2020/08/27 のログ
ご案内:「大時計塔」にアーテルさんが現れました。
アーテル > 「やー、絶景かな絶景かな。
 やっぱここに来たくなる気持ちがわかるわー、うん。」

今日も今日とて不法侵入。赤髪の男は手すりの外に乗り出さん勢いで眼下に広がる常世島を堪能していた。
如何にもアブナイその見てくれ、警備員が見たら自殺志願者と思われること請け合いだろう。
尤も、生徒じゃないから立ち入り禁止とかしらねーもんだの屁理屈こねるつもりであったが。

「今日も常世島は平穏安寧でありますよーに!ってなー。
 ……んま、ホントにそうなりゃあいいんだけどなー。」

風に吹かれて、赤髪がなびく。
身体が煽られでもすれば肝を冷やしそうだが、どうにもこの男は平気そうだった。

アーテル > 「……………。」

乗り出した恰好のまま、空を見上げる。
山から見るよりは、少し小さく映る輝きがそこら中に点在していた。


「……やっぱ、空を仰ぐにゃここは不適かねえ……。」


目を細め、少し寂しそうな声色で男は呟く。
その危ない姿勢のまま、ぼんやりと空を眺め続けているだろう。

アーテル > 「……んー。」

手すりを持った腕を伸ばすようにして、身体をゆっくりと塔の中へと押し戻す。
星見の時間はもう終わりだ。

「…やっぱここは、街を見るとこっつーわけか。
 空を見るなら、山ん中の方が映えるわな。うん。」

くぁ…と大きく身体を伸ばして、あくび。
どうせ誰も見てないからと遠慮はない。

「よーっし、帰るかー。
 たまにゃ猫の姿であいつんトコ行ってやんねーとヘソ曲げやがるからなー……」

自由気ままに寝て食べて探して触れて、そんな生活をしていたのだが。
件の風紀委員とはなんだかんだ、そういう関係はほのかに続いているらしい。
なんて言ってて思い出したのか…
ツメを切るの止めてくれとか、耳に切れ目入れようとすんなとか、雄だからって誰それ構わず発情するかよとか、
そんな独り言が絶えない帰路となったことだろう。

「………。
 俺、臭くねえよな……?」

自分の身体から、仄かに香る桃のにおい。それに混じって汗臭くないかとか、この際念入りに確かめておく。
愚痴の中に、風呂に入れるのはカンベンしてくれせめて一人で入らせろ、とも言っていたかもしれない―――

ご案内:「大時計塔」からアーテルさんが去りました。