2020/08/19 のログ
ご案内:「大時計塔」に鞘師華奈さんが現れました。
鞘師華奈 > 最近は色々忙しい。少し前々で怠惰な日々を送っていたのが嘘のようだ。
購入した初級の精霊魔術の習得、錬金術の講義、裏常世渋谷の探索…充実しているといえばしている。

だが、目指す”目的地”は遠い。距離的には行けない事も無いのだが――おそらく、自分がそこに出向くにはまだ早い。

「公安の仕事や学業も平行して、となると――中々にハードだね…。」

時計塔の屋上で煙草を蒸かしながら独り言を漏らす。ここは眺めが良いし偶に足を運ぶのだが、一部では不吉な場所とも言われているとか。
真相は定かではないが、どのみち自分には関係のない事であろう。……あ。

「――しまった、そういえば冷蔵庫の中身がもう殆ど空だったんだっけ」

夕方に買出しに行くべきだったなぁ、と今更に後悔。外食は好きだが基本は自炊派である。

ご案内:「大時計塔」に日下 葵さんが現れました。
鞘師華奈 > ――おや、この振動パターンは…メールかな?スマホをごそごそ取り出して確認。
どうやらうちの部署のボスからの連絡事項のようだ。目を細めつつ内容を確認。

「なになに?……『異能殺し』と『鉄火の支配者』が交戦?……あーー…。」

場所はスラムの一角らしいが、まぁ酷い現場になっているんだろうなぁ、というのは察しが付く。
どちらも有名人だからなぁ、と煙草を蒸かしながら何とも言えない表情を浮かべて。

「参ったね…スラムに幾つか『忘れ物』を取りに行く予定もあるんだけど…少し様子見したほうがいいかな?」

紫煙を吐息と共に吐き出しながら、メールに簡潔に返信をしてボスに送ってからスマホをポケットに戻す。

日下 葵 > 「まったく、ちょっと油断するとすぐこういう僻地の巡回に回すんですから……」

休暇明け、久しぶりの巡回で時計塔に回されてしまった。
ちょっと息を切らして階段を上りきると、そこには人影があった。

「この場所は本当に立ち入り禁止になっているのか不思議なくらい、
 人気のようですねえ……。
 えーっと、一応ここ立入禁止ですから、降りていただけると助かるんですが」

すぐに降りてくれれば、
報告書には「人がいたため注意をした」程度の内容を書けばいい。
抵抗されると書くことが増えるため面倒なのだ。

しかし、そこにいる彼女の服装はどうにも忍び込む学生の出で立ちとは少し違った。
何というか、非常にしっかりとしていた。
風紀委員の制服とも違うが、仕事をしていそうな服装である>

鞘師華奈 > 「――うん、知ってるよ。まぁ降りる前にせめて一服くらいさせてくれると有り難いかな?」

階段を上がってくる音から、誰かしら来たというのは分かっていたが、特に動じる事も無くそちらに赤い瞳を向けながら、やぁ、とばかりに軽く右手を緩く挙げて挨拶を。
そして、相手の服装を見れば風紀委員――まぁ、そりゃ注意されるか。
実際、立ち入り禁止なんて名目くらいにしかなっていないのが現状だろう。
――まぁ、見つかってしまった上に警告もされると降りるしかない。でも一服はきっちりさせて貰おう。

煙草を蒸かしながらそちらを眺めていたが、相手の視線にん?と、緩く小首を傾げて。

「…私の顔に何か付いてるかい?…あ、このスーツは一応仕事着でもあるんで、野暮ったいのは大目に見てくれないかな?」

まぁ、普段着でもあるのだけど。最近は真っ当な私服もちょっぴり増えたが基本はスーツ姿がこの女のデフォルトの服装というやつだ。

日下 葵 > 「知ってて上ったんですか……
 いや、まぁあんな立入禁止の札なんてあってないようなもんですけど。
 おとなしく降りてくれるなら煙草の1本や2本どうぞどうぞって感じですね」

むしろ私も一服します。
何て言ってこちらもクシャクシャになったソフトケースから一本取り出す始末だ。

「いえ、なにも。
 ただ学生にしては随分ときっちりとした服装をしているなぁと思っただけですよ。
 ああ、通りで。何かの委員会ですか?
 風紀委員の制服ではないようですけど」

煙草をくわえてポケットをあちこち探す。
やっとライターを見つけてカチカチと押し込むが――火がつかない。
どうやらガスが切れているらしい。

「あのぅ……火を貸してほしいんですけど」

みっともないったらこの上なかった>

鞘師華奈 > 「まぁまぁ、堅苦しい事は言いっこなしだよ風紀委員さん。
実際の所、私が小耳に挟んだ限りではかなーり色んな人が普通にここに侵入してるみたいだけど」

そして私もそんな一人です、とばかりに小さく笑って悪びれもせずに堂々としている始末。
そもそも、一服ついでの気分転換で景色を眺めに来ただけなので、彼女の警告に逆らうつもりも無い。
と、どうやらあちらも一服していくようだ。喫煙者が周りにあまり居ないので少し親近感。

「うん?ああ、公安委員会だよ。まだ新人だけどね――おや?」

彼女が煙草を咥え、ライターで火を点けようとする仕草をぼんやり眺めていたが、どうやらガス切れらしい。
どうぞどうぞ、と懐から黒いジッポライターを取り出してそちらに軽く放り投げて渡そうか。

「喫煙してるとよくあるよねぇ、うっかりガス切れになるってパターンがさ」

自分も覚えがあるのでついつい淡く苦笑いを浮かべて。だから別にみっともないとは思わない。

日下 葵 > 「私だってあまり堅いことは言いたくないんですよね。
 ただほら、仕事ですから。
 ええ、本当にいろんな人が出入りしているようで。
 いっそ立入禁止の札を撤去するか、ドローンを置くかしてほしいものですよ」

実際ここに巡回しに来ると大抵誰かいる。
その都度報告書を書くのも面倒なので何回か報告書の作成をさぼっていることは内緒だ。

「なるほど公安委員会ですか。
 なるほどねえ……なるほど?
 いや、なおのことダメですよ。ダメダメ、報告書が面倒になります」

所属を聴いて煙草が落ちそうになった。
放り投げられたジッポーを受け取って、慣れた手つきで火をつければそれを彼女に返す。

「ありがとうございます。
 あるあるですよねえ、そのくせ要らないライターはたまっていくんです」

本当に欲しい時にない。
ライターに限らず道具とはそういうものだったりする>

鞘師華奈 > 「風紀委員会は大変だねぇ…うん、私はそっちに入らなくて良かったかも。
いっそ立ち入り禁止を解除してもいいと私は思うけどね――ここ以上に危険な場所なんてごろごろあるんだからさ」

と、本気とも冗談とも取れる曖昧な言葉を述べつつ。そして、こちらの身分を明かせば――あ、やっぱり駄目だった。

「まぁまぁ、報告書をサボればいいんじゃないかな?適度な息抜きは仕事に必要だと私は思うね。
――ま、私の事を報告書に書くか面倒だから省くかはそちらにお任せするよ?」

と、決定権はそちらにある、とばかりに笑いながらゆったりと紫煙を吐き出す。
返却されたジッポライターを片手でキャッチすればそのまま懐へと戻して。

「どういたしまして。…あーー確かにそれはあるね。喫煙者はみんな覚えがありそうだ」

彼女の言葉に確かにね、とウンウン相槌を打ちながら笑う。喫煙者同士だから通じる共感が心地よい。

「――ああ、そうそう。報告書に書くかどうかは任せるけど、名乗っておくよ。
2年の鞘師華奈――さっきも言った通り、公安の新人さ。お見知りおきをってね。」

日下 葵 > 「大変じゃない風紀委員もいますけどね。
 私は専門が特殊なので普段暇だろうって仕事を回されるうちに
 忙しくなっちゃってるので」

そのぶん給料はもらっているので特別不満はないが、
周ってくる仕事はたいてい面倒なものばかりだ。

「ですよねえ、もっと危険な場所にリソース割いてほしいとは思いますよ。
 ただこういう危険そうに見えない場所がなんだかんだ一番危険だったりしますし」

落第街みたいな見てわかるような危険な場所は、
注意されなくても気をつけるモノなのだから。

「さぼったのがばれるとそれはそれで面倒なんですよねえ。
 ……そうだ、鞘師さんもここに見回りに来たってことにしとけばいいんですよ。
 見回りに来たら、ばったり出くわした。
 そうすればお互いwin-winですよ」

悪知恵ばかり働くようである。

「私は日下葵です”あおい”と書いて”まもる”って読みます。
 こちらこそ以後お見知りおきを」

そう言ってへらりと笑えば、煙草を吸って一息>

鞘師華奈 > 「そうかい?風紀委員会は有名人ばかりだしみんな精力的に活動していると思っていたよ。
まぁ、風紀委員も人間だからサボり魔とかなぁなぁの子も沢山居るんだろうね。
―――しかし、特殊?差し支えなければ聞いてみてもいいかな?」

彼女の専門分野に興味が惹かれたのか、僅かに赤い瞳を丸くしつつもそう問い掛けて。
勿論、あくまで興味本位で尋ねただけなので無理に聞き出すつもりはなく。

「ここは危険――と、いうか”不吉”な場所とは一部では言われてるって聞いたけどね。
――私から見れば、景色の良い一服に最適な場所って認識なんだけどなぁ」

一度、彼女から景色のほうへと視線を向けつつ独り言のように。紫煙が夜風に紛れて消えていく。

「…君はちゃっかりしてるねぇ。私は別に構わないけどさ?
おや、漢字はよく見るけど読み方が特殊なんだね。
まぁ、これも何かの縁という事でよろしく頼むよ葵。私もカナでいいさ。そちらの方が呼ばれ慣れててね」

中々良い性格をしているようだ、と思いつつ楽しげに微笑みながら一服はまだ続く。

日下 葵 > 「あまり危険じゃない区域の巡回とかを割り当てられている風紀委員とかは
 そんなに大変じゃないですよ。
 治安の悪い区域に回されると対応できる風紀委員が限られるので頭数が
 足りなかったりして大変です」

実際、落第街とかを単独で巡回できる風紀委員はそんなに多くないはずだ。
いくらゴロツキが相手でも、まとめて掛かってくるとそれなりに場慣れしていたり、
単独で火力のある風紀委員じゃないと対応しきれない。

「私の専門は人質救出とかですかね。
 人質の代わりに私が人質になったりします」

そう言って異能のことを軽く説明すれば、
人質事件なんてめったに起こりませんから、

平時は巡回業務に充てられててるんですよ。

と加える。

「手の抜きどころをわきまえてるんですよ。
 ちゃんと仕事するときはちゃんとやります。
 ええ、女の子みたいな感じに男の子みたいな読み方を充てられた女の子なので
 よく書類とかで混乱されます」

そんな自虐ネタをかましてみる。

「カナですか。わかりました。
 親しみをこめてそう呼ぶようにしましょう」>

鞘師華奈 > 「まぁ、風紀委員会も一枚岩じゃないし、ピンからキリまで色々と人材が”豊富”みたいだしねぇ。
――とはいえ、落第街とかあっちに対応できる風紀委員、となると数はやっぱり限られる…か」

公安の仕事の一環として、風紀の”有名人”は一通り調べてはある。
いわゆる『異名持ち(ネームド)』の連中だ。鉄火の支配者、時間圧壊、魔弾の射手、暴君に風雲児、絶霧に黒鵺、他にも七刀七刃、死の絶叫、盤上崩しなど枚挙に暇が無い。

「――へぇ、成程ね。身代わりか……まぁ、巡回業務がある意味で一番平和じゃないかな?」

事務方もあれはあれで大変だし、特別攻撃課なんて更にやばいだろうし。
ただ、彼女の名前についてはきょとん、とした顔を一瞬浮かべて。

「うん?私はマモルって名前は素敵だと思うけどね。男女関係無く。
少なくとも。名前にしっかりと”意味がある”のは素晴らしい事じゃないかな」

マモル=守る。漢字は勿論違うのだけど、そんな意味を感じてしまって、ついつい楽しげに。

「ああ、私みたいなスーツ女でよければ気軽にそう呼んでくれ。知人友人が少ないから大歓迎さ」

日下 葵 > 「人材が”豊富”なのは間違いないですね。
 力がなくてもきちんとした倫理観を持ち合わせている人もいますし、
 力を持つ人を適切に配備する才に長けた人もいますし」

当の私は倫理観も組織の運営も特別な能力もないわけなので、
ちょっと引け目を感じていたりはするのだが。

死にづらいという理由で落第街に回された時は非常に複雑な心境だった。
それに反発して戦車を吹き飛ばすほどの爆薬を持ち歩くようになるくらいには。

私も一撃必殺の決め技が欲しいなぁなんて。
そう思った結果が爆薬を抱えての万歳アタックとは……

「私としてはさっさと身代わりになって私ごと吹き飛ばしてもらったほうが
 楽だったりするんですけどねえ?」

聴く人が聞いたら洒落にならないブラックジョークである。

「両親曰く
『植物のあおいの様に方向を見定めて、凛とした佇まいで大切な人に尽くし、
 その人の足元を守れるような人になりなさい』
 とかなんとか」

随分と大層な名前を付けてくれたものである。
苗字が日下なだけあって本当に名前負けしている。
もう少しふざけた名前を付けてくれればよかったのになんて。

「あら、友人知人が少ないとは意外ですね。
 私の方こそよろしくお願いいたしますね。
 もしかしたら仕事で一緒になるかもですし」>