2020/09/20 のログ
芥芽ある > さっくり、ほろりと口の中で崩れ去っていくクッキー……
舌に残るはあまーいお砂糖味と小麦のなんとも言えないお味。
そしてさらにはバターの芳しい匂いと、小麦の香ばしい匂い……
ああ、もうこのまましばらく口に含んでいたい……

「んく」

そうは思ったけれど、紅茶を一口……レモンの爽やかな酸味と紅茶の香りと……
ああ、これもいいなあ…… 浄化される……

「ぁー……」

思わず呆けた声が出てしまう。ああ、もう……もう……

「え、いいんです? 保健室ってそんなハッピーワールドだったんです?
 え、ちょっと入り浸っちゃいますよ?大丈夫なんですか?」

思わず欲望丸出しで聞いてしまう。だって、こんなの反則でしょ?っていうか販促でしょう。
こんな誘惑!勝てるわけが!ありません!!
ラピス先生、あなたが神……?

「あー、でもちょっとこれは貰いすぎですね……今度なにかお返ししないと」

流石に見回りの今、手持ちはなにもない。
お返しできるものでもあればよかったんだけどなあ

ラピス > 袋の中のクッキーは、一人分の数枚。休憩用のおやつだ。
一応自分用だったが、これだけ喜んでくれるなら分けた甲斐があったというもの。
彼女の笑顔を見ているだけで、自分の疲れも癒やされるような気がして。
だから問題なし。仲良しさんが一人増えただけでも十二分なプラスである。

「いやぁ、本当に美味しそうに食べてくれますねぇ。先生も嬉しいです。
 ――って、芥芽先生も先生ですから、私って言ったほうが良いですかねぇ」

普段の口癖だからあまり慣れないのですけれど、と照れ笑い。
保健室の話題に食いつく彼女には、こく、と一つ頷いて。

「まぁ、私が居る時は、ですけどね。こっそりおやつ隠したりしてますので。
 お茶のセットとかも用意してますし、先生のケアも保健室の領分ですからね。
 急患が居ないタイミングであれば、誰にでも保健室は開かれていますよ?」

生徒や教師の悩みを聞くのも、雑談の中から情報を拾うのも、生活委員の大事な努め。
それがひょんな所で役に立つのだから、世間話も案外馬鹿にできないもの。
その呼び水、という方便で保健室を自分の居城に作り変えてるへっぽこ教師がここに居た。

「んゆ、いえいえ、お気になさらず。この位でしたら、生徒の皆にもしてますので。
 それでもどうしても気にしてしまう様であれば、今度一緒にお茶しましょう!」

お友達とお話するの好きなのですよー、とにこにこ。
ちなみに、お茶会もへっぽこ教師のお手製おやつとお茶付きである。

芥芽ある > 「あははー、わかるー、わかりますー。つい、先生って言っちゃいますよねー!
 先生も……っと、えへへ……ほら? お互いわかっていればいいんじゃないですかね」

なにがほら、だろう。いやでも、もうこれ職業病みたいなものだよね。
しょうがないしょうがない。むしろ、先生っていってるラピス先生可愛いからオールオッケーです!
っていうか、美味しそうに食べてる私、めっちゃ見られてる?

うわ、ちょっと恥ずかしい。
こちらも思わず照れ笑い

「あーあーあー……保健室って、ちょっと性質違いますもんねえ……
 冷蔵庫とかも常設ですし……おーう……なんて盲点……」

幸せ空間はこんな身近にあった……ッ!!
なんかこう、保健室って気軽にいっちゃいけないイメージがあったのよね……
これは、その偏見を捨て去って気軽に遊びに行くべき……?

そうそう、先生にだってケアが必要だものね?
ケアよ、ケア。決して遊んだりサボったりしたいから、なんてことは!ありません!
はい!

「え……でも……それってあんまりお返しになっていないような……んー……
 なら、お茶会にお菓子を持っていく、とかで! どうでしょうか!」

気にするな、と言われるならあんまり押しても押し付け合いになりそうな予感。
であれば、落としドコロを狙っていくのが良いよね。

ラピス > 「ふふ、仲間ですねぇ。こう、私の場合は見た目がこれなので。
 先生って言わないと、生徒に間違われてしまうんですよねぇ……」

職業病でもあり、間違われないための策でもあり。
まぁ、この見た目だから、結局先生ごっこに間違われることもあるのだが。
とは言え、明示しておくことで極力誤解は避けようという寸法だ。

「ん、ですです。他の教室と違って、冷蔵庫もミニキッチンも完備です。
 食堂や家庭科室には勝てませんが、常用するには非常に便利ですよー?
 ですから、芥芽先生も気軽にどうぞです。何なら、仲良しさん連れてきても良いですし」

保健室は気軽に行ってはいけない。そのイメージは、急患が居るなら正しいのだろう。
しかし、それが同時に些細な怪我や病気では、保健室の敷居が高く感じる原因にもなりうる。
へっぽこ教師としては、極力気軽に保健室に来て貰って、日頃のケアをしたいのだ。
日頃お茶会を定期的に開くのも、普段から誰かを誘い込むのも、狙いがあってのこと。
ともすると、保健室の敷居も下がるし、飛び込みやすくもなるかな、なんて。
へっぽこなりに色々考えを巡らせての施策なのは、秘密だ。

「それじゃ、お菓子を持ち寄って楽しみましょうか。その方が素敵ですし!」

彼女と自分の妥協点。それは、お菓子を持ち寄ってのお茶会になった。
へっぽこ教師的にはこれで十二分。次の機会に繋がるのだから、子細文句なしである。
そうこうしている内に、咥え煙草は短くなって、そろそろ燃え尽きてしまう頃合い。
右手の指でひょいと挟むと、きゅっと握り込む様にしてタバコを分解してしまいながら。

「――っと、それじゃ私は、そろそろ見回り再開しようかと思います。
 芥芽先生はどうします?ここでのんびりするなら、水筒置いてきますけれど――」

或いは彼女が付き合ってくれるなら、のんびりとした足取りで、見回り散歩に出向くことになる。
何れにせよ、今夜は仲良し先生が増えた記念日。幸運に感謝して、残りの時間を過ごすとしよう――。

芥芽ある > 「まあ……でも、この島って結構色んな人が混ざってるから意外でもないんですけどね……
 そこはもう、人間の偏見っていうか、思い込みっていうか……そういうのなんでしょうね。」

私もさっき、うっかり勘違いしかけていたのはとりあえずナイショで。
そもそも人間っていう種族の枠すら超越している目の前の相手だから、尚更この辺複雑な気がするの。
でもここでソレに触れても仕方ないし、忘れよう忘れよう。

「はーい、じゃあ遠慮なく……!
 え、えっと……はい、仲良しさんも」

仲良しさんも、といわれて一瞬詰まる。
仲良しさん、誰かいたっけ……東山先生? あ、だめ。仲良しって感じでも無い気がする。
それ以前に、多分あの人ダメ。女子会って感じはまったくない。っていうか男子だし。
同じ男子なら断然、羽月先生の方よね!
……イエ、ベツニ女子ッポイナンテ思ッテナイデスヨ?

「あー! えーっと、はい。此処に来たのはついでみたいなものなので……
 むしろのんびりしたくないというか、さっさと戻りたいみたいな……なのでご一緒させてください……」

一人寂しく時計塔に佇む私を想像するだけで虚しいものを感じる
早く、早く此処を立ち去りたい。
というか、ラピス先生のとのんびりお散歩したいッ!

そんなわけで、ご一緒することになるだろう。
ああ……癒やし癒やし……

ご案内:「大時計塔」からラピスさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から芥芽あるさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」にツェツィーリヤさんが現れました。
ツェツィーリヤ > 『うっわ晴れやがった』

時計塔の鐘楼の屋根の上に片膝を立てて眠り込んでいた女の首がかくんと傾ぎ、
うたたねから覚めた女は忌々し気にため息をつく。
こうもり傘からぽつぽつと聞こえていた音はいつしか聞こえなくなり、
見上げた傘の縁からは雲が切れ始め星すら見え始めた夜空。

『ったく、ころころ変わりすぎだっつの
 女心となんとやらッてやつかねぇ』

この島は例にもれず天気が変わりやすい。
雨音を楽しんでいたと思えばすぐこれだ。
別に晴れが好きというわけではないが、比較するなら雨の方が好きだ。
雨に閉じ込められるなんて表現していた小説家が確かアメリカに居たなぁ
……だれだっけ。とその本の題名を思い出そうとして

『だーめだ思い出せね』

まぁいっかわたしゃ本とか読むのは好きじゃねーし。と思考放棄をかましながら
懐を探り目当てのものを取り出すと咥え、一緒に取り出したターボライターで火をつける。
はぁ、と僅かにため息をつき息を吸い込むと

『……っ。まっず』

僅かにせき込み、眉をひそめながら独り言ちる。
もうこれを吸うようになって何年もたつが一向に慣れる気がしない。

ツェツィーリヤ >  
『はぁ、全くアンニュイな気分に浸れもしねぇ』

雨音に耳を傾けている間に眠くなって全力で転寝をかましていたので
別に全くアンニュイな気分になっていないし、なんならやべー腹減ったーとか考えているので
物憂げも糞もないのだけれど。
仕方がない。雨音って眠くなるんだ。

『しっかし、次は何をしようかねぇ』

島に来た目的の大半は終わらせてしまった。
とりあえずしばらく遊んですごせる程度の貯えもある。
この島は能力者や放浪者だけでなく、旨いものも集まる。
半年ほどかけて買い取った家もある程度快適にはなった。
酒と煙薬の貯蓄もかなりある。
普通に過ごせば何ら不自由なく過ごせるだろう。

『いや、暇すぎんだろ』

そう、それではあまりにも暇すぎる。
時計塔のてっぺんまで行って雨音に耳を傾ける位暇なのだ。
最新型のゲーム機でも購入しようかと思ったが、どうも抽選運がなく
未だに本体が購入できない。
一応気晴らしにバイト程度は入れているが、諸事情により短期でしか入れない。
何か新しく技術を仕入れるというのもいいかもしれない。
なにせここは学園都市。

『……いや、今更似合わねーだろ
 んだよ学生って。犯罪だろ』

こうして敷地内にいるが今更この学園で学生をやるつもりはない。
昔から学園等にはあまり縁がなかった。
故郷では学校なんてなかったし、あっちの世界では学生なんて余程のボンボンしか行けない場所だった。
そのせいかもしれないがどうしても学園というものに夢と隔たりを感じてしまうのだ。
そこに自分が紛れ込むと考えると……

『うん、潜入ミッションでもねーとねぇなぁ』

短くなった煙薬の灰をとんとんっと落としつつ半笑いを浮かべる。
シュール過ぎんだろ。

ツェツィーリヤ >  

『料理でも練習してみっかねぇ
 ……いや、めんでぇなぁ』

一応キッチンはあるがつまみくらいしか自分では作らない。
野営の時は簡単なもので済ませていた。複雑な奴なんて作る気がしない。
何故って?店で買ったほうがおいしいし速いからに決まっている。
電子レンジと冷蔵庫は最高の文明の利器だ。mjkm。

『こうして考えてみるとあたし趣味って殆どねぇなぁ
 仕事人間って奴かね。燃え尽き症候群とか笑えねーぞ』

自分で言うのもなんだが割とその気もある。
この家業、実はそういったタイプの奴は意外と多いのだ。
落ち着いた生活を手に入れた後、まるで急に老け込んでしまったかのように無気力になってしまう。
……目的を達成したら恐らく自分がそうなってしまうだろう。
だからこそ、だらだらと目を逸らすような行為を続けているのだという自覚はあるのだから。
懐からスキットルを取り出しぐっと煽る。

『いや、酒うめーんだわ。
 ……これあればよくね?』

口の中に広がる酒気に口角が上がる。
前言撤回。おいしいお酒は生きるのに必要。まじで。
とりあえずそれだけを糧に生きていけると思う多分。

ツェツィーリヤ >  
『わらえねーなぁ。なぁ、ルクレツィア』

真面目な話、傭兵、特に狙撃手なんてまぁ、碌な稼業じゃない。
幾ら碌でもないやつらばかりとは言え、命のやり取りなんてのは無意識にでも随分なストレスになる。
暗い思い出に追われて酒や薬に溺れるなんてのは現役でも少なくはない。
無事引退まで生き延びても暇ともなれば尚更そういったものに手を出し、帰ってこれなくなる。
過去という亡霊に追いつかれても平気な奴なんてのは最初から大分壊れてるやつ位だ。

『ったく、自称天才共め』

教団にはそんな奴らがごろごろいるのが笑えない。
最も、それに関してはこの島も似たようなものだ。
別に倫理だのなんだの言うつもりはないがどうもこの島は簡単に人を殺しすぎる。
風紀委員とかいう連中の無節操な事といったら。
あれならまだ教団の連中のほうが制御されている分マシかもしれない。
子供の喧嘩の延長線にしか見えないが、まぁ曲がりなりにも組織の一つだ。
何かしら制御や制約があると信じたいところだ。
 
『……なんてな。随分丸くなったじゃねーか私も。
 あー、思考の模倣ってのも楽じゃねぇな。
 やっべぇな。真面目に感覚ずれてきてるな。』

ツェツィーリヤ >   
標的の思考トレースは割と基本なのだが。
やはり本格的に鈍っているなぁと二本目の煙薬を取り出しながら思案する。
平和ボケとはこういうことを言うのだろうか。
まぁまだ自覚があるだけ多少はマシか。
ここ数か月、その自覚もない奴があまりにも多すぎた。
この島は実に平和だ。簡単に人が死ぬのにちぐはぐなまでに”平和”で、
そしてそれを享受している。のだ。

『しっかし、そこにしか希望が今のところねぇんだよなぁ』

不死殺し。こちらの世界でそれを探すとなるとこの島を置いて他に以外にないだろう。
まず不死なる存在などというのはそう多いわけでもない。
研究自体は全国至る所でされているが……
天然物や”成功例”はいずれこの島に流れ着く。
そしてその対処が可能な能力者もまた、この島には必要となる。
そいつらが治安維持部隊に組み込まれていることを期待したが……
それらしい奴こそいるが、”大当たり”は今のところ見つかっていない。

『まぁ難航するとは思ってたけども
 ……どうしたもんかねぇ。』

いっそ自分が不死であれば自分を餌におびき出すのも吝かではない。
いや、実際かなりそのシチュエーションは魅力的だが……生憎奴らほど頑丈じゃない。
それは最後の手段にするべきだ。
少なくとも今は別に急いじゃいない。
旨い物食べながら模索したっていいだろと思考放棄しながら再び空を見上げる。

『いや、空気うめー』