2020/07/02 のログ
ご案内:「大時計塔」に黒龍さんが現れました。
■黒龍 > かつては、偽造学生証によるものなれど一時期学生として過ごした学び舎。
この大時計塔にも、気分転換の一服に何度も来たものだ。たかが1,2年前とはいえ随分前のようにも感じる。
「――つっても、相変わらず立ち入り禁止の割には警備がザルっつぅか…建前みてぇなもんか?」
今は学生の身分はとうに返上していて、二級学生ですら無い落第街暮らし。
風紀や教師陣辺りに見つかれば一大事だが、今更そんな事を気にしてもしょうがないし元から気にしない。
何やら落第街やスラムは慌しくなったり色々な所が動いていたりと忙しないが…ここは静かなものだ。
(――これで、この世界の大気中の魔力が俺の体に適合してりゃ文句はねーんだけどなぁ)
その唯一にして致命的な食い違いのせいで、今は魔術を満足には使えない身だ。
口の端に煙草を咥えながら、煙を燻らせつつ時計塔の天辺…比喩無しに時計塔の”一番上に”立ちながら夜景を眺めて。
■黒龍 > 「――流石に、こっち側にゃ”終焉”の気配は見えねーな…見えないだけで、火種は案外燻ってんだろーが」
黒い龍の成れの果て、残骸の身の上なれどその特性の一部は今も健在だ。
終焉――こちらの世界風に言うのなら”死の気配”を男は黄金の瞳を通して視覚化出来る。
落第街…いや、スラムは特に死の気配が濃いが…こちら側も薄いとはいえ皆無とも言えない。
そもそも、争い以外でも死因は様々だ…病気、老衰、事故…キリが無い。
「…そろそろ新しい煙草でも開拓してみっかなぁ」
こちらの世界に来て一番気に入ったのが、この煙草である。
黒いパッケージのそれを愛用しているが、偶には別の煙草にも手を出してみたいもの。
1本目を吸い終えれば、ポイ捨て…は、せずにゴソゴソと金属製の携帯灰皿に吸殻を放り込む。
すぐさま2本目の煙草を吸い始める…今は魔術を全て封じているので、律儀にライターで点火だ。
■黒龍 > 別に見たくて終焉なんて見ている訳ではないし、せめてものカモフラージュとしてサングラスなんかしている訳だが、正直あまり意味は無かった。
まぁ、裸眼よりは幾らかマシなので結局、煙草と黒ずくめに並ぶ自身のトレードマークになりつつあるが。
お蔭で、マフィアやらチンピラやらヤクザやらよく勘違いされるが、あながち間違いともいえない…のか?
流石にスーツ姿は最近は控えるようにはしたが、結局あまり変わって無い気がする。
「そういや、あいつ全然見かけねーが生きてんだろーな?いや、機能停止っつぅのが正解か?」
成り行きで自身が保護して上位権限者になったとある別世界の生体兵器の少女。
この左腕の義手もその少女に用意してもらった物だ。まぁ、アイツは今も何処かの空を飛んでいるのだろう。
■黒龍 > 「空を飛ぶ――か。今の俺にゃ空は遠いっつーか」
夜空に右手を伸ばし…星のひとつをグッと掴み取るような仕草。煙草の紫煙で夜空が煙る。
――何か、柄にも無く感傷的っぽい事をしてしまった気がする。
そろそろ引き揚げるか、と2本目の煙草も携帯灰皿へと放り込んでしまい。
そのまま、時計塔の天辺から”飛び降りて”…地面へと着地。
魔術を封じていても龍の残骸の肉体は頑強だ。何事も無かったかのように立ち上がりつつ、堂々と時計塔を一人後にするのだった。
ご案内:「大時計塔」から黒龍さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に神樹椎苗さんが現れました。
■神樹椎苗 >
昼日中の時計塔。
そこは中も外も気温と湿度で蒸し風呂のようになっている。
まあ本来は立ち入り禁止の場所であるため、そうなっていても多数の人間には関係がない事なのだが。
「くそ暑いですね……。
これ夏本番になったら地獄じゃねーですか」
首に巻いた濡れタオルで汗を拭きながら、椎苗は時計塔の扉を開けて外に出た。
「ああ、やっぱり撤去されてやがりますね。
勝手にやった事だから仕方ねーですけど……気に入らねーやつがいたんですかね」
それも仕方ないと思いつつ、吹き抜ける風に吹かれながら、柱の陰に腰を下ろした。
■神樹椎苗 >
本当ならこの日も、ひっそり『試験勉強』に励むつもりだったのだが。
気温と湿度で、すっかりやる気がそがれてしまっていた。
「あー、なんもしたくねーですねこれは。
何もしたくなさすぎて、うっかり死んじまいそうです」
柱にぐったりと寄りかかり、足も投げ出し、ボケっと脱力している。
一応ほんのりとしたやる気は見せて、バッグから問題集くらいは取り出して見せたが、ページを開いただけで膝の上に投げ出してしまっていた。
■神樹椎苗 >
「あー……このままじゃやべーですね。
何も手に着かねーです」
そう言えば暑さと湿気に負けて、癖すら出ていない。
このままだとすっかりバテてしまいそうだ。
「もう昼も過ぎてますし、一度冷たいものでも食べに行くのがよさそーです。
クーラーボックスに飲み物でも入れてきますかね」
億劫そうに立ち上がり、椎苗は時計塔を下りていった。
ご案内:「大時計塔」から神樹椎苗さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に幌川 最中さんが現れました。
■幌川 最中 >
広い学園に響き渡るチャイムを一身で担う大時計塔。
高くそびえる大時計塔は、常世島の端から端までを一望できる。
そして、お気持ちばかりの「立入禁止」。風紀委員の幌川最中は、そこにいた。
「今日は誰もいなくて大変よろしい」
煙草に火をつける。パッケージは、学生街で買えるものではない。
落第街でしか買えない『校則違反』の、違反部活製の一品だ。
パトロールの皮を被った灯台下暗し作戦は続行中。
上機嫌に、遠景を眺めながら一息で煙草の煙を吐き出した。
ご案内:「大時計塔」に宇津篠 照さんが現れました。
■幌川 最中 >
口で葉巻を加えたまま、携帯端末に視線を落とす。
様々な風紀委員の学生が提出した、報告書の数々をまとめた《書庫》。
風紀委員ならば誰でもアクセスできるそれを眺めれば、大抵。
この島で何が起こり、誰がどうしたか、という情報が手早く手に入る。
人の目の数。動ける人員の数こそが武器であると息巻く委員もいる。そうかもしれない。
「えーと、歓楽街でクソしつこいナンパに……」
スワイプ。画面が流れる。
「……食い逃げねえ。皿洗いでもすりゃいいのに」
肩を竦めながら、ある意味常世島ホットニュースの集まるそれをぼんやりと眺めていた。
■宇津篠 照 > 大時計塔。立ち入り禁止、なんてことになってはいるものの立ち入ったことがあるものも多いだろう。
警備員すらいないのだ。とはいえ、風紀なんかに入るところをみられると面倒ではあるので、塔近くの物陰から上まで転移する。
もしかしたら空間が少し歪んだことに気が付くかもしれない。
「ふう。試験勉強疲れたしたまにはここで景色を眺めるの……も……」
……なんてことだ。どうやら、風紀は上の方で見張りを始めたらしい。あまりの事態に一瞬頭の中が真っ白になる。
■幌川 最中 >
声がすれば、面白そうに視線をそちらに向ける。
「おやおやおや」
ふーー、と一息でまた煙を吐き出してから、笑い掛ける。
風紀なんか。まさにその人。赤い委員会制服を腰で巻いた、浮浪者のような雰囲気の男。
歪んだ空間には気付かなかったが、人影に気付くことは容易だった。
「ここは立ち入り禁止だぞ!
名前と所属と学年を言え! さもないと……えーと、アー、えー、」
神妙な顔をしてから、指をさす。
「不幸になるぞ」
風紀委員会の厳しい後輩を見習ってみようかと思ったものの、どうにも。
片手に葉巻、片手に携帯端末の状態では威厳も圧もなかった。
■宇津篠 照 > 冷や汗が止まらない。もうこの際怒られることは確定だが、下手をすると裏の方がバレる。
どうしようかと返事が遅れるが、"不幸になる"なんて指をさされてなお沈黙を貫くわけにはいかない。
「はっはい!えっと、二年生の宇津篠 照。所属は、えっと部活や委員会は特に入っていません!」
途中で少し言い淀んだが、猫を被りつつ答える。まあ、正式な部活には入ってないので嘘ではない。
「って……その、あなたの方も大概なのでは……?葉巻に携帯って本当に仕事中なんですか……」
とりあえず答えられたことに安堵しつつ相手を見れば、なんだか風紀といった感じではない。
話が少しでもずれるといいなという淡い期待を込めて言う。
というかこれ、もしかしなくても時計塔に上ってくる生徒の監視というわけではないのじゃないだろうか。
いやまあ、制服を――なぜか腰に巻くという形ではあるが、持っている以上風紀ではあるのだろうが。
■幌川 最中 >
「はいはい、宇津篠 照ちゃんね。
ちゃんと返事があったので今回はお咎めなしとしまーす。
次から気をつけるように。ただ事情聴取はしまーす」
お決まりの風紀委員会の声掛けに余計な一言を追加して、男は笑った。
言い淀んだのにも少しばかり気を取られたが、わざわざ言うことでもなし。
この学園で「そう」しているなら、「そう」なのだから。
「俺はいいんだよ、俺は。よくないけどね。
よくないから人が来ない場所選んでたんだけど……照ちゃんも同じ穴の狢?」
冗談交じりにそう言ってから、スペースを少し空ける。
用があってやってきたのだろうし、幌川は結構スペースを取る。
「仕事だからってサボらないで常に仕事するとか疲れちゃうでしょ。
俺ァそういうのはね……。バレないならサボってたいんだよ。風紀委員も人間だからね」
まるで自分が全風紀委員の代表と言わんばかりの表情で、
サボりをこれ以上なく正当化した。委員会に入っていない相手で助かった。
相手が風紀委員だったら大変なことになっていた。違うのでセーフ
■宇津篠 照 > 「はい、ありがとうございます。」
とりあえず最悪の事態は免れたようだ。そう言って頭を下げる。
どうやら相手も理由は同じらしい。
「あはは……どっちなんですか。……まあ、私もそんな感じですね。ゆっくり休憩するにはちょうどいいんですよね、ここ。あんまり人はいないし、景色もきれいだし。」
相手の言葉に答えながら、自分の分のスペースを開けてくれたようなのでそこに腰掛ける。
用と言っても本当にそれだけだ。裏は何時も通りだが、表の方で試験勉強をしないといけないので結構疲れる。
「まあ、確かにそうですね。それにしても、風紀委員ってもっとお堅い人ばっかりだと思ってました。」
実際今まで見てきた風紀委員(モブ)は大体お堅い感じだったので意外だ。
相手がさぼり中で助かったなあ、なんて思いながら景色に目を、相手の言葉に耳を向ける。
■幌川 最中 >
「だよな~~。
景色とか結構見に来るし人がいないことを知ってるくらいここに来ると。
前科二犯くらいだな。……ま、一番高い場所があるならそこ選びたいのはサガよな。
バカか煙かの二択にもなる。俺は前者のほうだけど」
7月頭。学生にとっては前期の期末試験を目の前にした時節。
どうにも気分転換は必要だし、多分期末試験の気分転換が必要なのは、
バカか煙かでいえば前者だろう。勝手に失礼を積み重ねてから、男は笑う。
「いやあ気の所為気の所為。風紀委員全員真面目とか幻想。
常世島にあった怖い話7選に入ってくるくらい怖い話。全然そんなことないから。
まああのへんとか、あのへんにいる風紀委員は忙しいんじゃねえかなあ」
大時計塔から指をさす。常世島の全景。
落第街と、未開拓地区を指差してから幌川は肩を竦めた。
「ほら、俺はここにいるから忙しくない。QED」
■宇津篠 照 > 「うっ、そ、そのことはあまり深く聞かないでもらえると……。」
どうやらうっかり墓穴を掘ったらしい。これはしばらくここに来るのは控えたほうがいいかもしれない。
「んー、その二択だと私は後者の方がうれしいなーなんて。」
バカか煙かといわれるとバカとは認めたくない。
いやまあこうしてサボりに来たところを、間抜けにも風紀に見つかった時点で言い訳の余地もなくバカ、少なくともアホであろう。
「あー……確かにそこで活動するなら忙しいんでしょうね。」
指されたのは落第街と未開拓地区。まあそりゃあそこにいる人が出会った風紀のほとんどであるからそうなるか。今度から発言するときは気を付けよう。
「成程、確かに完璧な証明ですね。……あれ、でもそれだとサボる必要はないのでは……?」
■幌川 最中 >
「……大丈夫さ、照ちゃん」
ニッコニコの笑顔で肩をポンと叩く。
幸いだったのは、相手が自分が10年留年している学生だと知らないことだ。
もしこれを知っていたら、普通に救いのない話になっていた。
「なんとかなる。人は、勉強ができなくてもなんとかなる。
どうにでもなる。……まあ、本当に卒業が心配なら委員会やら部活やらで、
特別単位もらって卒業するって手もあるから。学生のうちにできることに全ツッパしたほうがいい」
煙であると言われれば、長い息で煙を吐いて笑った。
葉巻の甘ったるい香りがふわりと広がり、やがて霧散する。
「あっちから通ってる学生とこのへんに住んでる学生とじゃね。
風紀委員会も一緒。……いや、だって仕事ないのに無理に仕事探すか!?
仕事がないのに『風紀いりませんか~』って言って歩くの不審者じゃないか!?」
携帯端末の灯を消す。そして、肩を竦めながら。
「風紀いりませんか~」
ちょっとだけからかうように、照へと笑う。
■宇津篠 照 > 「えっと、ありがとうございます。……委員会って特別単位なんてでるんですね。」
……勉強できないわけではないのだが何か盛大な勘違いをされている気がする。――まあこちらも相手がそんなにも留年してるなんて思ってもいないのだが。
あれ、あのタバコもしかして違反部活が売ってたやつでは……まあ、今更突っ込むのもあれだし、なんならこの風紀委員ならその程度の事笑い飛ばしそうでもあるが。
「ふふっ、確かにそれは不審者かもしれないですね。『必要のないところ』に押し売りしてたら悪徳業者と変わりないですし。」
相手が携帯の画面を切った。そろそろ帰るのだろうか……。
なんて思ってこちらも立ち上がろうとすると、特大のジョークをかましてきた。思わず口を押えて噴き出す。
「失礼しました。……こんなところに今いる私には必要かもしれないですね。」
なんていって笑い返す。