2020/08/04 のログ
■227番 > 突かれた耳は、それに合わせて震える。
本人はと言うと、気付いていない……というよりは、なにか当たってるな……と言う感じだろうか。
とにかく、気にしていないようだ。
「……珍しい……」
……思い返せば、今に始まったことではない。
路地裏にいた頃も珍しい存在だった、とは思う。
ちなみに目も猫の特徴がある。明るければ細く、暗ければ丸く。
■ラヴェータ > 「む?珍しいことは何もおかしくないぞ?」
珍しい、とだけ呟き思い耽る様子の227に対してお前は何を言っているんだ?とでも言いた気に。
227の思案顔を覗き込み、その瞳を見つめる。
「貴様は珍しくない個があると思うのか?全ての個が普遍的であると?
無論、量産品ではそうも言えないだろうが、貴様は人であろう?」
当たり前のことを言っている、つまり軽々しく、わざわざ説明する必要も伝わっている必要もないとでも言いた気に、雰囲気だけ伝わればいいとスラスラと続けて。
そして突然白い煙を発して白い狐の姿へと変貌すれば。
「貴様はさっき言っただろう?私も珍しいのだ。
ならば貴様も珍しくて何かおかしいか?」
227の膝に狐が乗って、座った。
そして、首を逸らせて227の瞳を見つめる。
■227番 > 「あ、ううん」
別に気にしてるわけではなく。
「考えた、こと、なかった、だけ」
意識すらしたこと無くて。
言われてみればそうなんだな、と。
路地裏で自分を見た人もこう思ってたのかな、と。
ただちょっと前のことを振り返っただけ。
「おかしい?」
おかしいとは思っていない。
見つめる小?動物に、視線を合わせる。
ここは暗いのでまん丸とした、青い瞳だ。
■ラヴェータ > 「まあそうだろうな。
私も貴様も、誰も彼も珍しいのだ。だから、"珍しい"ということ自体が"普遍的"なのだ
だから、誰も気に留めん
珍しいと称され、普通であると言われて、ようやく気に掛ける」
先ほど当然のように語ったのも、それが当然であるからであって。
珍しいことはおかしいことではないが、それが答えではない。
一度悩めた227であれば彼女なりの答えを見つけるだろう。
「ふむ、明るいところを知らんからなんとも言えんが...瞳も猫らしいかもしれんな。
明るくできる物があれば良いのだが...フラッシュバンが欲しくなるな」
物騒なことを言っているが、227の瞳が丸いことを指摘して。
確認する手段を探して。
■227番 > 「……うん。珍しくて、別に、いい」
どこぞの公安の人とは違った難しさのある言葉使い。
噛み砕くのには時間はかかるが、おおよそは伝わっている……はずだ。
頷いて同意を示す。
「明るく?」
おもむろにスマホを取り出して、自分の顔に近づける。
画面の明かりに照らされた目は少しばかり細くなっただろう。
■ラヴェータ > 227の言葉にそれで良い、と言いたげに頷いて。
「ほう...貴様はどうにも目も猫らしいな...瞳孔が細くなった」
スマホ。監視対象であるが為に所持を許可されていないそれを取り出した227とそのスマホに羨望の眼差しを若干向けた後、明るく照らされた227の瞳を再び注視して...
「ここまで来ると何故尾が生えていないのか不思議になるな...」
切り落とされたのかもしれん、と言いかけて躊躇う。
そう不安がらせても悪い。
やはり異能か呪いか、何かしらの影響であろうか、と俯いて悩む狐。
■227番 > 「目は、言われたこと、ある」
スマホの画面を消す。
保護されている身分なので、持たされているのであった。使いこなせてるとは言えない。
なお、大体の人が持っているという認識なので、相手が持っていないとは思っていない。
「しっぽ……?」
ついてる人は……目の前の人は置いといて、他に見たこと有ったかな……。
"普通の人"にはついてない、ということは知っているが。
■ラヴェータ > 「そうだ尻尾だ。私にも生えているだろう?
貴様も猫のような特徴を持っているのだからな
尻尾もあってもおかしくはないと思ったのだ」
猫の尻尾ではないが、白くフワフワな尻尾を227の胸の前あたりで左右に振って。
おかしくはない、と思いこそしたが、何故ないのかなど問うつもりはないようで。
「ところでだ227。貴様は何処から来た?
スラムか、落第街か、私のように異世界か。
それとも地球の何処かか?」
227についてわからないことが多すぎる。
教えてくれないか?といった好奇心をそのまま227に投げかけて。
■227番 > 「わたしは、ない」
自分の知る限りは。
短いのが服の下にある可能性を否定するために一応伝える。
「えっと……気付いたら、あっち……らくだいがい、居た。
それより、前、何も、知らない」
自分にもよくわからない。数年前に気が付いたら路地裏にいて、
それ以前の記憶は一切無かったのだ。
■ラヴェータ > 「ふむ、そうか。まあそう言うこともあるだろう」
もしかすると、短いものがあったり、うまく隠していると言った可能性も自分の中ではあったのだが。
ないと言うのだから無いのだろう。
そう言うことで納得した。詮索しても何も出ないだろうし、先ほどから踏み込みすぎな気はしている。
「記憶がないのか...?
記憶がないうちに落第街にいた...」
それは、随分と苦労した人生を送っているのだな...
同情はしないし、してもきっと227は困るだけだろうと思い、言葉を区切る。
「ではそうだな...これからはどこへ行くのだ?」
場所ではなく、227の行く末を...
■227番 > 興味が尽きないのであれば、機会を見てそういう検査を受けさせても良いだろう。
227はその発想こそ出来ないだけで、そういう方向の自分を知ることにも興味がある。
「うん。あの時、覚えてたのが、227って数字、だけ」
だからまだ手放せない。
「どこに……?それは、昔のこと、知ってから、決める」
よく分からずに、場所のニュアンスで受け取って答えるが。
そうでなくとも、同じ解答になっているだろう。
■ラヴェータ > 言ってから気付いたが、227は場所について問われたと勘違いしていそうだが...
「そうか。
そうだな...私に何か手伝えることがあれば手伝おう。
とは言え、私にできるのはこう話を聞くことぐらいな気もするがな」
まあ、それっぽい答えが帰って来たのでそう言うことにいておこう。
これまでを知ってから先に進みたい、と。
そう言う227に協力したいと思いつつも、この狐にできることはそうないだろう、と
それでも、何かあれば頼って欲しいものだ。
にしても、随分といろいろ聞いてしまった。
過去を知ろうとしている227にとっては自己を確認する機会にもなったかもしれない、なんて思いつつその膝から降りる。
■227番 > 「まずは……名前、みつける」
少女の最初の目標である。
過程で他のことを思い出すかも知れないが、とりあえず、名前が目標だ。
「……わかった。ラヴェータも、頼る」
手伝ってくれると言われれば、素直に好意として受け取る。
相手が何をできるかは正直よくわからないが、協力してくれると言うのは、
応援してくれているのと同じであると、何となく分かる。
他の人も、そうだったから。
膝から降りた動物の姿を目で追う。
■ラヴェータ > 「ああ頼れ。そうしてくれ」
狐のままだと感情表現が難しい。
口の端を歪めて笑って見せて。
頼られることを素直に喜んでいるのだが、227に伝わるだろうか...
「ではそろそろ私はお暇するとしようか...」
さて、どこから去ろう。
こちらを見られている以上、パッと影に消えるのも難しく...
しばらく辺りを見渡し、適当に死角になりそうな影を見つければそちらへととてとてと歩いて行って...
「次の時は何かの答えを聞けることを楽しみにしておこうか
また会おう、227」
死角の物陰へと、姿を消した。
後を追ったとしても、行き止まりのそこに何もないことがわかるだけだろう。
■227番 > 動物の表情は流石に上手く読み取れない。
なんとなくだが、悪く思われてない、程度は分かった。
「うん。また」
目線だけで追いかける。
立ち上がって追いかけるようなことはしない。
前と同じ様に、突然消えるのだろうから。
ご案内:「大時計塔」からラヴェータさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から227番さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」にセレネさんが現れました。
■セレネ > 陽も沈み暫く経った時刻。
月は満月、己にとっては良い月だ。
こっそりと入り込んだは良かったが流石にこの階段を全て登るのは骨が折れた。
日中まで行かずともそれなりにじんわりと汗は掻く。
「――でも、悪くない眺めだこと。」
百貨店とは違い此処は人気もない。
島を一望しては、夜空に浮かぶ月を見上げて、
「気分が良いわ。」
時折風に髪を煽られながら笑みを浮かべて呟いた、異国の言葉。
■セレネ > 月光に照らされた己の影に映る姿に、双翼が見える。
普段は隠しているけれど月光に当たると隠し切れないのは困ったものだ。
今は一人だから良いがもし仮に誰か来た場合は隠さねばなるまい。
難儀な身体よね、と思うも
一番は己の秘匿気質か。
パンプスのヒールを鳴らしながらさりげなく翼が隠れそうな影まで移動して
身体のみ月光浴出来るポジションを探す。
…此処なら平気かな。
無事見つけられればそこで暫くじっとしていよう。
■セレネ > その場に座る…か考えたが、服が汚れるかもしれないから躊躇う。
柱なら良いかとそっと背を預けて。
今は盆の時期と大ホールの方で慰霊祭をやっている影響で
えげつない程の霊が大体一所に集まっているのが視える。
此処からでも視えるのは凄い。
ちょっと引いた。
いやあの量は…ちょっと、ねぇ。
■セレネ > 最近は下手に魔力を消費する事もしてないし、
適度に補充もしているし月光浴などしなくても良いのだけど。
満月なら外に出たくなる。
――どこぞの教師は誘っても梃子でも動かなかったが。
「こんなに月が綺麗なのに勿体無い。」
本当に綺麗で。
それを共有したいのに。
何故分かってくれないのだろう。
蒼を少し悲し気に、寂し気に伏せた。
■セレネ > 来月の満月にまた仕掛けてみるかなと考えると
寄り掛かっていた柱から離れ。
縁へと歩いて行く。
下を見下ろし一呼吸。
置くと身投げをするよう前にゆっくりと倒れて。
重力に従い落ちる身体、内臓が浮く不快な感覚。
隠していた蒼の双翼を広げては勢いを殺す為何度かはためかせ、
いくつかの羽根を舞い散らしながら学生街の方へと飛び去ろう――。
ご案内:「大時計塔」からセレネさんが去りました。