2020/07/07 のログ
ご案内:「大時計塔」に怪盗マスカレイドさんが現れました。
怪盗マスカレイド > 「煌めく星々の放流は、愛しき君への想いそのもの!嗚呼、なんて素晴らしいのだろうね!溢れた星の川のせせらぎと共に、君へと愛を囁けるなんて!素晴らしい!!今宵どの星よりも、君が一番美しく輝いている!」

左手を胸に添え、空へと右腕を伸ばしながら心酔したように大袈裟な言葉を並べ立てる。
立っているのは大時計塔の―――屋根の上。
一番高い高い場所で芝居がかった言葉を並べている怪盗は、今、とても退屈していた。

「……お父様だったらもう少し気の利いた事を言いそうだけど、このレベルでも恥ずかしいな。流石お父様だ。」

そして左腕を胸下に回して右手では顎を持ち、ブツブツと小声で呟いた。
余りに暇すぎるので怪盗っぽい物言いを練習中だ。
既に―――……自分の役割は、見失っているのに。

「……久々に着たけど落ち着くっちゃ落ち着くけど、獲物がなー。」

ぼやきながらスルスル屋根から降りて鐘のある一室へ。
清掃用か点検用か、まぁどっちもだろう梯子が鐘の近くにあるが、格好良くないから使わなかった。

「盗んでも良い人達が悲しまなくて、寧ろ救われて、悪い奴らを懲らしめられる盗みって……地球ではなんだ?」

くりぬかれた壁、外に繋がるその場所に足を投げ出すように腰を下ろす。

「はぁ、ボクの願いを叶えてくれよ……」

ご案内:「大時計塔」にナナシさんが現れました。
怪盗マスカレイド > 「……っと、いけないな。この格好の時は言葉に気を付けねば。」

思い出したように首を左右に振って立ち上がり、誰も見ていなくとも所作に気を付けるようピシッと立つ。

「ふふ、これでも僕は可憐な乙女たちのひと時の夢。壊してはいけないからね。」

悦に入るように口元に右手をやって微笑むがただの不審者だし、そもそもそれは元の世界での話な上に今まで築き上げてきたのは先代たちである。
けど、こんなのはしょせん、目的を失ってしまった事に対する強がりに過ぎない。

「…………怪盗は盗みが天命だというのに、やるせないものだね。」
「……元の世界に返して、という願いすら聞き届けてはくれなさそうだ。」

願いを短冊に書くのが七夕の習わしと聞いたが、書いても無駄な事を理解しているからか、諦めたようにぼやいた。

ナナシ > 「もう遅いんじゃないかね?僕がきっちり聞き届けてあげたぜ!
ところでこんな夜中に何をしているんだい?一人でぶつぶつと楽しそうじゃないですか!」

立ち上がった少女の視界の端から突然割り込んでくる上下逆さま銀髪を中空に揺らす少女の顔が揶揄うような笑っているような馬鹿にしているような表情で立ち上がった怪盗の仮面やその全身を一瞥して。
空中を足場に逆さまで直立する少女はその場から動こうとする様子はない。

「その格好、やっぱり?やっぱりじゃないですかね?どうあがいても怪盗にしか見えないよな!」

ケタケタと笑いながらも姿勢を崩さずにビシッと直立を続ける少女。
明らかに不気味な少女だが悪意も敵意も一切ない。
ただ、怪盗を揶揄い遊んでいる様子で。

怪盗マスカレイド > 「――――――…………うわぁあっ!?」

大分間を置いてから声を上げてその場から飛び退いて距離を取ると同時、ジレの胸元に右手を差し込んで隠しナイフ指先に触れさせる。
だが目の前の少女から敵意を感じない為か、その指がナイフを掴む事は無く、ゆっくりと手をジレから抜いた。

「一体いつから……否、良い、聞きたくない。」

空中でさかさまになっている姿には驚かない。
寧ろ存在そのものに驚いてしまった。
自分はやっぱりまだまだ半人前だなと自覚しながら、腕を組んで目を閉じ溜息。

「そうだった、と言うべきかな。何せこの地球では何も盗むものが無い。これでは、怪盗とは言えまい?」

組んでいた腕から右手だけ持ち上げてヒラヒラと振りながら、右目だけ開いて溜息交じりに言った。

ナナシ > 「なるほど!盗むものがないんか〜それは大変ですねぇ」

少女らしい高目の声色こそ変わらないが、その口調はコロコロと変化し続ける。
そしてその全てに演技ががった様子などなく、全てがその本性である。
複数の人格が同時に話しているような少女の口調は気味が悪いだろうか。

大袈裟で大振りに両手を慌てつかせ大事のような雰囲気を醸し出す少女の頭と足の位置が本来の関係に戻る...と言っても相変わらず空中に浮いているわけだが。

「そうだな。奪うものかー考えたこともないっ!
俺は物なんて奪わないからなHAHAHAHAHA!!!!」

まあそれじゃああなたは困るんでしょうけどね、と大笑いしながら付け足す。
目が笑っていないわけでもなく、本心から笑っているようだが、どこか空虚な色が瞳に見て取れるだろうか?

「君がどこから来たかは私は知らないけどぉ?
お前はどこで誰の何を盗んできたのか?答えてもらおうか!」

ようやく直立を解いた少女が夜であることを考慮していないとしか思えない大声と共にビシッと指先を怪盗に向ける。
表情も自信満々であると同時に自信なさげな色が瞳の奥に在る。
そして、その指先はよく見るとわかるが爪の模様が少しずつ先端に向けて移動していることがわかるだろうか。

怪盗マスカレイド > 一言で彼女の印象を語るなら、怪盗は道化師という言葉を使うだろう。
とにかく掴みどころが無いというか、滑稽でありながら何処か不気味さがあるというか。
目の前には少女が一人居るだけなのに、まるで複数人に話しかけられているみたいだ。
とは言え彼女に敵意も悪意も感じられない以上、必要以上に恐れるのは無礼というものだ。

「それは良かった。これで盗みなら得意だなんて言われたら張り合うしか無かったからね。」

少女に答えを求めている訳ではないし、そもそも誰かに乞うものでも無い。
それは理解していたから彼女の言葉を気にする事は無かったが、寧ろ彼女そのものに興味を惹かれた。
笑っているようにしか見えないのに、笑ってはいないようにも見える。
まるで騙し絵だ。

「そもそも異世界なんてものを、ここに放り出されるまで知らなかったから、なんと呼称すべきか僕には生憎分からなくてね。……強いて言うなら此処とは全く違う世界だよ。不思議と言葉は同じようだが、見た目は違う。何を、と言われるとそれもまた困るなぁ……何せこの地球ではごく当たり前の存在らしいからね。君にしてみれば、何故そのようなものを、と思われて当然だから。」

騙し絵のような少女の手を自然な素振りでとると、怪盗の方が背が低いにも関わらず悠然とした動作で此方へ引き寄せようとする。
もし拒まなければその腰に腕を回して、完全に自分の腕の中にお姫様のように抱き留める心算で。

ナナシ > 「ほうぅ?実は怪盗ではなく王子様か何かだったかな?
であれば我も仮面を被るとするか」

騙し絵のような少女は実際はそこに存在するただの少女である。
ただ、実際はその体には女性の特徴はなく、なんなら男性の特徴もないのだが。

無抵抗なまま、むしろ抱き留められる方向へと自ら進んでいった少女の指先にはいつの間にか和風な白い狐の面が挟まれており、その面を上下に振ればそれは突然少女の顔を覆い隠してその様々な色を写す瞳を仮面の下に隠してしまう。しかし仮面は声音や口元まで隠すことはないようだ。

興味深い、楽しい、面白いやつだ、馬鹿らしい。
そんな雑多な正負混ざり合った感情の声がその口元から発せられており。

「当たり前のものかそうか!
つまりこの世界ではそれが盗めない、盗むまでもない、とそう言うことか?
であれば!貴殿がその世界で働いていた盗みをこの世界で再現すればいい!
考えて見なさい。この世界であなたが盗むべきと感じたものには何がある?」

瞬きの間に軍服は白いドレスとそれを飾る宝石へと姿を変えており、口元も小綺麗な化粧におおわれている。
そんな中でもその口調だけは揺るがず、不安定を保っている。不安定という形を保ち続けている。
そして、あなたの世界で盗まなければいけなかったものが、この世界にも似たような状況のものはないか、と問いかけて。

怪盗マスカレイド > 「ふふ、よく言われるよ、お姫様。」

などとお道化ていたが、突然現れた異国の仮面に目を丸めた。
否、この島の位置から考えれば怪盗の方が異国なのだが。
ともあれ今のは手品と言う訳では無さそうだが、これが少女の異能なのだろうか。
抱き留めながらも思考は冷静に彼女を観察し続ける。

「そうだねぇ。盗んだところで価値は無いだろうね。盗まれる側への嫌がらせくらいなものさ。」
「……そうは言うが、僕は生憎この地球になんの知識も無く放り込まれたばかりでね、地球の常識すら怪しいくらいなのだよ。僕が盗むべきものは、虐げられる弱き者、力無き者の代わりに、悪党どもから大事な物を盗む事。全ての者に平等に与えられるべき幸せの権利、とでも言うべきか。まぁもちろんそれが元の世界でも地球でも合法でない事は理解しているがね。」

元の世界ではそれが娯楽というハッキリと見て取れる形で存在していたが、この世界ではそれが分からなくて途方に暮れている。
肩を竦めて、煌びやかな衣装に身を包む彼女の体をまた引き寄せ、踊るようにステップを踏み始める。
それに合わせて何処からともなく蓄音機のような、それでいてハリボテのような小さな玩具が片隅に現れ、スピーカーからクラシックが流れ始める。

「―――そう言えば名乗っていなかったね、これは失礼した。ひとは僕を、怪盗マスカレイドと呼んでいる。当然だが本名は秘密だ。」

ナナシ > ご明察、この仮面は少女の呪いによって増殖した体から生み出された細胞を異能で変化させて切り離したもの。
...つまり少女は例えるなら肉の面を被っている。まあ物質はもう肉ではないが。

「私も名乗っていなかったね、僕の名前はナナシ。名前がないからナナシだ。わかりやすいだろぉ?」

ニヤリ、と口元を鋭く歪めて見せる。声色も明るく、調子に乗っているような色が見える反面、わずかにしょうもない、不要だと言った否定的な部分が極僅かに混じる。
人格の中には名乗る必要などないと主張する者もいるわけだ。

「そういうのをこのせかいではぁっ!義賊って呼ぶんだあぁね!
義賊なら!金持ちから金を盗んでばら撒くっていうのが?一番しっくりくると私は思うね!
だけど、この島ならぁ...こんな物も欲しがらふかも...へ?」

王子様基怪盗の発言から怪盗の仕事は義賊と判断した少女は義賊の自分なりのイメージを語って見せる。
それならば金を盗んでばら撒くのが一番いいと...
しかし、この島で苦しんでいるのは何も貧民だけではない。
王子様に合わせてステップを踏みながらその口の中より現れたのは...

王子様も所持しているであろう、常世学園の学生証。
当然偽物であるわけだが、その学生証には少女の顔とナナシという名前が刻まれている。
しかし、すぐに口内に引っ込めてバキバキと容赦なく噛み砕き、呑み込んでしまう。

「文字通りこれを持たざるモノたちは...虐げられる弱者だろう?
彼らには幸せの権利はあるかなあ?」

この世界に来てからそう長くないのであれば、どうだろうか。
これを持っているから悪党というわけではないだろうが。

怪盗マスカレイド > 「ナナシ、かい?名前が無いのに、ナナシという名前を持っている。ふむ、不思議だね。」

下唇を持ち上げながら肩を竦めてお道化た。

「はは、確かに金をばら撒くのは手っ取り早いかもね。金があれば、と思う事は悪い事ではないし、生きていたら幾らでも思う事だ。」

少女の言葉に笑っていたが、ふと口から出てきた学生証に目を丸めた。
それから首を傾げて彼女の話を聞いていた。

「あるだろう、そんなものが無くたって。虐げられている様子は無いが、僕がまだ見ていないだけかもしれないね。だがそれは不当に一部の人間が独占している訳ではないのだろう?少なくとも僕が持っているものは、正式な手続きを踏んで入手出来た。勿論持てない理由もあるのだろうが、それは少し違う気がするね……。けど、考えてくれた事には感謝するよ、お姫様。」
「まぁ、盗むべきものは追々考えるとするさ。怪盗マスカレイドは、盗む事こそ天命なのだから。」

そう言いながら身をそっと離せば、仰々しく、恭しく、姫君へと一礼する。

「貴女のように美しい方と特別な夜を過ごせた事を、この星空と貴女に感謝を。それでは姫君、ご機嫌よう。」

そう言うとその場から塔の外へと飛び降りる。
もしその姿を目で追ったとしても、いつの間にか夜の闇にその姿は消えているだろう。

ご案内:「大時計塔」から怪盗マスカレイドさんが去りました。
ナナシ > 「あれ?意外としっかりしてたかあ」

えへへ、と王子様が消えた方向へと照れたような笑みを数秒浮かべるが、電球がoffになるように即座に笑みが消滅し、闇を見つめる眼には興味が浮かび上がり。

「何を盗むのかは知らないけど、せいぜい面白いものを盗んでくれよ。」

期待してるよ、と言わんばかりに。
怪盗がそこまで愚かだとは思わないが。
面白いものを見せてくれることを期待していると。
少女の口元が醜い三日月へと変貌した直後、その場にはドレスと仮面のみがおいていかれ、その他の少女や怪盗がいた痕跡一切が、消滅していた。
その場に残されたのは、まだ人の温かみを残したドレスと仮面。
ただ、夜の冷たさはその温度すらもすぐに奪い去ってしまうだろう。

「また会おうね。マスカレイド。次は怪盗となった君と」

ご案内:「大時計塔」からナナシさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」にソフィア=リベルタスさんが現れました。
ソフィア=リベルタス > 「んー……」

今日も一人、大時計塔から街並みを眺める。
別にこれと言ってまた悩んでいるとか、何かに不安に駆られるということではない。
単純にここの眺めが美しいからつい足を運びたくなるのだ。

「矛盾、矛盾ねぇ……。」

考えているのはつい先日の談話の事。
自分の存在について随分と整理させてもらったが、
はてはて、この時間稼ぎもいつまで続いたものやら。

「人間とはかくも難しい生き物だなぁ。」

自分のことがわからない、弱く崩れそうな人間もいれば、
余りに強すぎる自我を持った人間もいる。
まったくもって不可解で奇妙な生き物だ。

それを眺めていることが、楽しみでもあるのだが。

今日も今日とて街並みを、人の営みを眺めている。

ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
> 「しーいーなーちゃーん?」

猛ダッシュで駆け上がってくる音がして、振り向けば小さな身体、ずいぶん小さなお客様で

ソフィア=リベルタス > 「んぁ? こども、いやちょっとまっ、はしったらあぶないよ!?」

思わず立って身構える、こんな高い場所から落ちたら一大事なんてものじゃない。
というか誰だこの子は、保護者はどうした、しいなとは誰の事かね!?

色々頭をよぎるがやるべきことは一つ、とりあえず受け止めなくては。

> 「わわ、だれ?」

ききき、と脚ブレーキであわてて止まりながら同年代ぽい少女を見つめる幼女

ソフィア=リベルタス > 「ほっ……止まってくれたか。 え、同年代……いやそこまで小さくはないだろう。」

安心した様子で胸をなでおろすのは、絵本の中から飛び出てきたような、少々洒落たドレスを着た少女。
見た目年齢的には13,4歳くらいだろうか。

頭と尻尾には、猫の特徴をよく表した耳と尻尾がついていて風にゆらゆらと揺れている。

「ここは一般生徒は立ち入り禁止だよお嬢ちゃん。」

> 「ん?おねえさんだれ?」
じーと見つめる瞳

「ねこのおねえさん、ここは入ったらだめなんだよ?」

赤い服、風紀の赤い色だ、あれ?

ソフィア=リベルタス > 「話が通じていない!? うん、えっとだなぁ。
 入ってはいけないのは生徒だけで、私は先生だから入ってもかまわないのさ。
 あぁ、そうだね。 自己紹介をしておこうか。
 私はソフィア。 ソフィア=リベルタス。 この学園で先生をしているんだ。」

ここまで若すぎる生徒というのは少々扱いに困る、というのはある。
何せ行動の予測がしずら言ったらないのだ。
何か目的があったように見えたけれど。

「君の名前はなんて言うのかな?」

> 「んー、せんせい、すごい!」

尊敬の眼差しだ

「そふいあせんせい」

幼女は混乱している

「あいじゃない、のぞみ、じゅっさい!」

ソフィア=リベルタス > 「うむうむ、すごいだろうすごいだろう。」

大きく頷いて見せる、実際先生はすごいのだ。

「そう、ソフィア先生だ。 ……ん? あいじゃない?」

首をかしげてから。

「何かわかりずらかったかな? ふむ、君はのぞみというのか。」

「随分小さいが……おおう、10歳か……、何かの用事、あぁいや、誰かに逢いに来たのかな?」

ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
> 「んとね、ないしょ」

喋ったら怒られるかなあと口チャック

「ん、ただの希」にっこり笑う

「どしたの?ソフィアせんせーは?」

無垢で純粋な瞳である

ソフィア=リベルタス > 「ん? 私かい? 私はここから景色を眺めていたんだ。
 人の営みというやつかな。 こうして眺めて、記憶しておく。
 そうすることで、また次着た時、この街や人間がどう変化しているかを観察しているんだ。」

……と、言ってから、この少女には少々わかりにくいかと思いなおす。

「あー。 簡単に言うと。 町の見回りだな!」

子供に説明するのは実に難しい。

> 「いとなみ?おぼえる?、んー」

宇宙希になりながら

「みまわり!たいへんそう、おつかれさまです!」

せんせいは大変、希覚えた

> 【せーぶ!】

お互いの限界のためせーぶいたします

ご案内:「大時計塔」からさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」からソフィア=リベルタスさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」にラピスさんが現れました。
ラピス > 今夜のへっぽこ小娘は、大時計塔にやってきていた。
理由は単純。登ってみたかったから、である。
天辺まで行けば、素敵な景色が見られるらしい。この間生徒から聞いたのだ。
なぜ立入禁止の場所の景色を知っているのかは、不問に処しておく。どうしてでしょうね。
閑話休題、少女はえっちらおっちらと長い階段をひいこら言いながら登っていて。

「うぇー、まだあるのですかー、これ先生途中で力尽きますよぅー……」

ぽってぽって。ゆっくりとした足取りで少しずつ上に上に。
やがてどうにか、塔の天辺。開けた所にでると、ぐでーっと潰れることになる。
景色を楽しむには、もう少し息を整える必要があった。

ラピス > 登りきった少女を待っていたのは、彼方まで視える眺望。
今は夜。故に見えるのは夜景だが、灯りがチラホラと見えるのが綺麗で。

「なるほど、これは昼間に来ても良さそうですねぇ。
 ここで一服したら、さぞ美味しそうです。今日はしませんけれど」

集中力を高める効果のある特性煙草は、吸うと眠気が逃げていく。
もうすぐ眠る時間なのだから、必要なく吸うこともあるまい。
のんびりと眺めを楽しむ少女は、そこから小一時間、光景を楽しんで。
それから来た道をえっちらおっちらと、腿をだるぅくしながら戻っていくのだった。

ご案内:「大時計塔」からラピスさんが去りました。