2020/09/17 のログ
ご案内:「大時計塔」に鞘師華奈さんが現れました。
鞘師華奈 > 本日も学業も公安(おしごと)も無事に終了。その足でふらり、と立ち寄ったのは時計塔。

何度も立ち寄っているが、ここで気分転換に一服するのが中々良いのだ。
個人的には、ここと常世公園辺りが一服スポットである。ゆっくりと夜景を見渡しながら懐をごそごそ。

「――…あ、しまった。残り数本しかない。」

部屋にはこっそり煙草の”へそくり”があるが、アレは今は生産中止した銘柄なので大事に吸いたい。
ともあれ、煙草の箱とジッポライターを取り出せば、箱から片手でトントンと一本浮き上がらせてそのまま口に咥える。
後は、ライターで火を点ければリラックスしたひと時の始まりである。

「ふぅーー……そろそろ、色々とやる事やっとかないとね」

睡蓮との裏渋探索に、ラピス先生に煙草作って貰ったり体質を見て貰う約束もしている。
他にも、幾つか調べたい事もあるが学業、仕事、プライベートの時間も大事にしたいものだ。

「――ほんと、私は恵まれてるなぁ…。」

紫煙をゆっくりと吐き出しながら夜景を眺めつつ、ぽつりと漏れた言葉。

鞘師華奈 > 「――だからこそ、さっさと”自分の事”にケリを着けないとね…。」
ご案内:「大時計塔」に梦 叶さんが現れました。
鞘師華奈 > 「――なんて、まだまだ目的地は遠いんだけど、さ」

視線を向ける先は歓楽街――落第街――スラム――その外れ。”黄泉の穴”がある方角だ。
かつて一度自分が”死んだ”場所――もう一度あそこを訪れて調べてみれば、

「――なんで私がこうして生きているのかが分かるかもしれない…なんて」

だけど、自分は確かに生きているけど”死人”でもあるという疑念は拭い切れない。
――最高の友達や”すき”な人に誓ったのだ…私は私の『物語』を紡ぐと。

だから、今はまだ色々と情報やあそこに通用する力を蓄える必要がある。
気が付けば、煙草の半分ほど吸い終えていた。おや、と呟いてから吸殻を携帯灰皿へと落して。

梦 叶 >  
「自分の事? 何かやらなきゃいけない事でもあるのかい?」

そう、後ろから声をかけられる。
軽快で人当りのよさそうな青年の声。
声の方向からやってきたのは、らせん階段を上ってやってきた、一人の男性だった。
黒い髪に、緑の目。
感じる雰囲気は、人付き合いが得意そうな、気さくな男性、だろう。

どうもー、と笑顔で手を振り、時計塔へとやってきた男は、そのまま「隣いいかい?」と、訊いてみる。

鞘師華奈 > 「――そうだね…強いて言えば……まぁ、月並みだけど…”自分探し”、かもしれないね」

後ろから掛けられる声。特に驚く素振りは見せず、緩やかに口の端に2本目の煙草を咥えながらそちらへと振り返る。
――何処か軽快で人当たりが良さそうな空気と外見をしている…それが彼への第一印象。

そちらへと、こちらも応えるように右手を緩やかに振ってみせつつ。彼の言葉には「どうぞ、煙が苦手じゃなければ」と、口の端の煙草を示して微笑む。

「…それで、そちらはここに何をしに?夜景でも見に来たのかい?」

ちなみに、一応ここは生徒などは立ち入り禁止になっているが――まぁ、気軽にこうして来れるし割と憩いの場になっている気がしないでもない。

梦 叶 >  
「いやぁ、結構好きでね、ここ。
 こっからだと下から町が一望できるじゃないの。そうするとなんか色々、ちっちぇえなって気持ちになるからさ。
 それ見ながら吸う煙草が好きでね」

「今回もそんな感じの目的」と言いながら、自分も煙草を取り出し一本咥え火をつける。
『TURN UP』という銘柄の煙草。常世島ではあまり見かけない銘柄だ。
落第街や異邦人街の方じゃないと見かけない類の煙草。
どこかで、同じ銘柄の煙草を吸ってる人を見かけた気がするかもしれない。

「自分探しかー…いいねぇ、若くて。
 しかし随分と漠然としてない?具体的に何するん…っと、そんな事聞くにしちゃお互い知らな過ぎるか」

おっと、としながら煙草を吸う。
この銘柄の煙草は匂いが独特で、仄かに紅茶と香辛料の香りがする。
その香りが、隣にも漂うかもしれないだろう。

「俺は梦叶(ゆめ かなえ)、いい名前でしょ?
 君はなんて呼んだらいいんだい?」

鞘師華奈 > 「あーー…そうだね、その気持ちはちょっと分かるかもしれない。まぁ、私は単純に一服するなら眺めのいい場所でって軽い気持ちだけどね?」

彼が煙草を取り出すのを見れば、喫煙仲間かぁ、と少し嬉しくなる。身近で煙草を吸う近しい友人は2,3人くらいしか居ないのだ。
しかし、彼のその煙草の銘柄を見て…「おや?」と目を丸くする。見覚えのある煙草だ。

「――その煙草を吸ってるのは珍しいね。…異邦人街とか落第街くらいでしか見掛けないものかと」

女は異邦人街で生まれ育ち、落第街でも数年間を過ごした。だから、どちらでも彼の吸う煙草の銘柄には直ぐに思い当たったようだ。
何より――仄かに漂う紅茶と香辛料の独特の香り…間違いない。

「まぁ、自分探しは若者の特権…でもないかな。漠然としているからこそ、だよ」

そう、生きているけど実は死人かもしれない自分は。漠然としていて曖昧だ。
”だからこそ”、あの場所へといずれまた赴いてハッキリさせないといけない。

「…確かに、独特だけど良い名前だね。私は鞘師華奈。学園の2年生さ。カナでいいよ…周りからも苗字より名前で呼ばれる事が多いし」

彼の自己紹介に、煙草を蒸かしながらこちらも自己紹介をしておこうか。

梦 叶 >  
「長年の付き合いでね、こういう煙草のがウケがいいワケ。
 ま、煙草にウケもクソもないって最近は言われちゃうけど」

喫煙者に厳しくてやんなっちゃうよ全く、とがくっと肩を落とす。

「へぇ、カナちゃんね。ま、漠然とした問題に立ち向かうのはいいじゃないの。

 さっきの続きだけど、どんな『自分』を探してるんだい?
 ここで会ったのもなんかの縁って事で、世間話に聞くのは許されるかな?なんてね」

そういいながら、にこっと愛嬌のある笑顔で笑って相手の方を見る。
興味がある、といった顔。

鞘師華奈 > 「まぁ、私みたいに同じ喫煙者ならまだしも、煙草の煙とか匂いが駄目な人も多いから仕方ないさ」

だから、女も最低限のマナーとして、人気が多い所では喫煙はなるべく控えるし、非喫煙者の前では煙草は吸わないように最低限は心掛けている。

――まぁ、そもそも未成年なのだけどそこに突っ込んでくるような人でもなさそうだからいいだろう。

「――うーん、それは地味に難しい質問だね…何しろ、その『自分』がどんなものか私自身が分かっていないんだから。
ただ、なるべく早く見つけたいのさ――心配や世話を掛けてしまっている子も居るしね」

淡く苦笑を浮かべながら肩を竦める。分からないのにその自分を追い求める。
滑稽かもしれないが、実際そんなものだ――自分が生きてるか死んでるか、その”理由”をハッキリさせたい。

――だって、そうしないと…私自身が納得できないと思うから。

梦 叶 > 「―――へぇ」

少し興味を惹いたように、呟いてそちらを眺める。
悩んでいる姿。
成程、どうすればいいのか分からないが、ともかく、と。

「まぁ、自分がどんなもの―――ってのは、終わるまで分かんないモノってよく言われるけどね。
 でもいいんじゃない? 自分が分かんないから探る、大いに結構!

 で……その進捗の方は如何に?」