2019/02/22 のログ
ご案内:「大時計塔」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 >  日もすっかり落ち夜。ここに彼の姿はあった。
 ツナギ姿で近くには道具箱と思われる箱。彼の仕事の帰りなのだろう。おそらくは夕食と思われるカップ麺とお茶も置かれている。
 麺が出来るまでの間何をしているかというと。

「……そろそろ買いなおすべきか」

 道具の一つを弄っている。手にしているのは凄まじく目の細かい鑢。修理などの時に細かい錆などを取るのに使っているのだが。
 その分すぐに悪くなってしまうのである。
 しかも性質が悪いのは良くも悪くも普通の鑢ではないということ。彼の分野は魔術や異能に対応した道具。即ち削る物も鉄や鋼どころか場合によっては魔術のこもった非常に硬度の高い物質だったり、場合によってはその逆。とんでもなく脆い物質だったりするわけで。
つまりは

「この辺に専門店ってあったか……?」

 かなり専門的な店でしか買えないのだ。本当ならともかくこの辺ではまず無い。
 本当や他国を介した通信販売などなら買えるかもしれないが、目で見て手に取らないと実際に合うかもわからない。
 難しい顔で時計台に座りながら鑢を手にしているという一見不思議な光景だが。彼にとってはかなり真剣な問題なのである。

白鈴秋 > 「……とりあえず今度探してみるか」

 一旦考えるのを放棄し、出来上がったカップ麺をすする。
 家で食えと思うかもしれないが、思いついた場所がここだったのである。一人暮らしのフットワークの軽さは凄まじいものがある。

「まぁ寒い日だったら無理だなこれ」

 まだ比較的暖かいから出来たというのもある。もし寒い日ならば手が悴んで下にカップ麺の雨が降ることだろう。
 これがもう少し品のあるものであれば絵になるかもしれないが。仏頂面のツナギ男がカップ麺をすするというのは中々にこの時計塔のイメージには合わないだろう。

白鈴秋 >  食べ終わると立ち上がる。ゴミを集め、鑢も道具箱へ入れる。

「さてと、そろそろ帰るか」

 変な場所で食べる夕食。だが不思議と不味いわけではなかった。家で一人で食うよりはなんとなくマシだったのかもしれない。
 そうして彼は帰路へつく。明日道具は見つかるだろうか。

ご案内:「大時計塔」から白鈴秋さんが去りました。