2020/08/18 のログ
■阿須賀 冬織 > 実際、すぐにアイツではないとわかったのだから恐らくそうだ。
「……バッカじゃねえのアイツ。
んなことされたら余計気になってしゃーねーだろうが。」
彼なりの気遣いだったのだろう。でも、それなら……最後に本人と話したかったなあ。
まあきっと、それならうまくいかなかったなんて分かってはいる。
そうやって、笑いながら最後の一筋。悔しさか、嬉しさかは自分でもわからない。
「んじゃまあ……よろしくなアーテル。」
呼び方は……流石にいきなり君呼びは気が引けたので呼び捨てで。
別れもあれば出会いもある。今度は、心残り残さないようにしないとな……。
■アーテル > 「……ま、俺もさ。
ほんとはちゃんと話すべきじゃねーのかと、言ったわけよ。」
自分が"彼"と会ったときには既に、記憶が失われつつあることを知っていたこと。
そんな状態で"彼"が常世島の知り合いに会っても、悲しい別れになるのは必定であったこと。
…それが分かっていたのは、自分と、もう一人だけだった。
故に…
「あんにゃろうったら、とても言えねぇって抜かしやがんの。
まーったく、何遠慮してんだかねえホント。」
それを悟らせないために、狐は少し寂しそうに笑った。
「おう。
んま、会った時代は違えども!同じ輩を友に持つもの同士!
…ここはひとつ、ここでのあんにゃろうの話をたっぷり聞かせてくんな。」
ニンゲンが好きな、善性のヒトデナシ。
そこまで目の前の彼には明かせねど、同じ者を友とすることに変わりなく。
…二人が時を同じくする常世島の大時計台では、きっと誰かの話で盛り上がるのだろう―――
■阿須賀 冬織 > 「まっ、アイツらしいっちゃアイツらしいんだけどな!」
なんて、そんなことは知らずに笑い飛ばす。
「あっはは、いいぞ! そうだな、何からがいいだろう……」
なんて、多少盛られた彼のことを話す声がしばらく続くのだろう。
ご案内:「大時計塔」から阿須賀 冬織さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」からアーテルさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に227番さんが現れました。
■227番 > 「……ここは」
また来てしまったのか。
彼に迷惑を掛け続けるのも、不本意なのだが……。
まぁいい、日が出ればもとに戻るはずだ。
それまで、街でも眺めていよう。
■227番 > 「そういえば……下には行けるのかな?」
螺旋階段へと向かう扉を抜け、一段、また一段と降りてみる。
数段降りたところで、急激に意識が遠のき、慌てて上まで戻った。
突然意識を失って階段を転げ落ちてはたまらない。
やはり、ここに居るしかないようだ。
■227番 > 自分の意識は眠っているが、体はこうして機能している。
起きていることが負荷になることには間違いない。
(ああ、困ったな……)
体だけでも休めようと、外が見える場所の壁にもたれかかり、
ぼーっとひとりで街並みを眺め始めた。
■227番 > 夜中の静かな時間。
こうも高い場所にいると、物音はほとんどしない。
時計の動く音と、風の音ぐらいだ。
時計の音が、1秒1秒を刻んでいる。
何もしていなくても、時間が進んでいる事がわかる。
……止まった大きな時計、何処かで見た気がする。
何処で見たんだっけな。
■227番 > 街に落としてた視線を、空に向けた。
明かりのない夜中は、星が眩しい。
「こんな形で、実現しちゃうか……」
箱に入れられる前のことは覚えてない。
箱のなかに居た時は窓なんか無かったし、
外に出れても空を眺めるなんて余裕は無かった。
"私"を制御するための暗示をしていた魔術師。
彼は星が好きだったらしい。
禁止されているのに、こっそり私に話しかけてきていた。
何故そんな事をするのか、さっぱり分からなかったけれど、
ただの少女にしか見えない外見に情でも湧いてたんだろうか。
彼に聞かされた、空に浮かぶ光……星の話。
ちゃんと見ることはないと思っていたのに……。
■227番 > "君の──の───は───とも読めるね。"
"そして──────が意味しているのは──。"
「なんて言ってたっけなぁ……」
あんな話をして思い出させるくせに、その後に魔術の暗示をかけて忘れさせる。
意味がわからなかった。何をしたかったのだろう。
考えたところで、この場にあの魔術師はいないし。
もともと居た研究所は特に機能しなくなってるのだから、
そいつが健在かどうかすら怪しい。
■227番 > 昔のことを思い出そうとしていると、頭が痛くなってきた。
なんらかの視線を感じる辺り、暗示はまだ機能しているらしい。
まぁ、指令の遂行のために、術式が再帰的に自分に施すタイプ?だったらしいから、
術者本人がいなくても機能するのだろう。魔術はよくわからないけど。
ああ、頭がズキズキする。
眠れる気はしないが、目を閉じるぐらいはできるか。
星を見るのも、街を見るのもやめて。
ただ、じっと時計の音を聞いていた。
ご案内:「大時計塔」から227番さんが去りました。