2020/07/16 のログ
■園刃 華霧 >
「……そうかい」
ぼそり、とつぶやく
暑苦しい、本当に
「だけど……それで、いいんだよ、アタシは。
アタシの心変わりを期待してんなら、無理な相談だな。
アタシはとんでもない『欲しがり』なんだ。
だから『真理』なんてでっかい獲物に手を出しちまった。」
暑苦しい問いかけに、
温度のない声で返す。
暑さも冷たさもない、ぬるま湯のように
「『責任』、たぁ大きく出たな?
言ったからには絶対取り消すなよ?
英治くんが『選んだ』んだからな」
静かに告げ――
胸元に手を入れる
そこから出てきたのは一枚のカード
「こいつを持ってけ。
どうせ今のアタシには要らないしね。
どうするかも英治くんの自由。」
投げる
それは少し時間を経たメッセージカード
「親愛なる友へ 佐伯貴子」
■山本 英治 >
欲しがり。奪われるのを拒む。
その全てが、切なく胸を打つ。
「心変わりなんて俺にとって分不相応なこと期待してない」
「俺はあんたに問い続けるだけだ」
「本当にそれでいいのか、ってな…」
「それにあんたを変えるのは俺や誰かじゃない、あんた自身だ」
フン、と鼻息を荒くして頷く。
「男が一度責任と口にしたことを取り消すか」
そうだ、俺は選んだ。これは俺の物語だ。
最期がどうなろうと。あかねさんらしく言うなら、自己責任だ。
それでも俺は、未来が欲しい。どうしようもない甘ったれだ。
渡されたメッセージカードを見る。
佐伯貴子。そうか、さっき出た貴子って名前は。
園刃先輩の大切な友達だったんだ。
「確かに預かった」
頷く。そうだ、どうするかも自由と言うなら。
俺はこれを預かったものとして……いつか園刃先輩に返しに来るのも自由なはずだ。
そういえば。
自由にだってついてまわるのか、自己責任という言葉は。
■園刃 華霧 >
「ソれが、暑苦しイってノ……
少しは分かレ、アフロ」
けけけ、と笑う
「あと、アタシは強情ナんだ。
『玩具』を取り上げラれて、
『素直』に変わルと思うナよ?」
それだけ口にして
少し後ろに下がった
ああ、暑苦しいと言ったら
■山本 英治 >
彼女の言葉遣いが。イントネーションが。
元に戻った。また真実は摩耶化(まやか)されていく。
いや、違う。そのどちらも彼女の本当なんだ。
「暑苦しいアフロはモテないかな……」
へへ、と鼻の頭を指で擦って。
「………人はそう簡単に変わらないし、変われない」
「それでも……素直になる相手くらいは…選べると思うんだけどな………」
俺も一歩下がって、落下しそうになって慌ててバランスを取った。
へへ、と笑った。戦いはこれから。
■園刃 華霧 >
「さーナ。
少なくトも、アタシはモテてるアフロは知らン。
アホなアフロなら知ってるケド」
けらけらと笑って――
更に下がって……
下がって
「ンじゃ、またナ。
作戦くラい、考えトけよ?」
笑いながら……虚空に消えた
■山本 英治 >
「アホなりに、考えます」
「アホなりに、問います」
そう告げて、下がっていく彼女を見ていた。
「わかっています」
敬語で答える。さっきまでの“特別”はもう、雲散霧消していた。
「また会いましょう、園刃先輩」
メッセージカードを大事に仕舞って。階段を降りて行った。
薄暗い階段の中で、さっき落とした煙草が見つかった。
俺はそれを拾って、携帯灰皿の中に無造作に押し込んで。
火は点いた。
あとは、自分の信じた未来に突き進む。
ご案内:「大時計塔」から園刃 華霧さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から山本 英治さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に武楽夢 十架さんが現れました。
■武楽夢 十架 >
何が"登れば"、だ。
"簡単に言ってくれる……!"
この悪態も何度目か。
"この螺旋階段が終わらないのではないかと思ったのは何十回思ったことか。"
"何が登れば絶景だ、フザケやがって。"
筆記科目が先程終わってこれで自分の前期試験が無事終わり、少し余裕が戻ってきて色々と重っ苦しい事情に向かい合うのを一瞬忘れるのに扶桑百貨店の展望台で遠くをみるのはいいかもと同じ農業系部活の野郎どもに話した所
「あそこは男や独り身がいくところではない」「孤高なお前は今シングルスポットな時計塔がいい」なんて唆されて登り始めて休憩含みどれだけの時間が経ったか。
「……あ、ようやくもう少しでかな」
少し上を見上げれば光が見えた。
これで景色が悪かったら流石にキレる。
なんて思ってたが、遠くまで眺められる景色っていうのは中々いいものだな、という絶景が待ってくれていた。
代わりにクリーニングから回収したシャツが早速汗に濡れたけど、これは立入禁止を破って登るやつの気持ちも少しは分かる。
■武楽夢 十架 >
階段が終わると同時に思いっきり膝をついた。
この場に誰かいたとしてもそいつだって同じように疲れるだろ、普通。
最近真面目に鍛えはじめた、とはいっても普通に走るとはまた違うぞこれと心のなかで悪態をつくのも何度目か。
青年としてはこの場で横にならなかっただけ、褒めて欲しいところだった。
「はー……嫌になるね、ほんと」
忙しさで気がつけば日付は過ぎて色々あった日々だったと考えさせられる。
やることは増えるし、考えることも増えた。
呼吸が整ってきたところで立ち上がって周囲を確認する。
誰かに見られてないよな、というちょっとした恥ずかしさもあった。
■武楽夢 十架 >
「誰も居ないか……ま、こんな苦労して登るより扶桑百貨店ならエレベーターで一瞬だ」
それに元気印の子供か普段から鍛えてるとかそういう体力バカじゃなければ早々こんな所来ないだろ。
やること、ToDoリスト、ほんとはやらないし会わないでいた方がいい相手もいる。
実際には観ては居ないが記録映像や情報として調べた、そんな相手様。
お陰でいい人とも知り合いもしたが、なんとも言えない気持ちはある。
「……時間が出来たなら探して会って話すのが義理だよな」
向こうさんは気にしてないかも知れないが
組織の人間としては、このまま『武楽夢十架』としては何もせず終わるというのはベターだ。
しかし、同年代の人としては一言あって然るべきかな、なんて思ったりする訳だ。
自己満足のために。
ご案内:「大時計塔」に日ノ岡 あかねさんが現れました。
■日ノ岡 あかね > 「ところが居るんだね」
くすくすと笑っているのは……立ち入り禁止の展望室に勝手に入り込んでいる女。
ウェーブのセミロング。常世学園制服。黒い瞳。
いつか、出会った女。
日ノ岡あかね。
「久しぶり、トカ君」
相変わらずの笑みを向けて、あかねは展望室の隅で片手を振った。
もう片手には……厳ついデザインのポラロイドカメラを持っていた。
■武楽夢 十架 >
全く、なんていう采配か。
思わず笑ってしまった。
「ははは……ちなみに最初から?」
だとすると結構恥ずかしいな、と顎に手を当てた。
なんとも、噂をすると現れるというか……。
人を驚かせるのが好きなのか、などと考え肩の力を抜いた。
「つい最近のはずだけど、試験とか色々忙しかったのもあって確かに久しぶりな気分だよ。
あかねさんはここで写真撮影?」
振り返って見る彼女はいつかの朝のようか。
笑い返す赤い瞳は、同年代の少女を映した。
■日ノ岡 あかね > 「さて、どうかしら? やっていたことはそれで間違いないけどね」
そういって、現像したばかりの写真を何枚か見せる。
見晴らしのいい景色が写されている。
「トカ君は黄昏に来た感じ? 煙草吸うようにもみえないし」
此処は良く隠れた喫煙所にもなっている。
そのことを揶揄するように、煙草を咥えるジェスチャーだけして見せる。
以前と同じように、ただただ楽しそうに笑いながら。
■武楽夢 十架 >
「その反応は『何も見てない』と受け取っておくよ、俺のために」
にしても、風景撮影とはいい趣味だ。 写真って言えば先輩とかが昔に生産者の顔とかで取られたりしてたが、自分の代には来てない話だな、なんて変な方向を考えてしまう。
「いいね、この島は色んな景色があるし。その瞬間、その時間を残せるっていうのは」
遺すのは自分のためでもあり、誰かのためにもなる。
「黄昏って……いやまあ、来て早々膝はついてたけど、
試験終わりの気分転換だよ。っていうか、喫煙って……吸う人?」
そういう黄昏れるのは、ちょい前に少ししたが気分転換もそういうのを切り替えるってなればそうかも知れないとは思いつつ。
明るい声で返した。
最後はタバコを吸う動作をして問い返した。そういうイメージは……ちょっと悪い格好したら似合いそうだなと密かに思った。
■日ノ岡 あかね > 「ううん、私は吸わないわ。まぁ、たまに吸うけど、常備はしてないわね。友達が良く吸ってるだけ」
同寮の喫煙不良娘の顔を思い出して、ケラケラと笑う。
窓から吹き込む風が、軽くあかねの横髪を撫でた。
「瞬間、時間を残す……いい感性ね? トカ君のそういう情緒的なところ、私はとても好きよ。まぁ、だけど……」
一歩近づく。
夜色の瞳。光を返さない黒い瞳で……十架の紅い瞳を覗き込んで。
「今私に聞きたいことって……それでいいの? トカ君」
あかねは……笑った。
■武楽夢 十架 >
なるほどね、と頷いてから。
続けられた言葉に、全くねと一度目を閉じて笑った。
「……前にちょっと話した時から少し思ってたが
まず先に、同年代としての余計なお節介として忠告しておくけど
素直で相手の気持ちを察するのは凄いけど、心の準備を与えず刺すのはちょっと警戒されるぞ」
ま、その程度なら分かってやってるんだろうけどさと黒い瞳に微笑み返した。
それはバカやった同級生とか先輩に向けるのと同じ瞳で聞き流しても構わないと軽い口調だった。
「そして聞きたいことは確かにあるけど、
先に言わなきゃならないこともある」
君が覚えているかは知らないけども、と勿体ぶった前置きをして。
■日ノ岡 あかね > 「なら、先にそれを聞かせて」
にっこりと笑って、あかねは先を促すように片手を仰ぐ。
手に持っているものはポラロイドカメラだけ。
武器の類いは当然非所持。
異能も……首に相変わらずついている『それ』のせいで使用はできないことがわかる。
十架が『それ』を知っていれば……だが。
「心の準備は好きなだけしていいわよ。私、待つのは得意じゃないけど……少しくらいならちゃんと我慢できるわ」
クスクスと笑う。
楽しそうに。