現在進行形だしな…。」

と、突っ込みを入れつつも直ぐに苦笑いを浮かべて肩を軽く竦めてみせる。
正直、バイト中でもプライベートでもお構い無しに転移させられるので、こちらとしては勘弁して欲しいものだ。
…が、現状は法則性もコントロールも何もあったもんじゃない、というのが困り者。

「いや、そりゃ構わんけどあまり無茶なお願いは勘弁な?凡人に出来る範囲で頼むぜ。
…まーー無かったら無かったらでしゃーねぇさ。ここに無ければそれこそ、記録や書物には『前例』がねぇって可能性は高まるけど。」

まぁ、それこそ秘匿されていたり個人所有の情報とかはどうしようもないのだけど。
ともあれ、問題は――そう、俺に読める書物が果たしてここにあるのかどうか!

(…せめて日本語で書かれている事を祈ろう。英語すらまともに読めねーし…。)

「取り敢えずアレだ、セレネさんここの書物のタイトルとか読めるぽいし、『門』関連のをまずは探してみようぜ。」

セレネ > 「安堵されるような事しているからですよ?不便ですよね、その放浪。」

治安の良い場所なら兎も角、悪い場所に行くから猶更。
せめて何かしらの情報が分かれば推測も立てられるのだろうけど。

「それは勿論。貴方に出来る範囲でのお願いしかしません。
私だって出来る事の範囲はありますもの。
前例がないならないで、それを本にして纏めると良い収入になりそうですね?」

己は万能の神ではないのだ。起こせる奇跡など一つもないし、神としての力も微々たるもの。
…神が人に対してお願いをするというのもおかしな話だろうが。

「≪門≫関連…んー、此処にはなさそうなので移動しましょうか。」

ざっと棚を見ても此処にはなさそうだと判断。
相手にそう告げながら、棚に並べられた本の表紙を舐めるように見ていく。

火光雷鳥 > 「転移荒野、禁書庫(ここ)、裏常世渋谷、落第街――どれもこれも癖が強すぎるし、俺みたいな凡人にはきっつい場所だよ…新手の苦行かねこれ?」

その他にも、青垣山や黄泉の穴、といった今後彼が迷い込み易そうな場所はまだ控えている――…
のだが、この時点でこの少年がそれを知る由も無かった。受難は確定しているようなものだが。

げんなりしたような表情で溜息を零す。唯一確かな事は、異界及び特殊な環境の場所に転移する事。

(――んで、厄介なのが『一方通行』って事だよなぁ。転移したら自力で戻るか誰かに助けて貰うしかねーし。)

と、考えながらも彼女の言葉にいやいや、と手を横にヒラヒラと振ってみせる。

「印税収入とか魅力的だけど、大金持っても持て余すし遠慮したいね俺は。
それに前例、っつーかオレみたいなのに悩まされてる人はこの島か、あるいは世界中に居るかもしれないしな。」

――そう、確かに彼以外にも存在している。彼だけではない―もっとも、他の【門】がまともかどうかはさて置き。

ともあれ、禁書庫の書物は基本自分に読めるものが少ないと見ている。
友人に頼みつつ、一先ず彼女の言葉に従いこの場から歩き出そう。

「しっかし、ここって魔力が凄そうだけど――見事に俺は何も感じ取れんなぁ。」

セレネ > 「そんな場所に放り込まれても身を守れるように私が教えてるのではないですか。
お望みならもっと厳しくしますが。」

特に最近は歓楽街近辺が騒がしい。この間も大きな音が響いて怯える飼い猫を宥めるのに苦労したのだ。
一体何が起こっているやら。

「あら、それは残念。お金は持っていて損はありませんのに…まぁ、狙われる確率も増えますけど。
……世界中に居るのなら、貴方のような体質の人について記載された本が一冊くらいはありそうですね。」

彼の体質や「貴種龍」についても大いに興味がある。
可能ならその魔力を採取して色々と実験したいくらいだ。
尤も気紛れな”彼”が素直に魔力供給を行ってくれるかは未知数なのだけど。

「視えない方が良い事もありますよ。
漂っている魔力量が多すぎると濃霧のように何も見えないとかありますし。」

背表紙に目を凝らしながら歩みを進め、話題を広げて行こう。

火光雷鳥 > 「師匠!これ以上厳しくって、俺のスペック限度超えるんじゃないすかねぇ!?」

え、いきなりハードモードとか勘弁して欲しいんですけど!?
俺はまだイージーモードか、せめてノーマルモードにしておいて欲しい!

「持ってても困りはしねーけど、余計なしがらみやら色々付いて回るのが金の怖さ、とかうちのクソ親父がよく言ってたよ。
……むしろ、一度会って話とか聞いてみてーわ。正直意気投合する自信がある。」

同じ体質?の持ち主として。ちなみに、『貴種龍』の事は少年はなーんにも知らなかった。
あと、友人がいささかマッドな博士の思惑を抱いているのも当然気付いていなかった。

「見えないし感じ取れないし、自力で魔力の精製すら無理らしーからな俺。
魔力の感知、魔術の行使、あと他人に魔力の譲渡?も駄目、となるとマジでこっち方面才能ねーのなぁ、俺。」

魔術の講師や研究者に聞いた事があるが、結構な激レア物件だが自分みたいなのも何人かは居るらしい。
まぁ、だからこそ友人に頼んで魔道具を使って間接的に魔術を使う!という方向性になったのだが。

(一度くらいは自力で魔術を使ってみてーけど、無いモンはしょうがねぇしな)

友人が背表紙に目を向けている間、こちらは取り敢えず周囲を何となく見渡しており。

セレネ > 「…これでも大分マイルドなのですけど…?
私の師の方がスパルタでしたよ。」

己にとってはイージーでも、彼にとってはハードなようだ。
多分己の師からの教えであれば彼はすぐに音を上げていたのかもしれない。

「お金関係の問題は特に厄介ですからねぇ…。
お話相手が貴方と同じように一般人なら良いですが。」

嫌な事を思い出し、一瞬死んだ目になりながらもすぐに元に戻りながら。

「魔力生成については私も外部から取り込む形でしか賄えないのですよね。
供給が絶たれると本当に死活問題になるので、それが必要ないと考えれば少し羨ましくも思えます。」

元の世界とは違って、此方では自力で供給しないといけないし。
才能がないと嘆く彼に少しだけの羨む視線を投げかけて。

「…んー。あぁ、これなら貴方でも読めるのでは?」

日本語で書かれた≪門≫について纏めた書物を見つけ、立ち止まって手に取ってみる。
相手が読むつもりなら、それを差し出すつもりだ。

火光雷鳥 > 「あのなセレネさん?俺、生まれも育ちも普通でクソ親父との仁義無き乱闘くらいしか戦闘経験無いのよ?
…なーんて、まぁ自衛手段は確かに必要だしな。特に落第街とか…二度迷い込んだし、絶対三度目来るだろうし。」

まぁ、要するに自衛手段くらいはきちんと身に付けたいとは思っている。
あと、何だかんだ勘が良いので友人との模擬戦闘もこの前は中々良い線は行っていた…のか?

「金銭トラブルは普通にアレだしな…。うん、まぁ、そうね…せめて話が通じるといいな。」

友人とは別の理由でちょっと死んだ目になる。
もし、俺と同じような体質の人と会えたとしても意思疎通が出来なかったら駄目じゃん!?

「俺はその外部から取り込むとかも出来ないんだよなぁ。
体内もだめ、周囲からも駄目、ってもう魔術は自力じゃ絶対無理!と、割り切りつつあるけどさ。」

ちなみに、他人から魔力を仮に流し込まれても直ぐに『消える』らしい。
これは多分、脳内の『アレ』のせいだと彼自身は思っているのだけf度。

「まぁ、俺がそもそもこの島に来たのは魔術じゃなくて異能の制御の為だしな。
魔術については魔道具方面で頑張るさ。異能は…まぁ、うん。」

未だに扶桑百貨店で購入したグローブ型の異能制御機器がないと使い物にならないレベルだ。
発火能力といえばありふれているようで、地味に制御も難しいんだよなぁ、と最近痛感している。

「お?マジで!?どれどれ――…ってか、書物っていうか研究資料みてーだな、これ。」

彼女から本を受け取れば、繁々と表紙を眺めてからページを捲り――うわ、専門用語とかびっしりだわ。
思わずパタン、と反射的に閉じてしまうが気を取り直してまたページを開く。

セレネ > 「むしろお父様とはどうしたらそんな乱闘騒ぎになるのです…?
孤児院の子ども達でさえ、一部を除いて父に刃を向けようと思う子はいなかったのに。」

その一部は、己の養父に実の両親、家族を殺され引き取られた後も復讐心を絶えず燃やしている子達なのだが。
先日の戦闘訓練については案外動けている彼に驚いたりもしたし、今後が楽しみだとは口にはまだ出さず。

「貴方のように一般人を自称している人って、貴方だけだったりしてー。」

なんて、クスクスと小さく笑いながら。

「…この世界の人は、魔術を扱えない事をコンプレックスに思っている人が一定数居るみたいですね?
先日貴方のように魔術が扱えない子と知り合いまして。
どうすればそのコンプレックスが拭えるかと考えているのですが。」

彼女もこの少年と同じように、魔道具を使えば魔術を扱えるようになるのだろうか。
いやしかしそれはそれで、更にコンプレックスを悪化させたりしないだろうか。
持たざる者の悩みは、持てる者には分からない。
だからと少し、相談を一つ。

「閉じないで下さいな。
私、専門的な日本語はあまり得意ではないのでお任せします。
私は別の本を探してますので。」

一度反射的に閉じた彼にジト目を向けては、持っている本を彼に預けて。
己は己で別の本を探しに行こう。

火光雷鳥 > 「いや、ある意味でコミュニケーションの一部みたいなとこがあるからなぁ。
俺が喧嘩慣れ多少してて、何だかんだある程度は動けるのも親父との乱闘騒ぎの賜物だし。」

少なくとも警察沙汰とかにはなっていないだけまだ平和だと思う…平和か?まぁいいや。
あと、友人兼師匠に今後の成長を楽しみにされているとは思っても居ない少年であった。

「異能持ってる時点で一般人でも凡人でもねーって話なのは理解してるよ。最近厄介な体質も判明したしな。
だから、一般人とか凡人を自称してるのは俺の拘り、というか意地みたいなもんさ。」

と、少しからかうような友人に意外と真面目な表情でそう答える。
あまり頑固ではないつもりだが、『凡人』への拘りは並大抵のものではなく。

「そりゃ理由や経緯は人それぞれだろーけど、一定数は居るもんだろうさ。
…って、俺と同じ?その人も俺みたいに魔力がゼロな感じだったりするのかね?
一度話してみてー気もするけど、俺はもう魔道具で代用する、という方向性で妥協しちまってるしなぁ。
もし、その人が何がなんでも魔術を自力で使いたい理由や拘りがあるってんなら、どうだろうなぁ。」

さっきも思ったが、魔道具での代用と割り切ったとはいえ、自力で魔術を使いたい気持ちは彼にもある。
コンプレックス、劣等感、色々ありはするがそういう気持ちだってある。吹っ切れた訳ではない。

「根気よく話して理由を聞いてみるか、相談に乗るとか…セレネさんなら力になれんじゃね?
俺は共感とかは出来ても、悩みの根本的解決は出来るかわっかんねーし。」

何故なら、自分も魔術方面に関しては『持たざる者』だからだ。
さて、ページを捲りつつ読めそうな範囲だけ目を通していく。違う本棚を探しに行く彼女に、軽く手をヒラヒラと挙げて答えつつ。

「――脳内…先天性…世界中で10数例確認……いずれも何らかの障害持ち?」

ぼそぼそと呟きながら、その単語を見る――それは。

火光雷鳥 > 「『異界接続者』――世界最小の門、か。」
セレネ > 「…喧嘩がコミュニケーション…?
私には分からない世界ですね。」

必要でない限りは諍いも殴り合いもしたくない性分。
そんなのがコミュニケーションになるなんて、と蒼を不思議そうに瞬かせて。

「ふぅん。
…まぁ、貴方が何に拘ろうとそれは貴方の自由ですからね。」

珍しく真面目な顔つきの彼に、片手で口元を覆ったまま告げる。
己に害がないのならどうしようと関係ないのだし。

「さぁ、どうなのでしょう。
…確かに貴方とお話させてみたい気もしますが、彼女対人関係に難があるみたいで。
とりあえず、もう少し仲良くなってから場を設けるなりしてみますけど。」

初対面で見抜けたのはその程度。
後は彼女自身に魔力が視えなかったのも一つ。

「かなり警戒心の強そうな子でしたから、時間はかかりそうですが…まぁ、頑張ってみますよ。」

話したかったのはそれだけだ。後は今後の経過次第。
己も警戒心が高いので、少し似ている所もあるかもしれないし。

「――。」

本を探しつつ、彼が呟く言葉に蒼が細められた。

「有用な情報はありましたか?」

火光雷鳥 > 「いや、まぁ親父とは反りが合わないっつーか、上から目線のマウントが多くて俺もイラッとしたりなぁ。」

ベクトルは違うが、俺の頭の中の『奴』みたいなものである。
不思議そうに瞬きする友人に苦笑気味に肩を竦めつつ。

「まぁ、拘りっつーか…別に俺は超人でも人外でもねーんだし。地に足の付いた生き方でいーってだけ。」

分不相応な権力も富も名声も力も荷が重過ぎるし、そもそもそんなのは別にいらん。
無欲、という訳ではないがそういう欲求がいささか薄味な所はある。

「いや、別に無理に場を設けなくてもいーぜ?その人が俺と会ってみてもいいっつーなら別だけど。
まぁ、対人関係というかコミュ障か…まぁ、そういうのは時間を掛けるしかねーと思う。」

そんな直ぐに解消されるものでもない訳だしな、と本のページを捲りながら。
「…つーか、警戒心が強い、って俺みたいなのはむしろ避けられそうだよなぁ」と、ぽつり。

「ん?ああ、何かこれかな?っつーのはあったぜ。
異界接続者っていう通称らしい。世界最小の門なんだと。
んで、これは脳内に別世界に通じる門というか穴?みたいなのがあって、それを通じて特定の一つと繋がってるんだとさ。
世界中で10数例確認されてるっぽいから、俺がこれだとしても他にもご同類が居るっぽいな。」